「日清のどん兵衛 きつねうどん」2019年ひっそりとリニューアル‥

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日清食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年3月上旬から密かに世代交代が始まっていた定番カップ麺、日清食品「日清のどん兵衛 きつねうどん」の実食レビューです。

あの「どん兵衛」がリニューアル!? いったい何が変わったのか——

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、マイナーチェンジ前後の違いを判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

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日清のどん兵衛 2019年3月リニューアル

1976年(昭和51年)8月の発売以来、大人から子どもまで幅広い層のカップ麺ユーザーに愛されている和風カップ麺のトップブランド「日清のどん兵衛」ですが、特に大々的なニュースリリースもなく、しれっと2019年3月上旬より順次リニューアル後の商品と入れ替わっています。

それに気が付いたのは、2019年3月11日(月)に発売された同ブランドの期間限定商品「日清のどん兵衛 スパイシー豚カレーうどん」の記事を書いている時のことでした。



いつもブログでカップ麺をレビューする際、原材料名などの製品情報をチェックして記事の途中に打ち込んでいるのですが、どん兵衛の新商品は基本的に定番品の油揚げ麺(うどん・そば)と共通の原材料となっていたのに、「スパイシー豚カレーうどん」の油揚げ麺に使用されていた普段とは違う原料が目に留まったんです。

通常、それ以前に販売されていた通常商品及び期間限定商品の原材料名は「小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維」が雛形となっていたのに対し、スパイシー豚カレーうどんに記載されていた原材料名は「小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、昆布エキス、大豆食物繊維、糖類」。

これまでのテンプレとは違う「昆布エキス」と「糖類」が練り込まれていることに驚いたのですが、2019年現在は2020年4月に完全移行となる「新食品表示制度」までの猶予期間中。それに伴い各社カップ麺の原材料名や栄養成分表示を書き直している途中なので、これまでは要約されていた成分が露わになった、つまり表記方法を変更しただけなのかなと。

そう最初は思っていたのですが、日清食品のコーポレートサイト内にある「きつねうどん」の製品情報を念の為に確認してみたところ、定番商品の麺や粉末スープ(つゆ)の原材料名が変わっている——しかも「きつねうどん」「天ぷらそば」「カレーうどん」「鴨だしそば」「北のどん兵衛」など、その時点で “すべての定番どん兵衛” の原材料名が違う。

というわけで日清食品に事情を説明し、開発部に繋いでいただいたところ、 “大々的な発表はしていませんが、麺とスープをリニューアルして3月上旬から順次切り替えています” との回答を頂きました。



ちなみに「新食品表示制度」とは、2015年4月より施行された制度で、各メーカーは2020年4月までに加工食品の表示方法を新しいルールに従い改めなければいけません。もともと食品表示のルールは「食品衛生法(アレルギー・添加物など)」「JAS法(原材料名・内容量など)」「健康増進法(カロリーなど)」と3つの法律から成り立っていたのですが、それぞれが定めていた表示の仕方や法律自体の目的などがバラバラで分かりにくい‥‥

よし、なら消費者・事業者の双方にとって分かりやすいようにしよう! ということで3つの法律を統合した新しい「食品表示法」に5年の猶予期間を経て刷新することになったのですが、たとえば「醤油」を「しょうゆ」と平仮名で統一したり、標準栄養成分表(ナトリウム表記)の廃止、製造所固有記号だけでなく製造所も明記するなど、カップ麺に限らず加工食品すべての表示方法(ルール)が統一される制度です。

開封

さて、本題に入りましょう。「日清のどん兵衛」すべてマイナーチェンジされたのですが、さすがに記事ひとつでは収まりきらないため、まずは初代どん兵衛「きつねうどん」から何が変わったのか違いをチェックします。ちなみに私は関西在住なので、 “西のどん兵衛(W)” のレビューになるのですが、容器側面のブランドロゴが大きくなり、アレルゲン情報など製品情報枠の配置も変わりました。



