【高コスパ】マルちゃんの “沼る” 新ブランド第1弾「沼るニンニク」「沼るニボシ」が優秀すぎた件。

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東洋水産

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年5月29日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」及び「沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」の実食レビューです。

マルちゃんの新たな挑戦!? 一点の特徴を立たせた “ハマる美味しさ” の新ご当地ブランド「沼る」爆誕!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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新ブランド「沼る」始動

沼る(ぬまる)とは、周りが見えなくなるほど何かに没頭する・熱中する・どっぷりハマる・夢中になる・のめり込む等、そんな様子を表す際に用いられる通俗的な表現で、趣味の分野ではもちろん、推し活や恋愛話、中毒性のある作品の感想など、さまざまな場面で使われています。

わかりやすいロゴ

そんな “沼る” おいしさをコンセプトにした新ブランドが今回の「沼る」で、さらに “一点の特徴を立たせた「ご当地」縦型カップ麺” というのも注目すべきキーワド。第1弾は「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」及び「沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」を同時に展開し、異なる地域からの魅力的なアプローチを仕掛けてきました。

赤いパッケージが目を引く「沼るニンニク」の題材となった熊本ラーメン(くまもとらーめん)とは、熊本県熊本市を発祥とするラーメンの総称で、その歴史は現在を遡ること70年以上、1952年(昭和27年)に白濁とんこつスープの元祖とされる中華そば専門店「三九(さんきゅう)」が熊本県玉名市の国鉄高瀬駅(現・JR玉名駅)に支店を出したことに始まります。

熊本進出を果たした「三九 玉名店」は、惜しまれながらもオープンわずか3、4年で店を畳むことになるのですが、その味わいに感銘を受けた3人の青年が熊本ラーメンの始祖。その3人とは、後の「松葉軒」創業者・木村一氏と「こむらさき」創業者・山中安敏氏、そして「味千ラーメン」創業者・劉壇祥(後の重光孝治)氏の御三方で、それぞれのラーメンに共通する特徴がニンニクのトッピング。

にんにく突き抜ける味わいが沼級に美味しい

2023年6月現在、残念ながら「松葉軒」は閉店しているのですが、熊本ラーメンの御三家それぞれ独自のフライドガーリック、あるいはローストガーリックをトッピングしているのが特徴で、発祥の店については諸説あるものの、白濁したスープの表面に浮かぶマー油(焦がしニンニク油)も熊本ラーメンを語る上で欠かせないポイント。

ご当地ラーメンのブームも追い風になり、即席カップめん業界でもメジャーな存在となった熊本ラーメンですが、現在を遡ること20年以上、2004年(平成16年)9月6日から九州エリアを拠点に「バリうま 熊本風黒とんこつラーメン」の販売を続けている東洋水産。さらに基本は万人受けを狙う傾向があるメーカーですが、ニンニクについては遠慮なく打ち出してくるので、今回の「沼るニンニク」も期待大。

さらに東洋水産といえば、その社名にも冠しているように、創業当初から水産物の取引及び輸出並びに加工食品の製造・販売を生業としている企業。たとえば同社の通年販売品である「日本うまいもん 青森津軽煮干しラーメン 激にぼ」を筆頭に、出汁(だし)を専門とするメーカーを自社グループに保有するなど、煮干をはじめとする魚介関連のノウハウは業界随一といっても過言ではありません。

煮干し引き立つ味わいが沼級に美味しい

というわけで、記念すべき沼るブランド第1弾を飾った「沼るニンニク」及び「沼るニボシ」どちらも東洋水産の得意分野ど真ん中。はたして期待通りのインパクトが打ち出せているのかどうか、お手並み拝見と参りましょう。

開封

さっそくニンニクの主張が激しい「沼るニンニク」

赤いパッケージの「沼るニンニク」に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製油」1パックのみで、食べる直前に加える後入れ仕様。容器側面に “黒マー油入り特製油付き” との記載があるため、文字通り中身はマー油(焦がしニンニク油)とみて間違いないでしょう。

ちょっとワイルドな煮干が心地よい「沼るニボシ」

片や青いパッケージの「沼るニボシ」に別添されている小袋も後入れの「特製油」1パックのみで、基本は「沼るニンニク」と同じデザインなのですが、ちょっと濃いめのカラーリング。こちらの容器側面には “煮干し風味の特製油付き” とあるので、魚粉では出せない膨よかさと癖に期待したいところ。そして、どちらの製品にもいえる魅力がメーカー希望小売価格の安さ。

