「サッポロ一番 札幌ラーメン どさん子 味噌ラーメン」どさん子の歴史・沿革も解説

サンヨー食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年02月18日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「サッポロ一番 札幌ラーメン どさん子 味噌ラーメン」の実食レビューです。

創業昭和36年の老舗「札幌ラーメン どさん子」の味をカップラーメンで再現!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

サッポロ一番×どさん子 再現カップ麺

アゴが丼になっているペリカンのロゴマークが印象的な「札幌ラーメン どさん子」ですが、日本のラーメン業界でイチ早くフランチャイズ方式を取り入れた伝説のパイオニアと言っても過言ではないラーメンチェーン店の先駆者で、「どさん子」の創業者・青池保(あおいけ たもつ)氏が昭和36年(1961年)5月、東京都墨田区八広に開業した「餃子飯店 つたや」から「どさん子」の歴史は始まります。

中学校を出てから丁稚奉公だった青池保氏は、その当時まだ中華料理店の端役に過ぎなかったラーメンとチャーハンをメインにした「どさん子」の前身となる「餃子飯店 つたや」をオープン。まだ暖簾分けという制度でしか店舗を拡大する方法がなかった当時、アメリカのマクドナルドが展開していた効率のいいフランチャイズ方式に目を付け、それを日本風にアレンジして実践するという、優れた慧眼の持ち主でした。

昭和42年(1967年)6月より、多角化事業として札幌ラーメン・どさん子のチェーン展開を始めるのですが、味噌ラーメン専門店になった理由は “たまたま見かけたデパートの北海道物産展がキッカケ” だったそうです。その物産展に直接ラーメン店が出店していたわけではなかったようですが、まだ本州に浸透していない北海道のご当地ラーメンはゼッタイに流行ると確信して専門店化したところ、彼の卓越した先見の明は狙い通り大ヒット。

昭和43年(1968年)6月、法人化するために北国商事株式会社を設立。代表的なタイプとして「ビジネス街型」「住宅地型」「ドライブイン型」「駅前商店街型」と4つの店舗形態に分類し、昭和52年(1977年)に1,000店舗、昭和54年(1979年)には1,240店舗達成という破竹の勢いで急成長を遂げ、昭和64年(平成元年 / 1989年)4月に北国商事を株式会社ホッコクに変更します。

しかし、1960年代の「どさん子」黄金時代、その人気に便乗して乱立したのがサトー商事の「どさん娘」(1968年創業)と北宝商事の「ザ・ラーメン どさん子大将」(1969年創業)といった類似するラーメン店。「どさん娘」はピーク時に全国800店舗、「どさん子大将」も全国700店舗に拡大するなど、本家とは関係のない類似のラーメン店も見事その狙い通り流れにのりました。

とうぜん本家・どさん子が黙っているはずもなく、昭和46年(1971年)に「どさん子」が原告となって「どさん娘(どさんこ)」との裁判沙汰に発展。訴えられた後発組の「どさん娘」は敗訴し、屋号の読み方を「どさんむすめ」に変更することで終結。2019年2現在、「どさん子大将」の運営母体も業界から撤退しているはずなので、現存する店舗は以前の本部と関係なく屋号を受け継いだまま、ファンの支持によって生き残っている選りすぐりの個人営業店というのが実態なのでしょう。

2019年2月現在、本家「どさん子」の運営母体は焼肉店「牛角」などを運営しているJFLAホールディングス(株式会社アスラポート)。黄金期からのブームが去り、ピークの頃から約1/10ほどに店舗数は減少しましたが、創業53年目を迎えた2014年から「博多一風堂」(力の源ホールディングス)のブランド再生支援などがあり、「次の50年」を目指して2014年5月から「どさん子リブランドプロジェクト」を推進。

日本を代表する伝統の味噌をテーマにした「らーめん みそ膳」、大阪生まれ大阪育ち・浪速風味のライトとんこつ「らー麺 藤平」、京風ラーメンと寿司・甘味を提供している「花いちもんめ」、元祖・堀切系「らーめん大・DAI(ニンニク入れますか?)」を姉妹店とし、東京で生まれた「どさん子」は北海道恵庭市有明町にある店舗(旧店名「ラーメン活力一番」)を「北海道総本店」として、海外進出にも注力しながら日々進化を続けています。

開封

そんな深い歴史を持つ伝説的なラーメンチェーン店の味を再現したのが今回のカップ麺で、2011年1月にニュータッチの「ヤマダイ」がノンフライ麺どんぶり型で再現カップ麺を製品化、2012年3月には同じ製品スタイルで「とかち麺工房」が再現カップ麺を発売していたのですが、サッポロ一番とのタイアップ商品は今回が初の試み。

