日清が本気出してきた件。京都最古のラーメン店「新福菜館 本店」監修 “あの有名店のラーメンライス” を再現!!

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日清食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年6月20日(月)新発売、日清食品のカップ麺「あの有名店のラーメンライス定食 新福菜館本店 京都濃厚醤油ラーメン」の実食レビューです。

お湯かけ5分でラーメンライス定食!? 京都の老舗「新福菜館 本店」が守り続けている漆黒の「中華そば」と「ヤキメシ」をカップラーメンとカップメシにアレンジ!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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あの有名店のラーメンライス定食 新福菜館本店

新福菜館(しんぷくさいかん)とは、関西きってのラーメン激戦区として知られる “京都で最も古い歴史を持つラーメン店” で、1938年(昭和13年)中国は浙江省(せっこうしょう)出身の徐永俤(じょ えいてい)氏が京都駅付近に創業した、小さな1軒の屋台が原点。1945年(昭和20年)には京都駅の東端、下京区東塩小路向畑町569[通称:高橋(たかばし)]に店舗を構え、現在に至ります。

京都で三四半世紀以上愛される名店中の名店

今回の新商品「新福菜館本店 京都濃厚醤油ラーメン」は、京都で絶大な支持を得ている「新福菜館 本店」監修のもと、同店の「中華そば」を再現したカップラーメンで、これ単体でも充分すぎる話題性を備えているのですが、中華そばに負けず劣らずの人気を誇る「ヤキメシ」を再現したカップメシ「醤油ヤキメシ味」も同時に展開し、業界初となる「あの有名店のラーメンライス定食」を実現させました。

「新福菜館 本店」で提供されている「中華そば」は、京都におけるラーメンのルーツとされ、スープは鶏ガラとゲンコツ(豚の脛骨や大腿骨)を軸に、京都市南区東九条にある五光醤油(ごこうしょうゆ)の「さいしこみ醤油」を使ったタレを合わせ “丼の底が見えないほど真っ黒なビジュアル” で強烈なインパクトを放っているのですが、見た目ほど塩っぱい味ではありません。

その秘密はタレにあり、濃口しょうゆ特有のコクは尊重しつつ、煮豚を作った際の煮汁をブレンドし、ほんのすこし焦がすことで特有の塩辛さを取り除いています。その技法によって独特の芳ばしさと若干のホロ苦さ・旨味・酸味が絶妙に混ざり合い、なおかつ戦前からのレシピを守っているため、動物系のスープと醤油を繋ぐ “うま味調味料を感じさせない古典的な物足りなさ” も魅力的なポイント。

コク深い真っ黒なスープが旨いんや!

ここで少し裏話。1947年(昭和22年)の創業以来、現在も「新福菜館 本店」の隣で人気を博す “たかばしラーメン” の源流「本家 第一旭(ほんけ だいいちあさひ)本店」も京都を代表する名店で、タレには新福菜館と同じ五光醤油の「さいしこみ醤油」を使い、麺も新福菜館と同じ製麺所「近藤製麺」から取り寄せるなど、しばしば比較される京都名物になっているのですが、それもそのはず。

実は第一旭の創業者である田口有司氏は、新福菜館に土地を貸していた人物で、新福菜館の店主からラーメンの作り方を教わり、第一旭の前身となる「大衆食堂 旭食堂」を現在の地(下京区東塩小路向畑町845)に開業しました。しかし、第一旭のスープは新福菜館よりも醤油の主張が弱く、豚骨を中心とする動物系の清湯(ちんたん)と醤油を “うま味調味料で繋いでいる” ため、そこが大きな違い。

話を「新福菜館 本店」に戻します。同店監修のカップラーメンといえば、2009年(平成21年)8月5日、セブン&アイ限定のオリジナル商品「地域の名店」シリーズ第10弾として、関西2府4県のセブンイレブン1,331店舗(2009年6月末日時点)及びイトーヨーカドー11店舗で大判どんぶり型の「新福菜館 京都たかばし本店」を発売しており、当時は明星食品が製造を担当していました。

それから時は流れ、2016年(平成28年)2月21日にも西日本のセブンイレブン及びイトーヨーカドー限定で大判どんぶり型の「地域の名店シリーズ 京都 新福菜館本店」を、2018年(平成30年)4月9日には縦型ビッグの「銘店紀行 新福菜館本店」を発売しており、いずれも明星食品と共同開発していたのですが、販路の縛りをなくし、製造者を明星食品の親会社である日清食品に鞍替えした2022年——。

