カップ麺の新たな冷やしを開拓!? マルちゃん正麺「ごま油香る鶏だれ冷し」は “例のショック” を巻き起こせるか

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東洋水産

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年5月22日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん正麺 カップ ごま油香る鶏だれ冷し」の実食レビューです。

いわゆる冷やし中華とは別物!? マルちゃん正麺がラーメン・まぜそばの要素を持たせた “やみつきになる味わい” の新たな「冷やし」を提唱!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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マルちゃん正麺 カップ ごま油香る鶏だれ冷し

マルちゃん正麺(せいめん)とは、いま抜群に美味しく、そして10年後・20年後も古びることなく愛され続ける即席めんをコンセプトにした東洋水産のブランドで、2011年(平成23年)11月7日に袋めんの初代御三家「マルちゃん正麺 醤油味」「同 味噌味」「同 豚骨味」の販売をスタート。わずか1年で2億食の売上を記録し、ベアトレンドが続いていた当時の袋めん市場に多大な衝撃を与えます。

そして不動の地位を確立した「マルちゃん正麺」

その衝撃は関係者の間で “マルちゃんショック” と呼ばれ、今でも語り種になっているのですが、袋めんタイプの登場から約4年後、2015年(平成27年)10月5日に満を持して現れた「マルちゃん正麺 カップ」が市場を席巻。発売から1ヶ月で累計出荷数100万ケース(1,200万食)達成という驚異の滑り出しを見せ、今度は即席カップめん業界に “第2のマルちゃんショック” を引き起こしました。

今回の新商品「マルちゃん正麺 カップ ごま油香る鶏だれ冷し」は、お湯を注いでから湯切りするだけの汁なしカップめんとは違う、湯切り後に冷水で冷やす工程を必要とする暑い季節に向けた正麺カップの新作で、2022年6月20日発売の「マルちゃん正麺 カップ 冷しまぜそば 鶏だし塩」に続く冷やしシリーズの第2弾。

2013年(平成23年)4月22日から袋めんタイプの「マルちゃん正麺 冷し中華」を、2014年(平成24円)3月24日には新フレーバーの「マルちゃん正麺 ごまだれ冷し」を展開し、どちらも今では春夏向けの準定番商品として確固たる市民権を得ているのですが、正麺カップの “冷やし” は「冷し中華」ではなく「まぜそば」であることがポイント。

2023年も「冷しまぜそば」はじめました

昨年の「冷しまぜそば 鶏だし塩」は “チキンと昆布の旨味をベースに、ゆずの香りとにんにくを利かせた、鶏だし塩味” を特徴としていましたが、今年の「ごま油香る鶏だれ冷し」は “さっぱりした味わいではなく、ごま油とねぎの風味を利かせた中華風のたれで、やみつきになる味わいを目指しました” と、同じ鶏だし系でも異なる方向に路線を変更。

さらに同じフレーバーの袋めんタイプ「マルちゃん正麺 ごま油香る鶏だれ冷し 5食パック」も同時に発売し、さらなるシリーズの強化と売り場・市場の活性化を図った東洋水産。同じ「マルちゃん正麺」でも “袋めんとカップめんでは異なる特許製法を採用している” ため、それについての仕上がりは変わってきますけど、添付調味料の方向性は同じようです。

これまで即席カップめん業界における “冷やし” といえば、大黒食品工業(DAIKOKU)の「冷しシリーズ」が台頭だったのに対し、ニュータッチのヤマダイが3年前にノンフライめん使用の「凄麺 冷し中華 海藻サラダ風」を展開したことで牙城が崩れはじめ、後者でいえば2023年の「凄麺 冷し中華 海鮮サラダ風」も素晴らしい出来栄えだったのですが、どちらとも方向性が異なる正麺カップ。

容器側面に詳しい調理方法を記載

とはいえ「大黒」「凄麺」「正麺カップ」それぞれ “湯切りしてから冷水を入れて冷やす工程は共通する” ため、その手間を要してでも食べる価値のある逸品なのかどうか、また他社の冷やし製品と比較して差別化に一役買っている “ねぎの風味を利かせた中華風のやみつきだれ” の仕上がりにも注目しながらレビューします。

開封

2種の小袋を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」の計2パックで、注意すべきは “液体スープを温めない” こと。そんなん言われんでも分かっとるわw などと思われるかもしれませんが、液体スープの小袋は温めてくださいの製品が多いため、うっかり温めないように注意してください。

黄色みの強い乾燥めん

同じフレーバーの袋めんタイプも同時発売と前述しましたが、袋めんタイプの「マルちゃん正麺」には生麺うまいまま製法(特許 第5153964号)を採用しているのに対し、カップめんタイプの「正麺カップ」には生麺ゆでてうまいまま製法(特許第5719064号)を採用しているため、ここが大きな違い。ぶっちゃけ質の高さは袋めんに軍配ではあるものの、茹でずに食べられるのはカップめんの特権です。

2023年5月現在のメーカー希望小売価格は249円(税別)なので、通年販売中の「正麺カップ」各フレーバーと同じ値段に設定されているのですが、2023年6月1日出荷分からの価格改定により、それ以前に249円(税別)だった「正麺カップ」は278円(税別)に値上げされます。つまり、本商品の販売価格も後日に修正されるおそれがあるので、各位ご対応ください。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:マルちゃん正麺 カップ ごま油香る鶏だれ冷し
製造者:東洋水産株式会社
製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1)
内容量:117g(めん90g)
商品コード:4901990374712(JAN)
発売日:2023年05月22日(月)
実食日:2023年05月25日(木)
発売地域:全国(CVS・量販店一般小売店 他)
取得店舗:ウエルシア
小売価格:249円(税別)
購入価格:257円(税込)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:600ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:2袋(液体スープ・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、植物油脂、乳糖、大豆食物繊維)、添付調味料(植物油、チキンエキス、しょうゆ、水あめ、鶏脂、食塩、醸造酢、香辛料)、かやく(味付鶏肉だんご、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酒精、炭酸カルシウム、レシチン、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、カラメル色素、クチナシ色素、増粘多糖類、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

