日本人の好みに寄せない “ガチ中華” を再現【真的中華】第1弾は「鶏湯肉麺」と「香酸辣湯麺」を同時発売!!

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年12月19日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「真的中華 鶏湯肉麺」及び「同 香酸辣湯麺」の実食レビューです。

日本人向けにアレンジしない本場風のおいしさ!? 中華料理の最新トレンド “ガチ中華” を家庭で手軽に食べられるカップラーメンで再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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真的中華 鶏湯肉麺 / 香酸辣湯麺

真的中華(しんてきちゅうか)とは、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品の新シリーズで、数年前から話題の町中華とは一線を画す “ガチ中華” がテーマ。第1弾は鶏と五香粉(ウーシャンフェン)の風味を特徴とする「鶏湯肉麺」及び花椒(ホワジャオ)の風味と酸味・辛味を特徴とする「香酸辣湯麺」を同時に展開し、中華の最新トレンドを突いてきました。

町中華と双璧を成すガチ中華

あらためまして「町中華」とは、昭和の時代から地元の方に愛され続けている、古き良き日本の中華食堂を指す総称で、日本人向けの中華料理をメインに提供している大衆食堂はもちろん、大衆居酒屋のようなスタイルの店もカテゴライズされています。以前は仕事帰りに一杯やってるオジサンたちの憩い場だったり、サラリーマンの聖地だったり、そういった印象が強かったのですが、それも数年前の話。

近年はZ世代をはじめとする若者の間で昭和レトロの魅力が取り沙汰されるようになり、漠然とエモーショナル(emotional)な体験をしたときや、そういう気持ちになったときに発する “エモい” という単語が日常的に使われ、その対象として「町中華」にもスポットが当たるなど、まさに大人から子どもまで幅広い層の方から注目されるようになりました。

それはトレンドに敏感な即席カップめん業界も例に漏れず、サンヨー食品も「THE町中華(ザ・まちちゅうか)」というシリーズを昨年に立ち上げ、第1弾と第2弾は町中華の名店「一寸亭」と「やじ満」監修のカップラーメンを、その後はオリジナルの「ザク切り野菜ラーメン 醤油味」及び「ザク切り野菜タンメン 塩味」並びに「メンマラーメン」及び「かに玉風塩ラーメン」を発売していたのですが‥‥

鶏湯肉麺の読み方は「じたんろうめん」

パッケージにも “日本人向けにアレンジしない本場風のおいしさ” とあるように、ガチ中華あるいはディープチャイナとも呼ばれる “あえて日本人の嗜好に寄せていないガチの中華料理” をイメージしているため、THE町中華とは完全に別物。ガチ中華の歴史は、1980年代に中国語圏の方々が都内に開店した台湾料理店にルーツを持ち、今や繁華街はもちろん田舎にも本格的な外食チェーン店が進出しています。

私は本物の鶏湯肉麺(ジタンロウメン)を食べたことがないので、いまいち感覚が掴めていないのですが、それをイメージしたカップ麺の容器側面には “鶏のうまみをベースにこんぶ、ほたて、しいたけのうまみを合わせ五香粉をきかせました。特徴的な香りとコクのある味わいの塩味スープに、鶏肉そぼろを合わせました。” との記載があるため、注目しているのは五香粉の効かせ方。

片や同時発売品の香酸辣湯麺(シャンサンラータンメン)は “豚のうまみをベースに、しょうゆの味わいと酢の酸味を合わせ、豆板醤と花椒で辛みをきかせた、酸味と辛みの中にコクが感じられる酸辣スープです。” との記載があるため、使用している醤油は台湾の醤油(とろみを付けた甘めの黒豆醤油)なのか日本の醤油なのか、そのベクトルと豆板醤や花椒の効かせ方が見どころ。

香酸辣湯麺の読み方は「しゃんさんらーたんめん」

ちなみに酸辣湯麺(すーらーたんめん)は、赤坂から神楽坂に移転した「榮林(えいりん)」を発祥の店とする麺料理、つまり日本生まれの食べ物なので、いきなり矛盾が生じているような気がしないでもないけれどw それはさておき万人受けを狙う傾向があるサンヨー食品の “日本人向けにアレンジしない本場風のおいしさ” とは如何なるものか、お手並み拝見と参りましょう。

