どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月3日(月)ヤオコー限定発売、サンポー食品のカップ麺「ニンニクボンバー宮崎辛麺」の実食レビューです。
全国的なブームを巻き起こした九州の激辛ご当地麺「宮崎辛麺」を “ニンニクマシマシ” でカップラーメンにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ニンニクボンバー宮崎辛麺
サンポー食品株式会社(SANPO FOODS Co.,Ltd.)とは、佐賀県三養基郡基山町に本社・工場を置き、即席めん(カップめん、棒状ラーメン)及び乾めんの製造・販売を生業としているメーカーで、1921年(大正10年)1月創業の米穀卸大石商店が起源。創業100周年を迎えた現在は “九州の「うまい」をカタチに” をブランドコンセプトに掲げ、九州の食卓と食文化を支え続けています。
今回の新商品「ニンニクボンバー宮崎辛麺」は、数年前から即席めん業界でも注目を集めている、宮崎の辛麺(からめん)をイメージした “ヤオコー(YAOKO)限定” のカップラーメンで、製造はサンポー食品。挑戦的なタイトルも然る事乍ら、コミック調のパッケージには #九州のご当地麺 #ニンニク丸ごと1個分 #ニンクマン参上 のハッシュタグを‥‥っていうかニンニクマンって誰やねんw
あらためまして辛麺(からめん)とは、宮崎県延岡(のべおか)市本町を発祥とする激辛ご当地ラーメンのネクストブレイクで、現在は「辛麺屋 桝元(ますもと)」が元祖を名乗っているのですが、その歴史を遡ると「辛麺本舗さやか」を経営している運営統括責任者・藤田紀佳(さやか)さんの両親(原田武明さん、延子さん夫妻)が営んでいた一軒の小料理店「飲み処 桝元」の裏メニューが始まり。
神奈川県川崎市を中心に店舗を展開している「元祖ニュータンタンメン本舗(イソゲン)」発祥の「タンタンメン」に感銘を受けた延子さんは、夫と試行錯誤の末に「辛麺」の原型を作り上げ、1987年(昭和62年)頃から「飲み処 桝元」で提供開始。その当時から常連客で、後に株式会社桝元の代表取締役社長となる長曽我部隆幸(ちょうそかべ たかゆき)その人が事業を受け継ぎ、現在に至ります。
スープに大量の韓国唐辛子やニンニクを入れ、具材には挽肉を使い、仕上げに溶き卵を加える調理方法など、元祖ニュータンタンメン本舗の主力商品と共通した特徴を備えている宮崎の辛麺ですが、スープに片栗粉は使用していなかったり、具材にニラを足していたり、圧倒的に辛味が強かったり、通称 “こんにゃく麺” と呼ばれる特殊な麺が選択できたりと宮崎の地で独自の進化を遂げ、いまや知名度は全国区。
中毒性の高い味わいから、前述のようにインスタントめん類の題材になることも多く、それを模した袋麺やカップラーメンは数多く既存するのですが、おおむねスポットが当たるのは唐辛子の辛味。それを強調した激辛系の商品が多い中、サンポー食品とヤオコーはニンニクに焦点を絞っているのがポイントで、1食あたりに使用しているニンニク具材の生換算重量が1個分(約45g)に相当とのこと。
2019年8月26日に「焼豚ラーメン 宮崎辛麺」を発売しているサンポー食品なので、辛麺のノウハウがゼロというわけではないけれど、基本は豚骨を追求している企業。はたして豚骨×辛麺のハイブリッドなのか、それとも王道を地で行く宮崎の辛麺をニンニクマシマシで表現しているのか、ニンニクの威力はもちろん、スープの打ち出し方も見どころになりそうです。
ちなみに私の行動圏内にはヤオコーの店舗がないので、以前に「超濃厚な豚骨ラーメン 鬼豚骨」を捕獲してくれた関東の友人に依頼しました。でもって今回も箱を開けたときのインパクトよw さすがに「鬼豚骨」ほどではないですけど、たぶんデザインとか商品名とか同じ人が企画してますよね。センスありすぎw
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れ「調味油」と「あといれかやく」の計3種。サンポー食品のニンニク推しといえば、あといれニンニクが猛威を振るった「焼豚ラーメン にんにくとんこつ味」(2019年3月11日発売品)の例があるため、そのインパクトについては申し分なさそうな雰囲気。
麺はラード配合の油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。おそらく「焼豚ラーメン」シリーズに使われている熱湯3分の油揚げ麺と同じ、あるいは違ったとしても微妙に配合を変えている程度ではないかと思いますが、ひとまず原材料名の並びは「焼豚ラーメン 九州とんこつ味」と完全に一致します。
サンポー食品にメーカー希望小売価格を問い合わせてみたところ、214円(税別)と教えていただいたのですが、ヤオコーでの販売価格は158円(税込170.64円)とのことなので、エースコックの「わかめラーメン」とか、まるか食品の「ペヤング ソースやきそば」などと同じラインです(後者2品の販売価格は「ヤオコーネットスーパー」での価格を参照)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニンニクボンバー宮崎辛麺 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町大字長野230) 内容量:82g(めん60g) 商品コード:4901773101450(JAN) |
