どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年5月7日(火)新発売、ファミマルのカップ麺「かつおとソーキ味沖縄風そば」(198円+税)の実食レビューです。
マルちゃんの「縦型ビッグ 沖縄そば」がモデル!? ファミマルのオリジナルカップ麺に “名店監修じゃない„ 沖縄そば初登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
かつおとソーキ味沖縄風そば
沖縄そば(うちなーすば)とは、琉球王国(1429年 – 1879年)の宮廷料理にルーツを持つ沖縄の国民食で、現在は全国的に知られる沖縄名物の一つ。名称に「そば」を含んでいても、そば粉は使用していないため、食品の分類上は “中華麺„ にカテゴライズされているのですが、いわゆるラーメンとは異なる魅力を持った麺料理です。
今回の新商品「かつおとソーキ味沖縄風そば」は、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、ファミマルのオリジナルカップ麺で、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産と共同開発。ファミリーマートの公式ウェブサイトには “ポーク・チキンをベースに、かつおをきかせたすっきりとしたスープが特徴です„ との記載があるため、こだわりはスープに詰まっている模様。
沖縄そばといっても種類は様々で、昔ながらの老舗や伝統を重んじている専門店では、紅生姜よりも針生姜を使用する店舗が多く、島こしょう(ヒバーチ、ヒハツ)が決め手の「八重山そば(石垣そば)」、昔の風習から具材を麺の下に隠す盛り付け方が生まれた「宮古そば」、豪快な手打ち太ちぢれ麺を特徴とする「大東そば」など、市街地の中心部を離れると呼び名や個性が変わる奥深い世界。
そんな沖縄そばをイメージしたファミリーマート限定の即席カップめんといえば、サンヨー食品と共同開発した「EIBUN」「楚辺(そべ)」「3丁目の島そば屋」「首里そば」、日清食品と共同開発した「いしぐふー」「しむじょう」、エースコックと共同開発した「ちゅるげーそば」など、沖縄の有名店が名を連ね、東洋水産も「きしもと食堂」監修商品の製造を担当していましたが‥‥
縦型ビッグの容器を採用したマルちゃんの沖縄そばといえば、1984年(昭和59年)9月の発売以来、沖縄県限定のNB(ナショナルブランド)商品として愛されている標準どんぶり型のカップ麺「カップ 沖縄そば」を全国向けにアレンジした「縦型ビッグ 沖縄そば」のイメージが強く、直近だと2024年3月25日に最新版(上記画像)が発売されたところ。
2024年5月現在、東洋水産の公式ウェブサイトから「縦型ビッグ 沖縄そば」の製品情報が削除されているため、すでに本年分の製造は終了しているようですが、そちらのパッケージにも “かつおとソーキ味„ の訴求あり。今年は昨年発売の商品と比較して、沖縄そばらしさにこだわり、従来品よりも食べ応えがある、伸びにくい麺にリニューアルとのこと。
そちらはタイミングよく入手が叶わなかったので、真横に並べての比較には至らなかったのですが、ひとまず栄養成分表示を比較してみたところ、カロリー・脂質・炭水化物・食塩相当量の値は「かつおとソーキ味沖縄風そば」のほうが微妙に高く、たんぱく質・ビタミンB1・ビタミンB2・カルシウムの値は「縦型ビッグ 沖縄そば」のほうが微妙に高いなど、まったく同じ数値ではありませんでした。
再計測による誤差の範囲に過ぎないような違いですし、どう考えても「かつおとソーキ味沖縄風そば」のモデルは「縦型ビッグ 沖縄そば」と断定して問題なさそうな雰囲気ですが、よく見ると原材料名の表示も微妙に違うので、そういった部分にも注目しながらレビューします。
開封
共同開発者である東洋水産のNB商品「縦型ビッグ 沖縄そば」と同様に、ファミマルの「かつおとソーキ味沖縄風そば」にも小袋は別添されていないため、製品スタイルは完全に一致。容器側面と天面には “Okinawa-Style Wheat Flour Soba Noodles„ との英文があり、これを翻訳サイトで直訳すると “沖縄風小麦粉そば„ になるんですけど、言い得て妙なのかどうなのか‥‥w
かやくは味付豚肉、たまご、ねぎ、紅生姜の組み合わせで、これについても「縦型ビッグ 沖縄そば」と同じ‥‥かと思いきや、かまぼこが入っていないところは大きな違い。それと「縦型ビッグ 沖縄そば」には「赤いきつねうどん」と同じタマゴ具材を使用しているのですが、ファミマル版では見るからに異なる資材を使用しています。
ちなみにファミリーマート通常価格は198円(税込213円)に設定されているため、共通するカテゴリーから引き合いに出すと「横浜家系 豚骨醤油ラーメン」や「ねぎどっさり 豚骨ラーメン」などと同じ値段。2024年5月現在、NB商品の「縦型ビッグ 沖縄そば」をファミリーマートで購入すると、税込価格は1食あたり292円になるので、この値段差にはPB(プライベートブランド)ならではの強みを感じました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ファミマル かつおとソーキ味沖縄風そば 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34) 内容量:85g(めん70g) 商品コード:4901990377836(JAN) |
