「日清のどん兵衛 豚ねぎうどん」中国産? 下仁田 “系” ネギの理由も解説

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日清食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年02月18日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清のどん兵衛 豚ねぎうどん」の実食レビューです。

甘いつゆと下仁田系ねぎが美味しい「どん兵衛」の豚ねぎうどんが復活!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

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日清のどん兵衛 豚ねぎうどん 2019

約1年前の2018年2月19日(月)にも発売されていた期間限定の変わり種「どん兵衛 豚ねぎうどん」ですが、どうやら好評だったようで、2019年の同時期にも再び販売されました。日清食品のニュースリリースには掲載されていませんが、店頭では新商品のコーナーに並んでいると思いますし、コーポレートサイト内にある製品情報にも「NEW 2/18発売」のマークが付いています。

2018年2月発売品(以下「前回」という)をブログで記事にした際、なんかこう、前にも食べたことがあるような、そうでもないような‥‥などと感じながらレビューしたのを思い出したのですが、その当時に新メニューとして開発されていたんですけど実際ぜんぜん新鮮味とかなくて、しかしながら甘濃い和風つゆが優しいホッとする味でした。

前回と比較して製品名及びパッケージのデザイン、また栄養成分表示まで同じなので、リニューアルなしの完全なる再販かもしれません。でもって2019年発売品(以下「今回」という)のパッケージでも「柔らかくて甘い下仁田系ねぎ使用」とネギの品種についてアピールされているのですが、下仁田「系」となっている理由は現地で栽培されたものではないからです。

これは日本三大ネギの一つとされている「下仁田ねぎ」だけに限らず、「博多万能ねぎ」や朝来(あさご:兵庫県北部に位置する「竹田城」で有名な地域)の特産品「岩津ねぎ」など、また京都が題材のカップ麺に使用されることも多い「九条ねぎ(九条種ねぎ)」にも言えることですが、それぞれ現地で栽培された純粋な物しか「ご当地ねぎ」として認められません。

「下仁田ねぎ」(しもにたねぎ)とは、別名「殿様ネギ」とも呼ばれている群馬県下仁田町馬山地方の特産品で、江戸時代より殿様への献上ネギとして栽培されてきた品種。他の品種と比較して圧倒的に太く、生のままだと辛すぎて食べられないほどですが、すき焼きや天ぷらなど、加熱することで甘みが強くなる、温うどんにも誂え向きな品種です。

名産品として有名になったのは明治以降、特に昭和から有名になったといわれているのですが、長野では育ちが悪く、同じ群馬でも前橋では育ち過ぎて葉が硬直するなど、下仁田町から数km離れた地域でさえ下仁田産と同じ品種のネギには育たなかったので、 “下仁田ネギは下仁田におけ” と現在でも主な生産地は下仁田町に限定されています。

江戸の大名に「いくら送料がかかっても構わないから大至急200本送れ!」と言わしめ、明治から昭和にかけて皇室にも3度献上された下仁田ネギ。最近では他の地域でも栽培可能な新種の下仁田ネギも開発されたそうですが、原種の下仁田ネギには及ばず、種植えから収穫まで15ヶ月も要することから幻のネギとまで言われているので、カップ麺では同じ品種を他の地域で栽培した「下仁田『系』ねぎ」が使用されているわけですね。

開封

別添の小袋は先入れの「かやく」、後入れの「液体つゆ」で合計2種類。というわけで前回と同じ構成になるのですが、かやくの小袋はショッキングピンク、液体つゆの小袋は橙色で、配色も変更ありません。落ち着いた液体つゆの橙色はともかく、かやくのショッキングピンク‥冷静に考えるとインパクトのあるカラーコーディネートです。

麺は油で揚げたフライ麺で、おそらく通常の「どん兵衛」に使用されている麺と共通の油揚げうどんでしょう。そして下仁田系ネギとは別に小さな青ネギが最初から容器の中に入っているのですが、製造ライン上(効率化など)の理由かもしれません。ちなみに「豚ねぎうどん」という郷土料理というか、ご当地グルメ(ご当地うどん)のような特定の地域に根差したメニューがあるのか気になって調べてみたところ、それらしい情報はヒットしませんでした。

