こってり一筋【天下一品】のカップ麺ついに発売!! 創業50周年記念「名店の味 京都濃厚鶏白湯」その再現度は‥‥

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2021年9月21日(火)新発売、サンヨー食品のカップ麺「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」の実食レビューです。

創業50周年を記念して “あの味” ついに再現!? ベジポタ系の源流「天下一品」が守り続けてきた唯一無二の味「こってりスープ」をカップラーメンとして商品化!!

再現度は高い? 低い‥‥? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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名店の味「天下一品」京都濃厚鶏白湯

天下一品(てんかいっぴん)とは、京都府京都市左京区一乗寺に総本店を構える中華そば専門店で、株式会社天一食品商事の代表取締役会長であり、創業者の木村勉(きむら つとむ)氏が考案した、唯一無二の「こってりスープ」が代名詞。1971年(昭和46年)に京都で引き始めた1軒の屋台が前身で、現在は国内外に計233店舗(2021年9月21日時点)を展開しています。

テンイチの愛称で親しまれるラーメン業界の重鎮

今回の新商品「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」は、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品株式会社と「天下一品」の共同開発商品で、熱狂的なファンも多い看板メニューの「こってり」をカップラーメンとして商品化。味の再現度において特に重視される “スープの美味しさにとことんこだわった大判サイズのカップ麺” ということで、ネット上でも大きな話題になっていました。

「天下一品」の「こってり」とは、鶏ガラと11種類の野菜を合わせ、じっくりと炊き出したスープを特徴とする濃厚な味覚の中華そばで、前述のように同店の代名詞といっても過言ではない存在。今でこそ全国的に有名なラーメンチェーンとしての地位を確立していますが、1971年(昭和46年)創業当時の売り上げは “初日に11杯” からのスタートで、試行錯誤を重ねること4年間——。

ああでもない‥‥こうでもない‥‥と研究し続けた結果、ついに辿り着いたのが他に類を見ない「こってりスープ」で、それが屋台を引き始めてから4年目の話。どろどろのスープは世間一般のラーメンと一線を画す圧倒的な濃度を誇っているのですが、いざ口にしてみると意外にクドさは控えめで、それは11種類の野菜と鶏ガラの配合に、火加減や煮込み時間など、緻密に計算されたバランスの為せる業。

天下一品の「こってり」は一般的な鶏白湯ではない

それを再現したカップラーメンのパッケージには「京都濃厚鶏白湯(とりぱいたん)」とありますが、鶏ガラやモミジ(鶏の足)などを高火力で炊き出した動物系100%の鶏白濁とは違う、そこに大量の野菜を入れて一緒に煮込んだ “ペジポタ(ベジタブル・ポタージュ)ラーメン” にカテゴライズされるスープが「天下一品」の特徴なので、そこも商品を評価する上で重要なポイント。

現在の「天下一品」では、セントラルキッチンでスープを作り、それを各店舗に配送することで味の統一化を図っているため、往年のファンから厳しい声が聞こえることもありますが、年配の方でも食べやすい「あっさり」や屋台の味「こっさり(こってり+あっさり)」などのバリエーションを展開し、店舗限定メニューにも力を入れながら、それでもなお「こってり」の人気が衰えることはありません。

全国的に有名なラーメンチェーンの味を再現して話題になった商品といえば、天然とんこつラーメン専門店「一蘭」のカップ麺「一蘭 とんこつ」が記憶に新しく、それはサンヨー食品のグループ会社・エースコックが製造を委託されていたのですが、あくまでも開発者は一蘭。しかし、今回は「天下一品」監修のもと、サンヨー食品が開発した商品なので、さぞかしプレッシャーもあったでしょう。

パッケージには50thのアニバーサリーロゴをプリント

ちなみに最初は西日本エリアの小売店(関西以西)及び「天下一品」の公式ショッピングWebサイトにて先行発売となっているので、それ以外の地域では売ってないのですが、すでに公式が “2021年10月25日(月)全国小売店発売” と今後の販売スケジュールを解禁済み。こってり一筋「天下一品」の創業50周年を記念した企画の一環で、意外にも即席カップ麺の監修は史上初の試みです。