発売日:2024年05月07日(火) 実食日:2024年05月12日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:198円(税別) 購入価格:213円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、卵白)、添付調味料(食塩、魚介エキス、香辛料、ポークエキス、しょうゆ、こんぶエキス、チキンエキス、植物油)、かやく(味付豚肉、卵、ねぎ、紅生姜)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、増粘多糖類、かんすい、レシチン、カラメル色素、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、酸味料、香料、ベニコウジ色素、ビタミンB2、カロチン色素、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は長めの5分。NB商品の「縦型ビッグ 沖縄そば」は、昨年よりも “沖縄そばらしさにこだわり、従来品よりも食べ応えがある、伸びにくい麺にリニューアル„ したと前述したように、そこが主なリニューアルポイントだったので、ぜひ比較してみたかったのですが‥‥すみません、現物を確保できず。
後入れの小袋は別添されていないため、フタを開けてから熱湯を注ぎ、フタをして待つこと5分。時間になったらフタを開け、よく混ぜ合わせたら出来上がり。ひとまず具材のチョイスが違うため、何度も引き合いに出している「縦型ビッグ 沖縄そば」との差別化は明確に図られている調理直後。
ちなみに製造所は酒悦の房総工場となっていますが、1983年(昭和58年)7月より東洋水産が資本参加している連結子会社の工場なので、単純に “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き既存品との違いや沖縄そばらしさに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(85g)あたり |
カロリー:387kcal たん白質:9.4g 脂 質:17.9g 炭水化物:48.1g (糖 質:46.0g) (食物繊維:2.1g) 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:1.9g) (スープ:4.4g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.32mg カルシウム:148mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:387kcal(めん・かやく:347kcal)(スープ:40kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
雰囲気ありますよ
「小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、卵白」という原材料名の構成は、2024年3月発売の「縦型ビッグ 沖縄そば」と完全に一致する内容なので、まったく同じ油揚げ麺を使用している、あるいは厳密にいうと微妙に配合を変えていたとしても、同じ系譜に連なっている確率は十中八九と見て間違いないでしょう。
一見するとカップうどんのようなビジュアルですが、原材料に梘水(かんすい)を使用しているため、うどんではなく中華麺。そこまで厚みはない、むしろピロピロとした形状で、すすると踊るように飛び込んでくるランダムな口当たり。強靭なコシの持ち主ではないけれど、すこしボソボソした弾力で、厚みのわりに無骨なイメージで雰囲気あり。
うどんのような粘りは皆無に等しい、内部の繋ぎが粗い感じの仕上がりから、うどんでもないし、ラーメンでもないし、そば粉を使用した蕎麦(そば)とも違う、カップ沖縄そばらしい個性が楽しめました。それでいて後述するスープを蹴散らすような素振りは見せなかったので、一体感についても問題なかったです。
スープ
こんぶエキスの配合などを調整
使用している原材料の表示は「縦型ビッグ 沖縄そば」と共通で “食塩、魚介エキス、香辛料、ポークエキス、しょうゆ„ までは完全に一致するのですが、こんぶエキスの使用率はファミマルのほうが上。もともと縦型ビッグはコンビニでの陳列を前提に開発される傾向があるんですけど、今回はファミリーマートのPB商品ということで、さらに厚みを増したかったのかもしれません。
さて、味わいは鰹の旨みを中心に、程よくポークの厚みを重ねている、カップ沖縄そばの王道を地で行くようなテイスト。ちなみにソーキは “豚の骨付きバラ肉„ を意味しているため、ソーキ味を謳っているわりにアッサリとした印象を受けますが、濃いめの味付けで物足りなさを感じることはありません。そこそこ塩気もありますけど、うまみがギュッと詰め込んである感じ。
かやく
どの具材も個性的
前述のようにソーキはスペアリブなので、それとは異なるタイプになりますが、醤油と砂糖で甘辛く炊いた東洋水産の味付豚肉はクオリティが高く、成型チャーシューなんかとは比べ物にならない臨場感。仕様か個体差か脂身の部分は少なかったので、特有の甘さは楽しめなかったけれど、噛めば噛むほど肉の旨味と甘辛い味付けが滲み出てくる様は、本物志向で好印象。
たまごはフワフワした口当たりで、しっかり混ぜると散り散りになってしまいますが、それでも定期的に飛び込んでくる優しさがオアシス。一方で細かく刻まれた紅生姜は量が多く、たまごとは反対にキレのある演出でアクセントに寄与。ネギはフリーズドライならではの穏やかな主張だったので、どれか突出して目立っているわけではないけれど、それぞれの個性が楽しめる、調和に満ちた内容でした。
総評
ひとまず既存の「縦型ビッグ 沖縄そば」をベースにした商品であることは濃厚ですが、スープの配合を調整していたり、かやくの内容を変更していたり、きちんとファミマル専用に仕上げてきた東洋水産。たとえばコーレーグース風の調味料を別添しているとか、レトルト調理品を搭載しているとか、そういったステータスは備わっておらず、ぶっちゃけ新鮮味はありません。
しかし、コンビニ限定かつ大盛りサイズの商品でありながら、198円(税込213円)で手に入るコストパフォーマンスの高さを踏まえ、総評は上出来の「★5」としました。これから夏に向けて沖縄そば系のカップ麺がチラホラ出てくると思いますけど、迷ったときはファミマルの「かつおとソーキ味沖縄風そば」を思い出してください【author・taka :a(大石敬之)】