東京油組総本店のカップ麺、2023年は “大満足の麺200g” を訴求。その表示に隠された「落とし穴」とは‥‥

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日清食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年6月27日(火)新発売、日清食品のカップ麺「東京油組総本店 油そば(六代目)」の実食レビューです。

ファミリーマート限定「東京油組総本店」監修によるカップ油そば第6弾は “大満足の麺200g” にリニューアル!! しかし、それを鵜呑みにしてはいけない理由が——。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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東京油組総本店 油そば 2023

東京油組総本店(とうきょうあぶらぐみそうほんてん)とは、2008年(平成20年)1月10日、東京都港区赤坂に1号店「赤坂見附組」をオープンするや否や「油そば」の赤いネオン管を目印に、年々勢力を拡大している油そば専門店で、2022年(令和5年)7月現在の国内店舗数は都内を中心に54店舗(前年同期比+6店舗)、さらには海外にも3店舗を展開している人気店。

「東京油組総本店」を象徴する赤いネオン

運営母体の株式会社サッポロ実業(本社:東京都豊島区東池袋 / 代表取締役:早川和義)は、1945年(昭和20年)創業・1963年(昭和38年)3月26日に法人設立した製麺所「株式会社サッポロ製麺」をグループ企業に有しているため、こだわりの自家製麺には絶対の自信があり、その魅力を最大限に活かすべく、職人気質の奇を衒わないスタイルで現在の地位を築き上げました。

今回の新商品「東京油組総本店 油そば」は、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、PB(プライベートブランド)の汁なしカップ麺で、製造者は即席めん業界最大手の日清食品。2018年(平成30年)7月24日にリリースされた初代「東京油組総本店 油そば」以降、毎年恒例の企画となっているため、このページでレビューする2023年6月発売品は “コラボ第6弾” に該当します。

カップ麺のモデルにもなった「東京油組総本店」の実店舗で提供されている「油そば」は、前述のサッポロ製麺と共同開発した自家製麺に、秘伝のタレとアブラを絡めて食べる、油そばの王道を地で行くような一杯で、基本のトッピングも短冊切りのチャーシュー・メンマ・ねぎ・刻み海苔とシンプルなラインナップ。しかし、硬派な印象だけが魅力ではありません。

画像は「東京油組総本店」で基本となる「油そば」

店舗で一番人気の組み合わせ「スペシャルトッピングA(ねぎゴマ+半熟たまご)」や「スペシャルトッピングB(チャーシュー2枚+ねぎゴマ+半熟たまご)」の他に、単品で追加できるメンマ・白ねぎ・焼のり・キユーピーマヨネーズ・パルメザンチーズ・油組スペシャル(食べるラー油)などの有料トッピングを取り揃え、土台がシンプルだからこそ自分好みのカスタマイズが楽しめるシステムも人気の秘訣。

近年はBTS(防弾少年団)の “テテ” ことVさんが「東京油組総本店」のユニフォームを着て話題になったり、それ以前にも同グループのメンバーが東京都渋谷区の「広尾組」で油そばを食べていたとTwitterで話題になっていたり、TREASURE(トレジャー)のソ・ジョンファンさんも同店の油そば好きを公言しているなど、韓流ファンの間ではK-POPアイドル御用達の店としても認知されているようです。

その味わいを再現した、ファミリーマート限定のカップ麺「東京油組総本店 油そば」も多くの根強いファンを獲得している人気商品で、約5年前の初代から一貫してノンフライ麺を使用。2019年5月発売品(二代目)でタレの構成が見直され、麺も従来品比10%増量(80g → 90g)を実現。2020年5月発売品(三代目)は特に目立った変化を感じなかったのですが‥‥

大満足の麺200g(湯戻し後)← ここ、テストに出ます。

2021年5月発売品(四代目)は「たまごタレ」と「きざみのり&ごま」の別添でスペシャルトッピングAを再現し、2022年5月発売品(五代目)で再び麺の10%増量(90g → 100g)を実行するなど、着実な進化を続けてきました。かくして六代目のパッケージには “大満足の麺200g” と記載されているように、それがリニューアルポイントかと思いきや、しれっと横にある小さな補足が気になるところ——。

