どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年10月19日(火)ローソン先行発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング 超大盛やきそば 社員一番の美味しい辛さ」の実食レビューです。
ペヤングの社員が “いちばん美味しいと思う辛さ” で商品化!?「旨さ」と「辛さ」を兼ね備えた新作でイメージの回復なるか‥‥!!
既存の「激辛やきそば」よりも辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング 超大盛やきそば 社員一番の美味しい辛さ
ペヤングとは、まるか食品を代表する即席カップめんのロングセラーで、1973年(昭和48年)7月に発売された「ペヤングヌードル」が最初の商品。その後、1975年(昭和50年)3月13日に永遠のスタンダード「ペヤング ソースやきそば」が登場して以来、近年は “やりすぎた” 商品をコンスタントに開発するようになったので、しばしばネット上でも変態扱いされているのですが‥‥
今回の新商品「ペヤング 超大盛やきそば 社員一番の美味しい辛さ」は、多くのユーザーから “ペヤングの激辛では辛すぎる” との声を受けて開発された新作で、パッケージにも「ペヤング社員が一番美味しいと思う辛さに仕上げました」と分かりやすく表示。完全に社員の匙加減だけどw それはさておきペヤングといえば「激辛やきそば」の印象が強い方も多いと思うので、すこし歴史を振り返ってみましょう。
もっともオーソドックス(?)な赤いパッケージの「激辛やきそば」は、2012年(平成24年)2月20日に発売された湯切りタイプの汁なしカップ麺で、これが「ペヤング」における “激辛史” の原点。まるか食品の広報も兼任している製品開発課係長の小島裕太氏が仕掛け人とされているのですが、何を隠そう同社の代表取締役社長兼CEOを務める丸橋嘉一(まるはし よしかず)其の人が発案した企画。
辛みの強さを表す指標として、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンの含有量を数値化した「スコヴィル値(Scoville heat units – SHU)」という辛味単位があり、一般的なタバスコで2,500〜5,000SHU程度。しかし、まるか食品が公表している「ペヤング 激辛やきそば」のスコヴィル値は45,000SHUなので、単純に計算してもタバスコの5倍以上は辛いことを表しています。
しかし、さらなる辛さを求めるユーザーの声に応え、2018年(平成30年)8月27日発売の「激辛やきそばEND」では脅威の153,400SHU(15万SHU以上)を記録。その時点で既存の「激辛やきそば」対比3.4倍以上の辛さを誇っていたのですが、2020年(令和2年)2月17日発売の「獄激辛(ごくげきから)やきそば」では455,000SHU(45万SHU以上)を叩き出し、泣くほどの辛さで話題になりました。
以降は「獄激辛シリーズ」と題し、455,000SHUという非常識な辛さを維持しつつ「獄激辛カレー」「超大盛やきそばハーフ&ハーフW獄激辛」「獄激辛担々」「獄激辛にんにく」「獄激辛麻婆」と矢継ぎ早に変わり種を展開しているのですが、どのフレーバーも痛みばかりが先行する仕上がりで、もういいだろ‥‥と、ネット上での反応も薄くなり、筆者も食傷気味になっていた今日この頃——。
正直なところ “獄激辛シリーズは新作が出ても売れない” というのが市場の現状で、いまだに「獄激辛カレーやきそば」や「獄激辛担々やきそば」を持て余しているコンビニも多い現在。そのイメージが強く根付いてしまった結果、いよいよ辛くないペヤングの新作が出ても “どこにも売ってない問題” が深刻になってきたところ。
そんな状況下にありながら “また激辛系かよ” と思っていたのですが、よくよく見ると「ペヤング 超大盛やきそば 社員一番の美味しい辛さ」のパッケージに激辛の文字はありません。また最初は販売店を「ローソン先行発売」に限定しているため、取り扱っているローソン店舗も多く、今回は簡単に入手することができました。
開封
コンビニ先行商品なのに、なぜ場所を取る「超大盛やきそば」にしてしまったのか‥‥と、その疑問についてはさておき、今回のカップ麺に別添されている小袋は「ソース」と「かやく」の合計2袋。最初は既存の「激辛やきそば」をベースにした新作で、単純にソースの辛さを抑えた商品だと思い込んでいたのですが、原材料名を見るとソースの構成からして異なります。
しかし、麺は油で揚げたフライ麺で、レギュラーサイズの「ソースやきそば」に使われている油揚げ麺を2つ搭載した状態なのは「超大盛やきそば」シリーズの例に漏れず。外装フィルムの賞味期限横に「+H」とあったら本社工場で製造したことを、同じ位置に「+A」とあったら赤堀工場で製造したことを意味しているのですが、工場の違いによる仕様の変更などはありません。
ちなみに既存の「ソースやきそば超大盛」に設定されているメーカー希望小売価格は230円(税別)なのに対し、それと比較して「超大盛やきそば 社員一番の美味しい辛さ」のメーカー希望小売価格は300円(税別)と地味に高く、ローソンで購入した場合の税込価格は324円。レギュラーサイズの「ペヤング」を2個買うよりも安上がりではあるものの、カップ麺としてはハイエンドクラスの値段ですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング 超大盛やきそば 社員一番の美味しい辛さ 製造者:まるか食品株式会社 製造所:+A・赤堀工場(群馬県伊勢崎市下触町1101-1) 内容量:238g(めん180g) 商品コード:4902885007241(JAN) |
