「チキンラーメン保存缶」防災備蓄用カップ麺を通常商品と比較

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日清食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、日清食品の防災備蓄用カップ麺、「チキンラーメン保存缶」の実食レビューです。

定番のチキンラーメンと保存缶の中身は同じ味なのか、長期保存する前の状態をチェックしてみました。

実際に食べてみた感想に基づいて通常商品との違いや共通点を解説し、製品の特徴・詳細をお伝えします。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

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チキンラーメン保存缶

「チキンラーメン保存缶」とは、日清食品が1年に1回のペースで定期的に製造・販売している缶入タイプ(数量限定)の防災備蓄用カップ麺で、缶内を無酸素状態にすることと吸湿を完全に抑えることで製造日から3年間(36ヶ月)の長期保存が可能となっている保存食です。

今回、ニュースリリースなどで大々的な発表はなかったのですが、日清食品グループの公式オンライストアより600食限定で再販売。「カップヌードル」バージョンの「カップヌードル保存缶」という防災備蓄用カップ麺も同時に販売されていて、そちらはすでに実食レビューして記事をアップしているのですが、保存缶ではない通常商品のカップヌードルと食べ比べた結果、ほぼ同じ味という再現度の高さでした。

いま手元にある「チキンラーメン保存缶」の賞味期限は2021年12月‥いやいや保存缶なんだから保存したやつ食えよw というツッコミは正論なんですけど、今回は同時期に製造された保存缶を5缶まとめて購入しているため、まずは長期保存前に食べて再現度を検証し、製造から1年後、2年後、賞味期限を迎える3年後、さらに賞味期限が切れたらどうなるのか‥と、味の変化を追っていく当ブログきっての長期スパン企画第1弾です。

もともと「保存缶」が開発される以前、2008年8月22日(金)にCSR活動(社会貢献活動)の一環である「百福士(ひゃくふくし)」事業の第3弾として、「保存缶」の前身となる「 “もしもの時のチキンラーメン・カン” プロジェクト」という活動があり、これは同年8月25日に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が発売50周年を迎えることを記念して行った企画でもありました。

台風や地震などの大規模災害を想定し、災害時に最も必要となるのは食品であることから、2019年2月現在の「保存缶」と同じように3年間の長期保存が可能となった「チキンラーメン・カン(防災・備蓄用長期保存缶)」が10年以上も前に製造され、日清食品が大阪の3自治体(当時の大阪府知事・橋下徹氏、大阪市長・平松邦夫氏、池田市長・倉田薫氏)に合計10万食を寄贈。

「チキンラーメン・カン」のパッケージに描かれている「ひよこちゃん」が現在のデザインと違いますが、ひよこちゃんが商品パッケージに初めて登場したのは1991年、発明から60年を超えた2019年2月現在のデザインは2010年にバトンタッチした2代目・ひよこちゃん。普段は “すぐおいしい、すごくおいしい” ですが、「保存缶」では “すぐおいしい、ずっとおいしい” と、保存期間にあわせてキャッチフレーズが変わっています。

「チキンラーメン・カン」開発から数年後‥2011年の東日本大震災による防災意識の高まりを受け、2012年8月に発足した「百福士」事業の第9弾「チキンラーメン&カップヌードル 保存缶プロジェクト」で現在の1缶2食入り(寸法:縦104×横104×高さ174mm)を開発し、創業者・安藤百福氏が掲げた精神の1つ「食足世平」(食が足りてこそ世の中が平和になる)に則って、首都圏直下型の地震が危惧されていた神奈川県横浜市、東京都新宿区、そしてインスタントラーメン発祥の地である大阪府池田市に合計5万食(2万5千缶)を寄贈。

その後、2012年9月15日(土)に「カップヌードルミュージアム」(神奈川県横浜市)及び「インスタントラーメン発明記念館」(大阪府池田市)にて合計10,000食(5,000缶)のテスト販売を実施。翌2013年2月18日(月)に公式オンラインショップ(当時のストア名「日清e-めんShop」)で一般向けの予約販売(数量限定600セット)が行われ、同年4月1日(月)に「カップヌードルミュージアム」「インスタントラーメン発明記念館」でも数量限定で販売されました。

開封

そして2015年1月5日(月)、多数の問い合わせや再販の要望に応え、オンラインストア限定で再販。現在では1年に1回のペースで製造・販売が行われている「保存缶」ですが、缶本体の材質はスチール、開封の際はプラ(PE)製の上蓋を取り、すぐ下にあるアルミ製の中蓋を鯖缶よろしくパカッと開けます。アルミ製の中蓋は切り口が鋭利なので、手を切らないように注意してください。

缶の中に入っている内容物は、「めん×2食」「かやく×2袋」「紙カップ×2個」「フォーク×2本」「脱酸素剤(※食べられません)」と熱湯以外フルセット完備。金属缶の中に紙カップや折りたたみ式のフォークも入っているので、非常時・緊急時など、有事の際にも熱湯さえあれば食べられるオールインワン仕様となっています。

