「All-in PASTA オールインパスタ ジェノベーゼ」新・完全栄養食の実力とは‥

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日清食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年3月27日(水)新発売のカップ麺(即席パスタ)、日清食品「All-in PASTA(オールインパスタ)国産バジルを贅沢に使った香りとコクのジェノベーゼ」の実食レビューです。

以前、All-in PASTA(オールインパスタ)の食感と苦味が気になったので、今回は商品のレビューと同時にカップを使った「湯戻し調理」と鍋を使った「茹で調理」の違いについても検証してみました。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

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All-in PASTA ジェノベーゼ

「All-in PASTA(オールインパスタ)」とは、近年増加している “新型栄養失調” への対策として日清食品が2年前から企画していた「All-inシリーズ」の第1弾商品で、1日に必要な栄養素の1/3量を1食で摂取できる美味しさと栄養摂取を兼ね備えた “完全栄養食” がコンセプト。日清食品の創業者・ 安藤百福氏がインスタントラーメンという “簡便食” を発明してから約60年、現代に向けてアップデートした新しい “簡便栄養食” を提唱する新ブランドです。

公式ネット通販サイトの先行販売及び阪急うめだ本店にて行われた試食販売の初回生産分は初日で完売し、その後も注文が殺到。麺とソースがセットになったカップタイプ3品、麺のみの袋タイプ1品、別売の専用ソース3品、全7品すべての生産が追い付かず、定期購入については急遽受付停止となり、各商品およそ半月から1ヶ月待ちとなる「予約注文のみ」に変更されました。



「All-in PASTA (麺のみ)」と「All-in PASTA SAUCE(ソースのみ)」は2019年4月26日(金)から数量限定にて販売を再開しましたが、カップ麺タイプは引き続き予約受付中の状況。また、販売再開となったバラ売り商品も数に限りがあるため、その時にある在庫が完売次第、予約注文に切り替わるそうです。

ソースの種類は「ボロネーゼ」「ジェノベーゼ」「アラビアータ」の3種類、「All-in PASTA 粗挽き牛肉のコクと旨みの濃厚ボロネーゼ」はレビューしているのですが、その記事を読んでくださった方から “おそらく元になったであろう、ベースパスタについても触れてほしかった” というコメントを頂いたので、先に軽く触れておきます。結論から言うと、「BASE PASTA(ベースパスタ)」と「All-in PASTA(オールインパスタ)」に直接的な関係はありません。

「BASE PASTA(ベースパスタ)」とは、DeNA出身の橋本舜氏が当時28歳で創業した「ベースフード株式会社(BASE FOOD)」のオリジナル商品で、 “からだに必要なもの、全部入り。” 1食で1日に必要な3分の1の栄養素が摂取可能と提唱している「完全栄養の主食」——まさに目指すところは酷似しているのですが、 “弊社は商品コンセプトの提供や委託製造の受託を含め、日清食品のAll-in PASTAと関わった事実はない” と完全否定しています。

ベースフードの「ベースパスタ」は創業者・橋本舜氏の “毎日食べる主食にバランスよく栄養が含まれていれば誰もが自然に健康でいられる” という発想から100回以上の試食を繰り返し、原材料の配合や製法すべてベースフードのオリジナル、かつ2017年2月から販売している商品(世界初「完全栄養の主食」)で、日清食品の「オールインパスタ」の企画がスタートしたのは2017年——この件について私的なコメントは控えますが、「ベースパスタ」が先で “お互いに関わり合いはない” というのが事実です。



さて、商品レビューに入りますが、オールインパスタの本体は文字通り「麺」。その中心には複数種類のサプリメントや通常の食事では完璧に補うことが難しい13種類のビタミン、13種類のミネラル、タンパク質、食物繊維などがバランスよく盛り込まれているのがポイントなのですが、「ボロネーゼ」をレビューした際に “栄養素独特の苦み” が気になりました。

また、表面はザラザラでグルテンの結束力は乏しく、センターに練り込まれた栄養素の外層には小麦ベースの生地がプレスされていたのですが、いまいち小麦感は楽しめない、市場に出回っているパスタ(スパゲッティ系統)とは似ても似つかぬゴワゴワとした無骨な食感と苦味が気になってので、今回は鍋を使った茹で調理で質感や味の違いを検証してみます。

