CMでも話題 “超濃厚で一番混ぜにくい” カップヌードル「欧風チーズカレー」リニューアル後の変化とは——

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日清食品

どうも、taka :a です。

本日の一杯は、2021年3月1日(月)リニューアル発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル 欧風チーズカレー」の実食・比較レビューです。

超濃厚で一番混ぜにくいカップヌードル「欧風チーズカレー」が “3種の特製チーズパウダー” でチーズ感UP!!

従来品との違いに注目しつつ、実際に食べ比べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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カップヌードル 欧風チーズカレー

カップヌードル(CUPNOODLE)とは、日清食品が世界に誇るグローバルブランドで、東京都新宿区の伊勢丹百貨店を皮切りに、1971年(昭和46年)9月18日から販売をスタート。けれども袋入りのインスタントラーメンが30円だった当時、カップヌードルの売り出し価格は100円=即席袋麺の3倍以上だったので、あまり店頭に並ぶことはありませんでした。

しかし、それを打開するために対策を練った当時の日清食品は、カップヌードルのリリースから数日後に「カップヌードル営業課」を組織。消防署や警察署、病院、自衛隊など、夜勤が多い特殊ルートに営業をかけた結果、1972年(昭和47年)2月の “あさま山荘事件” で機動隊に配られ、それを足掛かりに確固たる市民権を獲得。現在は業界No.1ブランドとして、国内年間売上1,000億円を誇ります。

そんな「カップヌードル」から初めてチーズカレー味の商品がリリースされたのは、現在から遡ること20年以上前の2000年4月。発売当初の商品名は「カップヌードル チーズカレー」で “欧風” の文字はなかったのですが、2001年3月発売品(二代目)及び2002年3月発売品(三代目)と代を重ね、2003年4月21日発売品(四代目)より「欧風チーズカレー」として全面リニューアル。

新しいカレーの味を提案した「カップヌードル チーズカレー」は、本格的でスパイシーなカレーとチーズの熟成されたコク・まろやかさを組み合わせ、若者から女性を中心に人気を博し、2003年には累計販売数7000万食を突破。さらにチーズとの親和性を高めるべく、2003年4月から「欧風チーズカレー」に変更し、なおかつ具材を充実させて品質強化を図るなど、ブランド全体の活性化に貢献しました。

久々にテレビCMで活躍中のチーズ星人

2種類のチーズ具材(チェダー&モッツァレラ)と “チーズ練り込み麺” を搭載し、チーズの濃厚さで通常の「カップヌードル カレー」と差別化を図った「欧風チーズカレー」は、シュールで強烈なCMキャラクター「チーズ星人」の販促策も相俟って大ヒット。しかし、奇抜なインパクトの強さは一発屋のイメージも強く、その後は徐々に売り上げが低迷していった苦い過去の持ち主——。

けれども時短志向を背景に、袋麺の市場がダウントレンドを見せ、逆にカップ麺が急激に伸長し始めた2017年頃。同時に複数の小袋が必要となる丼型よりも簡単に調理可能な縦型カップ麺の簡便性が見直され、急速に縦型の需要が高まり始めたとき、それ以前は四天王(レギュラー・シーフード・カレー・チリトマト)の陰に隠れていた「欧風チーズカレー」も一部の店舗では「チリトマトヌードル」を上回る売り上げを記録。

その推移に手応えを感じていた日清食品は、持ち前の営業力で販売店に「欧風チーズカレー」を売り込み、2017年4月の棚替えを見計らって販路を拡大した結果、小売店が縦型カップ麺の売り場を急拡大しているところに飛び込んで大ブレイク。大々的なリニューアルや新CMに投資することなく売り上げが跳ね上がり、なかでも女性から圧倒的な支持を得て、みごとスーパーやドラッグストアの商品棚に返り咲きました。

リニューアル前は「ビーフの味わい」を強調

そんな「欧風チーズカレー」が最後にリニューアルしたのは、2014年4月28日の話。当時はスープにビーフオイルを、さらに具材として牛肉由来のダイスミンチ(現「牛謎肉」)を採用し、従来品よりもビーフの旨みを強化。さらにチーズ練り込み麺のゴーダチーズ、スープに加えたエメンタールチーズ、具材のチェダーチーズ&モッツァレラチーズで4種類のチーズをアピールしていたのですが——

開封

リニューアル後の商品には小袋を別添

このページでレビューする2021年3月発売品のリニューアルより、頑なに別添してこなかった「小袋」を起用しているのがポイントで、中身は3種のチーズ(パルメザン、エメンタール、ゴーダ)を配合した「特製チーズパウダー」とのこと。小袋にも記載してあるように、小袋は “フタの上で温めないでください” となっているため、調理の際は注意が必要です。