開封

まずは3種の小袋を取り出す

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が1袋に、後入れの「液体スープ」と「特製スープ」で合計3袋。特製スープは粉末ですが、この中に “粉末ポテト” や “脱脂大豆粉” などが入っているようで、ベジポタのベジを表現してくれそうな予感。もう一方の液体スープは、ずっしりと量が多く、こちらがベジポタのポタを担っているようなイメージ。

サンヨー食品はノンフライ麺に強い

麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。けっこう黄色味が強いため、タックフーズ(天下一品グループ)が製造している店舗の麺とは異なる雰囲気を醸しているのですが、サンヨー食品のノンフライ麺は基礎クオリティが高く、同社の油揚げ麺のようにスープを壊す危険性が低いのは、今回のような再現カップ麺(ご当店系)において大きなメリット。

しかし、通年販売されている「名店の味」シリーズの「純連(じゅんれん)札幌濃厚みそ」及び「桂花(けいか)黒マー油豚骨」のメーカー希望小売価格は220円(税別)なのですが、今回の「天下一品 京都濃厚鶏白湯」は260円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は278円と高級品。それだけに本格的な味に期待できるものの、それに比例してハードルも上がります。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 本社工場
内容量:134g(めん75g)
商品コード:4901734043614(JAN)
発売日:2021年09月21日(火)
実食日:2021年09月21日(火)
発売地域:西日本先行 / 10月25日(月)全国
取得店舗:イオンリテール
商品購入価格:278円(税込)
希望小売価格:260円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:410ml
調理時間:熱湯4分
小袋構成:3袋(特製スープ・液体スープ・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、大豆食物繊維、粉末卵)、スープ(チキンエキス、調製ラード、しょうゆ、糖類、ポークエキス、食塩、たん白加水分解物、ゼラチン、にんにくペースト、鶏脂、粉末ポテト、油脂加工品、米粉、加工脱脂大豆粉、香辛料、酵母エキス、植物油脂)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ) / 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、酒精、かんすい、カラメル色素、乳化剤、クチナシ色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

かやくは熱湯を注ぐ前に入れる

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、味付豚肉、メンマ、ネギと王道かつシンプルなラインナップ。店舗の「こってり」にもチャーシュー、メンマ、ネギとオーソドックスな具材をトッピングしているので、あながち的外れな構成ではないのですが、カップ麺では見るからにチープなのが玉に瑕。つまり、それだけ麺とスープに力を入れている、ということでしょうか——。

具材はともかくスープの粘度はスゴい

などと考えながら、熱湯を注いで4分後。別添の「特製スープ」とフタの上で温めておいた「液体スープ」を加えるのですが、とろみ成分が強烈だったので、しっかりと念入りに混ぜるのがコツ。また油揚げ麺を使用した商品と比較してヘルシーなノンフライ麺を使っているのですが、全体の総カロリーは492kcalと高く、スープだけで170kcalに到達する商品は多くありません。

ちなみに筆者は近畿エリアのイオンリテールで購入しましたが、コンビニだと近畿・中国・四国・九州・沖縄エリアのセブンイレブンで取り扱いがあるようなので、どこに売ってるのか気になっている方は、販売店の参考にしてください。それでは、引き続き再現度の高さと費用対効果にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(134g)あたり
カロリー:492kcal
たん白質:15.1g
脂  質:17.7g
炭水化物:68.1g
食塩相当量:8.1g
(めん・かやく:3.0g)
   (スープ:5.1g)
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:492kcal(めん・かやく:322kcal)(スープ:170kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

コシの強いノンフライ麺

4.5

すべての店舗が対応しているわけではないようですが、たとえば京都市左京区の「総本店」で「こってり」を注文すると、麺のサイズをレギュラーもしくは細麺の2種類から選べるように用意されていて、今回のノンフライ麺は比較的に細麺寄りのサイズ。しかしながら熱湯4分きっちり待ってもコシは強いので、後述する濃厚なスープの中にあっても埋没することはありません。

