創業1957年の熊本ラーメン専門店【黒亭】監修 “とんこつ×焦がしニンニク油” 伝統の味をカップ麺で再現!!

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明星食品

どうも、taka :a です。

本日の一杯は、2021年1月26日(火)新発売のカップ麺、ファミリーマート限定「明星 熊本ラーメン 黒亭監修 とんこつラーメン」の実食レビューです。

熊本ラーメン専門店「黒亭」監修 “焦がしにんにく油が香ばしい” コンビニ限定のカップラーメンが縦型ビッグにリニューアルして再登場!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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黒亭カップ麺 2021

黒亭(こくてい)とは、熊本県熊本市西区二本木2丁目に本店を構える1957年(昭和32年)創業の熊本ラーメン専門店で、熊本ラーメンの礎を築いてきた老舗の一つ。そのルーツは熊本ラーメンの元祖とされる1954年(昭和29年)創業のレジェンド「こむらさき」にあり、2021年1月現在は熊本県内に4店舗(本店、下通店、桜町熊本城前店、ゆめタウン光の森店)を展開しています。

撮影協力:ファミリーマート

今回のカップ麺「熊本ラーメン 黒亭監修 とんこつラーメン」は、東京都渋谷区に本社を置く明星食品株式会社と有限会社黒亭(熊本ラーメン専門店 黒亭)の共同開発商品で、コンビニの中でもファミリーマートでしか買えないPB(プライベートブランド)のカップラーメンとして企画された数量限定品。以前にも同じ条件で「黒亭」監修のカップ麺を販売していましたが、簡便性に優れた縦型ビッグでの再現は初の試み。

熊本ラーメン(くまもとラーメン)とは、熊本県熊本市を中心に作られるラーメンの総称で、白濁とんこつスープの元祖「三九(さんきゅう)」に感銘を受けた木村一氏、山中安敏氏、劉壇祥(重光孝治)氏の3名が始祖。1953年(昭和28年)に木村一氏が「松葉軒」を、1954年(昭和29年)に山中安敏氏が「こむらさき」を、1955年(昭和30年)に「桂花」で調理を務めていた劉壇祥が「味千」を創業し、その歴史が始まります。

熊本のラーメンは、とんこつラーメンの発祥の地・久留米(くるめ)をルーツとし、熊本県北部に位置する玉名市を経て伝播した——というのが有力説。ただ、その特色は多岐にわたることで知られ、純度100%の豚骨スープを売りにしている店もあれば、鶏ガラと野菜をブレンドしている店もあり、近年は “非豚骨” のラーメン店が注目を集めるなど、多様性に満ちているのが最大の特徴といっても過言ではありません。

カップ麺の容器側面には「黒亭」の歴史を表示

しかし、創業当時のスープに新しいスープを継ぎ足し続ける久留米の伝統技法 “呼び戻し” とは対を成す、その日に作ったスープを当日に使い切る “取りきり” や、動物系のクセを抑えたスープにガーリックチップでインパクトを打ち出す手法など、いくつか代表的な特徴があり、現代の熊本ラーメンを象徴するマー油(焦がしニンニク油)の元祖は「好来(はおらい)らーめん」ですが、伝統的な雛形とされるのは「こむらさき」のラーメン。

その「こむらさき」を創業した山中安敏氏にラーメンの作り方を習い、現在の「黒亭」を創業したのが平林武良・絹子夫妻で、有限会社黒亭の代表取締役(3代目)を務める平林京子さんの祖父母にあたる人物。まだ武良氏が駆け出しの画家だった当時、絵では食べていけないからラーメン屋を副業にしたい——と、かつての「こむらさき」に弟子入りを志願。そこで指南を受け、1957年(昭和32年)に「黒亭」を開業しました。

「黒亭」という名前の由来は、創業者・平林武良氏の好きだった色(黒)にちなみ、1992年(平成4年)に有限会社黒亭を設立。1994年(平成6年)には「お土産ラーメン」の販売をはじめ、2015年(平成27年)に「セントラルキッチン」を開設するなど、時代の流れに伴う変化を続けているのですが、豚の頭だけを使った白湯(ぱいたん)に、焦がしニンニク油を浮かべたスープは「黒亭」の代名詞として知られます。

