どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年7月10日(月)新発売、エースコックのカップ麺「三島のゆかり使用 塩焼そば」の実食レビューです。
ふりかけ界の名門 “三島家” 筆頭「ゆかり」全面協力、カップ焼きそばコラボ第2弾はTwitterやInstagramなどのSNSで話題になった “追いゆかり” を訴求!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
三島のゆかり使用 塩焼そば 2023
三島のゆかりとは、1970年(昭和45年)の発売以来、三島食品を代表する赤紫蘇ふりかけに成長したロングセラーで、現在は「梅入り」「五穀入り」「しょうが入り」「青菜入り」「減塩」「ソフトふりかけ」など、複数のバリエーションを展開。また妹に「かおり」と「あかり」が存在することでも知られ、近年は「うめこ」や「ひろし」といった “混ぜごはんの素” の開発にも繋がっています。
今回の新商品「三島のゆかり使用 塩焼そば」は、ふりかけに「ゆかり」を使用したカップ焼きそばで、製造者は大阪府吹田市に本社を構えるエースコック。2022年7月11日発売の「三島のゆかり使用 塩焼そば」及び「三島のあかり使用 ピリ辛たらこ味焼そば」に続くコラボ第2弾となっているのですが、このブログで取り上げるのは初めてなので、まずは「ゆかり」の歴史を振り返っておきましょう。
「ゆかり」の発売は、1970年(昭和45年)と前述しましたが、その2年前——。名古屋エリアを担当していた三島食品の営業マンが “赤紫蘇の名産地として知られる愛知県海部郡大治町に赤紫蘇を刻んだ漬物がある” ことを現地で知り、三島食品が本社を置く広島では珍しいため商品化できないか‥‥と、同社の創業者である当時の社長・三島哲男(みしま てつお)その人に打診。
「うちは漬物屋じゃない」と最初は相手にされなかったそうですが、交渉を続けた結果 “乾燥させられるなら” との条件付きで開発許可が下り、満を持して生まれたのが「ゆかり」と名付けられた赤紫蘇のふりかけ。その名前は、古今和歌集の一節『紫の ひともとゆゑに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る』に由来し、赤紫蘇は縁(ゆかり)の色、皆様との縁を大切にしたい、その想いで命名されました。
しかし、もともと「ゆかり」というネーミングは、後に大ヒット商品となる「三島のゆかり」誕生から遡ること10年、1960年(昭和35年)12月10日に商標登録されており、その商標権は当時の株式会社中埜酢店[なかのすみせ / 現・株式会社 Mizkan Holdings(ミツカングループ)の前身]が保有していました。ところが幸いなことに、中埜酢店と酢の取引があった三島食品。
中埜酢店からの厚意を受け、円滑に「ゆかり」の発売が決まり、しばらく中埜酢店から商標を借りる形で販売を続けていたのですが、1999年(平成11年)にミツカングループから正式な譲渡を受け、晴れて「ゆかり」が三島食品の商標に。味の特徴について細かく語る必要ないかと思いますが、昨年に自社栽培の赤シソ品種「豊香3号」の高精度なゲノム配列情報を決定するなど、なんかすごいことしてます。
話を戻しまして——2023年の「三島のゆかり使用 塩焼そば」はコラボ第2弾と前述しましたが、2015年(平成27年)9月7日に「三島食品監修 ゆかり使用 塩焼そば」という四角い容器のカップ焼きそばを発売していたエースコック。その後、2016年(平成28年)3月21日に「わかめラーメン ごま・しお 三島のゆかり仕立て」を発売し、2度のリニューアルも実行していました。
というわけで、厳密にカウントするとコラボ第2弾ではないんですけど、わかめラーメンと同じサイズの容器を使用した汁なしカップ麺としての商品化は、昨年に続いて2回目の試み。昨年、多くのユーザーがSNSに投稿した食べ方の提案「追いふりかけ」に着目し、今年はパッケージで大々的に “赤しそ好きなら「追いゆかり」がおすすめ!” と訴求しているため、それも踏まえた上でレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、湯切り後に加える「調味たれ」と「ふりかけ」の計2種で、ふりかけの小袋は廉価版かってくらい味気ないデザインなんですけど、この中に三島食品が誇る赤シソふりかけ「ゆかり」が入っています。そのため普段とはロットが違うのか、考えようによってはレアな味気なさといえるかもしれません。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。白っぽい見た目は炊き立てホカホカごはんをイメージして‥‥というわけではないと思いますけどw それはさておき調理前の段階から強めの主張を見せてくる、エースコックならではの揚げ油に由来するニオイが気になるところ。
メーカー希望小売価格は236円(税別)なので、2023年7月現在の即席カップめん業界におけるレギュラーサイズ製品のディファクトスタンダード。ただ、三島食品の「ゆかり」を使用している分、コストとの兼ね合いか具材らしい具材は入っていないため、それについては評価できません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:三島のゆかり使用 塩焼そば 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:80g(めん70g) 商品コード:4901071401450(JAN) |