開封

まずは紙製のスリーブを取り外さなければいけないのですが、そこにはAll-in PASTA(オールインパスタ)のコンセプトである “この1食で、すべての栄養、全部どり” の文字があり、「すべてのビタミン ミネラル*1」「糖質30%オフ*2」「食塩相当量2.0g*3」「たんぱく質24g*3」と健康面をアピールしているのですが‥‥



*1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」より、30~49歳男性の推奨量 / 目安量をもとに、1日に必要なビタミン・ミネラルの1/3量を配合。*2 日本食品標準成分表2015年度版(七訂)「マカロニ・スパゲッティ(乾)」と比較して、麺のみを対象にした数値。*3 麺とソースを合わせた1食あたりを対象にした数値——と、小さな字で補足があります。

30~49歳男性の推奨量に基づいてはいるものの、シニア層の方や健康に配慮されている方、また話題となっている1999年9月15日生まれのモデル・高瀬真奈さんがCMのイメージキャラクターとして起用されていることから女性も強く意識しているようですし、ダイエット中の方にとっても嬉しいコンセプトですよね。

内容物は「All-in PASTA(オールインパスタ)」「ジェノベーゼソース」「バジルパセリ」の3袋となっているのですが、それぞれバラ売りの「All-in PASTA(麺のみ)」と「All-in PASTA SAUCE(ソースのみ)」の「ジェノベーゼ」がカップの中に入っている状態なので、実際のところ物は変わりません。

値段は1食あたり648円と高く、そのため “ほんとうに必要としている人に届いてほしい” という思いから公式商品は「日清食品グループ オンラインストア」及び「LOHACO(ロハコ)」でのネット販売のみとなっているのですが、どうやら「ロハコ」では “待たずに買える” ようですね(※ちなみに2019年5月現在「ロハコ限定セット All-in PASTA 3種セット」は税込1,620円で1食あたり税込540円でした)。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:All-in PASTA 国産バジルを贅沢に使った香りとコクのジェノベーゼ
販売者:日清食品株式会社
製造所:株式会社クレバー(大阪府八尾市竹渕2-95)
内容量:118g(めん80g)
商品コード:4902105953495(JANコード)
規格サイズ:縦146mm×横146mm×高さ102mm

発売日:2019年03月27日(火)
実食日:2019年05月04日(土)
発売地域:日清食品グループ オンラインストア及びロハコ限定
取得店舗:ネット通販サイト(日清食品グループ オンラインストア)
商品購入価格:648円(税込)
希望小売価格:600円(税別)

麺の種類:乾麺(かんすい不使用・非油揚げ麺)
スタイル:カップ入りAll-in PASTA・標準サイズ
容器材質:紙
湯量目安:1リットル ※鍋で調理時
茹で時間:4分 ※鍋で調理時
小袋構成:4袋(All-in PASTA・ほぐしオイル・ジェノベーゼソース・バジルパセリ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(植物性たん白、小麦粉、卵粉、小麦全粒粉、植物油脂、ドロマイト、酵母、食物繊維、食塩)、ソース(植物油脂、香味油、バジルソース、香辛料、ショートニング、還元水あめ、食塩、昆布粉末、たん白加水分解物)、ほぐしオイル(植物油脂)、ふりかけ(パセリ、バジル)/ 加工でん粉、調味料(無機塩等)、V.C、リン酸Ca、香料、環状オリゴ糖、酒精、増粘剤(アルギン酸エステル)、V.E、塩化Mg、乳化剤、甘味料(アドバンテーム)、ナイアシン、リン酸塩(Na)、香辛料抽出物、ピロリン酸鉄、pH調整剤、パントテン酸Ca、V.B1、クチナシ色素、V.B2、V.A、V.B6、チャ抽出物、葉酸、V.K、V.D、V.B12、(一部に小麦・卵・大豆を含む)
【アレルゲン情報】小麦・卵・大豆(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)

実食開始

さて、カップめん式に調理する場合は熱湯6分、必要なお湯の目安量は470mlとなっているのですが、All-in PASTA(オールインパスタ)は単体でバラ売りされているものと同じなので、もちろん鍋でも調理可能(茹で時間4分)。熱湯6分放置の湯戻し調理では正直ちょっとイマイチだったので、それだけに期待もあります。



