どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年9月25日(月)新発売、寿がきや食品のカップ麺「麺処井の庄監修 辛辛魚まぜそば(二代目)」の実食レビューです。
あの傑作を汁なしアレンジ!? 豚骨×魚介×激辛の金字塔「辛辛魚らーめん」を湯切りタイプの「激辛まぜそば」として商品化!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺処井の庄監修 辛辛魚まぜそば 2023ver.
麺処 井の庄(いのしょう)とは、東京都練馬区石神井町にある人気店で、2006年(平成18年)1月20日の創業以来、今では全国的な知名度を誇る実力派。同店の代名詞となっている「辛辛魚(からからうお)らーめん」は、豚骨×魚介×激辛の中毒性で絶大な人気を博し、それを再現した寿がきや食品のカップラーメンも熱狂的なファンが多く、即席カップめん業界においても不動の地位を築き上げました。
今回の新商品「麺処井の庄監修 辛辛魚まぜそば」は、泣く子も黙る「辛辛魚らーめん」を湯切りタイプの「まぜそば」にアレンジした一杯で、製造者は寿がきや食品。濃厚な豚骨醤油スープに、特製ラー油とラードを加え、アイデンティティの “辛魚粉” を山のように盛り付ける、まさに「麺処 井の庄」監修ならではのエッジが効いた変わり種となっているのですが、これが初めての商品化ではありません。
あらためまして、カップラーメンの「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」が初めて発売されたのは、現在を遡ること14年以上、2009年(平成21年)1月26日の話。その当初から寿がきや食品との共同開発商品で、以降はバージョンを変えながらも毎年恒例となり、直近だと2023年1月30日発売の「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」で “15代目” に突入するなど、すっかり冬の風物詩として定着しました。
ほかにも通販限定・数量限定・出荷日限定の「辛辛魚つけ麺 チャーシュー付き」だったり、辛さ調節可能な「辛辛魚鍋つゆ」だったり、辛さを追求した袋麺の「辛辛魚らーめん」(2023年10月現在は「辛辛MAXバージョンⅡ」)だったり、最近だと追い辛魚粉用の「辛辛魚 辛魚粉 4袋入」を展開していたり、もはや絶対的なポジションを確立している「麺処 井の庄」監修シリーズなのですが‥‥
同シリーズから初めて「辛辛魚まぜそば」が登場したのは、2019年(令和元年)7月23日と比較的に最近の話。アイデンティティとなっている “辛魚粉” の別添をはじめ、熱狂的なファンを多く抱えている「辛辛魚らーめん」の魅力を踏襲しつつ、フライドガーリック・ローストネギ・フライドオニオンのアクセントを効かせるなど、カップラーメンにはない独自のステータスを備えていました。
初代「辛辛魚まぜそば」は “ローソン店舗にしか売ってない” 販路限定の留型で、生産数量も限定されていたのですが、シリーズ初の試みとは思えない完成度の高さを打ち出していたこともあり、このブログでは高評価を記録。これなら翌年に再販されるだろうと楽しみにしていたのですが、待てど暮らせど、それっきり——。
というわけで、2023年の「辛辛魚まぜそば」は満を持す “2代目” に該当し、4年以上の歳月を経て復活を遂げたわけなんですけれども、今度は “販売店を限定しないNB(ナショナルブランド)のカップ麺” として商品化。コンビニでは「辛辛魚まぜそば」爆誕の切っ掛けとなったローソンをはじめ、ファミリーマートやミニストップでの取り扱いも確認済み。
2023年10月現在、セブンイレブンでの取り扱いは岐阜・愛知・三重の店舗に限定されているようですが、前述のようにNBのカップ麺なので、スーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなどはもちろん、通販サイトも取扱店に含まれます。はたして4年前に匹敵する‥‥いや、それ以上の完成度に到達しているのかどうか、お手並み拝見と参りましょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、初代と同じ「液体スープ」「後入れ粉末スープ」「あとのせかやく」の組み合わせで、それぞれ中身は見えないデザインとなっているのですが、これまでの流れから察するに、後入れ粉末スープが例の “辛魚粉” とみて間違いありません。