開封

「鶏湯肉麺」は開封した途端に五香粉の香りが印象的

「鶏湯肉麺」に別添されている小袋は、天面に貼り付けてある「仕上げの小袋」1袋のみで、食べる直前に加える仕様。麺は油で揚げていますが、そこそこ鶏肉そぼろの量は多く、この時点で程よく五香粉の香りが漂ってきます。ちなみに五香粉は中国混合スパイスで、花椒・クローブ・シナモンの3種に、フェンネル名陳皮(みかんの皮)・スターアニス(八角 – 大茴香)のうち2種の組み合わせが代表的。

「香酸辣湯麺」はツンとした香り

片や「香酸辣湯麺」に別添されている小袋も後入れの「仕上げの小袋」1袋のみで、やや具材は少なめに見えますが、麺の下に入っているのかも。こちらの香りはツンとした感じというか、醸造酢や発酵調味料を彷彿とさせる要素が強く、この時点で同時発売品との差別化は申し分ありません。

メーカー希望小売価格は2品とも214円(税別)に設定されているため、2022年12月現在の即席カップめん業界におけるレギュラーサイズの標準的な値段。私が購入したローカルスーパーでの販売価格は118円(税込127円)だったので、店舗によっては税込100円前後で販売されているかもしれません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:真的中華 鶏湯肉麺 / 香酸辣湯麺
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 関西工場
内容量:69g(めん50g)/ 68g(めん50g)
商品コード:4901734048497 / 4901734048510(JAN)
発売日:2022年12月19日(月)
実食日:2022年12月20日(火)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
小売価格:214円(税別)
購入価格:127円(税込)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型レギュラー
容器材質:紙
湯量目安:320ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(仕上げの小袋)/ 1袋(仕上げの小袋)

原材料名とアレルギー表示

【真的中華 鶏湯肉麺】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、野菜エキス、しょうゆ、粉末卵)、スープ(チキン調味料、糖類、食塩、豚脂、植物油脂、酵母エキス、香辛料、ほたて調味料、しいたけ調味料、ゼラチン、こんぶエキス)、かやく(味付鶏肉そぼろ、キャベツ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、香料、かんすい、クチナシ色素、増粘剤(アルギン酸ナトリウム、増粘多糖類)、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、マリーゴールド色素、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)
【真的中華 香酸辣湯麺】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、食塩、植物油脂、粉末醸造酢、豚脂、香辛料、ポーク調味料、しょうゆ、みそ、発酵調味料、豆板醤、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(キャベツ、キクラゲ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、酸味料、炭酸カルシウム、香料、カラメル色素、かんすい、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

『真的中華 鶏湯肉麺』栄養成分表示[1食(69g)あたり]カロリー 309kcal(めん・かやく 245kcal / スープ 64kcal)、たんぱく質 7.5g、脂質 12.8g、炭水化物 40.9g、食塩相当量 4.7g(めん・かやく 1.5g / スープ 3.2g)、ビタミンB1 0.32mg、ビタミンB2 0.34mg、カルシウム 118mg

まずは「鶏湯肉麺」から調理してみたところ、引き続き程よく主張を放つ五香粉の個性も然る事乍ら、それ以上に印象的だったのが「仕上げの小袋」に仕込んであった鶏油(ちーゆ)の香り。鶏油を使ったカップラーメンは珍しくないけれど、そのベクトルが他の商品よりもナチュラルというか、いかにも香料っぽくないのが好印象。

『真的中華 香酸辣湯麺』栄養成分表示[1食(68g)あたり]カロリー 314kcal(めん・かやく 246kcal / スープ 68kcal)、たんぱく質 6.6g、脂質 13.3g、炭水化物 41.9g、食塩相当量 3.5g(めん・かやく 1.1g / スープ 2.4g)、ビタミンB1 0.30mg、ビタミンB2 0.30mg、カルシウム 105mg

片や「鶏湯肉麺」を調理してみたところ、見るからに辛そうなビジュアルも然る事乍ら、けっこうクセの強い香りが漂ってくるため、こちらのほうが “日本人向けにアレンジしない” というコンセプトをハッキリと感じます。なお辛さレベルなどの表示はないので、見た目ほど辛くないのか、それとも——。

ちなみに製造所は両商品ともに太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番の工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き本場風の臨場感に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

めん

鶏湯肉麺 5.0

きちんと使い分けてる

4.0

「鶏湯肉麺」に使われているのは、昔ながらのカップラーメンを彷彿とさせる縮れの強い油揚げ麺で、サンヨー食品の公式ウェブサイトに掲載されている “表面に張りがあり、しなやかで食べやすいめん” という訴求にも納得の質感。どちらかというとスナック的なタイプに分類されますが、結果的に嫌な感じではなく、中心部に独特のコシを残しながら、いい意味で軽い食感が心地よいと思えたくらい。

