呼び戻しの元祖【大砲ラーメン】監修カップ麺「昔ラーメン」発売15年目のリニューアルで変わったこと

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明星食品

どうも、taka :a です。

本日の一杯は、2021年3月8日(月)リニューアル発売、明星食品のカップ麺「明星 大砲ラーメン 昔ラーメン」の実食レビューです。

お店品質を目指して15年ぶりにリニューアル!? 九州・久留米の老舗で “呼び戻し” のパイオニア「大砲ラーメン」監修の再現カップラーメンついにブラッシュアップ!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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明星×大砲「昔ラーメン」三代目

大砲ラーメン(たいほうらーめん)とは、福岡県久留米市・櫛原(くしわら)に本店を構える豚骨ラーメン専門店で、1953年(昭和28年)久留米市明治通りに開業した一軒の屋台が前身。インパクトの強い屋号の由来は、初代店主・香月昇(かつき のぼる)氏の “一旦こうと決めたら大砲の弾のように一直線に突き進む” 喧嘩っ早くて負けん気の強い、一本気な性格にちなんだもの。

現在は二代目・香月均史が代表取締役

今回のカップ麺「明星 大砲ラーメン 昔ラーメン」は、東京都渋谷区に本社を置く明星食品株式会社と大砲ラーメン(株式会社大砲)の共同開発商品で、現在は縦型ビッグのカップラーメンに、湯切りタイプの汁なしカップ麺など、定期的に数量限定のスポット商品を展開しているのですが、この「昔ラーメン」は通年販売のレギュラー商品。前身となる初代・昔ラーメンが発売されたのは、2006年(平成18年)8月の話——。

実店舗での「昔ラーメン」は、初代店主・香月昇氏の実子であり、現在の二代目店主を務める香月均史(かつき ひとし)氏が考案した商品で、1997年(平成9年)3月6日に此の世を去った、在りし日の父を思い出しながら現代に復活させたもの。それは通常のラーメン(定番まろやか系)とは一線を画す「評判こってり系」に分類され、発売から5年後には既存のラーメンを凌ぐ勢いの人気商品に。

麺は昔ながらの形状を守りつつ、その品質(味や食感)は現在の水準に合うように向上させ、もちろんスープには「大砲ラーメン」の代名詞といっても過言ではない継ぎ足し式の伝統技法 “呼び戻し” を採用。さらに独特の芳ばしさを醸す自家製のラードも重要で、それを作る際にできるクルトンのような副産物(通称・カリカリと呼ばれる豚脂の油かす)を浮かべているのも特徴的なポイント。

カップ麺でも “カリカリ” を再現

しかし、味の決め手となる自家製ラードとカリカリの製法を知っているのは、頑固一徹で鳴らした初代と息子の二代目、そして初代最後の弟子といわれた本店の店長だけ。その技術を当時の正社員(30数名)全員に伝授するのには時間的な課題がある、かといって製法を知らない社員を残したままの見切り発車も許されない——と、頭を抱えていた二代目は、大胆にも新しいコンセプトの支店を立ち上げることを決意。

そこで生まれたのが「昇和亭(しょうわてい)」で、現「大砲ラーメン 上津店」の前身となる店舗。大砲ラーメンの歴史上初となる別名を与えられた支店「昇和亭」は、創業者である初代の名前「昇」に、株式会社大砲の企業理念である “調和” の「和」を絡め、1997年(平成9年)12月に福岡県久留米市でオープン。その翌1998年(平成10年)4月に「昇和亭」の限定メニューとして、満を持す「昔ラーメン」の発売を開始します。

かくして “新しいコンセプトの大砲ラーメン” を生み出した「昔ラーメン」の味を再現すべく、初めてカップ麺が発売されたのは、2003年(平成15年)6月12日の話。当時の商品名は「明星 大砲ラーメン こってりとんこつ味」だったので、正式に「昔ラーメン」を冠していたわけではないのですが、現在とは違う白基調のパッケージに身を包み、幻の「カリカリ背脂」と「呼び戻しスープ」を大判どんぶり型の本格仕様で再現。

呼び戻しスープのコク深い旨みと濃厚な味わい再現

さらに月日は流れ、前述の2006年(平成18年)8月、今度は正式に「昔ラーメン」の名を冠したカップラーメン「明星 大砲ラーメン 昔ラーメン」を市場に投下。以降、2006年8月発売品は明星食品の通年商品としてレギュラー入りを果たし、2009年(平成21年)4月にテコ入れ。しばらく九州エリア限定商品となっていたのですが、いつしか販売エリアをシレッと全国に拡大し、今回のリニューアルに至りました。