麺は油で揚げずに乾燥させた、全粒粉入りのノンフライ麺で、湯戻し時間は15代目「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」と同じ熱湯4分。全粒粉は小麦粉に占める割合5%ということで、これもカップラーメンと共通する特徴になります。ちなみに麺重量は4年前の初代「辛辛魚まぜそば」と同じ75gなのですが、湯切りタイプの麺重量は90gをレギュラーサイズの基準としているため、やや少ないところが玉に瑕。
それでいてメーカー希望小売価格は、大盛りサイズのカップ麺で基準となっている271円(税別)を余裕で上回る、316円(税別)に設定されているので、ここも評価する上で意識しなければいけないポイント。ちなみに販売店は限定されていないNB商品と前述しましたが、流通の問題から “沖縄では手に入らない” ので、販売圏外の方はECサイトでの購入を検討してください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺処井の庄監修 辛辛魚まぜそば 製造者:寿がきや食品株式会社 製造所:関東工場(群馬県高崎市新町2330-26) 内容量:116g(めん75g) 商品コード:4901677191014(JAN) |
発売日:2023年09月25日(月) 実食日:2023年10月01日(日) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:316円(税別) 購入価格:278.64円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(液体スープ・後入れ粉末スープ・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、小麦全粒粉、食塩、小麦たん白、植物油脂、大豆食物繊維、たん白加水分解物)、スープ(動物油脂、香味油、しょうゆ、ポークエキス、糖類、唐辛子、粉末かつお節、たん白加水分解物、チキンエキス、しょうゆ調味料、食塩、ポークパウダー、ローストガーリックペースト、にんにく)、かやく(フライドガーリック、ローストネギ、フライドオニオン、のり、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、着色料(カラメル、クチナシ、パプリカ色素)、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、かんすい、乳化剤、香辛料抽出物、酸化防止剤(V.E)、香料、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本製品で仕様している海苔は、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。 |
実食開始
別添の小袋は “すべて後入れ” なので、それらを取り出してから熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと4分。容器側面の調理方法(作り方)には、湯切り後に “「液体スープ」と「後入れ粉末スープ」を入れよくかき混ぜ「あとのせかやく」を入れてできあがり。” と記載されているのですが‥‥
パッケージのイメージ画像みたいに盛り付けたい場合は、湯切り後に「液体スープ」だけを投入し、よく混ぜ合わせ、その後は混ぜずに「後入れ粉末スープ(辛魚粉)」と「あとのせかやく(ふりかけ)」をトッピングすると、上記のように仕上がります。ええ、まさに「辛辛魚らーめん」のDNAを受け継ぎながらも賑やかなビジュアルは、初代「辛辛魚まぜそば」を彷彿とさせる雰囲気。
さらに、あとのせかやくのフライドガーリック・フライドオニオン・ネギ・焦がしネギ・刻み海苔も踏襲されているのですが、この時点で分かる “省かれたアイテム” もあったので、引き続き4年前からの変更点やコストパフォーマンス的な部分にも注目しつつ「めん」「液体スープ・辛魚粉」「あとのせかやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(116g)あたり |
カロリー:473kcal たん白質:10.6g 脂 質:21.0g 炭水化物:60.6g 食塩相当量:4.1g カルシウム:197mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく15代目の「辛辛魚らーめん」と同じ
