「サッポロ一番 旅麺 広島 汁なし担担麺」格安ご当地系カップ麺の実力は‥

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サンヨー食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年02月25日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「サッポロ一番 旅麺 広島 汁なし担担麺」の実食レビューです。

広島・汁なし担担麺の味を手軽に楽しめる格安ご当地カップめん新登場!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

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旅麺 広島 汁なし担担麺

「旅麺(たびめん)」とは、サッポロ一番ことサンヨー食品のブランドラインナップにあるオープン価格の廉価(れんか)版シリーズ、つまりメーカー希望小売価格の設定されていない安売り用のカップ麺で、スーパーマーケットやドラッグストアなどでもチラシの特売品として積極的にピックアップされていたり、ワゴンセールのコーナーでも頻繁に見かけることが多いシリーズです。

2019年2月現在の「旅麺」ラインナップは、「会津・喜多方 醤油ラーメン(福島)」「横浜家系 豚骨醤油ラーメン(神奈川)」「京都・背脂醤油ラーメン」「札幌 味噌ラーメン(北海道)」「博多 明太味とんこつラーメン(福岡)」「名古屋 カレーうどん(愛知)」「浅草 ソース焼そば(東京)」、そして今回からシリーズのニューフェイスとして加わった新商品「広島 汁なし担担麺」を含めて合計8地域。

サンヨー食品のコーポレートサイトでは「旅麺 名古屋 カレーうどん」以外すべての商品に「NEW」のマークが付いているのですが、純然たる新商品は今回の「旅麺 広島 汁なし担担麺」のみで、残りの「旅麺 名古屋 カレーうどん」を除く既存の6商品(会津・喜多方、横浜家系、札幌、博多、浅草)は、新商品の発売にあわせて同日(2019年2月25日)一斉にリニューアル発売されました。

ちなみにサンヨー食品だけでなく、例えばサンヨー食品のグループ会社・エースコックの「まる旨」シリーズなど、他の大手企業も自社ブランドの中に希望小売価格を設定していない廉価版シリーズを持っているのですが、サンヨー食品のオープン価格(オープンプライス)カップ麺は2019年2月現在「旅麺」シリーズのみ展開されています。

「広島 汁なし担担麺」とは、広島で独自の発展を遂げた担担麺のスタイルで、元祖は同業者から「神」と称される広島・舟入幸町の汁なし担担麺の専門店「きさく」が元祖。広島における汁なし担担麺ブームの立役者となった「きさく」の店主は服部幸一さん、そのレシピは鶏がらスープがベースであることを除いて門外不出。真っ赤な外観が特徴的なお店ですが、1999年の開業当時は汁なし担担麺の専門店ではなく、ラーメン店としてオープンしました。

しかし、服部さんの知り合いだった中国人の女性留学生が自身の料理教室で「故郷の四川料理を振る舞いたいから麺を譲ってもらえないか」と依頼し、その願いが店の流れ、ひいては広島の歴史まで大きく変えることになります。オープンから1年が経ち、客入りが落ち始め、お店の立て直しを考えていた頃、彼女の手料理を食べた服部さんは感銘を覚え、担担麺発祥の地・四川省で本場の担担麺を学び、独自の改良を加えて2001年1月より新メニューとして日本・広島で提供を始めたのが「汁なし担担麺」(30回以上まぜるのが基本)。

近年のトレンドといわれ、カップ麺界にも大きく影響を及ぼした痺れる花椒(かしょう / ホワジャオ)と唐辛子の刺激を合わせた麻辣(マーラー)味は、たちまち県内で評判になります。そんな中、たまたま長野県から遊びに来ていたラーメン店のオーナー・松崎司さん(後に現在の広島における汁なし担担麺専門店の最大手チェーンとなる「國松(くにまつ)」の創業者)は「きさく」の汁なし担担麺に惚れてレシピを作り、 “広島に恩返ししたい――” と、そのレシピを「無断転載可」として無償で公開したところ、 “私も店を出したい” と専門店が続々と増え、「汁なし担担麺の街・広島」の基盤が構築されました。

2001年1月に「きさく」で生まれ、2010年頃から「國松(くにまつ)」が第二次ブームを牽引した広島の汁なし担担麺は、梘水(かんすい)少なめの中細麺が基本。チンゲン菜やホウレン草ではなく青葱の風味を効かせ、温泉卵が定番のトッピング。サンヨー食品をはじめカップめん化も盛んに行われ、現在では広島の新たな食文化として全国的に知れ渡り、 “広島式” を全国に広めた「キング軒」や「武蔵坊」「梵天丸」「麻沙羅」「龍胆」「おどるタンタン麺」など、県内の汁なし担々麺専門店は25店以上、提供店にいたっては200店以上ともいわれています。