個包装されたAll-in PASTAの中には「ほぐしオイル」が入っているのですが、定番のオリーブオイルではなくガーリックオイルベースで下味を施す役割も担っています。調理前の麺は全粒粉入り麺レベルの濃さで、形状はゴツゴツとした荒々しい見た目。またニオイも独特なんですけど、健康食品っぽいといえば健康食品らしいニオイかもしれません。なんかこう漠然と栄養素な感じでw(※写真では付属のカップに麺を開封していますが撮影のために利用しました)

たっぷりのお湯(1リットル)で4分間、麺を茹でたらザルに移して湯切りを行い、ほぐしオイルを絡めてからジェノベーゼソースを和え、最後にバジルパセリをトッピングしたら完成‥‥なんですけど緑すごいですw ちなみに同時発売品の「ボロネーゼ」と「アラビアータ」では事前にソースを温めるようにとアドバイスが書かれているのですが、「ジェノベーゼ」のみ “ソースを温める必要はありません” 。

それでは、「All-in PASTA(オールインパスタ)」「ジェノベーゼソース」「バジルパセリ(ふりかけ)」の順に解説し、健康的な付加価値と同時にメーカー希望小売価格600円(税別)のコストパフォーマンスも踏まえた上で総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(118g)当たり
熱量:552kcal(カロリー)、たんぱく質:24.3g、脂質:35.8g、炭水化物:37.5g、糖質:28.8g、食物繊維:8.7g、食塩相当量:2.0g、ビタミンA:725μg、ビタミンD:26.2μg、ビタミンE:229.5mg、ビタミンK:76μg、ビタミンB1:4.59mg、ビタミンB2:4.76mg、ナイアシン:80mg、ビタミンB6:3.99mg、ビタミンB12:8.8μg、葉酸:496μg、パントテン酸:13.4mg、ビオチン:77μg、ビタミンC:291mg、ナトリウム:792mg、カリウム:2966mg、カルシウム:604mg、マグネシウム:158mg、リン:378mg、鉄:7.46mg、亜鉛:10.0mg、銅:0.86mg、マンガン:2.01mg、ヨウ素:776μg、セレン:115μg、クロム:72μg、モリブデン:80
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。

All-in PASTA(オールインパスタ)

新開発の「栄養ホールドプレス製法」により、1食分のパスタに13種類のビタミン、13種類のミネラル、たんぱく質、食物繊維を配合。同時に、パスタならではのプリっとした歯ごたえとおいしさも実現しました。

(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『All-in PASTA』7品」)

茹で調理のほうがオススメ
4.0

1リットル以上のお湯で4分間きっちり茹でましたが、やはりスパゲッティを代表とする本物のロングパスタとは食感も風味も別物です。しかし、熱湯6分の湯戻し調理と比較して気になっていた中心部の苦味はマシになり、ごわごわ感も控えめになりました。カップの意味ないじゃん、という話は今回ちょっと置いといてください。

All-in PASTA(オールインパスタ)には、茹でた時に流出しやすいビタミンやミネラルを麺の内側に閉じ込め、味や食感を構成する外層で麺全体を覆った「栄養ホールドプレス製法」という日清食品独自の製麺技術が使用されているのですが、やはり鍋で調理しても中心部の栄養素が練り込まれた食物繊維部分と外層の間にある隙間が否めず、パスタらしいプリッとした歯切れの良さは楽しめません。



しかし、茹で終わった後に残った茹で汁を見ると茶色く濁っていたので、なるほど茹でることで湯戻し調理よりも多めに苦味が流出したようですね(※苦味とともに栄養素も流れ出ますが、茹で調理後も各栄養素は1食あたりの推奨目安量を大幅に超えるほど麺に残るそうです)。味わうように噛んでしまうと奥から苦味がジワジワきますが、ある意味ちょっと健康的な感じですし(笑)、確かな機能性を思えば許容範囲でした。

