東京蔵前の行列店「らーめん改」の “貝塩らーめん” をカップ麺で再現!! 個性的な3種の混合麺とスープのインパクトに注目

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サンヨー食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2020年7月6日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「らーめん改監修 極貝だし塩らーめん」の実食レビューです。

東京・蔵前の貝出汁(かいだし)ラーメン専門店「らーめん 改」の看板メニューをカップラーメンで再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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らーめん改 極貝だし塩らーめん

らーめん改(かい)とは、東京都台東区蔵前に店を構える行列の絶えない人気店で、創業は2016年2月2日。看板メニューの “貝塩らーめん” は、アサリをベースにホタテやムール貝など、豊富な貝を少量の水で何度も炊き出した至極のスープを特徴とし、その惜しげもなく抽出された味わいは一度食べたら忘れられないほどの衝撃を覚える方も少なくないとの評判。

Clam soup Shio ramen

今回の新商品「らーめん改監修 極貝だし塩らーめん」は、サッポロ一番ことサンヨー食品株式会社及び「らーめん改」の共同開発商品で、同店が誇る “貝塩らーめん” をタテ型ビッグのカップラーメンで再現。2016年2月の創業以来、マニアからも高い評価を獲得し続けている名店ですが、これまでにカップ麺を監修した経緯はないため満を持しての商品化です。

らーめん改の店主・木場本幸治氏は、2007年7月25日に東京都青梅市新町で創業した「らーめん・つけめん いつ樹」及び東京都渋谷区で2010年12月24日にオープンした「いつ樹」の2号店「つけ麺 五ノ神製作所」出身という経歴を持ち、前者は “鯛塩らーめん” の名店として、後者は “海老つけ麺” や “海老トマトつけ麺” で一世を風靡した鮮魚系スープの名門。

その「らーめん・つけめん いつ樹」で働いていた頃に知り合い、結ばれることになった康世さんと二人三脚で現在の「らーめん 改」を立ち上げ、豊富な貝出汁をベースに昆布や煮干し、スルメなどを隠し味に使った “貝塩らーめん” を独自に開発。動物系素材不使用のスープにもかかわらず、どっしりとした貫禄のある旨味を打ち出し、濃厚な貝の旨味が押し寄せる力強い塩ラーメンとして多くのマニアを唸らせました。

実店舗外観とスタッフ

「らーめん 改」という屋号の由来は、改善・改革などを意味する “改” で、常にブラッシュアップしていく姿勢を表したもの。2020年7月8日現在、食べログ百名店の「ラーメン TOKYO 2018-2019」にも2年連続で選出され、その中でも点数はトップクラスの3.94を誇り、日本最大級のラーメン専門クチコミサイト「ラーメンデータベース」でも95.798ポイント(全国通算ランキング塩部門9位)を記録。

看板メニューの “貝塩らーめん” は、貝の旨味が凝縮されたスープをはじめ、塩ラーメンには珍しい全粒粉を練り込んだ太めの手もみ自家製麺を特徴とし、低温調理した豚の肩ロースチャーシューに三つ葉、わかめ、さらにメンマではなくダシで煮た竹の子をトッピングしているのもポイント。その “貝塩らーめん” もさることながら、鶏白湯(とりぱいたん)ベースの “煮干しらーめん” も高い評価を得ています。

そんな「らーめん改」が誇る “貝塩らーめん” を再現したサンヨー食品は、蛤(はまぐり)香る一杯で『ミシュランガイド』の一つ星を獲得した路地裏の革命児「SOBA HOUSE 金色不如帰(こんじきほととぎす)」とのタイアップ商品をはじめ、自社ブランドの「満貝」や「極出汁あさり」「和ラー 津軽 帆立貝焼き味噌風」など、5年ほど前から貝出汁に強いメーカーとして定評のある企業。

貝ガラ屋監修カップ麺

最近では牡蠣ラーメン専門店「貝ガラ屋」とコラボした「貝ガラ屋監修 濃厚牡蠣味ラーメン」を2020年5月25日に発売しており、重心の低いホタテの旨味と別添 “仕上げの小袋” に含まれる一見して明白な牡蠣の風味が印象に残った反面、油揚げ麺の酸化したような雑味がスープの個性を邪魔してくるという、サンヨー食品の縦型ビッグらしいネガティブさが足を引っ張っていました。

