ファミマ限定カップ麺「麺屋 六感堂 山椒ブラック」第11回 “最強の次世代ラーメン決定戦” エントリー作品を例外的に商品化!?

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東洋水産

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2020年6月9日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、東洋水産「麺屋 六感堂 山椒ブラック」の実食レビューです。

東京・池袋の人気店「麺屋 六感堂」が監修した “ファミマ限定” カップラーメン初登場!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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六感堂 山椒ブラック

麺屋 六感堂(ろっかんどう – Rock’an Do Noodles)とは、女性客を中心に人気を博している東京・池袋東口のラーメン店で、創業は2014年6月8日。店主の渡邊直樹氏は、レストランや居酒屋・ホテルなど、様々な飲食店で働いていた経歴を持ち、その後は製麺機メーカーの「大和製作所」が主宰する「大和麺学校」を経て現在の「麺屋 六感堂」を立ち上げました。

渡邊店主とチャコ店長

「麺屋 六感堂」のスープは化学調味料不使用で、ラーメン店にしては珍しく動物性食材も不使用の純魚介スープを特徴とし、ほとんど油も使っておらず、お店の外観も内装もカフェのようにスタイリッシュと女性ウケするのも納得のシチュエーション。さらに麺は店内で作る自家製麺、特に通常の麺に加え “ユーグレナ” を練り込んだ「グリーン麺」を提供していることでも有名です。

ユーグレナ(Euglena)とは、植物の栄養素と動物の栄養素を併せ持った微細藻類で、体調は直径0.06〜0.09mmと顕微鏡でしか見ることができないサイズ。5億年以上前に誕生した原生動物としても知られ、日本では和名(ミドリムシ)の印象から虫と勘違いされることも多いようですが、わかめや昆布などと同じ藻(も)の仲間。たとえば小学生の頃、理科の教科書で見た記憶がある方も多いでしょう。

その小さな身体には、ビタミンやミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など、あわせて59種類もの栄養素が確認され、なかには人間の体内では作り出すことができない栄養素も含まれています。そんなユーグレナを生地に練り込み、六感堂の店内にある “六感堂製麺所” で製造されているのが前述の「グリーン麺」で、いまや「六感堂」の代名詞ともいえる存在になりました。

撮影協力:ファミリーマート

話を戻して今回の新商品「麺屋 六感堂 山椒ブラック」は、東洋水産(マルちゃん)と六感堂の共同開発商品で、全国のファミリーマート限定・数量限定商品として展開。2019年9月中旬にスタートした「六感堂」の限定メニュー「山椒ブラック(山椒薫る醤油ラーメン)」を再現したもので、第11回「最強の次世代ラーメン決定戦」にもエントリーしていました。ええ、ある意味ちょっと今回のカップ麺はグレーゾーンなんです。

「最強の次世代ラーメン決定戦」とは、2003年から続くYahoo!特別企画「ラーメン特集」から発足したイベントで、現在は株式会社ラーメンデータバンク協力のもと東洋水産が主催。この企画で優勝した店は東洋水産と契約を結び、優勝賞金とエントリーしたメニューがカップ麺で再現される権利を獲得するのですが、第11回「最強の次世代ラーメン決定戦」に於ける各部門優勝者の中に「六感堂」の名は含まれていません。

2020年6月11現在、なぜかYahoo!特別企画のページにアクセスできないので、当時の「六感堂」が何票集めていたか確認できないのですが、少なくとも “審査員特別賞” や “敗者復活戦” 的な流れはなく、しれっとファミリーマート限定発売のカップ麺として商品化されました。前述のように「最強の次世代ラーメン決定戦」を主宰しているのは東洋水産なので、そこからのパイプがあるのは間違いないでしょう。

第11回 最強の次世代ラーメン決定戦 優勝作

ちなみに第11回「最強の次世代ラーメン決定戦」の優勝店が監修したカップ麺は全商品もれなくレビューしているので、お店の情報や感想・評価などの詳細が気になる方は、以下の関連ページをご覧ください。

