どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年3月18日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 麺神カップ 魚介豚骨醤油」(278円+税)の実食レビューです。
麺神(めがみ)に待望の “またおま系” 降臨!? 3種の魚介と「新・生めん風3層極太麺製法」を駆使し、王道の濃厚魚介豚骨醤油ラーメンを再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
明星 麺神カップ 魚介豚骨醤油
麺神(めがみ)とは、空前の極太麺ブームを背景に、従来の即席麺とは一線を画す、真の “お店品質” を目指して生まれたブランドで、2020年(令和2年)9月21日発売の袋麺「明星 麺神 神太麺(かみふとめん)×旨 醤油」及び「同 神太麺×旨 味噌」を皮切りに発足。2週間後には「麺神カップ」が現れ、たしかなクオリティと豪華なCMも話題喚起に繋がり、唯一無二のポジションを瞬く間に築き上げました。
今回の新商品「明星 麺神カップ 魚介豚骨醤油」は、生まれ変わった “新・生めん風3層極太製法” によるノンフライ極太麺に、濃厚な味わいの魚介豚骨醤油スープを合わせたカップラーメンで、ラーメン業界で “またおま系” と呼ばれるジャンルを意識した一杯。極太麺に “またおま系” のスープなんて、いかにも定番に思える組み合わせですが、意外にも「麺神カップ」からのリリースは前例がありません。
たとえばセブン-イレブン専用モデルの「濃香(のうこう)ちゃんぽん」(2022年10月15日発売品)や「明太クリーム味うどん」(2023年10月24日発売品)など、いわゆる留型(とめがた)としてリリースされたスポット商品を除いて、つまりNB(ナショナルブランド)の「麺神カップ」におけるフレーバーを発売日順に(名称が同じ商品は初代の発売日に基づいて)羅列しますと‥‥
「神太麺×旨 醤油」「神太麺×旨 味噌」「極旨 魚介醤油」「極旨 辛豚味噌」「極旨 塩豚骨」「濃香醤油」「濃香塩豚骨」「濃香味噌」「濃香鶏白湯」「宮崎辛麺 濃香激辛醤油」「濃香豚骨」「濃香カレーうどん」「濃香味噌煮込みうどん」「濃香豚骨醤油」「家系豚骨醤油」「肉野菜味噌」「こってり鶏そば」となっているため、過去に “またおま系” ど真ん中のフレーバーは存在しません。
タイトルだけ見ると「極旨 魚介醤油」が “それっぽい商品” に思えますが、これは初代「神太麺×旨 醤油」のリニューアルで、カテゴリー的には醤油ラーメン。それよりも数年にわたり、セブンプレミアムのカップラーメン「銘店紀行 中華蕎麦とみ田」(現在終売)を製造していた明星食品なので、どちらかというと麺神カップの新作「魚介豚骨醤油」は、その後釜を狙った商品なのではないかと。
ちなみに “またおま系” とは、濃厚な味わいの豚骨魚介スープを特徴とするラーメン・つけ麺を揶揄する形で生まれた専門用語で、2000年(平成12年)10月に創業した埼玉県川越市の名店「頑者(がんじゃ)」が業界に先駆けて “つけ麺の具材に魚粉を使い始め” 2008年(平成20年)頃から都内にも本格的な濃厚豚骨魚介つけ麺ブームが到来したことが事の発端。
当時は斬新すぎた “自家製極太麺×濃厚つけダレ×魚粉” というスタイルを真似し、多くの専門店が矢継ぎ早に乱立した結果、新店がオープンしても看板商品は濃厚豚骨魚介つけ麺ばかり。あまりの飽和状態から、マニアの間で「またお前もその味か‥‥」などと囁かれるようになり、いつしか “またおま系” という呼び名が広まりました。
というわけで、由来を辿ると不名誉なラーメン用語でもあるんですけど、途中で引き合いに出した「中華蕎麦とみ田」を筆頭に、泣く子も黙る怪物店を輩出することにも繋がったジャンルの一つ。また即席めん業界でも、醤油・味噌・豚骨・塩・鶏白湯などに並ぶ “王道の一つ” としての地位を確立しつつあるので、それをどのように明星食品は「麺神カップ」で表現しているのか、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、鰹と煮干しが香り立つ「麺神の雫」1パックのみで、明星食品のニュースリリース「明星 麺神カップ 魚介豚骨醤油」(3月18日発売)とコラボ歴から察するに、行列のできる専門店は「中華蕎麦とみ田」のことを指している様子。2024年3月現在、銘店紀行は「博多だるま」のみ生き残っている状態なので、残念ながら比較は叶わなかったのですが——
最終モデルの「銘店紀行 中華蕎麦とみ田」(2021年6月14日発売品)には “特盛チャーシュー” とメンマ、フリーズドライのネギを搭載していたのに対し、こちらは “そこそこ量のチャーシュー” とネギのみで、濃厚な魚介豚骨醤油スープと相性がいいメンマは残念ながら入っていません。
ちなみにメーカー希望小売価格は278円(税別)なので、レギュラーサイズのカップラーメンは236円(税別)、縦型ビッグだと271円(税別)が事実上の標準となっている現在、ちょっとだけ高めの部類に入りますが、既存の「麺神カップ」各種と同じ値段。コンビニでの税込価格は300.24円になりますけど、スーパーやドラッグストアなんかも販売店の対象に入っています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 麺神カップ 魚介豚骨醤油 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:99g(めん70g) 商品コード:4902881456876(JAN) |