ちなみに茹でても食べた時の小麦感はイマイチでしたが、やはり小麦粉の含有量そのものが少ないようで、終始強火のまま茹で上げても4分間まったく吹き零れる気配はなかったです(※ただし調理の際は鍋から目を離さず、火加減には注意してください)。

ジェノベーゼソース

国産バジルのペーストにガーリックやローズマリーをきかせた香り高いジェノベーゼソースで、「All-in PASTA」を手軽においしくお召し上がりいただけます。

(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『All-in PASTA』7品」)

ローズマリーが個性的
4.0

「ジェノベーゼ(genovese)」とは、イタリア・リグリア州ジェノバ(Genova)発祥のソース「ペスト・ジェノヴェーゼ(pesto genovese)」の略称で、一欠片のニンニクと松の実を一握り分よく潰し、バジリコの葉(小束で10束ほど)に粗塩を少々、そして100gのチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ50g、ペコリーノ・サルド50g)とオリーブオイルを加えてペースト状にしたものが本来の姿になるのですが、ほとんどチーズは意識されておらず、松の実も入っていません。

しかし、けっこうニンニクが強めに主張してくるのと写真の通りオイルの量も多く、そのオイル中に仕込んであると思われるローズマリー(たぶん香味油)の香りが実に個性的ですね。ふと見え隠れする隠し味の昆布が蛇足的に思えたりもしたのですが、ガツンとニンニク、こってりオイル、そこそこ強めの塩気で薄味っぽさもありませんし、ローズマリーの個性で面白いソースに仕上がっています。

ただ、国産バジルにこだわったせいか強烈にバジルが主張してくるようなソースではありません。もちろんバジルが苦手、ガーリック無理、ローズマリーの香りやオイル系パスタはちょっと——という方にはオススメできないくらい個々の存在感は強いのですが、ジェノベーゼ主体の硬派なソースとは違います。ただ、ローズマリーは記憶に残るポイントになっていて楽しいですね。

バジルパセリ(ふりかけ)

も、もさもさ感‥w
3.0

と、とりあえず生い茂る緑のインパクトは好印象ですw ただ、ジェノベーゼはペーストが基本なので、なんというかこう乾燥バジルと乾燥パセリを大量に投下するのは違うような‥‥というかパセリ? という感じなんですけど、実際に含有量の比率はバジルよりもパセリが多く、とうぜん細かい乾燥ハーブなので口の中はモサモサ。

かなりオイルの量が多いため、しっかり混ぜて放置したら馴染んでくれるかな——と待ってみたところ、きもちモサモサ感はマシになりましたが、単純に “乾燥ハーブを数分間オイルに浸しました” の状態なので、だいぶ強引です。ねぇねぇ、お昼に焼そば食べたんだけど青のりとか歯に付いてない? だいじょうぶ? などというレベルではないですよ(ぜんぜん大丈夫じゃないですw)。

そんな緑のインパクトは絶大ですし、混ぜた後の見た目も綺麗ですが、結果的にバジルよりもパセリの香りが強いので、色は悪くてもバジルだけにしたほうが‥‥というか乾燥ふりかけに頼るのではなくソースのバジルペーストを増やすのが先決ですね。ちなみにバジルソースのバジルは国産ですが、ふりかけに入っているバジルの主な原産国はエジプト、オーストラリア、トルコでした。

総評

★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)

ソースの個性的なローズマリーの香りや麺の確かな機能性は素直に評価できるポイントですが、ソースのバジルパセリ(ふりかけ)が強引だったのと、税込648円という値段を思うとイマイチではないけれど及第点が妥当だと判断しました。それにバラ売りの「All-in PASTA(麺のみ)」は税込432円、「All-in PASTA SAUCE ジェノベーゼ(2食入)」は税込540円で、それぞれカップ麺タイプと中身は同じ——

つまり1食あたりソースに税込270円かける余裕があるのであれば、ちゃんとした市販のジェノベーゼソース(ペースト)を購入し、バラ売りの「All-in PASTA(麺のみ)」を買ったほうがいいのではないか、というのが結論です。カップ麺タイプの強みは “湯戻し調理” の簡便性ですが、その簡便性に対する味や食感の犠牲が大きいので、完全栄養食 “でも驚くほど美味しい” を補っていくのが今後の課題だと感じました。

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