発売日:2022年10月03日(月) 実食日:2022年10月09日(日) 発売地域:ヤオコー限定 販売価格:158円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(粉末スープ・調味油・あといれかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(香辛料、豚脂、食塩、しょうゆ、チキンエキス、デキストリン、糖類、ねぎ、たん白加水分解物、酵母エキス、植物油脂)、かやく(にんにく、にら)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、pH調整剤、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、いつものファーストインプレッションであれば、サンポー食品が得意とする豚骨の芳醇な印象に包まれるところ、今回は前面に唐辛子の芳ばしさを感じます。そこに油揚げ麺(ラード)由来の芳ばしさが重なって、なかなかの背徳感。
粉末スープの量が多いため、それを溶かしながら熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」の小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら「調味油」を投入し、粉末スープの溶け残りがないよう念入りに混ぜ合わせ、仕上げに「あといれかやく」をトッピングしたら出来上がり。残念ながら辛麺に必須の卵は入っていませんが、刻みニンニクとニラのニオイは強烈で、だいぶ思い切ったなとw
また調理後も唐辛子の香りは明確に漂ってくるのですが、パッケージに辛さレベルの表示や辛味に対する注意事項は記載されていないため、ニンニクの威力についてはもちろん、念のため辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(82g)あたり |
カロリー:378kcal たん白質:8.5g 脂 質:17.1g 炭水化物:47.6g 食塩相当量:5.3g (めん・かやく:1.7g) (スープ:3.6g) ビタミンB1:0.42mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:137mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
サンポー食品が誇る伝統的なフライ麺
辛麺を提供している多くの専門店では、いわゆる「中華麺」や「うどん」のほかに、小麦粉+そば粉+でんぷんを主原料とした「こんにゃく麺」を常備している店舗が大半で、後者についてはサンサス商事の「きねうち冷麺」が高いシェア率を誇ります。こんにゃく麺は、いわゆる韓国の冷麺などにも使われているアレですね。
対して今回の油揚げ麺は、おそらく「焼豚ラーメン」シリーズの定番 “九州とんこつ味” と共通で、たとえばスープにおけるpHの違いなど、そういった部分で食感に変化が生じることもありますが、大きく配合を見直した形跡は感じません。やや加水率は低めの設定で、コリッとした歯応えと歯切れのよさ、そしてラードの風味が芳ばしい、あの油揚げ麺を使っています。
そのため個性を既知の方にとっては新鮮味のある質感ではないけれど、この油揚げ麺を豚骨じゃないスープで食べられるケースは稀なので、そういった意味ではレアな‥‥あ、スープのネタバレになってますねw ひとまず結果的に後述するスープとの相性に問題はなく、全体のジャンクさを底上げすることにも寄与していました。
スープ
サンポー食品の “非とんこつ系” はレア度が高い
まずは「粉末スープ」だけの状態で味わってみたところ、赤唐辛子は粒子の細かいパウダーと粗挽きを併用しており、黒胡椒と隠し味に若干量の花椒(ホワジャオ)も使ってるのかな? 辛さレベルは常識的ではあるものの、辛い食べ物が得な方にとってはピリ辛〜ふつうに辛口、苦手な方にとっては辛口程度、極端に苦手な方にとっては大辛くらい。
味付けは食塩と醤油を中心に、サンポー食品といえばのポークエキスは不使用で、粉末スープにおける動物系の要素は珍しくチキンエキスの一本勝負。この時点でニンニクも自己主張を放ってはいるものの、ひき肉から滲み出る旨味などは感じられなかったので、辛麺の観点から見ると物足りなさもあります。
粉末スープにおける動物系はチキンエキスのみと前述しましたが、後入れの「調味油」は豚脂がメインの動物油脂で、ここはサンポー食品の十八番。しかし、特有のクセは控えめで、あくまでも動物由来のコクを優しく表現しているような、キレのあるスープとは裏腹に、調味油は優しいタイプでした。
かやく
にんにく爆撃機は伊達じゃないw
粉末スープに粗挽き唐辛子や少量のネギを同梱していましたが、トッピングの本丸はコッチ。大量の刻みニンニクに由来する強烈な風味のインパクトは、おろしニンニクに匹敵するほどではないけれど、特有の辛味を覚えるレベル。
おそらく刻みニンニクは前述の「焼豚ラーメン にんにくとんこつ味」や「ばってん親父 あか丸とんこつラーメン」(2019年9月24日発売品・ローソン限定)などに別添していた “あといれにんにく” と共通で、ニラの風味も強めに感じるなど、攻撃性については申し分ありません。
辛いスープに溶き卵を流し入れることで、そのギャップを物ともしない渾然一体の旨味を表現する「辛麺」なのに、たまご不在は寂しいポイントになりますけど、ニンニクボンバーの名に恥じないニンニクの衝撃は記憶に残ること請け合いです。
総評
本場の味を忠実に再現しているわけではなかったので、ちょいちょい物足りなさを覚える部分はありましたけど、サンポー食品のカップラーメンなのに豚骨エキスは不使用だったり、あといれかやくで容赦なくニンニクボンバーだったり、特定の店舗にしか売ってない販路限定商品だからこその思い切りは素晴らしく、そこに価値が見出せる一杯でした。
2022年10月9日現在「ヤオコーネットスーパー」では取り扱いがないため、行動圏内にヤオコーの店舗がない場合、入手困難な商品になってしまうのですが、それだけに仕送り・お土産での話題作りにも最適な良品です。辛い食べ物とニンニクが苦手でなければ、即席カップめんコーナーの “ニンニクマン” を目印に探してみてください【author・taka :a(大石敬之)】