どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年2月26日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清ラ王 うにクリ」(307円+税)の実食レビューです。
斬新で高級感あふれる話題の洋風ラーメンがモデル!? プチ贅沢シリーズ第6弾は高級食材の雲丹に着目、うに香る濃厚クリーミースープが特徴のカップラーメンを展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清ラ王 うにクリ
日清ラ王(にっしんらおう)とは、1992年(平成4年)9月21日の発売以来、ラーメン業界において “その時代の王道とされる味” に進化し続けてきたブランドで、名前の由来はラーメンの王様。当初はカップ入り生タイプめんのフラッグシップモデルとして産声を上げ、2010年(平成22年)の生産終了と復活のプロセスで非難を浴びながら、次世代のノンフライめんブランドに生まれ変わり、現在に至ります。
今回の新商品「日清ラ王 うにクリ」は、うに香る “プチ贅沢” な一杯をコンセプトにした新フレーバーで、日清食品の公式リリース曰く、フレンチのシェフが手掛けるラーメン店が注目を集めている昨今、その斬新で高級感あふれるメニューが多くの人々を魅了していることを背景に、話題の洋風ラーメンを「日清ラ王」流にアレンジとのこと。
「日清ラ王」における “プチ贅沢” といえば、2023年(令和5年)1月2日に “30周年限定” の特別版として彗星の如く現れ、ハイクラス系のブームを業界に先駆けて牽引するかと思われた「濃香(のうこう)トリュフ醤油」を皮切りに、昨年のリリース分だけで「鯛パイタン」「HOTATE鶏白湯」「牛骨味噌」「蟹と味噌」と続いた人気企画。
第1弾の「濃香トリュフ醤油」は、高級食材のトリュフを実際に使用したカップラーメンで、なおかつメーカー希望小売価格は異例の500円(税別)という衝撃的な設定でも話題になった一杯。それはブランドのアイデンティティにもなっている八角形の容器を採用していましたが、同年2月6日発売の「鯛パイタン」から縦型カップに切り替わり、希望価格も5割ほど抑えるなど、購入のハードルはグッと低くなりました。
かくして今回の「日清ラ王 うにクリ」は、同ブランドの “プチ贅沢” 第6弾に該当し、どんぶり型よりも手軽に食べられる印象が強い縦型ビッグのカップラーメンでありながら、まさかの雲丹(うに)を題材にした自信作。既出の鯛、帆立、牛骨を超え、蟹と共にヒエラルキーの上位に君臨する、なんだったらトリュフの地位も危うい高級感を放っているのですが、即席カップめん業界初の試みではありません。
レビューしたのは移転前のブログになりますが、2015年(平成27年)3月23日にサンヨー食品が「サッポロ一番 贅の極み 雲丹らーめん」というスポット商品を展開しており、そういえば日清食品も過去に「カップヌードル リッチ 贅沢濃厚うにクリーム」を発売しているため‥‥え、嘘でしょ? あの衝撃って5年前の話???
「カップヌードル リッチ 贅沢濃厚うにクリーム」とは、いつもより贅沢な味わいをコンセプトにしたプレミアムタイプのカップヌードル「リッチ」シリーズ第7弾を飾ったフレーバーで、発売日は2018年(平成30年)11月19日。丁寧なスープの作り込みも然る事乍ら、高級食材であるウニの味わいを再現した新具材 “ほぼウニ” の出来栄えも印象深く、このブログでは高評価を記録しました。
「日清ラ王 うにクリ」のサブタイトルも「うに香る濃厚クリーミースープ」なので、漠然とノンフライめん版「カップヌードル リッチ 贅沢濃厚うにクリーム」みたいな商品をイメージしていたのですが、パッケージを見る限り “ほぼウニ” は入っていない様子。それでもウニの魅力は伝わってくるのかどうか、お手並み拝見と参りましょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、食べる直前に加える「特製うに風味オイル」1パックのみで、日清食品のニュースリリースにも “仕上げに加えれば、うにの風味が口いっぱいに広がります。” との記載があることから、具材よりもスープに特化している様子。ええ、それは以下のラインナップを見ても歴然。
前述のように “ほぼウニ” はおろか、海に由来するトッピングさえも皆無の状態で、たまご(スクランブルエッグ)は「カップヌードル」からの流用品。ニンジンも「カップヌードル カレー」や「同 味噌」などにも使われている具材ですし、ネギの製法もFD(フリーズドライ、凍結乾燥)と比較してランニングコストが低いAD(エアドライ、熱風乾燥)ということで、まったく気合が感じられません。
しかもメーカー希望小売価格は307円(税別)に設定されている、つまり2024年3月現在の基準(レギュラーサイズは236円+税、ビッグサイズは271円+税)と比較して、なるほど “プチ贅沢” な値段。スーパーやドラッグストアなど販売店は多岐にわたりますが、コンビニで購入した場合の税込価格は330円なので、そこも評価する上で見逃せないポイントになります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清ラ王 うにクリ 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:98g(めん70g) 商品コード:4902105280560(JAN) |
発売日:2024年02月26日(月) 実食日:2024年03月01日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:307円(税別) 購入価格:330円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製うに風味オイル) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、植物油脂、チキン調味料)、スープ(豚脂、クリーミングパウダー、食塩、糖類、乳等を主要原料とする食品、でん粉、小麦粉、オニオンパウダー、魚介調味料、うに調味料、植物油脂、香辛料)、かやく(味付卵、にんじん、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、香料、かんすい、炭酸Ca、カロチノイド色素、カラメル色素、乳化剤、ベニコウジ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は熱風で乾燥させたノンフライ中太ちぢれ麺で、日清食品曰く “まるで、生めん。” のような食感が特徴とのこと。縦型カップにもノンフライ麺を合わせている、というのは「日清ラ王」に一貫して共通する項目になりますが、規定の時間きちんと待ってから2、3分ほど休ませたほうがいいかも、みたいに感じることが多いので、とりあえずフライングは避けたほうが安全。
別添の「特製うに風味オイル」は後入れなので、それを取り外してから熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「特製うに風味オイル」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。見た目のインパクトは弱いけれど、ウニの香りは個性が強く、目を瞑ると意識高い系のパスタを彷彿とさせるファーストインプレッション。
とはいえ前述のように、コンビニで購入した場合の税込価格は330円の “プチ贅沢” な一杯なので、味覚に訴えかけてくるウニの主張はもちろん、値段に見合った満足感が得られるのかどうかにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:385kcal たん白質:7.5g 脂 質:9.5g 炭水化物:67.4g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:2.9g) (スープ:3.5g) ビタミンB1:0.11mg ビタミンB2:0.14mg カルシウム:151mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:385kcal(めん・かやく:295kcal)(スープ:90kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
「牛骨味噌」や「蟹と味噌」と同じかな?