再現度はさておきクオリティは低くない

さすがに小麦感はスープに飲まれてしまいますが、油揚げ麺と違って雑味がなく、スープのニュアンスを壊さないのがメリット。また保温力の高い高粘度スープは必然的に温度も低下しにくいのですが、麺のコシには持続力があり、最後まで伸びにくかったのも評価すべきポイントで、きちんとパワーバランスに配慮を感じる取り合わせです。

逆に “猫舌だから早く食べられない” という場合を想定し‥‥というか、単純に筆者が猫舌気味なんですけど、それはさておき麺の表面がスープに馴染んでくる後半も美味しかったので、あえて柔めにするのもアリかもしれません。ちなみに75gという麺の重量は、大盛りサイズの縦型ビッグにおける平均的な量に到達するため、それなりの食べ応えが得られました。

スープ

とろみは人工的だけど記憶に残る高粘度スープ

4.0

先に特製スープの味を確認してみたところ、真っ先に糖類(砂糖系)の甘さが強く、そこに加工脱脂大豆粉が重なって、きなこっぽい風味が印象的。粉末ポテトを使用していますが、たとえばマルちゃんとして知られる東洋水産の粉末野菜ほどジャガイモ感が強いわけではなく、とろみの加減や香味野菜(ガーリック、オニオン)のアクセントも人工的で、動物系の要素も皆無に等しい状態。

けれども液体スープを加えた途端、ぽってりとした乳化感の強い鶏の旨味が広がって、スープの臨場感がイッキに加速。これが「天下一品」の味かといわれたら、正直そこまで再現度は高くないですし、ずいぶんと荒削りなフレームワークではあるものの、スープを飲み込んだ後に残る余韻には本物の「こってり」に通じるところがあったので、まったく再現度が低いわけではありません。

けっこう塩気は強め

思いのほか塩気が鋭く刺してくるような味だったので、後半にかけて蓄積されていく塩分が気になったのですが、でしゃばり過ぎない鶏油の加減とか、米粉のザラついた舌触りで野菜感を表現しているところとか、再現度を高めるための努力が伝わってくる骨組み。

店舗で提供されている「こってり」は、しばしばネット上でも “箸が立つ” との評判が飛び交っているように、麺を啜るだけでスープが減るほどの濃度を備え、それを再現した今回のスープもカップラーメンとしては限界に近い粘度を実現。これ以上にトロミ成分を使うと不自然な要素が目立ちすぎると思うので、かなりギリギリのラインを攻めてます。※なので、くれぐれも念入りに混ぜてください。

具材

麺とスープに集中した結果‥‥

2.0

味付豚肉は情緒のないハムみたいなチャーシューチップで、メンマも青葱も汎用の使い回し。メーカー希望小売価格が260円(税別)と高額なので、それを加味するとイマイチなのですが、基礎クオリティの高いノンフライ麺とスープに注力したコンセプトや「天下一品」監修のロイヤリティ(royalty)を加味すると、やはり真っ先に削られる部分だと思うので、妥協すべきなのかもしれません。

総評

4.0

「天下一品」の店舗で提供されている「こってり」と比較した場合、かなりカップラーメンにデフォルメされている部分が目立つので、本物の味を知っている方の間では “お店の味と違う” との厳しい意見が飛び交いそうですし、お店の味を知らない方にとっては “ふーん、こんなもんなのか” という無難な感想に落ち着くかもしれません。

とはいえ本物の「こってり」とは値段の違いもありますし、スープを飲み込んだ後の余韻に天一らしい雰囲気を感じたので、総評は及第点に星ひとつプラスしました。これまで頑なに断っていたのかどうかは憶測ですけど、あの「天下一品」がカップ麺を監修したこと自体に意味がある、けっこう歴史的な展開だったので、これを機に続編の開発にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】

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