焦がしにんにく油が香ばしい豚骨スープに注目

明星食品とのコラボ商品は、2017年10月17日発売のファミリーマート・サークルK・サンクス限定「黒亭監修 とんこつラーメン」から続いており、以降もファミリーマート限定商品として毎年恒例になりましたが、2017年・2018年・2019年・2020年と一貫して “大判どんぶり型” の容器を採用していたのに対し、このページでレビューする2021年発売品は “シリーズ初の縦型BIG” に刷新されたので、かなり大きな変化が生じました。

開封

別添の小袋は1種類

2020年1月21日発売の大判どんぶり型(以下「前回」という)には4種類の小袋(粉末スープ・調味油・かやく・焼のり)を搭載していましたが、今回の縦型ビッグには後入れの「調味油」のみ別添ということで、調理の手軽さとゴミの少なさが利点。パッケージのイメージ写真にも黒いマー油が浮いていたように、これが決め手の焦がしニンニク油とみて間違いないでしょう。

多めの具材が好印象

具材の構成はチップ状のチャーシュー、細切りのキクラゲ、小口切りの青葱とシンプルな構成で、即席カップめん特有のジャンクな香りが漂います。残念ながら焼き海苔は別添されていないため、そこが寂しいポイントかつチャーシューも四角い成型肉を使用していますが、けっこう多めに入っているのが嬉しく、開封直後の印象は悪くありません。

ちなみに前回のファミリーマート通常価格は258円(税込278円)だったのに対し、今回は212円(税込228円)と大幅にプライスダウン。縦型ビッグは簡便性に優れる一方、再現度や本格さにおいて大判どんぶり型に劣りますが、以前よりも圧倒的に購入しやすい値段になったのは大きな強み。

またコンビニの中でもファミリーマートでしか買えない数量限定品ですが、全国のファミリーマートが販売店の対象で、筆者の住んでいる地域(田舎)でも取り扱っている店舗が多かったです。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:熊本ラーメン 黒亭監修 とんこつラーメン
販売者:明星食品株式会社
製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場
内容量:95g(めん70g)
商品コード:4902881476096(JAN)
発売日:2021年01月26日(火)
実食日:2021年01月27日(水)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ファミリーマート)
商品購入価格:228円(税込)
希望小売価格:212円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:400ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:1袋(調味油)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、卵粉)、スープ(ポークエキス、食塩、デキストリン、豚脂、香味調味油、たん白加水分解物、乳等を主要原料とする食品、香味油、香辛料、糖類、酵母エキス)、かやく(チャーシュー、ねぎ、キクラゲ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、リン酸塩(Na)、乳化剤、香料、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、甘味料(スクラロース)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・大豆・豚肉を含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。

実食開始

麺は熱湯5分のノンフライ麺を採用

麺は油で揚げていないノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。たとえば明星食品のNB(ナショナルブランド)商品「中華三昧(ちゅうかざんまい)」に、セブンイレブン(セブンプレミアム)の「銘店紀行(めいてんきこう)」など、他社に先駆けて縦型カップにノンフライ麺を導入してきた実績のある明星食品なので、今回も安心して楽しめそうな予感。

卵黄で “玉子入りラーメン” を再現したいw

別添の小袋は後入れなので、お湯を注ぐ前にフタの上から取り外し、食べる直前に加える仕様。やはり中身はマー油(焦がしニンニク油)だったので、特有の芳ばしい香りが漂います。

ちなみに前回のカロリーは367kcal(めん・かやく:272kcal、スープ:95kcal)だったのに対し、今回(2021年1月発売品)のカロリーは377kcal(めん・かやく:303kcal、スープ:74kcal)ということで、スープのカロリーは下がり、めん・かやくのカロリーは増えるなど、興味深い変化が生じていました。

なお明星食品とタイアップする前は、長崎県大村市に本社を構える株式会社狩野ジャパンが「黒亭」のカップ麺を販売しており、当時の商品も大判どんぶり型を基本としていたので、その頃から数えても歴代初の縦型かもしれません。それでは、引き続き前回との違いやマー油の効果に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(95g)あたり
カロリー:377kcal
たん白質:10.6g
脂  質:9.5g
炭水化物:62.3g
食塩相当量:6.0g
(めん・かやく:2.0g)
   (スープ:4.0g)
ビタミンB1:0.29mg
ビタミンB2:0.35mg
カルシウム:123mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:377kcal(めん・かやく:303kcal)(スープ:74kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

