どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年11月4日(火)新発売、サンヨー食品のカップ麺「サッポロ一番 地獄の担担麺 天竜本店監修 濃厚激辛担担麺 プロフェッショナル編」(271円+税)の実食レビューです。
神奈川・平塚の名店「地獄の担担麺 天竜本店」監修のカップラーメンに “コラボ史上初の縦型BIG„ 登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
地獄の担担麺 濃厚激辛 プロフェッショナル編
地獄の担担麺(じごくのたんたんめん)とは、1937年(昭和12年)に故・李晋輝氏が横須賀で開業した中華料理店「亜細亜楼(あじあろう)」を源流とし、亜細亜楼の創業者を祖父に持つ中山健治(なかやま けんじ)氏が立ち上げた担担麺専門店で、2010年(平成22年)12月17日に “地獄の総本山„ となる「天竜本店」をオープン。

「亜細亜楼」時代の元祖・天竜担担麺は、お子様からご年配の方まで老若男女を問わずに楽しめる、きわめてマイルドな味わいで人気を博していたようですが、3代目の担担麺から方向性が一変。先代から厳しく言われていた「胡麻は良いものを使い、ケチるな」との教えを守り、一般的な担々麺と比較して約3倍量の胡麻を使いつつ、激辛唐辛子を大量に加えた “地獄の辛さ„ で名を馳せ、独自の地位を築きました。
このページでレビューする「地獄の担担麺 天竜本店監修 濃厚激辛担担麺 プロフェッショナル編」は、強い辛味と濃厚な味わいを特徴とする「地獄の担担麺」をベースに、店舗の辛さレベル「プロフェッショナル編(Lv.3)」を再現したカップラーメンで、共同開発者は “サッポロ一番„ のブランドで知られるサンヨー食品。
2018年(平成30年)4月23日に発売されたカップラーメン「地獄の担担麺 護摩龍(ごまりゅう)阿修羅(あしゅら)」を皮切りに、2019年(平成31年)2月12日発売品「同 阿修羅2nd(セカンド)」及び2023年(令和5年)1月23日発売品「地獄の担担麺監修 地獄のまぜ麺」と続いているため、今回の「プロフェッショナル編」はコラボ第4弾に該当するのですが、過去作と大きく異なるのが製品スタイル。

ライセンス店(護摩龍)のメニューを再現したカップラーメンは、阿修羅・阿修羅2ndともに大判どんぶり型の容器に身を包み、油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺を使用していましたが、満を持す本店監修のコラボでは初となる湯切りタイプの汁なしカップ麺を展開。
かくして今回の「地獄の担担麺 天竜本店監修 濃厚激辛担担麺 プロフェッショナル編」に繋がったのですが、同コラボ初となるCVS(コンビニエンスストア)向けの縦型ビッグ容器を採用しているため、主な販売ルートや調理の手軽さなど、初期の「阿修羅」や「地獄のまぜ麺」とは大幅にスタイルが異なります。
ちなみに店舗の辛さレベルは「レベル1 入門編〈5辛〉」「レベル2 中級編〈10辛〉」「レベル3 プロフェッショナル編〈30辛〉」「レベル4 地獄のヘリテイジ編〈??辛〉」「レベル5 無限〈??辛〉」の5段階を基本としているため、プロフェッショナル編は中間に位置しているのですが、辛味の目安が開示されているメニューの中では最上級。

パッケージには “店舗のメニュー「地獄の担担麺」の辛さレベル表に準じたカップめんとしての辛さの目安です„ との注意書きがあるので、お店の辛さを実直に再現しているわけではない様子。ちなみに「レベル3 プロフェッショナル編」の表示は、2023年1月発売の「地獄の担担麺監修 地獄のまぜ麺」と同じレベルなので、けっこうな辛さに期待できそうです。
開封

今回のカップ麺に別添されている小袋は、食べる直前に加える「仕上げの小袋」のみで、サンヨー食品曰く “ごまのコクと甘みをベースに、唐辛子で辛みを加えた激辛スープです。ポークとしょうゆのうまみを加え、奥深い味わいに仕上げました„ とのこと。前述のように辛味は期待できそうな反面、ごまのコクは手薄になっていないかどうか、そこが少し不安なところ。

——などと思いながらフタを開けた瞬間、真っ先に漂ってきたのは柑橘系の香り。有名どころを引き合いに出すと、天鷹唐辛子の芳ばしさやハバネロのフルーティな香りとも違う、この匂いと瞬時に毛穴が反応するような感覚は、ブート・ジョロキアのそれとしか思えないアプローチ。彼奴は1食あたり耳かき1杯分で強烈な辛味を感じさせるほどの暴君なので、少量でも使用しているのであればヤバい展開。
ちなみにメーカー希望小売価格は271円(税別)に設定されているため、2025年11月現在の縦型ビッグ製品における事実上の標準ど真ん中。縦型ビッグはCVS向けの製品スタイルと先に述べましたが、今回のカップ麺はスーパーマーケット、ドラッグストア、ディスカウントストアなどでも購入できるNB(ナショナルブランド)商品なので、コンビニ限定のカップラーメンではありません。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名:サッポロ一番 地獄の担担麺 天竜本店監修 濃厚激辛担担麺 プロフェッショナル編 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:+W・太平食品工業株式会社 関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944) 内容量:96g(めん70g) 商品コード:4901734058946(JAN) |
| 発売日:2025年11月03日(火) 実食日:2025年11月12日(水) 発売地域:全国 取得店舗:ライフ 小売価格:271円(税別) 購入価格:257円(税込) |
| 麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、粉末卵)、スープ(糖類、食塩、豚脂、香辛料、ごま、植物油脂、乳等を主要原料とする食品、大豆加工品、しょうゆ、ポークエキス、酵母エキス、発酵調味料)、かやく(味付鶏肉そぼろ、唐辛子、ねぎ)/ 加工でん粉、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、香料、香辛料抽出物、炭酸カルシウム、カラメル色素、微粒二酸化ケイ素、甘味料(カンゾウ)、かんすい、乳化剤、クチナシ色素、重曹、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。サンヨー食品の公式サイトに掲載されている製品情報に “当社独自製法„ の文字があった場合、それはそれはハイクオリティな仕上がりに期待できるのですが、今回そういった記載は見当たりません。ただ、熱湯を注いで待機中——