開封

別添の小袋は1種類

さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋のみ。サンヨー食品の公式ウェブサイトに記載されている製品情報によると、あさりの旨味が豊かな塩らーめんスープを特徴とし、カップ麺でも畜肉系エキスは使用していないらしく、椎茸や昆布、鰹(かつお)、鯖(さば)をバランスよく調合して味を整えているそうなので、油揚げ麺の干渉が危ぶまれるところ。

やや具材は少なめか——

具材はチップ状にカットされた味付豚肉にネギ、わかめとシンプルな内容で、三つ葉やダシで煮た竹の子に流行りのレアチャーシューも入っていませんが、あながち的外れなラインナップとはいえません(質は大幅に違いますけど)。粉末スープは顆粒状に固めてあり、この時点で濃縮された出汁を思わせる香りが強く、おおむね油揚げ麺の香りが目立っていないのは嬉しいポイント。

2020年7月8日現在、サンヨー食品が設定しているメーカー希望小売価格は税別220円と縦型ビッグ製品における標準的な値段設定で、販売ルートを問わないNB商品として展開。コンビニで購入した場合の税込価格は232円、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ファミリーマート」と「ミニストップ」での取り扱いを確認しているため、販売店の参考にしてください。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:らーめん改監修 極貝だし塩らーめん
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 関西工場
    奈良県大和郡山市額田部北町944(W)
内容量:95g(めん70g)
商品コード:4901734040538(JAN)
商品サイズ:φ112×118(mm)
発売日:2020年07月06日(月)
実食日:2020年07月08日(水)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ミニストップ)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:400ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:1袋(仕上げの小袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(小麦全粒粉5%)(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、食塩、豚脂、魚介エキス、植物油脂、油脂加工品、椎茸エキス、たん白加水分解物、しょうゆ、酵母エキス、魚粉、昆布エキス)、かやく(味付豚肉、ねぎ、わかめ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸カルシウム、かんすい、レシチン、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・さば・大豆・豚肉を含む)※本製品で使用しているわかめは、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。本製品で使用している魚介エキス(あさりなどの二枚貝)には、かにが共生しています。

実食開始

調理前から個性的な麺

調理前の麺は幅の広いものと比較的に狭いものがあり、よく見ると茶褐色の小麦全粒粉が練り込まれていることが分かります。この麺はサンヨー食品が誇る特殊切刃を使用し、太さが異なる手もみ風の麺に仕上げたもの。食べ応えのある太い麺としなやかな細い麺が混在することで、様々な食感が味わえるらしく、パッと見で確認できる麺の太さは3種類。

仕上げの小袋を開封した瞬間——

麺の湯戻し時間は熱湯5分、別添の小袋は仕上げに加える後入れなので、5分経ってから食べる直前に加えます。熱湯を注いでからフタを開けて直後、かなり油揚げ麺特有のニオイが手前にあり、ちょっと不安な気持ちになったのですが、仕上げの小袋を入れてから一変。二枚貝や牡蠣を彷彿とさせる香りが立ち、思わずハッとしました。

ちなみに販売者はサンヨー食品株式会社、製造所は太平食品工業株式会社の関西工場となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、貝出汁の力強さと異なる太さの個性的な麺に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(95g)あたり
カロリー:431kcal
たん白質:7.4g
脂  質:18.0g
炭水化物:59.9g
食塩相当量:5.5g
(めん・かやく:1.4g)
   (スープ:4.1g)
ビタミンB1:0.33mg
ビタミンB2:0.59mg
カルシウム:232mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:431kcal(めん・かやく:325kcal)(スープ:106kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