発売日:2024年03月18日(月) 実食日:2024年03月20日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:278円(税別) 購入価格:257円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(麺神の雫) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、植物性たん白、酵母エキス、たん白加水分解物、香辛料(ガーリック)、米麹調味料(でん粉、米麹加工品、塩麹、食塩))、スープ(ポークエキス、糖類、デキストリン、豚脂、食塩、たん白加水分解物、かつおエキス、しょうゆ、かつおぶし粉末、植物油脂、チキンエキス、にぼし粉末、香味調味料、香辛料(ガーリック、ジンジャー)、さばぶし粉末)、かやく(チャーシュー、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、香料、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
麺は “新・生めん風3層極太製法” によるノンフライ極太麺で、これは2023年9月18日発売品以前の麺密もっちり製法(明星独自の乾燥技術を組み合わせ、超極太なのに “もっちり” とした噛み応えのある食感を実現した製法)に、麺の断面が3層(外層:表面のつるみUP配合、中心のコシUP配合)からなる「3層麺製法」と「乾燥方法」の技術を組み合わせた製麺方法なんですけど、要するに‥‥すごい。←
別添「麺神の雫」は後入れなので、それを取ってから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「麺神の雫」を投入し、カップの底まで箸を入れ、よく混ぜ合わせたら完成です。前述のようにメンマは入ってませんけど、ネギが想像以上に多かったw
さて、調理後の香りには魚介・豚骨どちらも存在しているけれど、想像以上に穏やかなファーストインプレッション。はたして自慢の極太麺に負けないくらい、スープも力強い仕上がりなのかどうか、そういった部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(99g)あたり |
カロリー:383kcal たん白質:12.0g 脂 質:7.6g 炭水化物:66.7g 食塩相当量:6.5g (めん・かやく:2.5g) (スープ:4.0g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:331mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:383kcal(めん・かやく:316kcal)(スープ:67kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと軽い?
お湯を注ぐ前の見た目は、ほんとに熱湯5分で大丈夫‥‥? などと心配になるくらい、強付きのある形状に圧倒されますが、熱湯5分ジャストでフタを開けても目立った戻りムラは皆無に等しく、縦型カップのノンフライ麺にしては限界に近い太さを実現しながら、ほぐれにくさについても気になりません。さすが明星食品、抜かりない設計です(日清食品ふぁいとー)。
従来の「麺密もっちり製法」は、なにを差し置いても密度の高さを最優先しているようなイメージで、その力強さを特徴としていたのですが、昨年のリニューアルから実装されている「新・生めん風3層極太製法」の極太麺は “麺密もっちり製法の密度を適度に継承しつつ、比較的にナチュラルな質感に” ブラッシュアップされており、その特徴は今回の「魚介豚骨醤油」も例に漏れず。ただ、ちょっと軽い印象も。
最終モデルの「銘店紀行 中華蕎麦とみ田」には、二郎インスパイア系の極太麺を彷彿とさせる “銘店級の強ごし麺” を搭載していたので、それとは大幅に異なるタイプになりますが、昨年12月4日発売の「明星 麺神カップ こってり鶏そば」を引き合いに出すと、後半のフカフカが目立つ感じ。ただ、スープとの相性が極端に悪いわけではなかったので、あとは好みの問題かもしれません。
スープ
イメージの2倍くらいマイルドな “またおま系”
まずは「麺神の雫」を入れずに味を確認してみたところ、公式が3種の魚介(鰹・煮干し・鯖)を謳っているように、なるほど魚粉に由来するザラついた舌触りを感じたのですが、同時に広がる “まろやかな豚骨の旨み” も印象的。生臭さなどのネガティブな要素は抑えつつ、じっくりと丁寧に炊き出したような、まったりとミルキーな旨みが口いっぱいに広がります。
商品名は「魚介豚骨醤油」となっていますが、醤油の主張は控えめで、豊かな魚介の旨みと魚粉のパンチ、それとマイルドな豚骨感が主軸を担っているフレームワーク。
続けて「麺神の雫」を加えると、粉末スープに配合されていた煮干しとは違う、オイル系の煮干し風味と豚脂のコクが加わって、さらに香り豊かな仕上がりに。どう考えてもコンセプトは “またおま系” ですが、その王道を地で行くような荒々しさは控えめで、例えるなら万人受けが必要なフードコートの魚介豚骨醤油をデフォルメしているような雰囲気。
そのためガツンと濃厚なパンチ強めの “またおま系” に期待していた場合、頼りなくてナヨナヨした味に思えるかもしれないけれど、食べやすい “またおま系” と割り切れば、味のバランスに妙が見えるスープです。
かやく
ある意味、振り切ってる
チャーシューはチップ状にカットされていますが、例の安っぽいハムみたいな食感ではなく、そこそこ脂身のジューシーさも楽しめる上位版。使用されているネギも100%フリーズドライなので、かなり量は多めですが、ジャキジャキとした繊維質の強い歯触りは皆無に等しく、ちょいちょい飛び込んでくる甘みの強い軸の部分が嬉しいアクセントに。
スープの系統的にメンマが欲しかった‥‥という不満は多少なりともありましたけど、正直そこまで気になりませんでした。
総評
実食前はNB版「銘店紀行 中華蕎麦とみ田」を想像していたので、そのわりに頼りねぇな‥‥などと。しかし、それは私の勝手なイメージで、明星食品が “またおま系” というワードを使用しているわけでもなければ「中華蕎麦とみ田」監修のカップラーメンという位置付けでもなく、これはこれと割り切れば悪くありません。
それにしても膨大なノウハウを保有しているわりに優等生すぎたので、ちょっと総評から差し引きましたけど、途中でも触れたようにフードコートのラーメンっぽいというか、肩の力を抜いて楽しめる一杯だと思います【author・taka :a(大石敬之)】