4年前の初代「辛辛魚まぜそば」には、これよりも幅が広く、もう少し薄めの全粒粉入りノンフライ麺を搭載していましたが、2代目「辛辛魚まぜそば」の全粒粉入りノンフライ麺は15代目「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」と同じ形状で、調理前の麺重量も変わりません。
ちなみに2022年1月31日発売の14代目「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」には、これよりも幅が広く、やや薄めの全粒粉入りノンフライ麺を搭載していたので、その変遷に伴うリニューアルが反映された様子。その変更はカップラーメンだとネガティブに映ってしまったのですが、スープのない「辛辛魚まぜそば」だと後ろ向きではなく、むしろ総合力は高くなっていると感じた次第。
後述する辛魚粉(後入れ粉末スープ)のインパクトが強いので、小麦粉に占める割合5%の全粒粉は陰に隠れてしまいますが、熱湯4分きっかりで湯切りしても戻りムラは気にならないこと。それでいて全体的に密度が高く、じっくりと噛み締めるたびに滲む小麦感が激辛スープと対比を描き、中毒性をブーストしてくれるような組み合わせ。汁なしカップ麺の基準では少なめですけど、高い満足感が得られました。
液体スープ・辛魚粉
4年前よりも攻撃性が増している
まずは「液体スープ」単体の味を確認してみたところ、辛辛魚の “魚” 部分は皆無に等しく、辛さも一般的にみて中辛〜ふつうに辛口の域を突き抜けて飛び出すことはありません。ただ、この時点で辛い食べ物が苦手な方は要注意。味の系統はキレのある醤油豚骨で、やや醤油のエッジを強めに感じますが、多めの動物油脂によるコクと、こってりオイリーな口当たりが鋭い部分を適度にカバー。
別添の「あとのせかやく」に大量のフライドガーリックを使っていますが、こちらにもローストガーリックペーストを使っているため、方向性としては尖らせながらも深みのある味わいです。そして、ここに辛辛魚のアイデンティティとなっている「後入れ粉末スープ」を加えると‥‥
カップラーメンの辛魚粉よりも量が少ないため、比較的に標高は下がりますが、なんのこれしき辛さレベルは余裕で “激辛” の域に到達し、なおかつ辛辛魚の “魚” 部分も強く主張してくる、あの世界観を見事に表現。カップラーメンよりも味がダイレクトに伝わってくるので、まったく同じベクトルではないけれど、その延長線上に位置していることは間違いありません。
ちなみに初代「辛辛魚まぜそば」よりも魚粉(粉末かつお節)の力強さが増していると感じたのですが、それについては15代目「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」の前年比と同じ変化だったので、おそらく「後入れ粉末スープ」の配合は共通です。
あとのせかやく
まったくもって魅力は損なわれていない
初代「辛辛魚まぜそば」の「あとのせかやく」には “肉そぼろ” と “赤唐辛子” も入っていたのに、コストとの兼ね合いか、それらを省いてしまった2代目。しかし、そもそも辛魚粉が充分に辛いため、赤唐辛子のマイナスは目立っておらず、初代の肉そぼろは後入れの仕様から、あまり存在価値が見出せなかったこともあり、それらを踏まえるとネガティブな変更ではありません。
それ以上に、フライドガーリック・フライドオニオン・青ネギ・焦がしネギ・刻み海苔を踏襲していたことのほうが重要で、あきらかにサイズアップしていたフライドガーリックのサクサク感はもちろん、フライドオニオンの芳ばしい甘さだったり、焦がしネギのホロ苦さだったり、刻み海苔や青ネギの風味だったり、賑やかだけど統一感のあるアクセントで物足りなさは感じませんでした。
総評
2019年7月発売の初代「辛辛魚まぜそば」と比較して、全粒粉入りノンフライ麺の形状が変わっていたり、辛魚粉の粉末かつお節が強くなっていたり、あとのせかやくの肉そぼろと唐辛子が省かれていたり、それなりの変化を感じたのですが、なんのこれしき復活を待ち望んでいたファンの期待を裏切るようなマイナスはありません。
カップラーメンの「辛辛魚らーめん」に匹敵する辛さなので、こちらも人を選ぶ商品にはなりますが、その万人ウケを狙わない姿勢こそ「麺処 井の庄」監修シリーズの魅力。またパッケージの “2023” から察するに、今後は「辛辛魚まぜそば」も毎年恒例に格上げされそうな雰囲気ですが、そのたびにバージョンを変えてくる可能性が高いので、ファンの方は要チェックです【author・taka :a(大石敬之)】