カップ麺ランキング【総集篇】マニアが選ぶ2021年の総まとめ 後編 “最強の一杯” に輝いたのは——

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まとめ

依然として収束しないコロナ禍が追い風になり、年々伸長を見せている即席カップめん市場。1971年(昭和46年)9月18日に世界初のカップ麺「カップヌードル」が現れ、当初は閑古鳥が鳴くほどに売れなかったものの、1972年(昭和47年)2月19日に起きた「あさま山荘事件」が転機となり、その中継で「カップヌードル」を食べる機動隊の姿が繰り返し放送された結果、爆発的なヒットを記録。

従来の食品とは一線を画す、お湯を注ぐだけで食べられる簡便性の高さが支持されて、1998年(平成10年)には袋麺の生産量を上回るなど、即席めん市場を大きく塗り替えたカップ麺。近年はバリエーションも増え、安くて旨いはもちろん、高級感のあるカップ麺も求められるようになり、以前に抱かれていた “カップ麺=底辺の食べ物” というマイナスイメージも薄くなってきたように感じています。

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カップ麺ランキング 総集篇 2021ver. 後編

このページでは、年間1000食以上のカップ麺を実食した筆者(@honjitsunoippai)の独断と偏見に基づき、2021年(令和3年)1月〜12月の期間中、実際にブログで紹介してきた新商品を厳選。多角的に分析・評価した商品の中から、印象に残ったカップ麺をランキング形式で紹介します。

すでに「二郎インスパイア篇」と「激辛篇」に、第10位〜第6位を選出した「総集篇(前編)」は公開済み。以下の総まとめ「総集篇(後編)」では、いよいよ第5位〜第1位の発表です。選出ルールにつきましては「総集編(前編)」に記載しているので、そちらをご覧ください。それでは、ランキングの内容に賛否両論あるかと思いますけど、楽しんでいただけましたら幸いです。

第5位「屋台仕込み風の豚骨ラーメン」

赤字覚悟のコストパフォーマンスを実現

カップ麺ランキング【総集篇】第5位のカップ麺は、2021年8月9日発売のイトーヨーカドー限定商品「屋台仕込み風の豚骨ラーメン」(サンポー食品)で、販売価格は98円(税込105円)という格安帯でありながら、なんのこれしき味についての妥協が見当たらない、とにもかくにもコストパフォーマンスがヤバかった商品。

税込105円のカップ麺とは思えない調理後のビジュアル

麺は熱湯90秒の油揚げ麺で、お店の生麺やノンフライ麺とは真逆のスナック的なタイプではあるものの、コリッとした歯応えとラードの風味がサンポー食品のアイデンティティを表現。それに合わせるスープは九州のメーカーが厳選したポークエキスを使い、ホエイパウダーや乳等を主要原料とする食品でコクを底上げしていましたが、別添の調味油も含め、税込105円の商品とは思えないほど上等な味。

一般的に税込105円で販売されるようなカップラーメンといえば、気持ち程度の具材しか入っていないのが常識となっているところ、豚肉を主原料とする(大豆たん白加工品ではない)丸い焼豚に、九州のトッピングをイメージした煎り胡麻と擂り胡麻、さらに生タイプの紅生姜も別添するなど、まさに赤字覚悟の仕上がり。関係者曰く、やはり開発には苦労したそうですけど、よく実現させてくれました。

関連ページ:サンポー食品の本気「屋台仕込み風の豚骨ラーメン」が激ウマだった件【コスパ最強】イトーヨーカドー限定発売

第4位「とら食堂 ワンタン麺」

2021年のワンタン麺は過去最高傑作

カップ麺ランキング【総集篇】第4位のカップ麺は、2021年1月12日発売のファミリーマート限定商品「とら食堂 ワンタン麺」(明星食品)で、2018年10月23日発売の「初代」及び2019年12月17日発売の「二代目」に続く「三代目」のワンタン麺。今年は11月23日に「四代目」が出たので、年内は販売中のファミリーマートも多いと思います。

ワンタン増量1.5倍で歴代最強の一杯に

とら食堂とは、福島県白河市に本店を構える手打ち中華そば専門店で、白河ラーメンの元祖とされる名門中の名門。以前はサッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品が「とら食堂」監修のカップ麺を販売していましたが、2018年10月発売品より明星食品とのコラボがスタート。そこから製品のクオリティが跳ね上がり、このブログでは明星食品とのコラボ第1弾から高く評価していました。

まずノンフライ麺が素晴らしいことはいうまでもなく、スープもコンビニで税込289円のカップ麺とは思えない品質で、具材にも油で揚げずに作ったノンフライワンタンを搭載するなど、まさに非の打ち所が見当たらない完成度の高さ。ちなみに11月23日発売の四代目「とら食堂 ワンタン麺」は “三代目から変わっていない” ので、ぜひ試してみてください。

関連ページ:白河ラーメンの真髄【とら食堂】監修カップ麺 “歴代最高傑作” ワンタン増量1.5倍で非の打ち所なし!!

