【実食】前代未聞 スガキヤ×ペヤング「そばきや 和風とんこつやきそば」レビュー

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寿がきや食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2024年4月22日(月)新発売、寿がきや食品のカップ麺「そばきや 和風とんこつやきそば」(258円+税)の実食レビューです。

スガキヤ×ペヤングまさかのコラボ!? 名古屋の味「スガキヤラーメン」をイメージした「ペヤングやきそば」爆誕!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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そばきや 和風とんこつやきそば

たとえば有名なラーメン店に監修を仰いだり、人気の駄菓子をラーメンや焼きそばにアレンジしたり、まさかのスカルプシャンプーとタイアップしたり、ときには騒然必至の異業種コラボにも積極的な即席カップめん業界。ほかにも麺は○○社、スープは▲▲社、ブランドは□□社のように、製造の面では協力し合うなど、そういった横の繋がりも存在するのですが、同業者間の共同開発商品は数えるほどもありません。

スガキヤ×ペヤングまさかのコラボ

今回の新商品「そばきや 和風とんこつやきそば」は、まるか食品の代名詞といっても過言ではない「ペヤング ソースやきそば」をベースに、中部地方で高い知名度を誇るラーメンチェーン「スガキヤ」の味わいをイメージした一杯で、販売者は寿がきや食品という異例の共同開発を実現。商品名の由来は “スガキヤラーメンがやきそばになった„ の略称らしいのですが、ちょっと情報を整理しておきましょう。

まるか食品とは、まるか商事・ペヤングホールディングス・丸善開発を子会社に持つ株式会社で、本社所在地は群馬県伊勢崎市。1975年(昭和50年)3月13日の発売以来、同社を支え続けている「ペヤング ソースやきそば」を主力商品としているため、公式ウェブサイトに掲載されている主な事業内容は “即席ラーメン、スナック麺の製造販売„ となっていますが、実は “不動産賃貸業„ も展開しています。

寿がきや食品(SugakiyaFoods Co., Ltd.)とは、そばきやのモデルにもなっている「スガキヤ」のカップ麺・袋麺・チルド商品・冷凍商品なども手掛けている “麺・調味料を主力とする加工食品メーカー„ で、本社所在地は愛知県豊明市。しかしながら店舗の「Sugakiya」は、名古屋市中区丸の内に本社を置くスガキコシステムズ(Sugakico Systems Co., Ltd.)が運営しているため、厳密には別の会社。

余談ですが、猫の名前は「みゃー」といいます。

つまり、今回の「そばきや 和風とんこつやきそば」を俯瞰的に見ると “スガキコシステムズが展開しているチェーン店の味わいを、まるか食品が再現して製造し、寿がきや食品が販売する„ みたいな構図になっているので、飲食業界で有名なSugakiyaが寿がきや食品を差し置いてペヤングとコラボ!! であればワンチャン‥‥みたいなところはありますけど、前述のように即席めんメーカー同士のコラボは異例の試み。

先に “製造の面では協力し合う„ と触れたように、もともとテーブルマークのグループ工場だった「加ト吉水産フーズ部群馬工場」は、寿がきや食品に譲渡される前から同社のノンフライ麺を委託製造していた工場で、まるか食品やサンポー食品(佐賀県三養基郡)のカップラーメンに使われるノンフライ麺なども製造していた実績の持ち主。

また寿がきや食品の商品に使われる油揚げ麺は、ぽんぽこラーメンで知られる山本製粉が委託製造先に指定されていたり。マルタイやサンヨー食品が販売している大盛りバケツ型の商品は、同じグループ内のエースコックが製造していたり。そういった場面では手を取り合っているのですが、スガキヤ×ペヤングなどと、本来は競合他社のブランドを掛け合わせるなんて、もはや革命といっても過言ではありません。