次世代こってり部門優勝「麺屋一翔」
次世代あっさい部門優勝「麺処あす花」
汁なし部門優勝「豚骨まぜそばKOZOU+」
ガツ盛り部門優勝「ハイパーファットン」

それでは、引き続き「六感堂」監修カップ麺の中身を掘り下げていきましょう。

開封

別添の小袋は1種類

今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製スープ」が1袋。ファミリーマートの公式ウェブサイトにある商品説明によると、山椒や濃口醤油を使用した味も見た目もパンチのあるスープが特徴で、和風だしをベースに山椒を利かせているのだとか。でも実際の「次世代あっさり山椒ブラック」は見た目以上にスッキリした仕上がりとの口コミもあったので、そのバランスに注目したいところ。

この時点で魚粉強め

具材は味付豚肉、メンマ、小葱とシンプルな構成で、和風だしと山椒の香りが心地よく、ほんのりと甘い印象も——ちなみに2019年3月30日、池袋西口に待望の2号店「中華そば 六感堂」がオープン。池袋東口の「麺屋 六感堂」は動物系不使用の塩ラーメンをメインにしているのに対し、2号店は対極的な醤油ラーメンを軸にしているのですが、前述の「次世代あっさり山椒ブラック」は1号店のエントリーです。

2020年6月現在、縦型ビッグのカップラーメンをコンビニで買った場合、税込232円が標準売価となってるのですが、今回のファミリーマート標準価格は200円(税込216円)と約1年前に施工された価格改定前の相場と同じ値段。ファミリーマートにしか売ってない販路限定商品かつスーパーのように安くなったりはしませんが、現在の相場より税込16円も安い価格です。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:麺屋 六感堂 山椒ブラック
販売者:東洋水産株式会社
製造所:株式会社酒悦 房総工場
    千葉県長生郡長南町美原台1-34
内容量:97g(めん70g)
商品コード:4901990366229(JAN)
発売日:2020年06月09日(火)
実食日:2020年06月11日(木)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ファミリーマート)
商品購入価格:216円(税込)
ファミリーマート標準価格:200円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙+プラ
湯量目安:470ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(特製スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(しょうゆ、食塩、植物油脂、魚介エキス、ラード、香辛料(山椒)、こんぶエキス、乳糖、チキンエキス、香味油脂、発酵調味料、たん白加水分解物)、かやく(味付豚肉。メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、酒精、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、乳化剤、クチナシ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

マルちゃん進化しました

麺は比較的に細身の油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。残念ながら原材料にユーグレナは練り込まれていませんし、見た目もグリーンではないのですが、再現元になっている「次世代あっさり山椒ブラック」の麺もグリーン麺ではなく自家製麺だったようです。近年の東洋水産が販売する縦型ビッグの麺は洗練されているため、もう単純にスープとの相性に期待。

山椒の香りが心地よい

で、実食前から醤油の豊潤な香りと山椒の清涼感が漂い、この段階から深いコクを想起するのですが、毎度おなじみ熱湯を注いだ後は “めちゃくちゃ容器の外側が熱くなります” ほんとうにw コレなんとかなりませんかね‥‥とりあえず別添の特製スープは後入れなので、食べる直前に加えてください。

ちなみに販売者は東洋水産株式会社、製造所は千葉県長生郡長南町にある株式会社酒悦(しゅえつ)の房総工場となっていますが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産の連結子会社に入り、カップめん事業ではマルちゃんの縦型ビッグ製品を任されるようになりました。それでは、醤油と山椒の強さに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(97g)あたり
カロリー:420kcal
たん白質:10.5g
脂  質:18.9g
炭水化物:52.0g
食塩相当量:6.8g
(めん・かやく:2.6g)
   (スープ:4.2g)
ビタミンB1:0.33mg
ビタミンB2:0.35mg
カルシウム:184mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:420kcal(めん・かやく:333kcal)(スープ:87kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

マルちゃんの新世代系

5.0

実店舗の麺は、ラーメン、つけ麺、和えそば、さらに一期一会の週末限定メニューにあわせ、すべての麺を使い分けているらしく、スープやトッピングに合わせて小麦の配合や麺の太さ、加水率を調整しているとのこと。そのためモデルになっている「次世代あっさり山椒ブラック」にも特別な麺を使用していたのだと思いますが、今回のカップ麺には東洋水産の汎用麺が合わせてあります。