再現度はさておき印象は悪くない

5.0

「黒亭」の実店舗で使われている麺は、石臼挽きの粉と厳選した数種類の小麦粉をブレンドし、気温や湿度の変化に合わせて職人が作る自家製麺で、サイズは久留米の豚骨ラーメンよりも太く、形状はストレート。卵や卵白粉など、卵由来の食材は不使用らしく、加水率は中くらい〜やや低め。

調理前70gで食べ応えもバッチリ

対する今回のノンフライ麺には卵粉(らんぷん)を使用しているため、卵由来の食材は不使用という部分は再現されておらず、形状も縮れの強い平打ち麺とストレートではありません。また大判どんぶり型の頃とも異なる形状に切り出されているのですが、適度に粘りのある弾力を打ち出しつつ、やや加水率を下げているのも印象的。

後述するスープは焦がしニンニク油の香りを特徴としていますが、それに負けない小麦の甘みと鼻を抜ける香りが心地よく、ひとつのノンフライ麺としてクオリティの高さを感じる仕上がり。また以前の明星食品が縦型カップにノンフライ麺を採用していた場合、量を減らしてコストを調整していましたが、調理前の麺量は70gと縦型ビッグ(大盛り)の平均で、スープとの相性も問題なく、食べ始めから最後まで美味しいノンフライ麺でした。

スープ

マイルドなスープに黒マー油でインパクトを付与

5.0

調味油を入れる前のスープに焦がしニンニク系の要素はなく、とろみ成分で人工的な口当たりのスープに仕上がっているのですが、一般的にネガティブとされる豚骨臭を抑えつつ、ぽってりとクリーミーなポークエキスを軸に、ガーリックパウダーの芳ばしい風味を効かせ、乳等を主要原料とする食品で乳化感を底上げしてる、これはこれと割り切れば悪くありません。

しっかり自己主張を放つマー油の芳ばしさに注目

そこに調味油を加えると一変、よくも悪くもクセのないスープに「黒亭」を象徴する焦がしニンニクの風味と豚脂のコクが重なって、ちょっとホロ苦く芳ばしい独特の味わいが個性を演出。それほど量が多いわけではないため、前回ほど強烈な存在感ではないけれど、口径の狭い縦型カップ(調味油の香りを感じやすい容器)を使用していることから、一辺倒になりすぎない程度に明確な主張を見せてきます。

ためしに調味油を入れてから混ぜ込んでみたところ、せっかくの風味が分散して魅力が半減してしまった‥‥みたいなこともありませんでした。というわけで、調味油を入れてから混ぜる・混ぜないについては好みで調節していただければと思いますが、とろみ成分が溶け残ってしまった場合、それこそ製品の魅力を損なってしまうため、かならず粉末スープを溶かしきってから調味油を加えてください。

具材

たっぷり具材が好印象

5.0

カップ麺のチャーシュー、キクラゲ、ネギは、いずれも従来の商品に使われてきた汎用のトッピングなので、新開発の具材ではありません。しかし、量は上記の画像に写っている以上に多く、それぞれ重ねて撮影していますが、チャーシューだけで麺が見えなくなるほどのボリューム感。さらにコリコリとした食感のキクラゲに、柔らかい食感と風味で主張しすぎない青葱も嬉しいチョイス。

けっこう悪くない

チャーシューの食感や風味は単体で食べると成型肉ど真ん中のなので、本物のチャーシューに及ばないのはもちろん、前回の丸いチャーシューほどジューシーなタイプでもないのですが、商売敵のセブンイレブンが誇る「銘店紀行」に匹敵するボリューム感を実現。割り切って食べたら地味に美味しい肉具材ですし、きちんと値段に見合った内容だと感じました。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5)

本格さを重視して評価した場合、2020年1月発売の前回に軍配ですが、比較してファミリーマート標準価格が50円も安くなっている部分は大きく、しっかりと焦がしニンニクの臨場感を打ち出し、縦型としては申し分ないクオリティのノンフライ麺を使用しているのも利点。その結果、ひとつのカップラーメンとして評価すると、前回よりも完成度が高くなったのではないかと感じました。

また2021年1月現在、縦型ビッグのカップラーメンをコンビニで購入した場合の税込価格は232円、対する今回の「黒亭」は228円(税込)とコストパフォーマンスも悪くありません。カップ麺らしい要素も色濃く出ていますが、それをネガティブに思わせないバランスも魅力的に思えたので、気になっている方は最寄りのファミリーマートをチェックしてみてください(author・taka :a)

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