どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年4月23日(火)セブン-イレブン限定発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 満足の極み 山形鳥中華」(348円+税)の実食レビューです。
山形県天童市の老舗「手打 水車生そば」発祥 “おそば屋さんの賄い„ から生まれた鳥中華の魅力をプチ贅沢に再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
満足の極み 山形鳥中華
満足の極み(MANZOKU no KIWAMI)とは、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産とセブン-イレブンの共同開発商品で、2023年10月24日発売の「旨豚ニンニクしょうゆラーメン」を皮切りに発足。その後、2024年2月27日発売の「新潟背脂中華そば」と続き、どちらも麺85gを共通の特徴に掲げ、第1弾は低温殺菌調理のバリシャキもやしを、第2弾は高温殺菌調理のメンマを「満足」の指標にしていましたが‥‥
このページでレビューする「満足の極み 山形鳥中華」は、山形県天童市の老舗そば店を発祥とし、現在は山形の “ご当地ラーメン„ として全国的な知名度を誇る「鳥中華」の味わいを再現したカップラーメンで、満足の極みシリーズ第3弾。麺85gの訴求はそのままに、マルちゃん独自の殺菌調理品ではなく、乾燥具材の味付鶏肉・揚げ玉・ねぎ・刻み海苔を搭載ということで、やや方向性を変えてきました。
あらためまして——鳥中華(とりちゅうか)とは、江戸時代末期・1861年(文久元年)の創業以来、現在も山形県天童市で営業している老舗「手打 水車生そば」の賄(まかな)いを発祥とするラーメンで、考案者は同店の先代で五代目当主を務め上げた、矢萩 長兵衛(やはぎ ちょうべえ)その人。現在を遡ること約40年、蕎麦の材料を使用した独自のラーメンを創作し、女性の常連客を中心に噂が拡大。
それから約5年後、地元の印刷会社に取り上げられたことをキッカケに、知る人ぞ知る賄いが正式にメニュー化され、その後も地元民から愛されていたのですが、2010年(平成22年)3月8日に日テレ系列で放送された『SUPER SURPRISE 1億人が選ぶ! 今夜知りたいランキング 〜ご当地最新B級グルメベスト50〜』にて “全国6位„ の快挙を記録し、全国的な知名度を獲得するに至りました。
以降は東京からの客足も増え、その勢いは即席カップめん業界にも当たり前のように波及し、2011年5月9日にエースコックが「B級グルメ探訪 山形鳥中華」を市場に投下。2014年1月13日にはサンヨー食品が「サッポロ一番 一度は食べたいご当地シリーズ 山形 鳥中華」を、同年1月20日には明星食品が「明星 大崎裕史の美味しさ新発見! 山形・鳥中華」を発売するなど、ますます注目度が高まります。
なかでも明星食品は “鳥中華の考案者である五代目に「水車そば」の名前を使いたいと事前に申し出ていた„ のですが、謙虚な五代目は明星食品のオファーを拒否。そのため該当の商品は「手打 水車そば」監修ではなく「明星 大崎裕史の美味しさ新発見! 山形・鳥中華」になった——という裏話があるんですけど、この情報がグサッと刺さるのは一部のマニアくらいですよね‥‥w
比較的に最近の話だと、インスタントラーメン研究家の大和イチロウが『マツコの知らない世界』(2020年3月10日放送分)に出演した際に、みうら食品の「山形 そば屋の中華 鳥中華 和風そばつゆ味」を推薦するや否や爆売れ。再び鳥中華の注目度が再燃し、2022年3月28日にサンヨー食品が「大和イチロウおすすめ! 鳥中華どんぶり 和風そばつゆ味」を市場に投下。
翌年7月10日には「サッポロ一番 カップスター みうら食品監修 山形 鳥中華味」が発売され、直近だと2024年4月1日にヤマダイが2WAY設計の「凄麺(すごめん)山形鳥中華」をリリースしたのも記憶に新しいところ。そこにきての「満足の極み 山形鳥中華」なので、どのように鳥中華の魅力を表現しているのか、仕上がりが楽しみです(鳥中華の特徴については、レビューに挟みながら紹介しますね)。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」と「あとのせかやく」「きざみのり」を組み合わせた4パック構成で、鳥中華を構成する上で必要不可欠な刻み海苔はもちろん、同じく鳥中華に必須の揚げ玉を単体で個包装にしているところも高く評価したいポイント。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、セブン-イレブンの公式ウェブサイトやパッケージにも製法までは記載されていませんが、東洋水産の製造で原材料に “こんにゃく„ を使用したノンフライ麺という条件から「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」で確立した「生麺ゆでてうまいまま製法(特許5719064号)」とみて間違いなさそうな雰囲気。さて、これが吉と出るか凶と出るか——。
ちなみにセブン-イレブン店舗での販売価格は、1食あたり348円(税込375.84円)だったので、先にリリースされた「旨豚ニンニクしょうゆラーメン」や「新潟背脂中華そば」と同じ値段に設定されているのですが、立ち位置としてはミドルレンジクラスのカップラーメン。それでも値段相応の極まった満足感が得られるのかどうか、コスパ的な部分も見逃せません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 満足の極み 山形鳥中華 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:132g(めん85g) 商品コード:4901990378024(JAN) |