別添「かくし味」付

というわけで、あまりの衝撃に解説が長くなってしまいましたが‥‥モデルになっている「スガキヤラーメン」は、さっぱりとした味わいながらもクセになる、独特の和風とんこつ味が特徴の一杯。はたして「ペヤングやきそば」との親和性は高いのか、仕上がりが楽しみです。

開封

この時点でスガキヤとペヤングがハーフ&ハーフ

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「ソース」と「かくし味」の組み合わせで、フィルムを剥がした先に “スーちゃん„ が待機。また配色こそ変えてありますが、かくし味の小袋は「即席SUGAKIYAラーメン」の別添と同じデザインで、Sugakiyaファンとペヤンガーの心を同時にくすぐる粋な演出も見どころ。

ここは完全にペヤングです

一方で容器の形状と油揚げ麺の採用は、紛う方なし100%ペヤングやきそばの仕事。個人的にSUGAKIYAのカップ麺=ノンフライのイメージが強いので、ちょっと残念な気持ちが無きにしも非ずではあるけれど、ここも寿がきや食品の製造だとペヤングらしさが格段に弱くなりますからね。

ちなみにメーカー希望小売価格は258円(税別)なので、同社の「カップSUGAKIYAラーメン」(274円+税)よりは手に取りやすい値段に設定されているのですが、レギュラーサイズのカップ焼きそばにおける基準(236円+税)を踏まえると、やや高めに感じる価格帯。しかも、販売店は “関東・中部・近畿に限定されている„ ため、それ以外の地域には売ってない、場合によっては入手困難な商品になります。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:そばきや 和風とんこつやきそば
販売者:寿がきや食品株式会社
製造所:まるか食品株式会社
内容量:117g(めん90g)
商品コード:4901677191441(JAN)
発売日:2024年04月22日(月)
実食日:2024年04月26日(金)
発売地域:関東・中部・近畿
取得店舗:MEGAドン・キホーテ
小売価格:258円(税別)
購入価格:237円(税込)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:角型レギュラー
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:480ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:3袋(ソース・かやく・かくし味)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(ポークエキス、還元水あめ、香味油脂、しょうゆ、食塩、混合ぶしエキス、麦芽糖、たん白加水分解物、魚介粉末、ポークエキスパウダー、さばぶしエキス、香辛料、昆布エキスパウダー、昆布粉末)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、加工デンプン、リン酸塩(Na)、ビタミンB2、香料、カラメル色素、(一部に小麦・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

いい意味で「やきそば」とは思えないラインナップ

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は味付豚肉、メンマ、ねぎとラーメンらしいラインナップ。それぞれ他のペヤングやきそばにも使い回されている具材なので、残念ながら新鮮味はないけれど、モデルになっている「スガキヤラーメン」のイメージ的に悪くありません。

見た目はペヤングだけど

かやくを空けたら内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「ソース」を温めながら待つこと3分。時間になったら湯切り口を作り、麺の戻し湯を捨て「ソース」を馴染ませた後、仕上げに「かくし味」をトッピングしたら完成です。調理前・調理中・調理後も常に、麺の揚げ油に含まれるラード由来の芳ばしさが並行するため、調理直後はペヤングやきそばサイドの個性が色濃く映るかと思いますが‥‥

穏やかな魚粉のアクセントだったり、とんこつベースのソースから漂ってくる香りだったり、きちんとスガキヤラーメンの気配も感じさせるファーストインプレッション。はたして両商品の均衡は取れているのかどうか、お互いの個性に注目しつつ「めん」「ソース・かくし味」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(117g)あたり
カロリー:537kcal
たん白質:10.8g
脂  質:27.8g
炭水化物:61.0g
食塩相当量:4.1g
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

(ペヤング的に)いつもの麺です

4.0

カップラーメンの「カップSUGAKIYAラーメン」を製造しているのは寿がきや食品の関東工場(旧・加ト吉水産フーズ部群馬工場)なのに対し、袋麺の「即席SUGAKIYAラーメン」を製造しているのは住岡食品(静岡県浜松市に本社を置く乾めん及び即席めん並びに健康食品のOEM・受託ODMメーカー)なので、実は異なる工場で製造されているのですが、どちらも共通してノンフライ麺を使用しています。