開封

そんな広島ご当地グルメを格安カップ麺ブランドで再現した今回の新商品、別添の小袋は「特製調味だれ」と「特製スープ」の合計2種類で、パッケージのイメージ写真にも写っている肉そぼろは最初から容器の中に入っています。麺はサンヨー食品らしい白っぽい見た目の油揚げ麺、中小企業のラードを使用した汎用麺よろしく特有の芳ばしい香りが強く漂ってくるのですが、原材料名を確認すると「油揚げめん」の原材料にラードや豚脂は使用されていませんでした。

オープン価格の廉価版商品ということで、おそらく税込価格98円〜108円あたりが地域に根ざしている一般的なスーパーでの相場になると思うのですが、日清食品や明星食品、東洋水産と同じくサンヨー食品も2019年6月1日の出荷分から即席麺製品の価格を改定すると自社ブランド製品の値上げを発表しており、価格改定率は希望小売価格の約5〜8%アップ、希望小売価格を設定していないオープン価格の「旅麺」各種も5%〜の値上げが予定されています。

年々、サンヨー食品の製品を取り巻く環境は厳しさを増し、原材料価格や包装資材価格の高騰に加えて人件費、物流諸費用の上昇が進んでいるらしく、生産の効率化や物流の効率化など、生産コストの抑制に取り組んできた結果、自助努力だけではコスト上昇を吸収できない状況となり、価格改定に踏み切ったとのこと。すでに値上げを発表している各大手企業のお知らせにも、同じような理由が記載されていました。

製品情報・購入価格

製品名:サッポロ一番 旅麺 広島 汁なし担担麺
販売者:サンヨー食品
製造所:太平食品工業 関西工場
内容量:71g(めん55g)
発売日:2019年02月25日(月)
実食日:2019年02月28日(木)
JANコード:4901734036791
希望小売価格:オープン価格

発売地域:全国(全チャネル販売)
購入価格:105円(税込)
取得店舗:イオンリテール

麺の種類:油揚げ麺
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:370ml
調理時間:熱湯2分
小袋構成:2袋(特製調味だれ / 特製スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、植物油脂、豚脂、ねりごま、食塩、しょうゆ、香辛料、デキストリン、ポークエキス、みそ、ねぎ、たん白加水分解物)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ)/ 調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、カラメル色素、パプリカ色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、香料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)
【本品に含まれるアレルギー物質】えび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示 27品目中)

実食開始

今回は「調理方法」で明白に小袋の投入順が指定されていて、熱湯2分後に湯切りを行い、「特製調味だれ、特製スープの順に」よく混ぜて出来上がりと書いてあります。お湯を注いでから待っている間に特製調味だれ(液体たれ)を温めてください、などのアドバイスはありませんが、原材料に冷えると凝固する動物油脂(豚脂)が含まれているので、念の為にフタの上で温めましょう。

パッケージには「辛味成分が強いので、小さなお子様や辛味の苦手な方の飲食には十分ご注意ください」などの注意事項は記載されていませんが、「花椒のシビれがきいたタレ」と刺激についてアピールされています。特製調味だれを混ぜている時に花椒の香りは特に感じなかったんですけど、特製スープ(粉末スープ)を開封したらフワッ‥と花椒の香りが漂ってきました。

廉価版らしく調理後の写真は寂しさが否めないビジュアルですが(ちなみに肉具材これで全部です)、オープン価格の安売りラインですからね。しかしながら曲がりなりにも「ご当地」カップ麺なので、広島汁なし担担麺の特徴やコストパフォーマンスの高さに注目しつつ、「めん」「たれ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

ちなみに容器側面の製品情報欄に掲載されている製造所は「太平食品工業株式会社 関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)」となっているのですが、太平食品工業は昭和38年の設立から「サッポロ一番」を製造しているリーディングカンパニーです。サンヨー食品の商品開発部として長年にわたり即席麺を製造しているメーカーなので、ご安心ください。

1食(71g)当たり

カロリー:339kcal
たん白質:6.2g
脂  質:17.7g
炭水化物:38.8g
食塩相当量:2.8g
ビタミンB1:0.33mg
ビタミンB2:0.58mg
カルシウム:217mg

めん

細めんながらも張りと歯切れのよい食感が特徴のめんです。

(出典:サンヨー食品「製品情報」)

麺については廉価感フルスロットル

広島の汁なし担担麺は梘水(かんすい)の少ない中細麺が基本なので、それを意識してか麺のサイズは細く、たしかに歯切れがよくて多加水麺タイプの粘り気は意識されていないのですが、熱湯2分という比較的に短めの湯戻し時間を守っても食べ始めからフニャン‥としています。なので、湯切りは20秒くらい早めに行ったほうがいいかもしれません。