発売日:2024年04月23日(火) 実食日:2024年04月27日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 販売価格:348円(税別) 購入価格:375.84円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・かやく・あとのせかやく・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、植物油脂、乳糖、大豆食物繊維)、添付調味料(しょうゆ、植物油、砂糖、発酵調味料、魚介エキス、チキンエキス、食塩、鶏脂、こんぶエキス、酵母エキス、香辛料)、かやく(味付チキンダイス、オニオン揚玉、ねぎ、のり)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、炭酸カルシウム、レシチン、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、カラメル色素、増粘多糖類、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉を含む)※本製品で使用している海苔は、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、味付チキンダイスとフリーズドライのネギを同梱。もちろんカップラーメンの乾燥具材らしくデフォルメされてはいるけれど、実際の「元祖鳥中華」もトッピングに鶏もも肉や天かす、刻み海苔、三つ葉、白葱を使用していることから、まったくもって的外れなチョイスではないですし、けっこうチキンダイスの量が多めで好印象。
かやく以外の小袋は後入れなので、それを空けてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら「液体スープ」を投入し、よく混ぜ合わせ、仕上げに「あとのせかやく」と「きざみのり」をトッピングしたら出来上がり。
調理後の香りはラーメンというよりも蕎麦つゆっぽいベクトルで、そのイメージを刻み海苔が膨らませているようなファーストインプレッション。それでいて蕎麦の香りは乗ってこない、まさに鳥中華っぽい雰囲気はバッチリなので、あとは味覚に訴えかけてくる臨場感とコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(132g)あたり |
カロリー:449kcal たん白質:13.1g 脂 質:11.1g 炭水化物:74.2g 食塩相当量:6.5g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.2g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.46mg カルシウム:172mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:449kcal(めん・かやく:383kcal)(スープ:66kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
正麺カップの「芳醇コクしょうゆ」とは異なる質感
公式がパッケージなどで製法を言及していないので、原材料名の表示は「マルちゃん正麺 カップ 焼そば」(2024年3月4日リニューアル発売品)と完全に一致する内容だとしても、厳密には「生麺ゆでてうまいまま製法」ではないのか、それとも「マルちゃん正麺 カップ」以外のブランドでは訴求するのを控えているのか——などと。小難しいことはさておき、注目すべきは小麦感。
噛むと内側から強めに押し返してくる空気感と反発性は、まさに現状の「生麺ゆでてうまいまま製法」に通じる個性と一致するため、技術の源流は同じ製法かと思いますが、その枠組みの中では限界まで加水率を下げているイメージ。パツパツ、ザクッ、みたいなタイプではないけれど、いい意味で粉っぽい小麦の風味が口いっぱいに広がって、ふんわり心地好く抜けていく感じ。
フタを剥がして直後、ほぐれにくさが気になったので、すこし出鼻は慎重になる必要もありますが、それが気になるのも最初だけ。生麺に見紛うような、あるいは乾麺に匹敵するほどの小麦感ではないけれど、どちらかといえば後者に近いベクトルかもしれません。なんにせよ後述するスープとの相性に問題はなく、それどころか和風寄りの味付けだったからこそ小麦感が映えているような取り合わせでした。
スープ
甘めの蕎麦つゆバッチ来いならハマること請け合い
鳥中華は “蕎麦に使う和風だしと鶏肉を使って食べていた賄いのラーメン„ にルーツを持つので、スープのキーワードは蕎麦つゆ+鶏の旨み。その定義を基準に見ると、今回の液体スープはイメージを裏切らない仕上がりで、濃口しょうゆ特有のキレや酸味は控えめですが、粉末しょうゆでは打ち出せないフレッシュなコクを中心に、甘さを強めに効かせた蕎麦つゆのカエシを彷彿とさせる、穏やかで満ち足りた味わい。
原材料に鶏脂を使用していますが、ラーメン業界で重宝されている鶏油(ちーゆ)のように、芳ばしさを全面に押し出したようなタイプではなく、あくまで鶏が持つ旨みとコクを底上げすることに尽力しているような、はんなりとした上品さと鶏の出汁(だし)感が印象的。甘い蕎麦つゆが苦手な方にはオススメできないタイプになりますけど、その逆であればバシッとストライクゾーンに刺さると思います。
かやく
近年のカップ鳥中華を思うと充実感はトップクラス
実際の鳥中華にトッピングされるのは “そば屋の天かす„ なので、スープに溶け込むように馴染む様も鳥中華を語る上で重要な要素となっているのですが、今回の丸い揚げ玉は後入れ特有のサクサク食感。比較的に耐久性が高いので、ちょっとイメージ的に‥‥などと思ったのも束の間、次第に表面は “ふわんり„ と、それでいて中心部には少しだけ “サクッ„ とした歯触りを残す、なんとも絶妙な食感に。
またオニオン入りの揚げ玉なので、スープに揚げ物ならではのコクをプラスしてくれるだけでなく、野菜入りの掻き揚げを彷彿とさせる芳ばしい甘さも印象的。片や磯の風味豊かな刻み海苔は、蕎麦つゆライクな甘いスープと好相性で、これぞ鳥中華っぽい臨場感が大幅に加速。噛めば噛むほど系のチキンダイスは量が多く、フリーズドライのネギは少量でも上品で、それぞれが効果的かつ賑やかな内容でした。
総評
セブン-イレブンでの販売価格は348円(税込375.84円)なので、カップラーメンとしては地味に高めの部類に入りますが、鳥中華に必須の揚げ玉と刻み海苔は後入れ仕様かつ個包装の状態で搭載されていますし、チキンダイスの量も多く、小麦感あふれるノンフライ麺と蕎麦つゆライクなスープの相性にも目立った欠点は見当たりません。
ここにセブンプレミアムの「手巻おにぎり」120円(税込129.60円)を追加で購入すると、税込価格の合計は505.44円‥‥ありゃ、ワンコインで収まらないw というのを踏まえても、1食あたりの満足度が高かったので、総評は上出来の★5としました。とりあえず今後も「満足の極み」はノンフライ麺85g+満足度が高い具材+ご当地がキーワードになりそうなので、第4弾にも期待しましょう【author・taka :a(大石敬之)】