第4弾にしてシリーズ最高傑作「最高に面倒で、最高にうまいラーメン。熊本 濃厚黒マー油豚骨」が弩級にウマい!!

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日清食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2024年2月13日(火)セブンイレブン限定発売、日清食品のカップ麺「最高に面倒で、最高にうまいラーメン。熊本 濃厚黒マー油豚骨」(398円+税)の実食レビューです。

もう慣れた? カップラーメンなのに湯切って仕上げる “めんどくさい” シリーズ第4弾は熊本ラーメンの魅力を再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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最高に面倒で、最高にうまい。熊本 濃厚黒マー油豚骨

最高に面倒で、最高にうまいラーメン。とは、2022年(令和4年)7月26日に発売された「家系豚骨醤油」に端を発するセブン-イレブン限定の留型(とめがた)で、製造者は日清食品。カップラーメンなのに “湯切って仕上げる! 熱湯2度がけ” の面倒な仕様も然る事乍ら、それに関する一切の事前告知がなかったこともあり、当時はTwitter(現 X)をはじめとするSNSでも大きな話題になりました。

最高に面倒で、最高にうまい。シリーズ第4弾は「熊本」

今回の新商品「最高に面倒で、最高にうまいラーメン。熊本 濃厚黒マー油豚骨」は、前述の「家系豚骨醤油」を皮切りに「すみれ 特濃芳醇みそ」「京都 極濁鶏白湯」と続いた “最高に面倒で、最高にうまい” 第4弾に該当する一杯で、今度の地域は熊本。第2弾は「すみれ」監修でしたけど、それぞれ神奈川(横浜)、北海道(札幌)、京都(一乗寺)が題材ということで、実は “ご当地系” でもある同シリーズ。

熊本におけるラーメンの歴史は、白濁とんこつスープの元祖とされる久留米発祥の中華そば専門店「三九(さんきゅう)」にルーツを持ち、現在を遡ること70年以上、1952年(昭和27年)熊本県玉名市の国鉄高瀬駅(現・JR玉名駅)に「三九 玉名店」の出店が決まったことが事の発端。

熊本進出を果たした「三九 玉名店」は、残念なことにオープンわずか3、4年で店を畳むことになるのですが、その味わいに感銘を受けた “3人の青年” が熊本ラーメンの始祖。その3人こそ、1953年(昭和28年)に「松葉軒」を創業した木村一氏、1954年(昭和29年)に「こむらさき」を創業した山中安敏氏、1968年(昭和43年) に「味千ラーメン」を創業した劉壇祥(後の重光孝治)氏の御三方。

マー油の発祥は「桂花ラーメン」

なかでも現在の熊本ラーメンを象徴するマー油(焦がしニンニク油)を考案したのは、熊本県庁前で「味千ラーメン」を独立開業する前に、1955年(昭和30年)創業の老舗「桂花拉麺(ケイカラーメン)」で調理を務めていた劉壇祥(りゅう だんしょう)その人で、マー油(麻油、魔油)の名付け親は「桂花拉麺」の二代目・旅井瑞代さん。

トッピングにチップ状のニンニクを使い始めたのは「松葉軒」と「こむらさき」が先ですが、挽肉を作る道具でニンニクを挽き、それをラードと共に焦げる寸前まで加熱する手法を最初に取り入れたのは「桂花拉麺」で、熊本県内のラーメン店はもちろん、熊本県外の専門店や即席カップめん業界でも重宝されている、今ではラーメンを語る上で欠かせない調味料となりました。

さて、話を「最高に面倒で、最高にうまいラーメン。熊本 濃厚黒マー油豚骨」に戻しましょう。パッケージにも明記されているように、大きな見どころは黒マー油。つまり焦がしニンニク油のインパクトになるのですが、湯切って仕上げる! 熱湯2度がけ調理だからこその熱々スープと、熱湯2度がけ専用配合で実現した中太ストレート麺についても掘り下げなければいけません。

毎度お馴染み、具材は “あえて入れておりません”

そんな熱湯2度がけ調理だからこそのメリットは、過去3品にも共通する訴求で、天面のフチらへんに小さく記載されている “スープと麺をしっかり味わってもらうため、具材はあえて入れておりません。” という仕様も例に漏れず。カップラーメンにおける具材は、袋麺との区別化を図る上でも重要なステータスになっているため、それを欠いても満足できるのかどうか、というのも論点になってきます。

開封

各小袋の注意事項に注目

今回のカップ麺に別添されている小袋は‥‥ええ、この時点で “最高に面倒” な仕様になっているのですが、それぞれ最初の給湯時には使いません。さらに「豚の旨み凝縮背脂」は必ず2度目の給湯前に、片や「豚と鶏の旨みだし」と「コクと旨みの濃厚豚骨スープ」は必ず2度目の給湯後に、ダメ押しの「特製黒マー油」は必ずお召し上がりの直前に——とのことなので、この手順を把握しておかなければいけません。