発売日:2021年10月19日(火) 実食日:2021年10月19日(火) 発売地域:全国(ローソン先行) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:324円(税込) 希望小売価格:300円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:超大盛やきそば 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:820ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(しょうゆ、みそ、糖類、ラード、食塩、香辛料、ポークエキス、植物油脂、豆板醤)、かやく(キャベツ、にんじん、豚肉)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工デンプン、グァーガム)、香辛料抽出物、カラメル色素、かんすい、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、加工デンプン、リン酸塩(Na)、ビタミンB2、(一部に小麦・ごま・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、構成はキャベツ、にんじん、豚肉とシンプルなのですが、既存の「ソースやきそば」や「激辛やきそば」などに使われている筒状の味付け鶏ひき肉は不在。それについては好印象ではあるものの、油揚げ麺が2玉の超大盛り仕様ということもあり、やや具材の量は少なめでしょうか。
あとは熱湯を注いで3分後、やけどに注意しながら湯切りして、別添の「ソース」を馴染ませたら出来上がり。いつもの「激辛やきそば」には含まれない “みそ” や “豆板醤” の香りが強く、なるほど差別化については明白なのですが、その奥より漂ってくる独特の薬品臭は「激辛やきそば」や「獄激辛やきそば」にも通じるポイント。
ちなみにローソン先行発売と前述しましたが、11月8日に一般発売開始となっておりますので、最寄りのローソンがない方も安心してください。それでは、引き続き「激辛やきそば」との違いや “ペヤング社員が一番美味しいと思う辛さ” に注目しつつ「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(238g)あたり |
カロリー:1078kcal たん白質:18.1g 脂 質:57.4g 炭水化物:122.3g 食塩相当量:7.9g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもの油揚げ麺
前述のようにレギュラーサイズ(めん90g)の「ソースやきそば」に使われている油揚げ麺が2つ入っている状態、つまり既存の「ソースやきそば超大盛」と同じなので、いつもの油揚げ麺という認識で問題ありません。形状は普段よりも膨らみがあるというか、ぷっくりしているように感じたんですけど、そのニュアンスについてもロット差の問題。
以前、まるか食品の開発課に “麺の使い分けについて” 質問したところ、ペヤングの「やきそば」に使っている油揚げ麺は基本的に共通との回答で、ソースの味に合わせて使い分けることはないとのこと。だいたいの味に合わせやすい麺なので、この麺があるからこそ「MAXシリーズ」のような攻めのソースを意欲的に開発できる、というのが「ペヤング」の強み。
たとえばネット上でも物議を醸した「チョコレートやきそば ギリ」や「アップルパイテイストやきそば」など、スイーツ系のソースに合わせた場合、どうしても油揚げ麺ならではの風味がマイナスに作用してしまうのですが、後述する今回のソースには問題なくフィット。ただ、なまじ麺の量が多いのと、かなりソースの味が濃かったので、ちょっと後半は飽きてくるかもしれません。
ソース
けっこう辛いぞw(あと塩っぱい)
「激辛やきそば」特有の薬品臭は比較的に控えめで、それよりも味噌のコクをフロントに感じるのですが、ふと鼻に抜ける香りに例のケミカルなニオイを確認。また唐辛子の刺激も想像以上に強く、さすがに「獄激辛やきそば」クラスの非常識な辛さではいけれど、辛さだけでいえば既存の「激辛やきそば」に匹敵するレベル。まるか食品の社員さん、けっこう耐性値ありますねw
原材料は「しょうゆ、みそ、糖類、ラード、食塩、香辛料、ポークエキス、植物油脂、豆板醤」とシンプルで、日本の調味料をメインに使用していますが、味の系統としては日本式の韓国風 or 中華風のテイスト。激辛もとい “大辛” クラスの辛さも然る事乍ら、塩気も舌を刺してくるような鋭さだったので、ペヤングのソースにしては塩っぱい味付けでした。
かやく
メーカー希望小売価格を思うと‥‥
みずみずしいキャベツは「ペヤング」シリーズ御用達の野菜で、にんじんのコリコリとした歯応えも食感のアクセントに嬉しく、チップ状とはいえ “まともな豚肉” を使用しているのは好印象。ただ、300円(税別)というメーカー希望小売価格に、超大盛りという麺量も考慮すると、可もなく不可もなしというのが正直な意見。コンビニ先行発売のフレーバーなので、もうすこし捻りが欲しかったです。
総評
いったい何人の社員から取ったアンケートに基づいての辛さなのか‥‥という統計についてはさておき、ペヤングの社員が “一番美味しいと思う辛さ” ということで、旨み重視のピリ辛路線かと思いきや、なんのなんの。すくなくとも中辛以上の辛さがダメな方にとっては厳しいくらい、けっこう刺激的なソースだったので、それについてはインパクトを感じたのですが、如何せん値段がネック。
2021年11月8日(月)以降であれば、ドンキホーテなどの総合ディスカウントストアにも並ぶと思うので、そういった店舗での販売価格にもよりますが、ローソンで購入した場合の割高感は否めません。既存の「激辛やきそば」と比較して、ひとまず別物ではあるものの、あらためて商品開発の難しさを感じた一杯でした【author・taka :a(大石敬之)】