写真の向かって左が「リニューアル後」、右が「リニューアル前」になるのですが、どちらも同じ静岡工場(製造所固有記号F)製造で、賞味期限が2019年9月27日の製品はマイナーチェンジ済み、賞味期限が2019年8月25日の製品——つまり2019年2月25日製造分はマイナーチェンジ前となっています(※カップ麺の賞味期限から逆算して6ヶ月前が製造日)。

容器の中にはリニューアル前・後ともに「彩り七味付き粉末スープ」が別添されているのですが、写真の左ちょっと上に位置しているのがリニューアル後の小袋。かなりデザインが簡素になっているのですが、「①ミシン線に沿って “折る” 」「②折り目に沿って “切り離す” 」というように、粉末スープと七味唐辛子の分離方法がイラストで分かりやすく表示されるようになりました。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:日清のどん兵衛 きつねうどん[西]
製造者:日清食品株式会社
製造所:静岡工場(製造所固有記号F)
内容量:95g(めん74g)
商品コード:4902105002674(JANコード)
規格サイズ:縦144mm×144横mm×高さ75mm

発売日:2019年03月上旬リニューアル
実食日:2019年05月04日(土)
発売地域:西日本(全チャネル販売)
取得店舗:ローカルスーパー(フレッシュバザール@兵庫県)
商品購入価格:138円(税込)
希望小売価格:180円(税別)

麺の種類:油揚げ麺(かんすい不使用・うどん)
スタイル:どんぶり型レギュラー・標準サイズ
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:410ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:1袋(彩り七味付き粉末スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、昆布エキス、大豆食物繊維、糖類)、かやく(味付油揚げ、かまぼこ)、スープ(食塩、魚介調味料、粉末しょうゆ、魚粉、七味唐辛子、ねぎ、糖類、昆布粉末、昆布調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(アラビアガム)、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、パプリカ色素、香辛料抽出物、乳化剤、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、(一部に小麦・乳成分・ごま・さば・大豆・ゼラチンを含む)
【アレルゲン情報】小麦・乳成分・さば・大豆・ごま・ゼラチン(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)

実食開始

「スパイシー豚カレーうどん」を実食した際、通常どん兵衛の麺と明らかな違いを感じたのですが、定番の「きつねうどん」を並べてみたところ、ほとんど調理前の段階では違いがありません。ちなみに北海道限定で「北のどん兵衛」シリーズが展開されていますが、北海道工場で製造されている麺は東日本や西日本の本州どん兵衛よりも麺の厚みが “やや薄め” です。



粉末スープの色は肉眼で判別不能なくらい同じ色、香りの違いも警察犬レベルの嗅覚を兼ね備えていないと判断できそうにありません(※ちなみに写真の向かって左手前がリニューアル後)。「西日本」は和風だし重視、「東日本」は醤油のコクが深く、「北のどん兵衛」は昆布と甘みが強めにチューニングしてあって——というのは有名な話ですが、今回のマイナーチェンジで具材は変更なしとのことでした。

さて、完成です。まったく見た目は同じですが(※手前がマイナーチェンジ後)、カロリーなどの栄養成分表示や原材料名も違うので、リニューアル前後の違いに注目しながら「めん」と「つゆ」の変化を解説し、ついでにリニューアル後の「10分どん兵衛」はどうか、それぞれの違いを判定します。

栄養成分表示:1食(95g)当たり

熱  量:419kcal(カロリー)
たん白質:8.8g
脂  質:16.9g
炭水化物:57.9g
食塩相当量:5.2g
(めん・かやく:1.6g)
   (スープ:3.6g)
ビタミンB1:0.17mg
ビタミンB2:0.18mg
カルシウム:184mg

参考値(調理直後に分別して分析)
熱量:419kcal(めん・かやく:391kcal)(スープ:28kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

密度と一体感の向上

あくまでも「マイナーチェンジ(小さな手直し)」なので、かつて熱湯3分と熱湯5分を行き来していた頃(1994 – 2000)や長さ2倍の “べっぴんうどん”(2008)、従来比120%厚の “太ストレート製法”(2009)、さらに太さを追求した “3層太ストレート製法”(2010)の導入など、一部のファンから反感を買うほど大幅なリニューアルではありません。