熱湯2度がけ専用配合のノンフライ麺

麺は熱風で乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は5分となっているのですが、お湯を注いでから5分後に湯切り口を作り、麺の戻し湯を廃棄してから再び熱湯を注ぐ “最高に面倒” な調理方法が持ち味。とはいえ生タイプめん時代の「ラ王」と同じような手順を踏むわけで、けっこう当時はワクワクしながら作っていた記憶があるんですけど、時代が変わればナントヤラ。それを逆手に取った日清のマーケティング部、ほんとセンスありますよね。

前述のように販売店はセブン-イレブン限定で、値段は398円(税込429.84円)に設定されているハイクラス系の商品。昨年6月1日に実施された価格改定(値上げ)以降、開き直ったのか箍(たが)が外れたのか高価格帯の商品が目立っているため、我々の感覚も麻痺しつつあるかと思いますが、この時代においてもカップラーメンとしては余裕で高級品の部類に入ります。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:最高に面倒で、最高にうまいラーメン。熊本 濃厚黒マー油豚骨
製造者:日清食品株式会社
製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1)
内容量:142g(めん90g)
商品コード:4902105280805(JAN)
発売日:2024年02月13日(火)
実食日:2024年02月28日(水)
発売地域:全国
取得店舗:セブン-イレブン
小売価格:398円(税別)
購入価格:429.84円(税込)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:750ml(1度目 440ml・2度目 310ml)
調理時間:熱湯5分
小袋構成:4袋(豚と鶏の旨みだし・コクと旨みの濃厚豚骨スープ・特製黒マー油・豚の旨み凝縮背脂)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキン調味料、植物性たん白)、スープ(豚脂、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、糖類、香味油、香辛料、食塩、クリーミングパウダー、チキン調味料、チキンエキス、ガーリック調味油、酵母エキス、たん白加水分解物)、かやく(背脂加工品)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、乳化剤、かんすい、酒精、リン酸Ca、香料、カラメル色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

なかなかに注文の多いカップ麺である

カップラーメンの黎明期、それは高価な食べ物とされていたのに、いつから “安い・早い・手軽” の三拍子が重要視されるようになったのだろう‥‥などと考えている私は平成生まれなんですけど、それはさておき2度目の給湯後に入れる「コクと旨みの濃厚豚骨スープ」と「特製黒マー油」は必ず温めてくださいとのことなので、1度目の給湯後、フタの上で温めながら待つこと5分。

具材なしでも伝わってくる迫力はマー油のパワーか‥‥

時間になったら湯切りして、2度目の給湯前(湯切り後)に「豚の旨み凝縮背脂」を投入し、2度目の給湯後に「豚と鶏の旨みだし」と「コクと旨みの濃厚豚骨スープ」を入れて混ぜ合わせ(この手順を読み返している間に息切れしてきた)仕上げに「特製黒マー油」を回しかけたら混ぜない状態で出来上がり。

ったく、めんどくせぇな‥‥と、感じられる方も多いかと思いますが、けっこう楽しくないですか?w 出張先のビジネスホテルや漫画喫茶で、みたいなシチュエーションだと単純に面倒かもしれませんけど、なんというか作ってる感あって。とはいえ398円(税込429.84円)の高級品、引き続きコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(142g)あたり
カロリー:538kcal
たん白質:15.8g
脂  質:17.5g
炭水化物:79.3g
食塩相当量:8.5g
(めん・かやく:4.5g)
   (スープ:4.0g)
ビタミンB1:0.21mg
ビタミンB2:0.28mg
カルシウム:543mg
参考値(熱湯2度がけ調理直後の値)
熱量:538kcal(めん・かやく:215kcal)(スープ:323kcal)
食塩相当量:7.0g(めん・かやく:3.0g)(スープ:4.0g)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

透明感のあるノンフライ麺

6.0

大豆食物繊維や植物性たん白を配合していたり、下味を施すためにチキン調味料を使用していたり、鋭い角刃に由来するカドの立った口当たりだったり、いかにも日清食品らしいノンフライ麺で、ちょっとほぐれにくいかも‥‥というのも日清食品の高価格帯に使われるノンフライ麺で感じることが多いポイントになるのですが、ここで熱湯2度がけ調理の本領発揮。