ちょうど1年前の同時期に続き、2023年6月1日出荷分から即席めん業界全体で価格改定(値上げ)が実施されましたが、発売時のメーカー希望小売価格は155円(税別)ということで、もはやオープン価格もスレスレの値段。販売ルートは “量販店、一般小売店 他” となっているため、コンビニには流通していないようですが、スーパーやドラッグストアでの販売価格は平均して100円前後が想定されます。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン / 沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン
販売者:東洋水産株式会社
製造所:株式会社酒悦 房総工場
内容量:71g(めん55g)/ 69g(めん55g)
商品コード:4901990374736 / 4901990374750(JAN)
発売日:2023年05月29日(月)
実食日:2023年06月02日(金)
発売地域:全国(量販店・一般小売店 他)
取得店舗:スーパー
小売価格:155円(税別)
購入価格:105円(税込)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型レギュラー
容器材質:プラ(PP)
湯量目安:300ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(特製油)

原材料名とアレルギー表示

沼るニンニク】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、たん白加水分解物、チキンエキス、粉末野菜、発酵調味料、香辛料)、添付調味料(ポークエキス、豚脂、香味油脂、食塩、砂糖、粉末野菜、乳等を主要原料とする食品、香辛料(ガーリックパウダー、こしょう)、植物油、酵母エキス、たん白加水分解物)、かやく(フライドガーリック、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、レシチン、かんすい、pH調整剤、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、香辛料抽出物、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)
沼るニボシ】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、たん白加水分解物、チキンエキス、粉末野菜、発酵調味料、香辛料)、添付調味料(植物油、香味油脂、チキンエキス、粉末煮干し、食塩、しょうゆ、砂糖、香辛料、ポークエキス、たん白加水分解物)、かやく(味付挽肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、増粘多糖類、炭酸カルシウム、レシチン、かんすい、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

栄養成分表示[1食(71g)あたり]カロリー 340kcal(めん・かやく 269kcal / スープ 71kcal)、たんぱく質 8.3g、脂質 17.6g、炭水化物 37.1g、食塩相当量 3.7g(めん・かやく 1.1g / スープ 2.6g)、ビタミンB1 0.26mg、ビタミンB2 0.25mg、カルシウム 107mg
「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」

まずは「沼るニンニク」の調理直後、具材らしい具材は入っていないため、そこが寂しい部分になりますが、タイトル通りニンニクの香りは申し分なく、それもガーリックパウダー+フライドガーリック+焦がしニンニクと複合的。なおかつ負けじと豚骨も気張ってくれている、ジャンクで頼もしいファーストインプレッション。

栄養成分表示[1食(69g)あたり]カロリー 319kcal(めん・かやく 265kcal / スープ 54kcal)、たんぱく質 8.2g、脂質 15.8g、炭水化物 36.1g、食塩相当量 4.4g(めん・かやく 1.4g / スープ 3.0g)、ビタミンB1 0.30mg、ビタミンB2 0.28mg、カルシウム 145mg
「沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」

次に「沼るニボシ」の調理直後、こちらのスープは白湯(ぱいたん)ではなく清湯(ちんたん)で、見た目こそ大人しそうな雰囲気ですが、なんのこれしき煮干の存在感は申し分ありません。嗅いだ瞬間に、うっ‥‥みたいなインパクトはないけれど、煮干が苦手ながらヤメとけレベルには充分に達しているため、こちらにも期待できそうな展開。

ちなみに両商品とも製造所は酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっていますが、1983年(昭和58年)7月より東洋水産が資本参加している連結子会社の工場なので、単純に “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き中毒性の高さとコストパフォーマンスにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

「沼るニンニク」の油揚げ麺

1周まわってエモい

「沼るニンニク」に使われているのは、いかにもカップラーメンらしい油揚げ麺で、日清食品の「カップヌードル」よりも耐久力のある構造ではあるものの、それに近いサイズ感。おやつ感覚で食べられるタイプというか、お店の生麺とは完全に別物で、数あるカップラーメンの中でも安っぽさに振り切っている、潔いまでにスナック的な質感です。

「沼るニボシ」の油揚げ麺

「沼るニボシ」に使われている油揚げ麺も「沼るニンニク」と同じタイプで、1文字と違わない原材料名の構成やニュースリリースの文面から察するに、まったく同じ麺とみて間違いないでしょう。熊本風なの? 青森風なの? と聞かれたら、どっちにも寄っていないと即答できるくらい、ご当地の臨場感が楽しめない油揚げ麺ではあるものの、どちらも後述するスープとの相性は悪くありません。