私は日清食品グループの公式オンラインストアで購入しているのですが、1缶2食入りで税込価格は810円(1食あたり405円)。またネット通販サイトではアスクルが運営するLOHACO(ロハコ)で1缶あたり税込798円(2缶・3缶・12缶のセット販売もあり)で販売されているのですが、「チキンラーメンどんぶり」を1食あたり税込100円と想定しても賞味期限は製造から6ヶ月、「保存缶」は6倍の36ヶ月(3年間)保存可能かつ途中で買い替える必要がないので、単純計算けっこうリーズナブルかもしれません。

それから発売当初と比較して原材料名の表記は微妙に変わっているのですが、そのことについて日清食品の担当部署に確認を取ったところ、 “五感に感じるものは表示していく” という社内方針の一致から、以前は表示義務がなかった食品添加物を追記したり、食品表示法の変更に則って新表示対応のためにパッケージの表記が変わっているだけで、製造工程や中身自体は変わっていないとのことでした。

製品情報・購入価格

製品名:チキンラーメン保存缶
製造者:日清食品
製造所:下関工場(製造所固有記号 B)
内容量:64g(めん60g)
発売日:2019年02月15日(金)
実食日:2019年02月28日(木)
JANコード:4902105213360
希望小売価格:1缶2食入り810円(税込)

発売地域:全国
購入価格:税込810円(送料 / 支払手数料別)
取得店舗:日清食品グループ オンラインストア

麺の種類:油揚げ麺
スタイル:1缶2食入り防災備蓄用カップ麺
容器材質:缶(スチール)/ 中蓋(アルミ)
湯量目安:330ml
調理時間:熱湯3分
内部構成:めん×2食 / かやく×2袋 / 紙カップ×2個 / フォーク×2本 / 脱酸素剤(※食べられません)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、香辛料、糖類、たん白加水分解物、卵粉、デキストリン、香味調味料、オニオンパウダー)、かやく(味付鶏肉、味付卵、ねぎ、赤ピーマン)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、かんすい、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)

調理・実食開始

作り方は簡単で、缶の中に入っていた紙カップに内装フィルムを剥がした「めん」と「かやく」をセットし、熱湯を内側の線まで注いだら3分待つだけで出来上がり‥なんですけど、この麺を包んでいるフィルムを剥がす時は、ハサミやカッターナイフ、または爪切りなどで切り口を作り、そこから開封することをオススメします。

というのも気密性を高めるためかピッチリとフィルムが張り付いているので、無理に力を加えると麺が粉々になりますし(勢い余ったら中身が吹っ飛ぶ)、私は「カップヌードル保存缶」をレビューした時に爪で開けようとして爪が縦に裂けました。いや、爪の件については普段からピスタチオの殻を剥くのに酷使していたので、それが原因で爪が弱っていたことが大きな要因だとは思うのですがw なんにせよ思いのほか頑丈なビニールを開封する際はハサミなどを使用するのが賢明。

かやくの小袋は手動で難なく開封できますし、折りたたみ式のフォークもカチッとワンタッチで組み立て可能なので、力の弱いお子様やお年寄りの方でも簡単に組み立てられると思います。紙カップの大きさはレギュラーサイズの「カップヌードル」と同じくらいの大きさで、調理の際にフタは必要ありませんが(※紙カップ用のフタは入っていません)、待っている間に埃(ほこり)が気になる方はスチール缶に被せてあったプラ製のフタを活用するなど工夫してください。

ちなみ金属缶の外側パッケージには “すぐおいしい、ずっとおいしい” と書いてありましたが、中に入っている紙カップのデザインは “すぐおいしい、すごくおいしい” と親しみのある普段通りのキャッチフレーズ。未開封の状態であれば製造から3年間(36ヶ月)の長期保存が可能ですが、開缶後は賞味期限にかかわらずお早めにお召し上がりくださいなので、その配慮かもしれません。

さて、あとは熱湯を注いだら出来上がり。容器がタテ型レギュラーサイズという口径の狭さも関係していますが、カップヌードルよろしく調理直後は具材で麺が見えません。それでは、フタなし3分でも具材は適切に戻っているのかどうか、そしてチキンラーメンらしさに注目しながら「めん」「スープ」「かやく」の順に食べてみた感想を添えながら解説します。

1食(64g)当たり

カロリー:283kcal
たん白質:7.7g
脂  質:10.7g
炭水化物:39.0g
食塩相当量:4.6g
(めん・かやく:1.8g)
(スープ:2.8g)

めん

つるみとコシのある味付け麺。チキンラーメンのおいしさはそのままに、調理時に直接手が触れないようにフィルム包装をしています。

(出典:日清食品「ニュースリリース」)