艶やかな見た目とコシを両立

熱湯2度がけ調理を無視した場合、戻りムラが目立っていたかもしれないけれど、ほぐれにくさが気になるのは最初だけ。さらに透明度の高さに比例するように、いざ口に含むと小麦の風味もクリアで、ノンフライ麺ならではの雑味や茹で汁っぽい風味を残さないところも熱湯2度がけ特有の利点。加水率は中位ですが、あつあつスープの中にあってもコシの持続力には目を見張るものがあり、なおかつスープとの相性も申し分ありません。

ちなみに “麺大盛(※当社比)200g” とフタには書いてありますが、その下に補足があるように “200gは湯戻し後の値” で、調理前の麺重量はエースコックの「スーパーカップ1.5倍」などと変わりません。こんなセコいことしなくていいのに‥‥w などと思いつつ、スーパーカップを引き合いに出したように、この麺重量はカップラーメンにおける大盛りなので、なかなかの食べ応えでした。

スープ

こりゃ参った‥‥

6.0

まずは「豚と鶏の旨みだし(粉末)」単体の味を確認してみたところ、うまみ成分の系統や糖類の効かせ方も人工的ですが、同時に骨っぽい風味も強く、朧げに炊き出された後の骨髄が見えたほど。そんな豚骨感の演出も然る事乍ら、仕上げの「特製黒マー油」との一体感を高めるためか “焦がしニンニクの粒が仕込んであった” ので、そこも印象に残ったポイント。

あっさり豚骨かと思いきや‥‥

続けて「コクと旨みの濃厚豚骨スープ(液体)」を開封した途端、かなり濃いめのスープが出てきてギョッとしたんですけどw 実際の味わいも然り。熊本ラーメンのスープといえば、比較的に “あっさり” とした下地をイメージしてしまいますけど、豚骨どんだけ煮込んだの!? ってくらい。あくまで鶏はサポートで、後にも先にも凝縮された豚骨の旨みが押し寄せてくる、例えるなら久留米の「呼び戻し」を想起させる濃厚さにビックリ。

マー油の取り方も硬派

豚と鶏の旨みだし+コクと旨みの濃厚豚骨スープだけでも値段相応の‥‥いや、それ以上の価値が見出せる味わいに仕上がっていたのですが、極め付けの「特製黒マー油」を加えると一変、いっきにマインドは熊本に。ちょっと待てよ? これって久留米にルーツを持つ熊本ラーメンの歴史にも通じるのでは——などと、おもわず深読み。

また「特製黒マー油」に含まれるアブラは、植物性の油ではなく動物性の脂(豚脂)だったので、スープの臨場感がグッと高くなり、なおかつ焦がしニンニクの芳ばしさについても「豚と鶏の旨みだし」の仕込みと手を取り合うような相乗効果で魅せてくれる、いやはや想像以上の満足感が得られました。

かやく

もはや具材といっても過言ではないでしょう

6.0

熊本ラーメンのトッピングに大量の背脂は、王道のイメージから想像するとイレギュラーで、調べてみると背脂チャッチャ系の熊本ラーメンを提供している店もヒットしますけど、本商品ならではのオリジナリティを感じる部分。そのため伝統を重んじている方にとってはマイナスに作用するポイントになるかと思いますが、ご覧の通り大量で、背脂も具材と受け取れるレベル。

とろみの強いスープに溶け込むように、それでいて口に含んだ途端、怒涛に流れ込んできて暴れるような、いわゆるレトルトタイプの背脂ではないけれど、特有の荒々しい魅力が存分に伝わってきます。しかも、2度目の給湯を開始した途端に背脂ならではの芳ばしさがパッと開くので、なんというか逆らえませんでしたw かねてより背脂加工品はレトルトに劣る印象が強かったんですけど、これだけ入ってたらインパクトありますね。

総評

6.0

湯気の向こうに見えるのは、職人気質の頑固なオヤジさん(70)ではなく、有名店出身でありながらも唯一無二の味を模索し続け、試行錯誤を重ねている新進気鋭の職人(35)的な。伝わりますかねw なんせノスタルジックなタイプではなかったので、伝統的な熊本ラーメンをイメージして向き合った場合、ちょっとチャラい印象を受けるかもしれません。ただ、ほろ苦いマー油の取り方は伝統的で、なおかつスープの作り込みも本物。

どっしりと重心の低い豚骨スープに、たっぷりの背脂で追い討ちをかけ、さらにマー油の芳ばしさでインパクトを強めている、かなり強気な一杯ですが、そこに合わせる麺は透明度が高く繊細。そんなギラギラした雰囲気に強い魅力を感じたので、そこを高く評価しての総評です。これなら398円(税込429円)も法外な値段ではないですし、それどころか在庫過多でも何個か買い置きしたいレベルの逸品でした【author・taka :a(大石敬之)】

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