また強めのスナック感についても東洋水産のニュースリリースに “なめらかで粘りのある弾力を持つ、スープ絡みの良いスナック感の強い麺。” と記載されているため、公式もポジティブに捉えているポイント。もちろんコスト的な問題も大きな理由の一つに‥‥というか、それが主な事情なんだとは思いますけど、販売価格を思うとカップラーメンならではの安っぽさが魅力に思えました。

スープ

商品名の通りニンニクがっつりの「沼るニンニク」

155円(税別)のスープじゃねぇぞ‥‥

「沼るニンニク」のスープを支えるポークエキスは、めんと同じくカップラーメンらしい味わいで、しかしながら乳化感は強く、まったりとした豚骨の旨みが印象的。そこそこ多めのガーリックパウダーを使っているため、生おろしニンニクほどではないけれど、特有のアクセントも強く、粉末スープだけの状態でも値段相応に思えたのですが、別添の「特製油」を加えると激変。

小袋を触るだけで分かるザラザラとした焦がしニンニクの粒も然る事乍ら、想像以上に豚脂の量が多く、そのコクとマー油の芳ばしい風味が全体に広がって、値段に相応しくないほどリッチなテイストに。カップラーメンの枠を出るような味ではないけれど、メーカー希望小売価格が271円(税別)の縦型ビッグ製品でも通用するのでは‥‥などと素直に思えたくらいハイレベル。

こっちも負けてないぜ「沼るニボシ」

片や「沼るニボシ」を支える動物系は濁りのない清湯で、それについての特筆すべき個性はありません。しかし、主役の煮干は個性が強く、たとえばエースコックの「鬼煮干中華ソバ 中華ソバ伊吹監修」よろしく一般的にはネガティブとされる苦味やエグみを強調したタイプではないけれど、あえて頭や内臓まで砕いた煮干の粉を使っているような、ちょっとクセのある余韻が印象的。

場合によっては生臭いと感じてしまうかもしれないけれど、ネガティブに思わせないギリギリのラインを突いているようなテイストで、それをワンランク上の段階に引き上げてくれるのが「特製油」に含まれる煮干オイル。粉末のソレでは打ち出せない、高い透明度を誇りながらも明白に旨みを打ち出してくれる、オイル特有の煮干感が加わることで、こちらも値段以上の価値が見出せました。

かやく

徹底的にニンニクを強調した「沼るニンニク」

スープの出来を思えば充分ですよ

「沼るニンニク」にトッピングされているのは、フライドガーリックとネギだけなので、具材らしい具材は入っていませんが、フライドガーリックの自己主張は人を選ぶレベル。ちなみに東洋水産のニュースリリースには「ローストガーリックチップ」と記載されていたので、どっちやねんw などと思ったんですけど、原材料名の表示からロースト(蒸し焼きや炙り焼き)ではなくフライド(揚げ)が正解。

中華そばとしての総合力に 配慮した「沼るニボシ」

片や「沼るニボシ」のトッピングは、味付挽肉、メンマ、ネギの組み合わせで、こちらは具材らしいラインナップ。いずれも東洋水産の他商品で頻繁に使われている具材なので、新鮮味こそないけれど、ジャンクな味付挽肉は存在感大。ええ、結果的に青森風ではないですけどw メンマの風味は煮干の効いたスープと相性がよく、ネギも多過ぎず少な過ぎず適量で、どちらもスープの出来を思えば納得です。

総評

5.0

というわけで、麺は開き直ったようにスナック的だし、かやくも値段相応といわざるを得ない内容ではあるものの、特筆すべきはスープから得られる満足度の高さ。本文中でも触れたように、メーカー希望小売価格が271円(税別)の縦型ビッグ製品でも通用するレベルの出来栄えだったので、カップラーメンを食べるときはスープにウェイトを置いている、であれば満足できること請け合い。

ご当地の味わいに着目し、スープに特化したフレーバーを展開している縦型カップの製品といえば、エースコックの「飲み干す一杯」(ご当地シリーズ)が台頭ではあるものの、その牙城を崩さんとする勢いを見せたマルちゃんの新ブランド「沼る」第1弾。かなり好調なスタートが実感できたので、早くも次の新作が待ち遠しいです【author・taka :a(大石敬之)】

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