まぁこれがレベル高い

しかし、汎用の麺と侮るなかれ。有名店監修商品を筆頭に現在の「謹製(きんせい)」シリーズなどにも使われている油揚げ麺で、以前の東洋水産からは想像もできないような上品さを誇り、油揚げ麺特有のネガティブなニオイも控えめ。しなやかでコシが強く、モチモチとした弾力も楽しめて、あいかわらず洗練された印象を与えてくれる高品質な麺に仕上がっています。ほんと、値段以上。

きちんと熱湯3分で戻りムラが見られないのも好印象なポイントで、弾力の持続力も高いのですが、熱湯3分でフタを剥がし、特製スープを入れて混ぜ終わった後、さらに1分ほど休ませるのがベストかもしれません。逆にフライングして食べ始めると食感が軽くなるだけでなく、悪い意味で油揚げ麺のチープな部分が出てきてしまうため、とりあえず熱湯3分きっちり待つのがオススメです。

スープ

ありそうでなかった組み合わせ

5.0

まず別添の小袋を入れる前に味を確認してみたところ、粉末ながらに醤油の風味は明白で、スッ‥‥と斜めに流れるような和山椒の清涼感が心地よく、意外に魚介の出汁(だし)は力強いテイスト。魚介エキスに鯖(さば)や鮭(さけ)も含まれているようですが、実際の味わいは煮干しを中心としたシャープなもの。さらに膨よかで芳ばしい節の旨味が脇を固めているため、正直このままでも最後までいけそうなくらいの旨味は備えています。

分かりにくいけど特製スープ投入後

しかし、今回の「特製スープ」には濃口しょうゆベースのタレが含まれているため、粉末しょうゆでは出せないコクと酸味を演出。かなり見た目は醤油メインの色合いとなっているのに対し、ぜんぜん実際は暴力的な味ではなく、塩分濃度よりも醤油のコクと酸味で食わせるタイプとなっているのですが、後味に感じる程よいキレと余韻に残る甘みのバランスが見事。

加えて特製スープには豚脂(ラード)が含まれているため、ラーメンとして成立させるために必要な油脂感を適度に打ち出し、なおかつ濃口醤油の酸味と山椒の清涼感でクドさはありません。山椒の風味は明白ですが、特化型ほどのインパクトはなく、どちらかといえば煮干しの旨味が想像以上に強かったのが驚きでした。濃口醤油+魚介+山椒の組み合わせは一般的ではないですけど、苦手でなければ違和感なく入れると思います。

具材

麺とスープを思えば

5.0

それぞれ具材は汎用なので、たとえば前述の「謹製」や「本気盛(まじもり)」など、マルちゃんの縦型ビッグに何度も使われているのですが、メンマは小さいながらに適度な歯触りと風味が箸休めに効果的。ねぎは長浜とんこつ系のラーメンや塩ラーメンに合いそうな、後入れしても問題ないタイプの小葱が入り、あえて主張させていないような印象です。

安定の高品質

味付豚肉は醤油と砂糖をメインに味付けしている定番の豚肉で、肉質はリアル。濃口しょうゆベースのスープとの相性は問題ないどころかジャストにハマッてますし、ちょっと量は少なめですが、ファミリーマート標準価格が現行の同スタイル商品よりも安いこと、さらに麺とスープの完成度を思えばトータルで充分だと思います。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5)

○○ブラックといえば富山県富山市発祥の人気ご当地ラーメン「富山ブラック」が有名ですが、まったくの別物。かなりスープの見た目は攻撃的に見える反面、実際は濃口しょうゆ特有のコクを打ち出しながらクリアなテイストで、煮干しを中心とした魚介の旨味で力強さを表現し、和山椒の清涼感で個性を確立させている複雑な一杯でした。

思いのほか魚介系が強く、そっち系が苦手な方にはオススメできない一杯になりますが、そうでなければファミリーマート標準価格も相場以下なので、気になっている方は販売終了前に試してみてください。今回は「最強の次世代ラーメン決定戦」で敗退したエントリーが別枠の番外編で商品化されたので、もしかすると今後は優勝を逃したメニューがシレッと特定のコンビニ限定で商品化される‥‥かも?

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