しかし、豚肉とネギをトッピングした温うどんのレシピは数件ヒットしたのですが、それも「ねぎ塩豚カルビうどん」や「塩豚ねぎうどん」(はなまるうどん)など、いやいや今回のカップ麺よりも変わり種の創作カップうどんに誂え向きなレシピレシピがあるじゃないかと思いつつw 今回の「豚ねぎうどん」は奇抜な要素よりも安心感のある味わいに期待したいですね。

製品情報・購入価格

製品名:日清のどん兵衛 豚ねぎうどん
製造者:日清食品
製造所:静岡工場(製造所固有記号 F)
内容量:97g(めん66g)
発売日:2019年02月18日(月)
実食日:2019年02月20日(水)
JANコード:4902105247716
希望小売価格:180円(税別)

発売地域:全国(全チャネル販売)
購入価格:127円(税込)
取得店舗:イオンリテール

麺の種類:油揚げ麺
スタイル:どんぶり型レギュラーサイズ
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:370ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:2袋(液体つゆ / かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維)、スープ(糖類、しょうゆ、食塩、魚介エキス、香味油、たん白加水分解物、豚脂、ポーク調味油、発酵調味料、ポークエキス)、かやく(味付豚肉、ねぎ、揚げ玉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(アラビアガム)、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、カラメル色素、香料、グリセリン、酸味料、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・さば・大豆・豚肉を含む)
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・えび・豚肉・さば・大豆(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)

実食開始

先入れの「かやく」には味付豚肉、ねぎ(下仁田系ねぎ)、揚げ玉が入っているのですが、いい意味で小袋を開封した瞬間から香りがヤバい。おそらくネギが苦手な方からすると「豚ねぎうどん」というタイトルからして購入の候補から外れてしまうかもしれませんが、アンチねぎ派の方から容赦無くバッシングが飛んできそうな一見して明白にネギの香りが漂います。

味付豚肉の甘辛い香りも心地よいのですが、その甘辛い香りにネギの香りが重なって、ちょっと「すき焼き」っぽいイメージの雰囲気を兼ね備えていますね。下仁田系ネギはAD(エアドライ / 熱風乾燥)ではなくFD(フリーズドライ / 凍結乾燥)のような佇まいで、じっくりと加熱した後のネギを思わせる甘い香りから、なかなかの臨場感。

液体スープは熱湯を注いでから5分間、フタの上にのせて温めて、食べる直前に投入します。中には豚脂やポーク調味料などの動物性油脂が含まれるので、忘れずに温めてください。にしても調理直後‥めちゃくちゃいい香りですよ。それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「つゆ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

1食(97g)当たり

カロリー:375kcal
たん白質:6.5g
脂  質:15.0g
炭水化物:53.5g
食塩相当量:5.1g
(めん・かやく:1.3g)
(スープ:3.8g)
ビタミンB1:0.24mg
ビタミンB2:0.28mg
カルシウム:138mg

※参考値(調理直後に分別して分析)
熱量:378kcal(めん・かやく:323kcal)(スープ:52kcal)

めん

どん兵衛ならではの、もっちりとしたつるみのあるうどん。

(出典:日清食品「ニュースリリース」)

今回は「10分どん兵衛」がオススメ!

毎度お馴染み縮れのないストレートうどんで、熱湯5分で食べ始めると適度なコシとモチモチ感が楽しめるのですが、「10分どん兵衛」といって5分ではなく10分待つと、ふっくらジューシーな食感に仕上がります。今回はつゆが優しい味わいなので、特に10分どん兵衛が合うように感じました。

博多・福岡の「腰抜けうどん」じゃないけれど、こっくり甘濃い和風つゆの旨味が麺に染み込んで、じゅわっ‥と旨味が溢れてくる、もうコシとか要らんですよ(笑)。もし10分どん兵衛に抵抗がない方は、調理に時間をかけてもいい日を狙って熱湯5分のところ10分待ってみてください。