開封

別添の小袋は4種類

というわけで、このページでレビューする「明星 大砲ラーメン 昔ラーメン(三代目)」は、2009年4月発売品(二代目)以来のテコ入れ。別添の小袋は先入れの「粉末スープ」と「かやく」に、後入れの「液体スープ」と「あとのせかやく(カリカリ背脂)」で合計4袋。構成そのものはリニューアル前の2009年4月発売品(以下「前回」)から変わっておらず、先入れ・後入れの指定も変更なし。

容器は「しおケアカップ」に刷新

麺は熱湯4分のノンフライ麺で、やや黄色っぽい見た目も前回から変わっていませんが、三代目より新しい容器「しおケアカップ」を採用。内側の線が二重になっているのが特徴で、上の線は熱湯を入れる際の目安線。下の線は食塩相当量をコントロールするためのラインとなっており、この内側下線までスープを残した際の摂取する食塩相当量の目安は “5.4グラム”(※全体の食塩相当量8.1gにおける値)とのこと。

加えてメーカー希望小売価格にも変化があり、前回は265円(税別)に設定されていたところ、今回より278円(税別)に値上げされています。つまり、コンビニで購入した場合の税込価格は300円と高級な部類に入りますが、たとえば日清食品とセブン&アイグループの共同開発商品「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」(2021年2月8日リニューアル)をセブンイレブンで購入すると税込300円なので、それと同じ価格帯。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:明星 大砲ラーメン 昔ラーメン
販売者:明星食品株式会社
製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360)
内容量:128g(めん65g)
商品コード:4902881412742(JAN)
発売日:2021年03月08日(月)
実食日:2021年03月11日(木)
発売地域:全国
取得店舗:ローカルスーパー
商品購入価格:246円(税込)
希望小売価格:278円(税別)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:410ml
調理時間:熱湯4分
小袋構成:4袋(粉末スープ・液体スープ・かやく・あとのせかやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、卵粉、植物性たん白、しょうゆ)、スープ(豚脂、豚・鶏エキス、香味調味料、香味油、糖類、しょうゆ、食塩、香辛料、乳等を主要原料とする食品、ごま、たん白加水分解物、酵母エキス、とろみ粉末(でん粉、デキストリン、植物油脂)、粉末油脂、植物油脂)、かやく(揚げ豚背脂、チャーシュー、ねぎ、メンマ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、香料、かんすい、酒精、炭酸カルシウム、ソルビット、増粘剤(キサンタンガム)、乳化剤、卵殻カルシウム、カラメル色素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

かやくと粉末スープは先入れ

ノンフライ麺を使用したカップラーメンに小袋が別添されていた場合、スープ類は基本的に後入れが主流となっているのですが、昔ラーメンの小袋は “かやくと粉末スープのみ先入れ” なので、お湯を入れる前に仕込みます。ただし、ほぼほぼ例外なく “液体スープを先に入れるのは御法度” ですから、それだけは注意してください。

必要なお湯の目安量は前回と同じ410ml

あとは熱湯を注いで4分間、待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めて、時間になったら麺をほぐし、粉末スープを完全に溶かしてから液体スープを投入。それを全体に馴染ませたあと、仕上げにカリカリ背脂(あとのせかやく)をトッピングしたら出来上がり。調理後の見た目に大きな変化はなく、しかしながら “明らかに豚臭さが増していた” 三代目。

ちなみに総カロリーは前回の577kcalから569kcalに減っていますが、比較的に低カロリーな商品が多いノンフライめんカテゴリーとしては凄まじく、脂質の量も32.1gから30.8gに減ってはいるものの、ノンフライ麺を使ったカップラーメンとしては珍しい数値。引き続きリニューアル前との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく・あとのせかやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(128g)あたり
カロリー:569kcal
たん白質:12.0g
脂  質:30.8g
炭水化物:60.9g
食塩相当量:8.1g
(めん・かやく:2.2g)
   (スープ:5.9g)
ビタミンB1:0.15mg
ビタミンB2:0.22mg
カルシウム:250mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:569kcal(めん・かやく:340kcal)(スープ:229kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