ヤマダイの再現カップ麺はバター風味オイル付きだったんですけど、今回の別添「仕上げの小袋」には、おそらくパッケージでもアピールされている「炒め野菜香る」オイル成分が入っているものと思われます。「スープにて炒め野菜の風味を再現しています」と製品の特徴がアピールされているように、サンヨー食品のタテ型ビッグ製品は別添されている仕上げの小袋で野菜を炒めたような調理感の漂う香りを添加することに長けているので、調理直後の香りも注目したいポイントですね。

特に40代から60代のユーザーを意識し、試作を重ねながら開発までに要した期間は1年というサンヨー食品と札幌ラーメンどさん子の自信作。もやし、コーン、肉そぼろ、青ねぎ、そして「どさん子」のトレードマークと言っても過言ではない黒ごまが見えているのですが、そんなに具材は多くありません。ただ、容器の中で固定されていた麺が所定の位置からズレており、けっこうな勢いでガッコンがっこん動いていたので、いくらかの具材は容器の底に移動しているのでしょう。

新生「どさん子リブランド」では、「どさん子味噌 赤練(あかねり)」「どさん子味噌 白練(しろねり)」「どさん子味噌 金練(きんねり)」「どさん子味噌 熟練(じゅくねり)」「元祖どさん子味噌ラーメン」など、歴史の重みとラーメン専門店であることを継承しながら大胆な変化を遂げたグランドメニューが展開されているのですが、今回は “あの味、味噌味” ということで、元祖「どさん子ラーメン」の味をカップラーメンとして再現しているそうです。

製品情報・購入価格

製品名:サッポロ一番 札幌ラーメン どさん子 味噌ラーメン
販売者:サンヨー食品
製造所:太平食品工業 関西工場(製造所固有記号 W)
内容量:97g(めん70g)
発売日:2019年02月18日(月)
実食日:2019年02月19日(火)
JANコード:4901734036678
希望小売価格:205円(税抜)

発売地域:全国(全チャネル販売)
購入価格:159円(税込)
取得店舗:ローカルスーパー(フレッシュバザール)

麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:420ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:1袋(仕上げの小袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、大豆食物繊維)、スープ(みそ、糖類、豚脂、食塩、植物油脂、ポークエキス、クリーミングパウダー、粉末ポテト、香辛料、野菜粉末、香味食用油、発酵調味料、酵母エキス)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、ごま、コーン、もやし、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、加工でん粉、増粘剤(タマリンド)、香料、カラメル色素、かんすい、クチナシ色素、レシチン、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示)

実食開始

仕上げの小袋を開封すると、やはり中身は無色透明のオイル成分で、投入した瞬間からモヤシなどの野菜を炒めたような臨場感あふれる香りが漂ってきました。これは同社が製造していた「野郎ラーメン」や「らーめん バリ男 BARIO」のカップ麺で特徴的だった香りと共通しています(どちらもラーメン二郎インスパイア系でしたが)。

それが鮮明に残っていたからこそサンヨー食品のタテ型ビッグ製品=炒め野菜の香りに強い、というイメージが私の中に根を張っているのですが、おそらく同じベースの調味油をブレンドしているのでしょう。日清食品のタンメン系オイルには一歩及ばずといった印象が無きにしも非ずではあるものの、とても効果的な演出だと感じました。

そして調理後、可能な限り具材を集めてみたのですが、そこそこモヤシの量が多かったことと、思いのほか浮上してきた黒ごまの多さは好印象だった反面、全体のボリュームとしては可も無く不可も無しといったところでしょうか。それでは、記憶に残っている「札幌ラーメン どさん子」の味をイメージしながら、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

1食(97g)当たり

カロリー:442kcal
たん白質:8.3g
脂  質:19.2g
炭水化物:59.1g
食塩相当量:5.0g
(めん・かやく:1.4g)
(スープ:3.6g)
ビタミンB1:0.38mg
ビタミンB2:0.58mg
カルシウム:235mg

※参考値(調理直後に分別して分析)
熱量:442kcal(めん・かやく:334kcal)(スープ:108kcal)

めん

スープの絡みをよくするために適度なちぢれをつけ、食べ応えのあるもっちりとした食感の太めんに仕上げました。

(出典:サンヨー食品「製品情報」)

スープとのバランスはいいけれど‥

店舗によって差があるので、すべて同じようには扱えないかもしれませんが、お店の麺は表面がツルッとしたハリのある黄色味の強い縮れた多加水麺が基本。北海道(札幌)の味噌ラーメンで定番のイメージというか、ごりごりの卵麺ではないけれど、ちょっとスープを弾くような印象を受ける中太〜太麺だったと記憶しています。

今回のカップラーメンに使用されている油揚げ麺は、表面の滑りが気になったのと、プリッ‥と弾むような歯切れの良さは意識されておらず、どちらかというと歯を包み込むような粘り気を重視しているようなタイプ。スープとのバランスは悪くないものの、「どさん子」の麺かと言われたら遠いように感じました。とりあえず熱湯5分で食べ始めると部分的に硬い部分が目立っていたので、寒い地域にお住いの方は、きもち30秒〜1分ほど長めにケアするのが適切です。