しかし、糖類や昆布エキスが麺に練り込まれたことによって、なんじゃこの昆布味!! みたいなことにはなってないんですけどw つゆとの一体感が高く、麺のキメが細かくなったというか、より小麦と水分の結束力が高まったような印象で、麺の肌ツヤも上品になっています。マイナーチェンジとはいえ両方を並べて同時に食べ比べてみると、誤差の範囲ではない明らかな違いを感じました。



(マイナーチェンジ前の麺)

ほとんど調理後の見た目は変わらないんですけど、まず重量感が違う。もともと弾力のある仕様の油揚げ麺ですが、より麺の密度が高くなると同時に抱いている水分量も増え、これまで以上に油揚げ麺特有の風味も穏やかになりました。油揚げ麺臭の抑制効果については麺に練り込まれた昆布エキスの恩恵もあるかもしれませんが、より洗練されて本格感が増しています。

つゆ

さらに柔らかいテイストに変化

マイナーチェンジ前の原材料名と比較して魚介エキスが魚介調味料に変わっている、というのは先ほど述べた新食品表示制度への対応かと思いますが、体感的にハッキリと感じた違いは「甘味」の強度。明らかにリニューアル前よりも甘く、同じ甘口でも「北のどん兵衛」より醤油の主張が弱いため、全国の中でも “日本一やさしい” 西のどん兵衛の優しさに磨きがかかっています。

しかしながら嫌味な甘さではなくナチュラルで、甘みが自然に増したと同時に塩気(ナトリウムの含有量)は控えめになり、味を構築するフレームワークの基本軸は以前と大幅に変わっているわけではないけれど、より柔らかく、より優しくてマイルドなテイストに変わっていました。しかし、西のどん兵衛ただの甘ったれではありません。

「北のどん兵衛」には別添されていませんが、穏やかな甘い出汁重視の和風つゆを華やかに引き締めてくれる “彩り七味” が効果を発揮。東日本の彩り七味は赤唐辛子を多めにブレンドしているのですが、西日本はアオサや山椒などの含有量が多く、ゴマや山椒、磯の香りが甘口つゆを引き立てる仕様となっています。

ついでに揚げ(きつね)も軽く解説しておきますが、どちらも “お豆腐屋さん” と同じ製法で作られた丸大豆100%の油揚げで、東の揚げは鰹出汁の効いた甘辛味、西は鰹と昆布を中心に醤油を控えた味付けとなっているのですが、2001年のリニューアルから油揚げも東西で分けられるようになりました。

10分どん兵衛

ふっくら vs. もっちり

「10分どん兵衛」とは、2015年に芸人のマキタスポーツさんが広めたことで話題になった調理方法で、作り方は5分待つところを10分待つだけなんですけど、あまりの美味しさに “5分でお客様においしさを届けることに縛られすぎていて 世の中の多様性を見抜けていなかったことを深く反省しております” と日清食品が公式で謝罪したことでも話題になりました。

もちろん引き続き「10分どん兵衛」は可能ですが、以前の “ふっくら” と仕上がるリニューアル前の食感と比較して明らかに “もっちり” 感が強くなっています。さらに「15分どん兵衛」も検証してみたところ、リニューアル前の麺は水分を吸いすぎて伸びた感が否めなかったところ、リニューアル後は比較して耐久力がありました。もちろん好みにもよりますが、10分どん兵衛のクオリティも向上したと言えるかもしれません。

まとめ

あくまでマイナーチェンジの範疇ではあるものの、リニューアル前後の「どん兵衛 きつねうどん(西)」を同時に調理して食べ比べてみた結果、密度を増した麺に甘く穏やかになった和風つゆなど、味の軸は同じでも “違う” というのが体感的に分かるくらいの変化でした。

どん兵衛はリニューアルされる度に賛否両論を巻き起こすイメージがあったりもしますが、昨今の目指している方向性から今回は改良だったと思います。ちなみに「日清のどん兵衛 天ぷらそば」などの蕎麦シリーズにはリニューアルで麺に “かつお節粉末” が練り込まれたので、他のどん兵衛も違いを意識しながら食べてみると面白いかもしれません。

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