発売日:2023年07月10日(月) 実食日:2023年07月11日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:236円(税別) 購入価格:159円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(調味たれ・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、たれ(植物油脂、砂糖、豚脂、発酵調味料、食塩、魚介調味料、たん白加水分解物、魚介エキス、醸造酢、香辛料)、ふりかけ(赤しそ、ごま、ねぎ)/ 加工でん粉、炭酸Ca、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘多糖類、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・ごま・さば・大豆を含む) |
実食開始
別添の小袋は2パックとも後入れなので、それらを取り出してから熱湯を注ぎ、フタの上で「調味たれ」を温めながら待つこと3分。念のため “追いゆかり” 用の本家「ゆかり」(別売)も用意したのですが、そういえばと裏面を見てみると “お茶碗1杯(約150g)分のごはんに本品小さじ1/4杯(1〜2g)を目安にむらなく混ぜ込んでお召し上がりください。” との記載‥‥知らなかったw
「ゆかり」1食(1g)あたりの食塩相当量は0.48gなので、これを追加でトッピングしてもショッパくならない? 大丈夫‥‥? などと考えつつ、時間になったら湯切りして、フタの上で温めておいた「調味たれ」を投入し、よく混ぜ合わせてから「ふりかけ」をトッピングして完成です。なんというか、ゆかりですね。← 語彙力どうした
ちなみに2023年はコラボ初となる「三島のひろし使用 だし醤油味焼そば」も同時発売となっているのですが、まずは三島家を代表する長女「ゆかり」の実力に注目しつつ「めん」「たれ」「ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(80g)あたり |
カロリー:352kcal たん白質:6.3g 脂 質:14.5g 炭水化物:49.0g 食塩相当量:3.4g ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.31mg カルシウム:250mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
可も無く不可も無し
エースコックのカップ焼きそばといえば、まるで手づくりの “もちもち真空仕立て麺” を特徴とする「焼そばモッチッチ」があり、それは日本初の消費者による食品・食材評価制度『ジャパン・フード・セレクション』の金賞に輝いているのですが、今回の油揚げ麺は‥‥ふつうw いや、悪いわけではないんですよ。
表面はソフトな口当たりで、適度な弾力とコシを併せ持ち、噛めばプリッとした歯切れのよさも楽しめる、いい意味での “ふつう” なのですが、ひとつ欠点を挙げるとエースコック特有の油揚げめん臭(揚げ油に由来するニオイ)が気になること。これはこれと割り切れる方にとっては許容範囲内かと思いますが、後述する「ゆかり」の清涼感をマスキングしてしまうところが玉に瑕。
他社の油揚げ麺からは感じられない風味なので、裏を返すとエースコックならではの個性ともいえますし、総評の足を極端に引っ張っているわけでもなかったので、評価は及第点(★3)としましたが、文字通り好みの問題で好き嫌いは分かれるかも。とりあえず「スーパーカップ」の油揚げ麺が好き、あるいは嫌いかどうかを判断基準にするといいかもしれません(ちなみに私は嫌いじゃないです)。
たれ
単体で見ると悪くない
まずは「ふりかけ」を使う前に味を確認してみたところ、ベースは鰹(かつお)だしを効かせた塩味で、エースコックのニュースリリースには “ごま油の風味が広がり-・” とありますが、それよりも豚脂(ラード)の芳ばしさが印象的。また醸造酢の酸味も面白く、それが後述する「ふりかけ」との橋渡しになるように、全体の一体感を高めるための工夫が凝らされているのだなと。
ふわっとくる砂糖の甘さも巧妙で、このままキュッと塩気を強めたら、それこそ「焼そばモッチッチ」のソースにも応用できそうなくらい、ソツなく丁寧な味付けです。ただ、本日の主役は三島家の長女。
ふりかけ
ゴマとネギはエースコックのアレンジ
ふりかけには本物の「ゆかり」を使っているため、クオリティの是非は問うまでもないのですが、調味だれとの関係か紫蘇の風味よりもショッパさがフロントに。印象的だった豚脂の芳ばしさも紫蘇の香りと衝突するので、青じそドレッシングとまではいわないけれど、たとえばベースに梅酢の酸味を効かせるとか、もうちょっとサッパリさせたほうがいいような‥‥などと。
いや、結果的にチグハグではないんですけどね。ゴマとフリーズドライのネギはエースコックのオリジナルで、焼きそばの雰囲気に合っていました。
総評
うーん、やっぱり “しそごはん用” だもんね「ゆかり」って。などと書いたら本末転倒ではあるものの、もっとベースのステ振りを「ゆかり」に寄せるとか、なんだったら味付けの9割は「ゆかり」に投げちゃってもいいんじゃないですかね。なまじ「調味たれ」の構成が丁寧なだけに、すれ違いが気になりました。とかって書いてますけど美味しいですよw ちょっと伸び代を感じただけ。
——というわけで、結果的に物足りなかった “ゆかり欲” を満たすために、パッパッと目分量で追いゆかりアレンジしてみたところ‥‥小さじ1/ 2杯ほど入ったか? しょっぱいw ひとまず「追いゆかり」予定の方は、アレンジなしの状態で味見した後、さすがに少ないか——くらいの量から調整してください。ちなみに「ひろし」のレビューは、次のページで(7月12日公開)【author・taka :a(大石敬之)】