その頼りない食感も含めて風味もスナック的な軽い油揚げ麺なので、あまりコシとかハリは体感できなかったのですが、意外とタレが刺激的で油揚げ麺特有の酸化臭などは目立っておらず、ふんわりと奥から上がってくるサンヨー食品の油揚げ麺らしい麺の甘みと麻辣のコントラストがいいですね。ただ、いかんせん現代の汁なしカップ麺としては量が少なく、あっと言う間に食べ終わってしまいました。

通常、汁なしカップ麺の麺量はレギュラーサイズなら90gが平均的な定量となっているのですが、今回は55gと少なく、タテ型レギュラーサイズの汁ありカップ麺(平均60g)以下。同ブランド内にある汁なしカップ麺の先輩「サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば」の麺量は85gなので、なんとか70gは確保していただきたいという思いがある反面、次の項目で解説するタレの完成度を思うとワガママは言いづらかったりします。

たれ(スープ)

ポークのうまみに、ねりごまのコク、花椒のさわやかな香りとしびれる辛み、唐辛子のピリッとした辛みが合わさったしょうゆベースの担担麺だれです。

(出典:サンヨー食品「製品情報」)

お値段以上!

先ほど麺量の少なさを指摘しましたが、タレの完成度を思うと納得せざるを得ないかもしれません。まず唐辛子の辛さレベルはピリ辛以上〜辛口未満と感じたんですけど、思っていた以上にカプサイシンの効かせ方が硬派な辛味だったので、辛い食べ物が苦手な方は構えてください。また、花椒の麻味(痺れ)も激痺ではないものの、存在感は一見して明白。

日本の和山椒とはベクトルの異なる華北山椒特有のビリッとした刺激は鮮烈で、全体の食塩相当量は2.8gと低めの値となっているのですが、けっこうガツンと力強い味覚に仕上がっており、不足感はありません。また一般的なソース味のカップ焼そばよりも油脂の量は多く、油そば系統ではないものの、こってり感があります。

そして植物性の辣油では出せない豚脂の厚み、汁なし担担麺には必須要素の芝麻醤(チーマージャン / ねりごま)の含有量も思っていたより多く、製品説明には “しょうゆベースの担担麺だれ” と書いてありますが、醤油ベースの代表格「勝タン」(勝浦タンタンメン)とは違って方向性はオーソドックスな胡麻系担担麺。広島で独自の文化を築いた汁なし担担麺も味の方向性としては基本的に王道の成都式(ポピュラーなやつ)をなぞっているので、タレの量こそ少ないものの、けっこうイイ線なのではないでしょうか。

かやく

具材は肉そぼろ、ねぎの組み合わせです。

(出典:サンヨー食品「製品情報」)

麺と同じく具材は廉価版そのもの

特製スープの中に小さな青葱(あおねぎ)が入っていたのですが、ほんとうに小さくてw 輪切りのネギとかじゃないんですよ(いうなれば粉砕式)。独自の進化を遂げた広島の汁なし担担麺は一般的な担担麺で定番の青梗菜やホウレン草ではなく青葱を使用しているため、肉そぼろ+ネギという構成としては再現度が高いんですけど、如何せん小さい少ない。

もちろん温泉卵が入っているわけもなく、肉そぼろも大きいものは熱湯2分じゃ完全に戻らなくてサクッとしたままでしたが、これについてはジャンクなスナック感が一興と言えなくもありませんし、かなり味付けもジャンクだったので、インスタント食品にしか許されない味と質感には魅力がありました。

それに肉そぼろは単発の威力がデカかったので、麺の量が少なかったこともあり、ファーストインプレッションの頼りないイメージとは裏腹に意外と存在感があってよかったです。実際の汁なし担担麺よろしく温泉卵をトッピングしてアレンジしたいところですが、もうちょっと麺が多くないと温泉卵が主張し過ぎるかもしれません。

総評

★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)

麺のクオリティと具材の貧弱さについては廉価版だからと折り合いをつけなければいけない項目になりますが、具材の量はショボくても単発の威力がデカいジャンクな肉具材の存在感で物足りなさを補っていたことと、なんといってもタレがウマい。もうちょい麺の量が増えたらな‥という思いが無きにしも非ずではあるものの、とにかくタレがウマい(笑)。

値上げを目前にしているメーカーに麺の量を増やしてくれとは言いにくいですし、芝麻醤と花椒のコストを思うと致し方ないという思いもあるのですが、タレが美味しかっただけに麺の少なさを顕著に感じるかもしれません。しかしながら純粋に味の満足度は高く、汁なしカップ麺は量が多いから取っ付きにくいと感じている方にとっては食べやすい量としてプラスに思えるかもしれませんし、一般販売価格的にもハードル低めのカップ麺になりますので、手軽にサクッとカップ汁なし担担麺が食べたい気分の時に試してみてください。

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