第3位「一蘭 とんこつ」

ついに「一蘭」公式のカップラーメンが降臨

カップ麺ランキング【総集篇】第3位のカップ麺は、2021年2月15日発売の「一蘭 とんこつ」で、製造は大阪府吹田市に本社を置くエースコックに委託。しかし、開発・販売・プロモーションなどは「一蘭」自ら手掛けた異色の商品で、ラーメン本来の純粋な味わいを楽しんでもらうために “あえて具材は入れておりません” など、即席カップめん業界の常識を覆した一杯。

ほんとうに薬味すら入っていなかった

ついに「一蘭」からカップ麺が出た‥‥と、それだけでも十二分の話題性を備えていたのですが、公式の販売価格は税込490円と高額で、しかしながら発売当初は売り切れ続出。その値段を含め、ネット上では賛否両論あったものの、発売2ヶ月で総出荷数は100万食を突破。2021年12月現在、すでに500万食を突破するなど、たしかな実力の持ち主。

このブログでも初回出荷分は高く評価しているのですが、先日あらためて食べてみたところ、麺の食感やスープの風味が異なるというか、そんなに感動しないというか——。どうも初回出荷分から微妙に仕様が変わったように感じたので、ランキングに入れようかどうしようか迷ったのですが、最初に食べたときの感動を信じ、2021年の総まとめ第3位には「一蘭 とんこつ」を選定しました。

関連ページ:めん・スープ・秘伝のたれに全集中「一蘭」初のカップ麺 “こだわりすぎた” 一杯が革命を起こしてきた件

第2位「明星 麺とスープだけ 黄金鶏油黄金鶏油中華そば」

創立70周年の明星食品が挑戦する新たな企画

カップ麺ランキング【総集篇】第2位のカップ麺は、2021年3月29日発売の「麺とスープだけ 黄金鶏油黄金鶏油(おうごんチーユ)中華そば」(明星食品)で、昨年に創立70周年を迎えた明星食品の新企画。カップ麺のステータスといっても過言ではない具材を “あえて入れずに” 商品化した「究極のかけラーメン」で、商品名にもなっているように「麺とスープだけ」を徹底的に追求した一杯。

お湯を注いだ瞬間から出汁の香りが充満

薬味として後入れの白髪葱と黒胡椒を別添していましたが、なるほど具材らしい固形の具材は入っておらず、なんといっても熱湯を注ぐ前に仕込む「だしパック」が最大のポイント。まさかのユーザーに出汁(だし)を取らせる斬新な商品で、だしパックには “4種の素材” として枕崎産かつお節粉末、利尻産利尻昆布粉末、さば節、焼あご(トビウオの焼干し)を厳選して使用。

麺は高品質なノンフライ麺で、それに合わせる液体スープには徳島県産阿波尾鶏(あわおどり)を使い、雑味を抑えながらも濃密な旨みを実現。先に具材なしのカップラーメンで話題になったのは「一蘭 とんこつ」ですが、だしパックから受けた衝撃は凄まじく、メーカー希望小売価格も230円(税別)と手に取りやすい値段だったので、明星食品の「麺とスープだけ」を総まとめ第2位に選定しました。

関連ページ:明星のカップ麺にイノベーション「麺とスープだけ」で勝負する “だしパック入り” 究極のかけラーメン爆誕!!

第1位「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」

2021年も堂々の第1位を獲得

カップ麺ランキング【総集篇】第1位に輝いたカップ麺は、2021年1月28日発売の「麺処井の庄(いのしょう)監修 辛辛魚(からからうお)らーめん」で、2019年〜2021年のカップ麺ランキング【激辛篇】で3年連続1位を獲得した激辛カップめん界の絶対王者。また昨年の【総集篇】でも1位に選出しているため、2年連続での首位獲得です。

多くの中毒者を量産した一杯

2009年1月26日の発売以来、豚骨×魚介×激辛を極めた唯一無二の存在として、現在は “冬の風物詩” となっているロングセラー。2021年1月発売品で13代目になり、豚骨・魚介・激辛のバランスを見直した結果、昨年の「辛辛魚らーめん」と比較して辛味は弱くなったものの、お店の辛さに近付き、豚骨感もアップしました。

かやくは今年も少量のネギのみとなっていましたが、全粒粉入りのノンフライ麺とスープの満足度が高かったので‥‥と、思えば前述の「一蘭 とんこつ」や「麺とスープだけ」よりも先駆けて “具材なしのカップラーメン” というジャンルを築いたのは、寿がきや食品の「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」なのかもしれません。

関連ページ:豚骨×魚介×激辛の最高峰【麺処井の庄】監修「辛辛魚らーめん」究極の “激辛カップ麺” 2021年も中毒性注意!!

まとめ

というわけで、前編の第10位〜第6位に続き、おいおい○○が入ってないぞ! という異論は全力で認めます。実際に筆者も商品を選ぶのに苦戦し、なんとか選び抜いてはみたものの、ほかにランクインさせたいカップ麺も多く、予定していたTOP10から何度も順位が変動しました。

また紹介枠の関係で取りこぼしてしまった商品も多く、本来であればランキングの上位に位置するカップ麺もあったと思うので、ある意味 “未完成” のランキングではあるものの、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。来年も引き続きカップ麺を食べてレビューしていきますので、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

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