体感的に普段と大きな差はありません

はい、そのフィルム包装を開封するのが最初で最後の難関だったりもしたんですけどw たしかに災害時の被災地などで食べることを想定すると、有事の際に清潔な環境が約束されているとは限らないので、個包装は衛生面における大きなメリットです。ただ、もうちょっと簡単に素手でも開封できるように改良してほしいですね。鋭利なアルミ製の内蓋を活用する‥というサバイバルな方法もありますけど、危険なのでオススメできません。

ちなみに「保存缶」の原材料は「チキンラーメン」の袋麺及びカップ麺の「チキンラーメン タテビッグ」と同じ構成となっているのですが、実は「チキンラーメンどんぶり」の麺だけ袋麺や縦型ビッグ製品と比較して原材料名が微妙に異なっていて、「糖類」と「香辛料」の位置が違う、つまり原料は同じでも含有量に違いがあり、ほんのちょっと味付けが柔らかくなっています。

とはいえ体感的には熱湯の量や湯戻し時間(麺から下味が抜ける量)で変動する程度なので、誤差の範囲内。やや比較して「保存缶」のほうが袋麺よりも甘く、袋麺のほうが芳ばしいような気もしたのですが、それについても誤差の範囲内で、すすり心地や食感なども大差ありませんでした。食べるシチュエーションや箸とフォークの違いなど、それらによって感じ方に多少の差は生じるかもしれませんが、誰が作っても誰が食べても「これはチキンラーメンの麺」という安心感が得られるでしょう。

スープ

うまみとコクがある国産チキン100%の元祖鶏ガラスープ。

(出典:日清食品「ニュースリリース」)

具材の旨味で味は微妙に違う

「いつもの麺」から滲み出る「いつものスープ」がベースになっているのですが、たとえば蒸し鶏の旨味やレッドベル(赤ピーマン)の風味、スクランブルエッグ(たまご)の甘い味付けなど、具材から滲み出る旨味が重なるので、袋麺を素ラーメン(具なし調理)で食べる状態とは味が微妙に異なります。

乾燥具材とはいえ本物の鶏肉が入ることでスープの旨味は増し、スクランブルエッグの甘い味付けがスープに滲み出ることで素ラーメンの状態よりも面持ちは柔らかく、然りげ無いレッドベルとネギの風味が意外にアクセントとして寄与しているのですが、こんなのチキンラーメンじゃない! みたいな変化ではありません。

具材すべて芳ばしい元祖鶏ガラしょうゆスープと相性がいいものばかりのラインナップなので、たとえばネギは嫌いとか赤ピーマン無理、みたいな感じで好き嫌いがある場合は例外ですが、特に嫌いな素材がなければ具材の風味を蛇足に感じることはないでしょう。もしチキンラーメンは具材なしで食べるもの、というこだわりのある方は、調理の際に「かやく」を入れなければ解決です。

かやく

蒸し鶏、たまご、ネギ、レッドベル。

(出典:日清食品「ニュースリリース」)

過不足なし

先にスープの項目で影響力について触れましたが、そもそもフタなし3分調理で具材は問題なく戻るのかどうかについて、結論から言うと大丈夫です。スクランブルエッグは余裕でフワフワ、ネギも大ぶりで柔らかいタイプなので難なく戻り、小さなレッドベルも滞りなく、最も戻りにくそうな蒸し鶏もバッチリ復活。

蒸し鶏はパサつきのないソフトな食感で、たまご具材はカップヌードル(保存缶ではなく通常商品のほう)に入っているスクランブルエッグよりも軽めというか柔らかく感じたのですが、もしかするとフタなし調理用に調整しているのかもしれません。蒸し鶏、たまご両者ともに生まれは鶏なので、もちろんスープとの相性は最強のタッグです。

現行のカップ麺「チキンラーメンどんぶり」にはFD(フリーズドライ / 凍結乾燥)加工の “とろふわかきたま入り” となっていますが、鶏肉やレッドベルは入っていないので、ラインナップとしては「保存缶」のほうが賑やかですね。「めん」「スープ」「かやく」ともに通常商品として見劣りすることなく、チキンラーメンを守りながらタテビッグ版のチキンラーメンをサイズダウンした感じだったので、むしろ特別感がありました。

まとめ

北海道の大地震や立て続けに起きた2018年の災害ラッシュ、さらに専門家たちが口を揃えて警告している最大M9クラスの超巨大地震「南海トラフ地震」も近いと言われている昨今、これまで以上に国民の防災意識が高まっているので、もちろん大きな災害が起きないことが何よりですが、備えあれば憂いなし。引き続き来年、再来年と味の変化を追っていきますが、現段階では自信を持ってオススメします。

「カップヌードル保存缶」をレビューした記事に頂いたコメントの中に “紐を引っ張るだけで食べられる” 製品が開発されたら‥という興味深い意見がありました。それを私の知識と技術ですぐに実現することはできませんが、「チキンラーメン保存缶」「カップヌードル保存缶」どちらも予備あるので、電気やガスが止まっていて熱湯は沸かせないけど備蓄のミネラルウォーターはある‥という状況を想定し、後日「保存缶を水で調理したらどうなるか」試してみます。

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