※ラーメンとヤキメシは別売です。

パッケージにも「セットで食べたら旨さ倍増になるらしいで」という関西口調の訴求があるように、あの有名店のラーメンライス定食は、お湯かけ5分で食べられる即席カップライス(カップメシ)を保有している日清食品だからこそ成し得た企画。最後に「新福菜館本店 醤油ヤキメシ味」の感想も綴りますが、このページでは「新福菜館本店 京都濃厚醤油ラーメン」を細かく掘り下げます。

開封

3つの小袋を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「焼豚」と「かやく」に、後入れ「液体スープ」の計3種。ちょっと画像では確認しづらいのですが、かやくの小袋には九条種ネギ入りの記載があります。九条ネギではなく “九条種” となっているのは、それと同じ品種のネギでも “京都で生産されたものではない” ことを意味する大人の事情で、ほかの例を挙げると “下仁田系” も同じカラクリ。

熱湯5分のノンフライ麺を搭載

麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は「醤油ヤキメシ味」と同じ熱湯5分。フタの裏面でも大きく “セットで食べたら旨さ倍増!” とアピールしているため、よほど相性がいいのでしょう。ただ、コンビニで「あの有名店のラーメンライス定食」2品をセットで購入した場合、税込価格は594円が相場になるため、なかなかの値段。

2022年6月21日(火)より、ローソン限定で「あの有名店のラーメンライス定食 新福菜館本店 京都濃厚醤油ラーメン」と「同 醤油ヤキメシ味」を一緒に買うと “50円引き” になるキャンペーンを実施しているため、専用のポップが掲示されている間は544円になるのですが、メーカー希望小売価格も加味した上で評価しなければいけません。

※余談ですが “専用のポップを掲示していても「あの有名店のラーメンライス定食 新福菜館本店 醤油ヤキメシ味」だけ入荷していない店舗もあった” ので、販売状況については最寄りの店舗に直接問い合わせてください。ちなみに “どちらもコンビニ限定の商品ではない” ため、スーパーやドラッグストアなども販売店に含まれます。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:あの有名店のラーメンライス定食 新福菜館本店 京都濃厚醤油ラーメン
製造者:日清食品株式会社
製造所:+A 関東工場(茨城県取手市清水667-1)
内容量:108g(めん70g)
商品コード:4902105272619(JAN)
発売日:2022年06月20日(月)
実食日:2022年06月21日(火)
発売地域:全国
取得店舗:CVS(ローソン)
商品購入価格:333円(税込)
希望小売価格:308円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:440ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:3袋(液体スープ・焼豚・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、卵粉、大豆食物繊維、チキン調味料)、スープ(しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、たん白加水分解物、チキン調味料、豚脂、糖類、鶏脂、食塩、粉末しょうゆ)、かやく(チャーシュー、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、香料、かんすい、リン酸Ca、増粘剤(加工でん粉、キサンタンガム)、乳化剤、酸味料、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

焼豚・かやくは先入れ

別添の小袋は「焼豚」と「かやく」のみ先入れで、焼豚は「日清トリプルニンニク豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」などにも使われている焼き目付きの厚切り焼豚と同じタイプ。あとはネギのみと潔いほどにシンプルで、まったく飾り気はないけれど、実店舗の「中華そば」にトッピングされるのも基本はチャーシューとネギのみですから、あながち的外れな構成ではありません。

調理後もシンプル極まりないが “オーラ” あり

別添の液体スープは後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら麺をほぐし、液体スープを馴染ませたら完成です。日清食品のノンフライめん製品といえば、解れにくさや戻りムラが評価を引っ張る傾向があるのに対し、今回そういった懸念はありませんでした。

しかし、メーカー希望小売価格は308円(税別)と強気な設定なので、老舗の威厳が感じられる作りになっているのかどうか、再現度の高さとコストパフォーマンス的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(108g)あたり
カロリー:358kcal
たん白質:12.4g
脂  質:8.1g
炭水化物:58.9g
食塩相当量:6.7g
(めん・かやく:1.8g)
   (スープ:4.9g)
ビタミンB1:0.32mg
ビタミンB2:0.43mg
カルシウム:137mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:358kcal(めん・かやく:294kcal)(スープ:64kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

真骨頂は後半

6.0

近藤製麺から取り寄せている「新福菜館 本店」の麺は、加水率を下げた低加水麺で、一般的な中華麺よりも若干ながら長く、形状は中太のストレート。漆黒の醤油スープに負けないくらい、小麦の風味も強く主張してくるのですが、それを再現しているノンフライ麺はスープに寄り添う感じの “しなやかさ” が印象的。

再現度はともかく高品質

形状は中細のストレートで、食べ始めはコシが強く、加水率は中くらい。コシのベクトルも最初はノンフライめん特有のゴムっぽさを伴うため、本店(近藤製麺)の麺を忠実に再現しているわけではないけれど、注目すべきは “後半” の質感。時間の経過に合わせて特有のゴムっぽさは解消され、歯切れの良さが際立ち、不思議と加水率が低めの食感にシフト。