形状は角刃でカットされた縮れのある太麺ですが、そこまで黄色味は強くありませんし、どさん子の麺というよりも「サンヨー食品のカップ麺で定番の型」にハマっているような油揚げ麺ですね。ただ、私が最後に食べた記憶はホッコクが上場を廃止する2012年8月以前の旧・どさん子なので、現在の新生・どさん子リブランド推進中の店舗では雰囲気が変わっているのかもしれません。

スープ

ポークのうまみに、数種の味噌をバランスよくブレンドし、野菜の調理感と香味野菜の風味を合わせた味噌ラーメンスープです。山椒の辛みをほんのりときかせることで、札幌味噌ラーメンらしい味わいに仕上げています。

(出典:サンヨー食品「製品情報」)

炒め野菜の香りはバッチリ! だけど‥

仕上げの小袋を開封した時にパッ、と広がるモヤシなどの野菜を炒めたような風味はバッチリで、これについては申し分なかったのですが、昔気質のクラシカルな味噌スープではなく、とにかく攻撃性が皆無と言っても過言ではない、むしろ今流行りの柔らかいスープには大幅なギャップを感じました。お店によって味のブレはありますが、どさん子の「味噌らーめん」って白みそ主体のスープが基本ではなかったですよね。

もっとこう、まさに昔ながらの味噌ラーメンというか、カップ麺のスープよりも実際は色が濃いめで、札幌にある岩田醸造製の赤味噌「紅一点」をベースにしたキリッとクラシックで小細工なし、飾り気なしの印象が強く、そこにノスタルジーを期待していたのですが、赤か白かと言われたら完全に白味噌がベースとなっている、まさに老若男女が楽しめる穏やかで優しい優しいスープに仕上がっていました(ちなみに味としては赤味噌ベースのスープよりも個人的に好みだったんですけど‥w)。

もともと純すみ系・村中系と呼ばれる札幌みそラーメンのように、こってりと湯気が立たないほどスープの表面がラードに覆い尽くされているタイプではありませんが、甘みを帯びた柔らかい白味噌スープに野菜を炒めたような調理感と山椒が繊細に香っている、むしろ昔の「どさん子」とは対極にあるように感じました。たっぷりの黒胡麻による芳ばしさにはアイデンティティが見えたものの、だいぶ洗練された印象です。

かやく

肉そぼろ、黒いりごま、コーン、もやし、ねぎの組み合わせです。

(出典:サンヨー食品「製品情報」)

もやしと黒胡麻が個性を演出

どさん子の味噌ラーメンといえば黒ごま、もやしのイメージが強いので、特に芳ばしい煎り黒ごまの風味と食感は好印象だったんですけど、青葱は中庸的、肉そぼろもサンヨー食品のカップ麺で頻繁に見かけるジャンクな味付けの肉そぼろです。かなりスープが穏やかだったので、肉そぼろの力強さはプラスに働いていたのですが、そこまで記憶に残らないかもしれません。

コーンは自然な食感で甘い野菜具材でしたが、赤味噌仕立てのスープほど甘味に相乗効果は見られず、しっかり混ぜたあとは意識して拾う必要があります。でも黒ごま、もやしに関しては意識しなくても口の中に飛び込んできて自己主張を放っていたので、この両者については好印象でした。

総評

★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)

意識している顧客層は40代から60代というコンセプトもあり、あの古き良きフランチャイズ式ラーメンチェーン店のクラシックな味噌ラーメンをイメージしていたのですが、むしろ真逆の印象を抱くイマの時代に合わせて洗練された味噌ラーメンといった雰囲気で、私の知っている「どさん子」ではありませんでした。しかし、単純に好みでいえば比較的に塩気が控えめで優しいテイストが食べやすくて美味しかったです(笑)。

2019年2月現在の運営母体であるJFLAホールディングスが報道関係者向けに発表していたニュースリリースのPDFをデータベースから抽出して確認したところ、やはり「どさん子リブランドプロジェクト」を推進していることがアピールされていたので、黒胡麻や山椒のアクセントは継承しつつイメージの刷新を図っているのかもしれません。今回のカップ麺は味の組み立て方から、リブランドの「どさん子味噌 白練(しろねり)」がモデルになっているのではないかと感じたくらいでした。

しかし、私は「どさん子リブランド」実店舗のラーメンは未体験なので深く言及できないのですが、もし今現在の方針、または北国商事時代の味が白味噌ベースの柔らかい繊細な味噌ラーメンだったのであれば、お手数ですが今回の総評に★ひとつプラスしてください。おいしいかマズいかでいえば美味しかったので、評価は「及第点」の★3としているのですが、赤味噌ベースのクラシックなテイストを思い描かれている方は新生・どさん子の新たなビジョンを理解するイメージの調整が必要になってくるかもしれません。

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