——先に触れたブート・ジョロキアのそれとしか思えない香りが格段に増し、コラボ史上最も凶悪な印象を植え付けてきたプロフェッショナル編。以前に筆者は粉末状のブート・ジョロキアを多用していた時期があったんですけど、最近は人並み程度の辛味耐性に落ち着いているため、ちょっとドキドキしている実食前。
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、ざっくり “サッポロ一番の工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き辛味の強さと胡麻のコクにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示:1食(96g)あたり |
| カロリー:437kcal たん白質:9.1g 脂 質:18.1g 炭水化物:59.5g 食塩相当量:5.7g (めん・かやく:2.0g) (スープ:3.7g) ビタミンB1:0.35mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:199mg |
| 参考値(調理直後に分別した値) 熱量:437kcal(めん・かやく:337kcal)(スープ:100kcal) |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん


もちもち
サンヨー食品の縦型ビッグに使われる油揚げ麺はピンキリで、なかには「有名店が監修した商品なのに、こんなスナック的でチープなやつ使って大丈夫‥‥?」みたいなパターンも珍しくないのですが、よくも悪くも今回は “ふつう„ レベル。取り立てて悪いところはないけれど、これといって感動もありません。

食べ始めにサクッ、パキッとした戻りムラを感じることはなく、もちもちとした弾力が印象的。とはいえ耐久性が高いわけでもなく、とろみの強いスープに温められ、わりと早い段階からフカフカとした質感に変わります。サンヨー食品(太平食品工業)はノンフライ麺に見紛うような油揚げ麺も保有しているため、もう少し頑張ってもらいたかったところ。
——などと、同社の他製品では書くことが多いコメントになりますが、麺の耐久性なんて気にならなくなるほどスープが辛ぇというか痛いんでw むしろ逆にノンフライ麺に見紛うようなタイプだったら浮いていたのでは‥‥と。そのように思えるくらい、食感はもちろん風味も含めて油揚げ麺であることがポジティブに働いていたので、結果的に印象は悪くありませんでした。
スープ


思い切ったなぁ‥‥
まずは「仕上げの小袋」を入れる前に味わってみたところ、前述の香りからも感じたハバネロとは異なる柑橘系のフルーティさと裂くような鋭い痛みが攻めてくる、まさにブート・ジョロキア特有のアプローチ。口内はもちろん食道も瞬時に熱を持ち、一瞬で汗が吹き出てくる刺激の強さたるや。
またネチっこく残るハバネロの辛味とは違う、もはや爽やかとさえ思える余韻も含め、粉末スープにジョロキアを配合していることを確信——いや、厳密にいうと違う品種だったらすみません。でも、ほぼ確定でしょう。

続けて「仕上げの小袋」を加えると、ジョロキア系の個性とは異なるオイル特有の辛味が加わって、体感的な辛さは「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」を超えるレベル。また辛味のベクトルは違うものの、好みや耐性値によっては「蒙古タンメン中本 北極ラーメン」よりも辛いのではないかと思える水準に達していたので、正真正銘の激辛クラス。しかし、ただ辛いだけの劇物ではありません。
ねりごまは特筆するほど目立っていなかったので‥‥というか、たぶん使ってないですよね。そのため「阿修羅2nd」レベルのコクに期待していた場合、ねりごまの濃度に物足りなさを感じてしまうことになりますが、すりごまの芳ばしさと動物系の厚みに支えられているため辛味一辺倒ではありません。正直、ごまの使い方にはガッカリしましたけど、それも吹き飛んでしまうほどの個性が辛味に備わっていました。
かやく


鶏肉そぼろ地味においしい
かやくは鶏肉そぼろ、唐辛子、ねぎの組み合わせで、ちょいちょい口の中に入ってくるスパイシーな味付けの鶏肉そぼろが地味にうまい。ネギの加工方法は熱風乾燥なので、それ特有の繊維が強めに残っているのですが、もしも凍結乾燥だったら今回の激辛スープに負けていたかもしれません。
赤唐辛子の辛味はスープに埋没していましたけど、ふと芳ばしかったです。
総評
過去作で秀逸だった芝麻醤(ねりごま)に期待していた場合、これじゃない感が否めない仕上がりですが、プロフェッショナル編の辛味に振り切ったのは見事。それもブート・ジョロキア系の辛さと風味が目立っているため、日本で市販されている激辛カップラーメンの中では珍しい個性の持ち主でした。
めん・かやくの評価は及第点としましたが、スープのインパクトを高く買っての総評です。でも、やっぱり「阿修羅」が恋しい——。まだ次のコラボは未定かと思いますけど、大判どんぶり型の復活にも期待したいですね。【author・taka :a(大石敬之)】


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