個性的な麺でネガティブな印象なし

5.5

「らーめん改」の実店舗で提供されている「貝塩らーめん」の麺は、もともとパン作りが趣味だった店主の妻・康世さんが打ち、それを木場本店主が手もみしているらしく、もちもちとした加水率の高い全粒粉入りの多加水麺に仕上がっているのだとか。一方、ザクザクとした食感の細ストレート麺にも変更可能となっているようですが、おそらく今回の麺は前者の手もみ自家製麺を意識しているのでしょう。

熱湯6分くらいがいいかも

太さの違うサンヨー食品の麺といえば、東京・府中の人気ラーメン店監修の2019年11月4日発売品「麺創研紅監修 濃厚辛味噌ラーメン 紅」に使用されていた “3種の乱切り麺” を彷彿とさせるもの。それと同じく今回も左右の厚みが違う2種類の幅広麺と角刃の中細麺、あわせて3種類の麺が採用され、ランダムな口当たりと弾力の違う食感が実に個性的。

それなりに油揚げ麺特有の風味が並行するため、やや小麦全粒粉の恩恵は後退しているものの、油揚げ麺臭がスープにおける貝のニュアンスを大幅に崩すことはありません。比較的に加水率は低く、なかでも太い麺は強付きを感じる噛み応えなので、お店のモチモチとした太麺とは異なる仕上がりかと思いますが、単純に今回のスープと相性がよく、いい取り合わせだと感じました。

スープ

別添の小袋やばい

6.5

スープの原材料には豚脂(ラード)を使用していますが、チキンエキスやポークエキスといった畜肉系のエキスは不使用で、ホタテやアサリの旨味を軸に椎茸と昆布で “うま味の相乗効果” を図っている料亭の技法を用いたスタイル。魚粉の効かせ方も繊細で、荒々しいものではなく、低温で煮出した和風だしを彷彿とさせるもの。

けっこう油揚げ麺の風味が干渉してくるかと思ったのですが、意外にも貝の優しいニュアンスが崩れることはありません。少量の水で大量の貝を炊き出したような密度だったり、二枚貝特有の苦味だったりは目立っていないものの、しっかり旨味の軸は貝が担っている状態。仕上げの小袋を入れる前の段階から、きちんと旨味で食わせるスープに仕上がっています。

貝ガラ屋監修の流れを汲むオイル

そして調理直後にも触れたように、別添の小袋に含まれるオイルは二枚貝(クラム)の旨味だけでなく、牡蠣を丸ごとペースト状にしたようなコクを放ち、その瞬間からスープの表情は激変。これは2020年5月発売の「貝ガラ屋監修 濃厚牡蠣味ラーメン」でも感じた特徴なので、そのノウハウを活かしているのでしょう。加熱した牡蠣が苦手なら、ちょっと厳しいかも——ってくらい個性的なのがいいですね。

具材

とりあえず及第点

3.0

ネギは食感の強い乾燥の青ネギで、シャキシャキとした歯触りで自己主張を放ちますが、高級感はありません。わかめもサンヨー食品の完全子会社(エースコック)が誇る「わかめラーメン」ほど肉厚ではなく、量も多くはないものの、これに関しては磯の香りがスープに寄与している部分があって好印象。

チャーシューはチープ

チップ状のチャーシューはスカスカとした頼りない食感で、実店舗のレアチャーシューに及ばないのはもちろん、カップ麺の肉具材としても高級感は皆無に等しいチープなもの。さらに量も少ないため、具材に関しては可もなく不可もなしといわざるを得ませんが、別添の小袋と3種の混合麺にインパクトがあったので、正直そこまで気になりませんでした。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)

具材のラインナップと量については可もなく不可もなしですが、個性的な3種の混合麺とペースト状の牡蠣を彷彿とさせるオイルの風味は特筆すべきレベル。そんなスープのインパクトや麺の個性もさることながら、畜肉系エキスを使用せずとも物足りなさを感じさせない魚介の旨味など、よく練られた製品だと思います。

麺の加水率や具材の構成、貝の密度など、実店舗で提供されている本物の「貝塩らーめん」には及ばないところや相違点はあるかと思いますが、ひとつのカップラーメンとして記憶に残る良品なので、気になっている方は最寄りのスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストア、コンビニ(ファミリーマート、ミニストップ)などを探してみてください。

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