麺の重量は同シリーズの「きつねうどん」(めん74g)よりも少なめの66gとなっているのですが、これについては変わり種どん兵衛での平均的な値となっている定量です。また、既存のレギュラー品でも「カレーうどん」は麺重量66gですし、量的な食べ応えこそ大きな油揚げが入っている「きつねうどん」に負けるけれど、特に麺が少ないとは感じませんでした(美味しかったから「大盛で食べたいなぁ‥」とは思いましたが)。

つゆ

豚のうまみがきいた濃いめのつゆ。

(出典:日清食品「ニュースリリース」)

こっくり甘濃い和風つゆ

かなり濃い色の見た目なので、キリッと醤油のエッジが効いた関東風うどんつゆを想像されるかもしれませんが、実際そこまで醤油のカドは尖っていません。使用している醤油の種類は圧倒的に濃口醤油の割合が多めですが、それだけに薄口醤油よりも塩分濃度は低く、こっくりとした甘味が醤油のカドを適度に包んでいます。

甘みについては糖類の他にスクラロースやアセスルファムKなどの人工甘味料も使用されているので、ちょっと舌に纏わり付いてくる取って付けたような人工的な甘さが気になる方は気になってしまうかもしれませんが、カップ麺というジャンルを思えば許容範囲内かと思いますし、今回に限っては強めの甘さがクセになる感じでポジティブに思えました。

ベースの魚介出汁は鰹と鯖による節系の旨味が主体、そこに豚脂やポーク調味油、ポークエキスが重なって、こってりとした豚の旨味もバッチリですが、くどさを感じるほど重たくはありません。さらに具材の下仁田系ネギから滲み出る風味も相俟って、つゆだけでもテーマの「豚ねぎ」が表現できています。豚の旨味が効いた甘濃いつゆは、今年も文句なしの美味しさですね。

具材

うまみたっぷりの豚肉、柔らかくて甘みのある下仁田系ねぎ、揚げ玉、青ねぎ。

(出典:日清食品「ニュースリリース」)

下仁田系葱は伊達じゃない

下仁田系ネギの使用率は原材料の「ねぎ」に占める割合80%となっているように、最初から先入れされていた中庸的な青葱も入っているのですが、今回のカップ麺に使用されている下仁田系ねぎ及び青葱の主な原産国を調べてみると中国、最終加工地も中国だったので、どちらも中国産です。というわけで、逆立ちしても「下仁田ねぎ」は名乗れません。

ただ、同シリーズの「日清のどん兵衛 鴨だしそば」にも使用されている日清食品の下仁田系ねぎは実に甘く、さすが今回の主役と言っても過言ではない、ひときわ目立つ存在感。また豚肉も機械的にカットされたチップ状ですが量は多く、東洋水産のリアルな味付豚肉ほどでないものの、豚肉らしい繊維質が感じられます。ほんのり甘辛い味付けが甘濃い和風つゆともマッチしていて、さらに豚肉は前回よりも量が増えているような気がしたのですが、量については個体差によるバラつきでしょう。

そして前回は揚げ玉も効果的だと感じていたのですが、今回ちょっと酸化臭というか油臭かったので、別になくてもよかったかも‥と思いました。しかし、全体の質を落とすほど量が多いわけではなかったことと、つゆの味にも貢献していた下仁田系ネギと多めの豚肉よって具材に貧弱なイメージもなく、具材としての「豚ねぎ」も上出来ですね。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5)

原材料名や栄養成分表示の数値、さらにはJANコード(バーコードの下にある商品用の流通コード)まで2018年の「どん兵衛 豚ねぎうどん」と同じだったのですが、実際に食べてみて体感的にも大幅な差を感じることはなかったので、昨年の豚ねぎうどんが好みだった方は安心して手に取っていただいて大丈夫です。

下仁田系ネギが多くて豚肉は少なめ、逆に豚肉が多くて下仁田系ネギは少なめ、また揚げ玉の量にも多少のバラつきはあるかもしれませんが、ぶたダメ! ねぎイヤ! 甘いの無理! じゃなければオススメしたいカップ麺です。お召し上がりの際は、ぜひ「10分どん兵衛」も視野に入れてみてください。

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