開封

別添の小袋は「五代目」から変わってない

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「特製液体だれ」「きざみのり&ごま」「たまごタレ」占めて計4種。前回発売品をレビューする際に使っていた当時の撮影ブースと現在では環境が違うため、なかでも「特製液体だれ」の小袋は色味が違って見えますが、小袋の構成とデザインは変わっていません。そして、注目すべきは “大満足の麺200g” に隠された落とし穴——。

調理前の麺重量は「100g」

油で揚げずに乾燥させた、黄色みの強いノンフライ麺を搭載している、というのは2022年5月発売品(五代目)に共通する特徴で、原材料名の構成も完全に一致。そしてパッケージには “大満足の麺200g(湯戻し後)” と記載されているように、調理前の内容量は155g(めん100g)となっているため、麺重量だけで見るとレギュラーサイズの「日清焼そばU.F.O.」と変わりません。

さらにファミリーマート通常価格を比較すると、昨年は268円(税込289円)だったのに、今年は276円(税込298円)ということで、税込9円の値上げを決行しています。——ええ、これは逆に素晴らしいポイント。つまり、2022年6月1日及び2023年6月1日に実施された2度の価格改定(即席めん業界全体規模の値上げ)を通過してなお “たった税込9円しか上がっていない” ので、めちゃくちゃ好印象です。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:東京油組総本店 油そば
製造者:日清食品株式会社
製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1)
内容量:155g(めん100g)
商品コード:4902105281369(JAN)
発売日:2023年06月27日(火)
実食日:2023年07月02日(日)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ファミリーマート)
小売価格:276円(税別)
購入価格:298円(税込)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:440ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:4袋(特製液体だれ・かやく・たまごタレ・きざみのり&ごま)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、植物性たん白、大豆食物繊維、チキンエキス、卵粉)、たれ(豚脂、しょうゆ、卵黄ソース、醸造酢、糖類、香味油、香辛料、小麦粉、ポーク調味料、粉末しょうゆ、でん粉、食塩)、かやく(味付豚肉、ねぎ、味付メンマ)、ふりかけ(ごま、のり)/ 加工でん粉、乳化剤、かんすい、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、ソルビトール、香料、酒精、焼成Ca、グリセリン、カロチノイド色素、増粘剤(キサンタンガム)、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、酸味料、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

かやくのラインナップも変更なし

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容はチップ状の味付豚肉、熱風乾燥のネギ、あとは小さなメンマがチラホラと。昨年のレビューで使用した個体と比較して、豚肉とメンマの数は減っているのですが、それについては個体差かもしれません。

たまごタレが麺の隙間に沈むけど雰囲気ある

かやく以外の小袋は後入れなので、かやくを麺の上に空けてから熱湯を注ぎ、フタの上で「特製液体だれ」を温めながら待つこと5分。時間になったら湯切り口を作り、湯を捨てて「特製液体だれ」を絡めるのですが、トッピングの「きざみのり&ごま」は「たまごタレ」を入れた後にトッピングして-・といった旨の注意事項が小袋に記載されているため、調理の際は留意してください。

というわけで、今のところ昨年から大きな変化を感じていないのですが、もしかするともしかしての違いに注意しつつ「めん」「特製液体だれ・たまごタレ」「かやく・きざみのり&ごま」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(155g)あたり
カロリー:633kcal
たん白質:9.6g
脂  質:30.5g
炭水化物:80.0g
(糖  質:76.3g)
(食物繊維:3.7g)
食塩相当量:5.7g
ビタミンB1:0.27mg
ビタミンB2:0.33mg
カルシウム:213mg
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

前回発売品から変わってない

6.0

東京油組総本店こだわりの自家製麺を基準にした再現度云々については扨措き、大豆食物繊維と植物性たん白でコシを強め、ビーフやポークではなくチキンエキスでタレとの一体感を高めている、このフレームワークは日清食品のノンフライ麺に共通する常套手段。