見慣れたトッピングに安心感

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は「味付鶏肉だんご」「メンマ」「ねぎ」の組み合わせから、東洋水産の鶏しお系で頻繁に見る構成ではあるものの、それだけに不安を感じないラインナップ。万が一にも改悪されていたら話は変わってきますけど、東洋水産の味付鶏肉だんごは基本的に完成度が高く、ねぎもフリーズドライですし、メンマも多めで掴みは悪くありません。

しんぷる

かやくを開けたら熱湯を注ぎ、フタの上で “液体スープを温めないよう注意しながら” 待つこと5分。時間になったら湯切り口から湯を捨てて、その後 “うっかりフタを剥がさないように” 冷蔵庫で事前に冷やしておいた冷水などを注ぎ、湯切り口から水を捨てる作業を3回ほど繰り返したら、仕上げに「液体スープ」を絡めて出来上がり。

——ただ、ほとんどの方が外出先ではなく自宅などで調理されるかと思いますので、めんを締める工程はザルを使い、ジャブジャブしたほうが格段に楽ですw ただ、めんは湯切り前にほぐすこと、それから急激に冷やす場合は湯戻し時間を30秒〜1分ほど長めに見たほうが安全かもしれません。それでは、引き続き「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(117g)あたり
カロリー:417kcal
たん白質:11.8g
脂  質:10.1g
炭水化物:69.8g
食塩相当量:4.4g
ビタミンB1:0.31mg
ビタミンB2:0.40mg
カルシウム:187mg
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

致命的ではないけど改良の余地あり

3.0

「小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、植物油脂、乳糖、大豆食物繊維」という原材料名の構成は、既存の「濃厚こくソース焼そば」や「汁なし担々麺」と共通する内容で、それらと同じ生産ラインで製造しているのか、カップラーメン用と比較して短めに切り出されているのも共通するポイント。

ちょっと画像では分かりにくいですけど

ただ、ヤマダイの「凄麺 冷し中華」を引き合いに出すと、それには冷水で引き締める工程にも配慮した “冷し中華専用のノンフライめん” が使用されていたのに対し、こちらは冷やし専用の特別な調整を感じないというか、だいぶ硬めに仕上がるので、温調理よりも不自然なのが玉に瑕。そのコシがたまんねぇ! だと評価は変わってくると思いますけど、部分的に残る戻りムラには感心できません。

たとえば真夏に冷水ではなく水道水を使うとか、規定の時間+1〜2分ほど長めに待ってから氷水で冷やすとか、そういった工夫で改善可能な要素ではあるものの、バッサリいってしまえば設計ミス。もちろんコンディションについては調理環境にも大きく左右されますが、いったん水で締めた後に戻りムラを解消する手段は温め直すしかないので、来季までに冷やし専用の配合を確立すべきかと存じます。

スープ

丁寧なんだけど少しインパクトは弱い

4.0

冷やし専用の液体スープなので、その条件だと凝固する動物油脂を存分に使えなのはデメリットになりますが、植物油を中心にオイル分は多く、ギトギトしない程度に鶏脂もブレンド。さらに葱油(ねぎあぶら)の風味が相俟って、芳ばしさに着目してもレイヤーがあり、優しい鶏の旨味も丁寧で味わい深く、なるほど「ごま油香る鶏だれ」にも納得のテイスト。

やや塩気を強めに感じたのですが、その攻撃性を適度に丸めてくれる水飴の甘さだったり、後味にスッと通る醸造酢のアクセントだったり、いい意味でシンプルな原材料名の表示と反した奥行きを感じました。しかし、大々的に “やみつき” を謳っているため、生おろしニンニクでヤンチャな攻撃性を出すとか、黒胡椒の刺激と清涼感を効かせるとか、ひとつ核になるパンチが欲しかったかも。

かやく

さすがの高品質

5.0

味付鶏肉だんごは同社のカップラーメン(縦型ビッグなど)で頻繁に遭遇する具材なので、いまさら新鮮味を感じることもないけれど、あいかわらず美味しいですねぇ‥‥ちょっとズルいw 液体スープの動物系が鶏ベースなので、もちろん相性に問題などあるはずもなく、冷やして食感や風味が劣化するとか、ネガティブな臭みが目立つとか、そういったマイナスも生じていません。

メンマは特有の発酵感が強く、それが液体スープと相性抜群で、ネギも主張し過ぎないフリーズドライとシンプルながらに余念を感じさせないラインナップにより、これといって文句の付け所は見当たりませんでした。欲を言えばペースト状のニンニクや黒胡椒の別添、あるいは刻み海苔の別添なんがあると最高だったんですけど、あくまでも欲を言えばの話。

総評

4.0

というわけで、フライめん仕様の「大黒」ともサッパリ路線の「凄麺」とも違う、他社の冷やし製品とは異なる魅力を備えていたのですが、それだけに “冷やし専用の「生麺ゆでてうまいまま製法」ではなかった” ことが悔やまれるポイント。ええ、素人が口で言うほど簡単なことではないことは重々承知しております。

しかし、業界関係者を震撼させた「マルちゃん正麺」の開発陣にとって解決不可能な課題ではないと思うので、さらなる進化に期待しての総評です。とりあえず戻りムラについては湯戻し時間の延長でケアすることはできるので、心配な方は長めに待つなど、調理の際に工夫してみてください【author・taka :a(大石敬之)】

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