香酸辣湯麺 4.0

片や「香酸辣湯麺」にも油で揚げた麺を使っているのですが、同時発売品の「鶏湯肉麺」よりも白っぽい見た目で、さらに加水率もカップ麺の限界に近いレベルで低めの設定。しなやかさや張りのある質感よりも歯切れのよさに特化しているため、博多とんこつラーメンに使われるバリカタレベルではないけれど、やや粉っぽく、ボソボソと切れる感じです。

後述する「香酸辣湯麺」のスープはインパクトが強かったので、もうすこし加水率を高めても‥‥と、そう思った瞬間もあったのですが、ボソッとした低加水麺だからこそスープのインパクトが映えていたのも事実。また「鶏湯肉麺」についてもスープとの相性に問題を感じることはなかったので、これといったマイナスは感じませんでした。

スープ

鶏湯肉麺 5.0

「鶏湯肉麺」は人を選ばないタイプだけど‥‥

「鶏湯肉麺」の土台には、ホタテや椎茸、昆布の旨みを優しく効かせているため “日本人向けにアレンジしない本場風のおいしさ” というデフォルメ否定の表現からは想像できないほど親しみやすく、かなりハードルは低め。五香粉が極端に苦手な方の場合、もしかすると厳しいかもしれないけれど、あくまで全体に柔らかく浸透させているような、おおむね人を選ぶほど強烈な主張ではありません。

また前述のように「仕上げの小袋」が素晴らしく、豚脂も配合しているようですが、それ以上に芳醇な鶏油の風味が印象的で、レギュラーサイズのカップラーメンとは思えない臨場感。率直にいうと “日本人向けにアレンジした美味しさ” だよね? なんですけどw 想像以上の味わい深さには驚きました。

香酸辣湯麺 5.0

片や「香酸辣湯麺」は‥‥けっこう辛いですねw 私は辛い食べ物が極端に苦手なわけでもなければ激辛フリークでもないけれど、まるか食品の獄激辛シリーズではない「ペヤング 激辛やきそば」のソースよりも辛口なので、すくなくとも日本の市場においてはパッケージに警告が必要なレベルに到達していることは間違いありません。

その辛味も然る事乍ら、花椒の存在感も明確で、こちらは適度な痺れ具合ではあるものの、唐辛子が持つカプサイシンの追い風には充分すぎる効き目。味付けには体感的に日本の醤油と味噌を使用していましたが、唐辛子の辛さと花椒の痺れに負けないくらい醸造酢の酸味も強く、ちょっとビックリしました。というわけで、あきらかに「香酸辣湯麺」は人を選びますけど、コンセプト的には正解です。

かやく

鶏湯肉麺 5.0

この肉そぼろ美味しい

「鶏湯肉麺」に入っているキャベツとネギに特筆すべきポイントはないけれど、量に関しては申し分なく、なかでも注目したいのが味付鶏肉そぼろ。系統としてはジャンクなタイプになりますが、けっこうスパイシーな味付けで、それが前述のスープに違和感なくフィット。スープの味わいを深めることにも寄与しており、奇を衒わずとも印象に残るチョイスでした。

香酸辣湯麺 4.0

「香酸辣湯麺」に肉具材は入っていませんが、日本(榮林)発祥の酸辣湯麺には必須の卵は不使用で、キャベツのボリューム感は「鶏湯肉麺」以上。コリコリとした歯応えのキクラゲも食感のアクセントに寄与しており、粗挽き唐辛子はサイズが大きく、辛味と芳ばしさの底上げに一役買っていました。どちらも販売価格を加味すると、充分な内容だと思います。

総評

4.5

個人的な好みでいえば「鶏湯肉麺」に軍配で、おそらく一般的にもウケがいいのは圧倒的に「鶏湯肉麺」だと思いますが、同時発売品の「香酸辣湯麺」は媚びない感じが魅力的。またパッケージでも訴求されている “日本人向けにアレンジしない” というコンセプトを重視すると、軍配を上げなければいけないのは「香酸辣湯麺」ということで、とてもいい組み合わせだと感じました。

今後は「THE町中華」が「真的中華」に変わるのか、それとも並行して交互に新作が登場するのかは定かでないけれど、第1弾にして見どころが多い「真的中華」だったので、今後の展開が楽しみです。ただ、香酸辣湯麺を食べる予定の方は辛味に注意してください(うっかり喉にダイレクトアタックがキマったら危険なのでw)【author・taka :a(大石敬之)】

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