原材料名の “小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、植物油脂、チキン調味料” という構成は、前回の「蟹と味噌」に使われていたノンフライ麺と完全に一致する内容で、それは前々回の「牛骨味噌」も然り。まったく同じ配合ではないかもしれないけれど、体感的な印象は大きく変わりません。
ちょっと撮影に手間取ったので、上記の画像では緩やかに見えますが、先に “ノンフライ中太ちぢれ麺” と触れたように、実際の縮れは画像で見るよりも強く、食べ始めは “びみょ〜ん” としたゴムっぽい質感が気になるかも。さらに時期的な事情(気温の低さ)から戻りムラも発生しやすいため、ちょっと長めのケアをオススメしたいところではございますが、それだけに耐久性の高さはピカイチ。
また揚げ油に由来する風味が全体を支配することもないので、スープのニュアンスを損なう要素が少なく、小麦感についても芳醇でありながら、スープの味を不透明にするほど不躾ではありません。加水率は高めの設定なので、つるみのある表面も特徴の一つに挙げられますが、チキン調味料の下支えと縮れの強さが奏功し、スープとの一体感も悪くありませんでした。
スープ
けっこうなウニ臭で(※ “お点前” 的な感じで)
まずは「特製うに風味オイル」を加える前に、土台の味を確認してみたところ、まだウニの風味は目立っておらず、とにもかくにもクリーミーさに徹底したテイスト。いわゆるラーメンのスープといわれて想起されるタイプではないため、場合によっては違和感を覚えるかもしれないけれど、クリーム系のポタージュが好きならハマること請け合い。
クリーミングパウダーや糖類、乳等を主要原料とする食品を基本軸に据えているため、ポタージュ系のカップスープにありそうな味に仕上がっていますけど、それだけに脇を固めるオニオンパウダーがイイ感じ。小麦粉や増粘多糖類による粘度の高さについても、味の系統的に不自然ではありません。
そんなゴリゴリの洋風スープに加える別添の「特製うに風味オイル」に、生のウニを彷彿とさせるようなリアリティはなく、どちらかといえばウニ風味の加工食品っぽいベクトルなので、特有のクサみは気になりません。ただ、ふりかけタイプよりも重たい、まったりとしたウニの風味が口いっぱいに広がるため、単なるポタージュ系のスープに終わらない個性の持ち主。
もうちょっとクセを強めても‥‥などと、私なんかは思ってしまったのですが、ウニを添えたクリームパスタっぽいテイストは即席めん業界でも珍しく、メーカー希望小売価格の高さにも頷ける特別感がありました(※ちなみに実食後、いったん部屋を離れ、30分ほど経過してから戻ったところ、ウニの残り香けっこうスゴかったのでw 喫食のタイミングには注意してください)。
かやく
ウニの個性を思うと仕方ないか‥‥それにしてもニンジンおいしいw
たまごは例のスクランブルエッグなので、やさしい甘さがスープに寄り添うような姿勢を見せますが、同時に意識しないとスープに埋没しちゃう側面も持っている具材。ネギも風味よりAD特有のジャキジャキした歯触りが目立っている、高級感は皆無に等しい取り合わせから、もうちょい工夫がほしかったなと。ただ、ニンジンが妙にウマいw
日清食品のカップ麺で頻繁に遭遇する中国産の人参なので、これ専用に特別な加工を施しているわけではないけれど、コリコリとした歯応えが心地よく、それがクリーミーな洋風スープにシンデレラフィット。どうしても底に溜まりがちですが、それだけに最後、まとめて飛び込んできたときの存在感は凄まじく、野菜の甘さとスープの相性が絶妙だったので、なんとか逃さないでください。
総評
5年前の「カップヌードル リッチ 贅沢濃厚うにクリーム」には “ほぼウニ” を搭載していた経緯があるため、値段が値段ですし、もうちょっと具材にも気を配ってほしかったなと。いや、最近は具材なし系のカップラーメンに耐性がついてきた方も多いと思うので、プチ贅沢の第1弾と同様に、いっそのこと麺とスープだけでもよかったのでは——
——などと、そのような部分に不満を感じてしまったのですが、別添「特製うに風味オイル」の個性は強く、及第点では勿体無いと判断しました。それに業界初の試みではないけれど、ウニを題材に使用したカップラーメンは希少価値が高いので、自分の肌に合うかどうか、一度は試してみても損はないと思います【author・taka :a(大石敬之)】