これを寿がきや食品が販売しているとは、感慨深い‥‥

しかし、寿がきや食品が販売する「そばきや」に使われているのは、まるか食品の揚げ油を通過した「ペヤング ソースやきそば」と同じフライ麺なので、ラードに由来する特有の芳ばしさや食感など、雰囲気は別物どころか真逆といっても過言ではない立ち位置。たとえば東洋水産の商品を例に挙げると「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」vs.「QTTA」くらいの違いが生じている、といえば伝わりやすいでしょうか。

そのため「SUGAKIYAラーメン」らしさも「スガキヤラーメン」らしさも皆無に等しいので、完全に別物と割り切る必要はありますけど、ペヤングらしさはフルスロットル。あくまで「そばきや」のコンセプトは “スガキヤラーメンが(ペヤングの)やきそばになった„ なので、イメージ的にノンフライ麺だとイマイチだったかもしれません。

ソース・かくし味

けっこう再現度は高いのではなかろうか

4.0

まずは「ソース」単体の味を確認しようと思い、ちょこっと撮影後に舐めてみたところ、なかなかどうして「スガキヤラーメン」らしいテイストでビックリ。公式は「ペヤング ソースやきそば」がベースと公表していますが、ウスターソース系の原材料は不使用で、このまま熱湯で薄めたら「スガキヤラーメン」のスープに近付きそうなくらい、ソースというよりもスープのベクトル。

ただ、既存の「即席SUGAKIYAラーメン」や「カップSUGAKIYAラーメン」と比較して、たしかに “あの和風とんこつ味„ を彷彿とさせるクセのない豚骨感に、魚介の旨みブレンドした味付けですが、やや濃いめにチューニングしていたり、ラーメン版よりも魚介の密度が高かったり、そういったデフォルメを感じるフレームワーク。またノンフライ麺ではないので、それも味覚に大きく影響しています。

雰囲気あるある

別添の「かくし味」は、ざっくり要約すると “魚粉・ホワイトペッパー・うま味成分„ をブレンドした感じのパウダーで、カップラーメンではなく袋麺の「即席SUGAKIYAラーメン」に近いアイテム。これをトッピングした途端、ソースと互いの個性を引き出し合うように、魚介の旨みと厚みがグッと増すので、かなり効果的でした。

かやく

ペヤングらしいけどラーメンらしさもある

4.0

味付豚肉、メンマ、ねぎ、それぞれラーメンを題材にした “ペヤングの脱やきそば系に使われる頻度が高い具材„ なので、前述のように新鮮味はないですし、何度も引き合いに出している「カップSUGAKIYAラーメン」とも異なる構成になりますが、めん・かやく・容器はペヤング、ソース・かくし味・パッケージの雰囲気はスガキヤ、みたいなバランスで良好な力加減。

メンマはコリコリとした歯触りが強く、味付豚肉も食感しっかりめで、ねぎは‥‥ジャキジャキした繊維質が強すぎるような気もしますけどw あえての脱やきそば感は奏功していました。

総評

4.0

というわけで、お互いの魅力を損なわないように、なんとも絶妙なバランスで妥協し合っている‥‥などと書いたらイメージ的にアレかもしれませんけどw スガキヤ×ペヤングの魅力が持ちつ持たれつ共存しているような、なるほど同業者がコラボすると “こんな感じになるのか„ と妙に納得。

販売地域を限定しているのに、メーカー希望小売価格の設定が事実上の標準よりも高いので、そのあたりも含めて星ひとつマイナスしましたが、買って損をするような商品ではありません。むしろジャケ買いしても損ではない、なかなか雰囲気のある一杯かつ歴史的な一幕でもあるので、好き嫌いはあるかと思いますけど、一度は経験しておく価値ありです【author・taka :a(大石敬之)】

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