リニューアル前 / リニューアル後

さて、もちろん小袋の別添によるトレードオフが生じていないわけではありません。それが顕著に現れているのが具材の構成で、味付牛ミンチ(牛謎肉)やチェダーチーズ、マッシュルーム、ニンジンについては従来品と同じ内容ですが、2001年3月12日のリニューアルからレギュラー化していた “モッツァレラチーズは入っていない” というのが大きな変更点。

もともと具材のモッツァレラチーズは混ぜると溶ける仕様だったので、具材というよりもスープの一部として濃厚さに寄与していたのですが、新たに導入された粉チーズの効果や土台のスープ、さらにチーズ練り込み麺にも変化が生じているのかどうか、引き続き従来の「欧風チーズカレー」とリニューアル後の違いに注目しながらレビューします。

製品詳細情報・購入価格等(リニューアル後)

製品名:カップヌードル 欧風チーズカレー
製造者:日清食品株式会社
製造所:S・関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1)
内容量:85g(めん60g)
商品コード:4902105266281(JAN)
発売日:2021年03月01日(月)リニューアル
実食日:2021年03月07日(日)
発売地域:全国(全チャネル)
取得店舗:公式ネット通販サイト(日清食品グループ オンラインストア)
商品購入価格:208円(税込)
希望小売価格:193円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型レギュラー
容器材質:紙
湯量目安:300ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(特製チーズパウダー)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、たん白加水分解物、ポーク調味料)、スープ(糖類、豚脂、小麦粉、チーズパウダー、でん粉、トマトパウダー、香味調味料、カレー粉、オニオン調味料、乳等を主要原料とする食品、食塩、香辛料、酵母エキス、牛脂)、かやく(味付牛ミンチ、チーズ加工品、マッシュルーム、にんじん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、カラメル色素、炭酸Ca、香料、増粘多糖類、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む)

実食開始

栄養成分表示:カロリー 414kcal(めん・かやく 312kcal / スープ 102kcal)、たんぱく質 9.5g、脂質 20.4g、炭水化物 48.1g、食塩相当量 5.1g(めん・かやく 2.3g / スープ 2.8g)、ビタミンB1 0.24mg、ビタミンB2 0.23mg、カルシウム 142mg【リニューアル前(2014年4月28日発売)】

さて、まずはリニューアル前の調理直後。とろけるチーズが “いかにも” って感じのビジュアルで、これを武器に数多くの女性を射止めてきた罪なヤツ。ちなみにノーマル版「カップヌードル カレー」のカロリーは422kcalなのに対し、リニューアル前の「欧風チーズカレー」は414kcalと低いのですが、調理後に分別して分析したスープだけのカロリーを比較するとカレー(59kcal)の倍ちかい値。

栄養成分表示:カロリー 420kcal(めん・かやく 337kcal / スープ 83kcal)、たんぱく質 8.8g、脂質 21.9g、炭水化物 46.9g、食塩相当量 4.4g(めん・かやく 2.1g / スープ 2.3g)、ビタミンB1 0.21mg、ビタミンB2 0.25mg、カルシウム 124mg【リニューアル後(2021年3月1日発売)】

そして、リニューアル後の調理直後。3月3日に公開された新CMでは、12年のブランクにより “指からチーズが出なくなったチーズ星人が自らの頭を削る” まさに身を粉にした姿が話題になっているように、従来の商品にはない3種の「特製チーズパウダー」がステータス。ただ、ちょっと少なめ。それから総カロリーも従来品より高くなっているのですが、よく見ると “スープのカロリーは下がっている” ので、そこが気になる変化。

なおメーカー希望小売価格はリニューアル前後ともに193円(税別)のまま変わっておらず、日清食品の公式通販サイトを利用した場合の税込価格は208円ですが、コンビニで購入した場合の税込価格は198円が現在の相場。引き続き従来品との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく・特製チーズパウダー」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。なおページ最後の総評は、リニューアル後の商品に基づきます。

めん

【リニューアル前】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、ポークエキス、チキンエキス、チーズパウダー、たん白加水分解物)

まさかのチーズ練り込み麺が‥‥

「カップヌードル」シリーズに使われている油揚げ麺は、通常のカップヌードル(レギュラー)を基準とし、不動の人気を誇るシーフードヌードルやSiO(しお)の麺は味付けが控えめで、それらは約2mm幅に切り出されているのですが、カレーやチリトマトヌードルに合わせる麺は約3mm幅と太めに切り出すなど、スープのフレーバーに合わせて麺のサイズや味付けを変えているのは有名な話。

【リニューアル後】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、たん白加水分解物、ポーク調味料)

基本的に数量限定の変わり種でも既存の麺を使い回しているのですが、この「欧風チーズカレー」だけは特注で、生地にチーズパウダーを練り込んでいるのが最大の特徴‥‥だったのに、なんとリニューアル後の麺にはチーズパウダーが練り込まれていません。おい、まじか。とりあえずサイズは同じ約3mm幅でありながら口当たりは微妙に薄く、実は隠れ欧風チーズカレーファンだった筆者としてはショックが否めない変更点。

