どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
旧年中は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。本年も変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願いいたします。
さて、2021年も数えきれないほどの新作がリリースされた即席カップめん市場。その中には傑作といえる商品もあり、このブログでは「二郎インスパイア篇」「激辛篇」「総集篇(前編)」「総集篇(後編)」の4部に分け、印象に残っているカップ麺をランキング形式で紹介しました。
粒揃いの名作を厳選するのにも苦戦したのですが、それとは逆に “いまいち” といわざるを得ない商品も——。
カップ麺ランキング ワースト篇 2021ver.
このページでは、年間1000食以上のカップ麺を実食した筆者の独断と偏見に基づき、忖度なしで “いまいち” だった商品の「ワーストランキング」を発表します。もちろん後述するカップ麺は、開発の方々が真剣に企画し、商品化したものだと信じてはいますけど、なんでこうなった? という商品があったのも事実。
ポジティブなランキングにつきましては、旧年中に発表済みなので、詳細が気になる方は2021年のカップ麺ランキング「二郎インスパイア篇」「激辛篇」「総集篇(前編)」「総集篇(後編)」をご覧ください。以下、このページでは「ワーストランキング」を5位から順に発表していきます。
第5位「EDGE 鬼アブラ こってり肉だれ風油そば」
ワーストランキング第5位のカップ麺は、2021年6月28日発売の「EDGE 鬼アブラ こってり肉だれ風油そば」(エースコック)で、動物原料不使用なのに圧倒的濃厚感を売りにした商品。パッケージには “さらば、お肉よ。” というメッセージを添えるなど、この企画が持つポテンシャルは高く、実に面白いと感じたのですが、いざ食べてみると圧倒的濃厚感が楽しめない仕上がりに落胆——。
念のためアレルゲンの表示を確認したところ「小麦・ごま・大豆」のみだったので、ほんとうに動物系の原料は使っておらず、エースコックのニュースリリースにも “定番の味もおいしく楽しいエンタメフードに劇的に変化させることで、興奮度MAXの非日常系カップめんを目指しました” と、商品の魅力が紹介されていたのですが、とにもかくにも “油そばなのにアブラがマズい” というのが敗因。
調味たれの原材料は「植物油脂、大豆加工品、しょうゆ、香味油、食塩、香辛料」とシンプルで、しかしながら強烈に塩気が強く、それで誤魔化している感が否めない味付け。さらに、別添の調味油はプラスチック感が邪魔で、ある意味 “非日常系カップめん” ではあったんですけどw たとえば正式な手順を踏んでハラル認証を取得するとか、そういった付加価値があると評価が変わったかもしれません。
第4位「ペヤング 韓国味 なんちゃって蕎麦風」
ワーストランキング第4位のカップ麺は、2021年8月23日発売の「ペヤング 韓国味 なんちゃって蕎麦風」(まるか食品)で、そば粉不使用(ゼロ)の “蕎麦風めん” を搭載した「なんちゃって蕎麦風」シリーズの第2弾。先にリリースされた3月22日発売の「ペヤング なんちゃって蕎麦風」は、関東風の蕎麦つゆライクな味付けで、比較的に印象がよかったものの‥‥
第2弾の「ペヤング 韓国味 なんちゃって蕎麦風」は “ピリリと辛い韓国風のコチュジャンベース” の変わり種で、方向性を大幅にシフト。なんちゃって蕎麦風の特徴は “そば粉不使用(ゼロ)の蕎麦風めん” なので、そばアレルギーの方でも食べられるのは嬉しいポイントになりますが、蕎麦風めんの実態は見た目が黒っぽいだけの油揚げ麺。
第1弾は添付調味料の味付けが蕎麦つゆライクだったので、それっぽさがゼロではなかったのに対し、第2弾の味付けはゴリゴリの韓国風。とうぜん味覚に日本蕎麦らしさは感じられず、麺の味も通常の油揚げ麺と変わらないため、なにがしたいのかよく分かりませんでした。そば粉の香りに近い、なおかつアレルギーフリーの香料を探すなど、そういったところから行動するべきだと思います。
第3位「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」
ワーストランキング第3位のカップ麺は、2021年2月1日発売の「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」(日清食品)で、見た目は白いのにフツーのU.F.O.ソース味!! というのがセールスポイント。集中線を背景にした漫画調のパッケージには “オフホワイト系” や “無駄に白い” などと興味深いワードを仕込み、意外性のある企画にも魅力を感じたのですが、ぜんぜんフツーのU.F.O.ソース味じゃないw