コシは強いけど致命的な戻りムラなし

そこまで幅が広いわけでも分厚いわけでもないけれど、中心部までギュッと圧縮したような密度の高い食感で、その強靭なコシについても然る事乍ら、後述する多めのアブラにも負けない小麦の風味も見どころ。体感的に前回発売品と同じノンフライ麺だったので、目覚ましい進化には期待できないと同時に許せないような退化もなく、結果的な印象としては悪くありません。

前述のように “大満足の麺200g” は湯戻し後の値なので、けっきょくのところ調理前の麺重量も昨年から変わっていないのですが、このカラクリはセブン-イレブン限定の “めんどくさい” カップ麺「最高に面倒で、最高にうまいラーメン。家系豚骨醤油」と同じ手法なので(それとは浸透圧の問題か倍率は違いますけど)また別の商品でも似たような落とし穴が設置されるかもしれません。

特製液体だれ・たまごタレ

前回発売品から変わってない‥‥w

6.5

油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺を使用しているのに、栄養成分表示の数値を見ると全体の脂質は30.5gと凄まじい数値を叩き出しているのですがw それもそのはず、このアブラ。しかし、たっぷりとアブラが充填されているわりに胃もたれしづらいのは、まず油揚げ麺ではないこと、そして奇を衒った味付けではないから。

2年前まで気になっていた人工甘味料(スクラロース、アセスルファムK)の野暮ったい甘さは、昨年のリニューアルを機に省かれ、今年も復活することなく好印象。たっぷりのアブラに対し、醤油や食塩のキレが強く主張してくることはないため、まったりと濃厚な味わいにピンボケを覚える嫌いが無きにしも非ずではあるものの、そんな攻撃性の無さが「東京油組総本店」監修らしいと思える個性の一つ。

「たまごタレ」の効果も健在

ただ、包容力のあるタレに大きな変化を付けてくれるのが「たまごタレ」で、味覚をスイッチしてくれるのではなく、むしろマイルドさに拍車を掛けるアイテムではあるものの、だし醤油っぽい味付けが功を奏し、全体が丸みを帯びながらも深みのある味わいにグレードアップ。麺の量に対して少なめである、というのが玉に瑕ですが、とても効果的な飛び道具なので、計画的に使ってください。

かやく・きざみのり&ごま

前回発売品から変わってないwww

5.0

味付豚肉は安っぽいハムみたいな食感で、とても高級な肉具材とは評価できないけれど、タレに寄り添う甘辛い味付けは好印象。メンマも量は少なめで、やたら青ネギの量は多いなど、もうすこしバランスを考えてほしい気持ちもありますが、それ以上に効果的なのが「ふりかけ(きざみのり&ごま)」の存在。

へにゃっと海苔が湿気っているのは気にしないでくださいw

小袋の記載通り、刻み海苔・ごまとシンプルな内容で、シーズニング系の成分は含まれていませんが、ごまの芳ばしさと磯の風味が前述の「液体だれ」と「たまごタレ」にシンデレラフィット。それこそ評価の★ひとつ左右しかねない効果を実感させてくれるため、省かれていなくて安心しました。

そろそろ「油組スペシャル(揚げニンニク&唐辛子の自家製食べるラー油)」や「すりニンニク」「つぶし生にんにく」「柚子こしょう」など、すこしエッジの効いたトッピングを別添するのもアリかとは思いますが、それは別枠として “この構成” は維持していただきたいです。

総評

6.0

2022年5月24日発売の五代目と比較して、中身に目立った変化は生じておらず、それだけに新鮮味はなかったものの、おかげでファンの期待を裏切るような改悪を感じることもありませんでした。というわけで、引き続き2023年も自信を持ってオススメしたい一杯 なん・です・けれ・ども。実食を終えてから気が付いたんですよ、栄養成分表示の数値が “まったく変わっていない” ことに——。

ええ、改悪を感じなかったのも当然。パッケージの「麺10%増量 ※従来品比」を「大満足の麺200g(湯戻し後)」に変えているだけなので、なんというか‥‥してやられた感が無きにしも非ずw ただ、結果的にコストパフォーマンスはグイッと高くなったので、昨年の総評を軸に★ひとつプラスしました。麺重量の落とし穴を踏まえても、素晴らしいと思えた再販です【author・taka :a(大石敬之)】

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