原材料の構成から察するに、おそらくリニューアル後の麺は「カップヌードル 味噌」と同じ汎用ヌードル。そもそもスープや具材のチーズ感が強いので、麺に練り込まれたチーズパウダーなんかと思われるかもしれませんが、余韻として残るチーズ感やスープとの一体感に大きな差が生じています。単純にスープとの相性は悪くないものの、欧風チーズカレーならではのステータスだったので、この変化については改悪に思えました。

スープ

【リニューアル前】スープ(糖類、動物油脂(豚、牛)、カレー粉、でん粉、小麦粉、チーズパウダー、トマトパウダー、香味調味料、野菜調味油、乳等を主要原料とする食品、食塩、香辛料、酵母エキス)

味の方向性は据え置いたまま口当たりが軽くなる

リニューアル前のスープは通常の「カップヌードル カレー」と比較して明らかに甘く、スパイス感は控えめで、しかしながらコクについては勝るとも劣らない重厚感。もちろん具材のチーズによる効果も大きいのですが、粉末スープにもチーズパウダーが含まれ、牛に由来する動物油脂を使っているのも通常の「カレー」と比較して明確な違い。

さらに乳等を主要原料とする食品でマイルドな印象を強め、それと対比を描くトマトパウダーの酸味をアクセントに効かせるなど、デミグラスソースを彷彿とさせる濃厚さを打ち出し、なおかつ緻密に計算された味のバランスは、もはや完成系といっても過言ではありません。

【リニューアル後】スープ(糖類、豚脂、小麦粉、チーズパウダー、でん粉、トマトパウダー、香味調味料、カレー粉、オニオン調味料、乳等を主要原料とする食品、食塩、香辛料、酵母エキス、牛脂)

その個性はリニューアル後のスープにも受け継がれていたので、味の方向性そのものに大きな変化は生じていなかったものの、明らかにスープの粘度が弱く、従来よりもサラッと食べられる口当たり。味の濃さとしては対等なので、別に味が薄くなったわけではないのですが、どろっとしたリニューアル前のスープが好きだった方にとっては物足りず、逆に以前のスープが重いと感じていた方にとっては嬉しい調整になるかもしれません。

かやく・特製チーズパウダー

【リニューアル前】かやく(チーズ加工品、味付牛ミンチ、人参、マッシュルーム)

「とろけるチーズ派」vs.「粉チーズ派」

チーズ加工品は混ぜると溶けてしまう仕様と書きましたが、一瞬で溶けるレッドチェダーチーズとは裏腹に、白っぽい見た目のモッツァレラチーズは原型を残すため、ふとチーズ特有の弾力が楽しめるのが魅力。味付牛ミンチは通常の謎肉(豚肉ベース)よりも強めの弾力で、牛の風味がリアルに楽しめる具材ではないけれど、豚肉とは違う個性で差別化。

人参は差し色になり、なおかつコリコリとした食感がアクセントに嬉しく、マッシュルームも独特の歯触りが欧風チーズカレースープにベストマッチ。

【リニューアル後】かやく(味付牛ミンチ、チーズ加工品、マッシュルーム、にんじん)

対するリニューアル後の味付牛ミンチ、チェダーチーズ、人参、マッシュルームは共通の具材で、モッツァレラチーズがなくなった穴を3種の特製チーズパウダーで埋めているようなフレームワーク。これによってチーズの風味についてはバリエーションが増えた反面、チェダーチーズの量を増やすなどの措置もなく、とろけるような舌触りとコクについてはリニューアル前に分があるため、あとは好みの問題でしょうか。

とりあえずチェダーチーズについては紛い物の “チーズ風油脂加工品” ではなく、リニューアル前と同じ “チーズ加工品” を使っているので、それについては好印象でした。

総評

6.0

たとえば「チーズインハンバーグ」と「粉チーズをかけたハンバーグ」が違うように‥‥などといったら大袈裟な例えに聞こえるかもしれないけれど、実際そのくらいの違いを感じたのは事実。正直なところリニューアル前のほうがハイクオリティ(星7)だったので、結果的に評価を見直したのですが、それでも高く評価せざるを得ない完成度を誇っていたのも事実。

唯一無二のチーズ練り込み麺は汎用のヌードルタイプに変わり、スープは軽めの口当たりにリニューアル。さらに具材のモッツァレラチーズが粉チーズに変わるなど、ある意味かなり劇的な変化を遂げたので、賛否両論あるかもしれません。とはいえ定番「カップヌードル カレー」との差別化は明確なので、今後ともスーパーやドラッグストアの棚に常備しておいてもらいたい一杯です(author・taka :a)

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