おそらく前回と同じノンフライ麺

5.5

前回はパッケージに “スーパーノンフライ製法” と書いてありましたが、今回のニュースリリースやパッケージ(というか近年の明星食品が販売しているカップラーメン全般)に “スーパーノンフライ製法” の文字は見当たりません。そのため厳密にいうと従来の製法とは違うのかもしれないけれど、クオリティの高さは同等で、濃厚なスープの中にあっても自己主張を弱めない、明確な小麦の風味と歯切れのよさが魅力。

ちょっと分かりにくいけど中心の芯にも注目

たとえば「大砲ラーメン」の実店舗で提供されているラーメン(定番)の麺は、1993年(平成5年)5月に新設した自社の製麺所「麺工房」で作る自家製麺で、自我の強い濃厚な豚骨スープを引き立てる女房役。あえて “控えめな印象” の白っぽいストレート低加水麺に仕上げているのですが、今回のノンフライ麺は黄色っぽい見た目をしているように、おそらく「むかし麺」から派生した「たまご麺」を再現したもの。

白さ・細さ・カタさを追求している「バリカタ麺」とは異なりますが、後述する濃厚なスープに負けない小麦の香りが心地よく、とんこつラーメンに使われる麺としては太めの(とはいえラーメンとしては中細〜中くらいの)サイズも適切で、スープとのバランスは申し分なし。麺の重量も前回と同じ65gなので、そんなに多くはないけれど、まったく劣化した印象は受けませんでした。

スープ

豚の風味アップ

6.5

粉末スープは少量の煎り胡麻(いりごま)入りで、そこは嬉しいポイントになりますが、やや化学調味料の刺激が強く、とろみ成分による粘度の高さと旨みのベクトルも人工的。そのため粉末スープは下支えに過ぎず、これ単体で味が完成するわけではないのですが‥‥

例の「とんこつまぜそば」に通じる豚臭さ

液体スープを加えた途端、その表情は一変。スープだけのカロリーで229kcalという強烈な数値が表しているように、こってり感は申し分なく、その強烈なオイル感は前回と同じ特徴なのですが、圧倒的に豚臭さが増しているのが “三代目” のリニューアルポイント。またもや人を選ぶテイストになりますし、再現度100%とはいえないものの、ある意味その人を選ぶ個性が評判こってり系の「昔ラーメン」らしい魅力の一つ。

実店舗の呼び戻しスープ(寸胴ではなく羽釜を使い、常に若いスープと古いスープを絶妙にブレンドし続け、創業当時のスープを絶やさない技法)とは違う、人工的な要素も目立ちますが、濃厚の指標を履き違えていない豚骨感と豚臭い風味は一見の価値あり。それを踏まえ、値段に見合ったスープだと思います。

かやく・あとのせかやく

なんといってもカリカリに尽きる

6.0

チャーシューは他のカップラーメンにも使われている汎用の丸型で、そこそこ噛み応えのある肉質ですが、税込300円の商品としては頼りないといわざるを得ない存在。しかしながらメンマは口当たりがよく、実に自然な歯触りで、主張し過ぎない青葱の柔らかい食感と風味も好印象。そして、なんといっても具材の主役は「あとのせかやく」の “カリカリ” といっても過言ではありません。

外はカリカリ、中はジューシー

これは実店舗の “カリカリ” と同じように、背脂をカリカリになるまで加熱したトッピングで、食感はスープに浮かべたあとも最後までカリッカリ。また噛むと中はジューシーで、じゅわぁ〜っとアブラの旨みや特有のコク、さらに揚げたことによる芳ばしさがポイント。

その芳ばしい風味がスープの表面に染み出し、独特のコクが徐々にプラスされるので、前半と後半で違った風味が楽しめます。カリカリの食感もさることながら、スープに及ぼす影響も含め、なるほど「昔ラーメン」には必須の存在だと再認識しました。

総評

6.0

麺と具材(かやく・あとのせかやく)に大きなリニューアルポイントはなく、しかしながらスープは明らかに豚の風味が強くなり、荒々しくなった三代目。メーカー希望小売価格は278円(税別)に値上げされ、なおかつ人工的な要素が目立っているところもありますが、それでも定期的に食べたくなる中毒性の持ち主。

すくなくとも豚臭いスープが苦手な方にはオススメできない商品になりますし、あいかわらず油脂感が人を選ぶ一杯になりますが、この媚びない尖ったスタイルこそが「昔ラーメン」の魅力。ちなみにコンビニ大手4社の中では「ミニストップ」での取り扱いを確認、それと九州エリアの「セブンイレブン」でも販売されているようなので、こってりとした豚骨ラーメンが好きな方は要チェックです(author・taka :a)

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