中太サイズのストレート麺は、いつもの「日清焼そばU.F.O.」に使われている油揚げ麺と共通で、しかしながら具材に入っている豚肉は不使用。ふりかけの構成も「黒こしょう、クローブ、赤唐辛子」とオリジナルとは別物で、肝心のソースは独特の薬品臭が強く、喉から鼻の奥にかけて残る “ヘアカラー剤のような臭い” が気になり、最終的には実食に集中できない始末。
その異様な薬品臭を誤魔化すために、黒胡椒やクローブなどを採用したように思えたのですが、ぜんぜん掻き消せていないような状況で、ソースの味も再現度が低く、ほんと無駄に白いなとw オリジナルの「日清焼そばU.F.O.」を同時に調理し、食べ比べてみたところ、再現度を抜きにしても正直 “おいしくない” というのが結論だったので、再販されないことを祈ります。
第2位「ペヤング 獄激辛やきそば」シリーズ
ワーストランキング第2位のカップ麺は、まるか食品の「獄激辛(ごくげきから)シリーズ」で、まさかの2021年だけで「獄激辛カレーやきそば」「超大盛やきそばハーフ&ハーフW獄激辛」「獄激辛担々やきそば」「獄激辛にんにくやきそば」「獄激辛麻婆やきそば」を矢継ぎ早に展開。言わずと知れたペヤング史上最恐の激辛カップ麺で、どのソースもレビューするのが嫌になるほど舌が痛くなる問題児。
その中でも「獄激辛担々やきそば」と「獄激辛にんにくやきそば」だけは旨みも感じられる味付けだったので、比較的にマシだと思えたのですが、それ以外のフレーバーは味よりも痛みばかりが先行する仕上がり。あまりにも辛いため、そろそろネット民も飽きているような雰囲気を感じているのですが、それ以上に “獄激辛のイメージが悪すぎてペヤングの新作が流通しない” というのが最大の問題。
筆者の住んでいる地域では、2022年1月現在も「獄激辛にんにくやきそば」(2021年7月26日発売品)を持て余しているローソンがあり、それが “売れない” から “ペヤングの新作が入ってこない” という負のスパイラルに陥っています。おかげでレビューできなかった変わり種も複数あったので、まるか食品の関係者各位におかれましては、イメージの払拭に力を入れてください。
第1位「ペヤング ペタマックス」シリーズ
そして、2021年のワーストランキング第1位は、まるか食品の「ペタマックス」シリーズで、今を時めくYouTuberに向けた企画商品。その第1弾を飾った2020年11月2日発売の「超超超超超超大盛やきそばペタマックス」はカップ焼きそばだったのに、なぜか2021年は6月7日発売の「超超超超超超大盛ペタマックス醤油ラーメン」と「超超超超超超大盛ペタマックス辛味噌ラーメン」からスタート。
上半期には11月1日に幸楽苑とコラボした「幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん」を発売し、12月20日には年の瀬に向けて “蕎麦風めん” を使った「ペタマックスたぬきそば風」を展開するなど、いずれの商品も汁ありで、ただでさえ麺の量が多いのに、まったく湯伸びの対策も講じておらず、ひとつのカップラーメンとして成立しないまま企画が続きました。
いわゆる大食い系のYouTuberをカモにしたシリーズで、まるか食品は広告宣伝費を負担することなく拡散に成功。生産量さえ間違えなければ、ビジネス的にウィンウィン(win-win)なのだとは思いますけど、同時に日本が抱えている食品ロスの問題を深刻化させかねないのも事実。もちろんエンタメ性も大切ですけど、今年も企画を続けるつもりなら、もうすこし考えたほうがいいと思います。
まとめ
以上、関係者各位にとっては不本意なランキングになったと思いますが、特に「ペタマックス」と「獄激辛シリーズ」については改善の余地あり。筆者も例に漏れずネタにしているので、そういった意味では嬉しい企画ではあるものの、レビューするたびに複雑な気持ちになります。
ペタマックスについては、せめて湯切りタイプのカップ焼きそばに戻し、シェアしやすくなるように工夫を凝らすなど、そういった対策が必要不可欠。獄激辛も辛さを落とせないのであれば、ちゃんと美味しいと思えるソースを開発し、間違っても “ペタマックス×獄激辛” 的な企ては自粛するなど、まずはイメージの回復を優先してください。
2022年も引き続き多くのカップ麺が発売されると思いますが、次のワーストランキングを作成しなくてもいいように、各社から名作のリリースが目立つことを願っています【author・taka :a(大石敬之)】