まず熱湯5分きっちり待つのはもちろん、液体スープを完全に溶かしたら、さらに思い切って3分くらい待つのがオススメの食べ方。日清食品のノンフライ麺にありがちな解れにくさも気にならなくなりますし、従来のノンフライ麺にはない独特の質感だったので、もしかすると新福菜館のために新しく開発・配合したのかもしれません。

スープ

想像以上に再現度が高かった件

6.0

漆黒の具合は本店よりも比較的に大人しく見えますが、店舗のスープと同じように油分は控えめで、濃口醤油の存在感を全面的に押し出しながらも塩分的な攻撃性は弱く、ほんのり鼻に抜ける焦がしの芳ばしさだったり、余韻のホロ苦さだったり、まったりと微睡むような旨味だったり、それをキュッと引き締める酸味だったり、いやいや近いんじゃないですかね。

うま味調味料を繋ぎに使っているため、お店の「中華そば」よりも “ラーメンらしい” というか、現代的に組み立てられたフレームワークではあるものの、おかげで舌に馴染みやすく、なんというか無条件で旨いw 焼豚ダレを彷彿とさせる甘さは強めですが、糖類の配合が多いわけではなく、甘味料も不使用で、優しい甘さが塩気のカドを包み込んでくれる、見た目に反して包容力のある味わい。

醤油を支える動物系(チキンエキス、ポークエキス)も丁寧で、畜肉の旨味も強く、あえて豚脂と鶏脂の使用量も最低限に抑えるなど、現代的にデフォルメしながら「新福菜館 本店」の魅力が楽しめるように設計されていました。ヤキメシもいいけど白飯と生卵が欲しくなりますねコレw

具材

シンプルイズベスト

5.0

ネギは九条種だから激ウマ!! みたいに極端な個性を備えているわけではないのですが、そこはかとなく風味が上品で、スープの邪魔をしない程度の立ち位置から和の醤油感を引き立てている、薬味として絶妙なポジション。

ここ注目

日清自慢の焼豚は、文字通り側面に焼き目が施されているのが特徴で、噛むとジューシーな食感に、ふわっと広がる脂身の甘みと焼き目の芳ばしさが唯一無二の満足感を実現。麺とスープの完成度が高かったことも功を奏し、これといって不満を感じることはなく、むしろ “シンプルだからこそ正解” と素直に思える品質でした。

総評

6.0

メーカー希望小売価格を加味して星ひとつマイナスしようか、どうしようか‥‥と、最後まで悩んだのですが、雰囲気の再現度が高く、たとえばコンビニで1食あたり333円(税込)で購入したとしても損ではないと感じたので、この評価。派手さのなさが味わい深く、めん・スープ・具材すべてが精鋭でした。でもって最後に、あの有名店のラーメンライス定食「新福菜館本店 醤油ヤキメシ味」の感想をば。

ヤキメシなのに焼いてないとか言わない

こちらも店舗の「ヤキメシ」と同様に、濃口醤油の存在感を全面に押し出しているのですが、同店監修のカップラーメンよりも甘さは控えめ。反対に焦がし醤油のインパクトやラードの主張が強く、胡椒もハッキリと効かせるなど、カップラーメンと交互に食べることで、お互いの魅力が引き立ち合うような計算を感じました。でも、やっぱり “ラーメンライス” って白飯のイメージ強くないですか?w

中華鍋で炒めてないのにチャーハンっぽい芳ばしさが再現されていて、そこには驚きを感じたものの、カレーメシの味付なしバージョンよろしく “お湯かけ5分で食べられるオープン価格の白いカップメシ” みたいなの出ないですかね。どんなラーメンにも合わせやすいですし、新たな切り口になるんじゃないのかなと。

ちなみに「醤油ヤキメシ味」のカロリー等はコチラ

日清食品の公式ウェブサイトには記載されていませんが、日清食品グループのオンラインストアでは “史上初! お湯かけ5分でラーメンライス定食! 第一弾は‥‥” と訴求していたので、第1弾の「新福菜館 本店」を皮切りに、これからシリーズ化していく様子。

ご飯と一緒に食べたくなるラーメンといえば、横浜の家系(いえけい)ラーメンが代表的なので、第2弾は順当に攻めてくるのか、それとも “日本一ご飯がすすむラーメン” として新聞に取り上げられたこともある「おとど食堂」の「肉玉そば」あたりを起用してくるか、早くも続編が楽しみです【author・taka :a(大石敬之)】

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