どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年10月18日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「本気盛 激辛ニボ」の実食レビューです。
辛い? 辛くない‥‥? マルちゃんの「本気盛」に “激辛濃厚煮干しラーメン” 初登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
本気盛 激辛ニボ
本気盛(マジモリ)とは、マルちゃんとして知られる東洋水産の縦型BIGカップめんブランドで、2007年(平成19年)3月26日に発売された「本気盛 豚骨醤油」及び「同 辛味噌」が最初の商品。その頃から食べ応えのある大盛りの麺量に、濃いめのスープやFD(フリーズドライ)の野菜具材を合わせ、コンセプトの一貫性を守りながら数々の新フレーバーを展開し、食べ応えを追求してきました。
今回の新商品「マルちゃん 本気盛 激辛ニボ」は、濃厚な煮干しの風味と豚のコク、さらに唐辛子の辛さを際立たせた濃いめのスープに、食べ応え重視の “がっつり太麺” を合わせた新作で、パッケージには大きく “激辛” の文字。東洋水産のカップラーメンといえば、流行りを意識しながらも優等生な商品が多いので、ほんとうに激辛なのかどうかが気になるところ——。
2007年(平成19年)3月から2021年(令和3年)10月現在にかけて「本気盛」が展開してきた歴代フレーバーを書き出し、その中から “辛い商品” をピックアップしてみたところ、商品名に「辛コク」や「辛味噌」と入っているパターンは定番で、直近だと2021年8月16日に “鬼旨辛みそ味” を謳う「鬼旨辛みそ」を発売したばかり。
しかし、これまでに発売された「本気盛」の中で極端に辛い商品は記憶になく、たとえば「鬼旨辛みそ」のニュースリリースには “ただの激辛ではない” と記載してあったのですが、なんのこれしき中辛の範疇を超えない辛さ。もうすこし遡ると、2017年(平成29年)5月29日にCVS用の「台湾ラーメン」を発売しており、パッケージでは “激辛” とアピールしていましたが、それも普通に辛口くらい。
かくして「本気盛」における激辛の信頼度は低いのですが、14年以上続く長い歴史をたどってみても、公式が「本気盛」の商品名に “激辛” の文字を入れてきたのは今回が初。加えて「本気盛」は “煮干し系” のスープに強く、これまでに何度も濃厚な煮干しスープを提供してくれたブランド。
なかでも2014年(平成26年)1月27日に発売された「濃厚煮干白湯」(大阪に本店を構える人気店「JUNK STORY」の2号店「麺と心 7」監修)と2016年(平成28年)1月25日に発売された「白だし煮干味」(東京都新宿区の人気店「鯛塩そば 灯花」監修)のスープにおける煮干し感は素晴らしく、煮干しについての信頼度は高め。
東洋水産という社名が表しているように、同社は水産事業を得意としている企業。現地での買い付けから高度な加工まで、一貫した技術の指導と品質の管理を行なっており、そのノウハウはカップラーメンのスープ作りにも活用されています。
というわけで「激辛ニボ」のニボ(煮干し)についての不安はないのですが、商品名に「本気盛」初となる “激辛” の文字を冠しているのと、パッケージにも “辛いものが苦手な方はご注意ください” という警告文を表示しているため、お手並み拝見と参りましょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある後入れの「特製スープ」が1袋。東洋水産のニュースリリースには “煮干しを濃いめに利かせた醤油ベースのスープに、豚の旨味を加えた、唐辛子の辛さ際立つ激辛” と、スープについての特徴が記載されていたので、もしかすると “本気盛史上最強の辛さ” という可能性も——。
そんな辛味と煮干しに対する期待を胸に、いざ開封してみたところ、具材の構成はシンプルで、ニュースリリースには “味付豚肉、メンマ、ねぎをがっつりと使い-・” と記載されていましたが、具材のボリューム感にも定評のある「本気盛」としては少なめ。そこそこ煮干しの香りは強めに漂ってくるものの、唐辛子に由来する香りは控えめで、現段階は無難な雰囲気が否めません。
メーカー希望小売価格は220円(税別)なので、2021年10月現在の縦型BIGカテゴリーにおける標準的な値段。ただ、東洋水産が公表している販売ルートは “CVS 他” となっているため、基本的にはコンビニでの販売を想定して開発した様子。そのうちドンキホーテやイオンリテールに流れる可能性もありますけど、しばらくの間はコンビニでの取り扱いがメインになると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 本気盛 激辛ニボ 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:109g(めん80g) 商品コード:4901990369855(JAN) |
発売日:2021年10月18日(月) 実食日:2021年10月20日(水) 発売地域:全国(CVS 他) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:232円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(ポークエキス、植物油、粉末煮干し、しょうゆ、食塩、香辛料(唐辛子)、香味油脂、砂糖、豚脂、たん白加水分解物、煮干しエキス、酵母エキス)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、乳化剤、酒精、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、パプリカ色素、香料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。東洋水産のニュースリリースには “粘りのなかにも歯切れ感がある、かたくコシが強い麺” と記載。数年前の「本気盛」といえば、とにかく麺の主張が激しく、それがスープを蹴散らすことも珍しくなかったのに対し、ここ最近の太麺は安心して食べられるようになってきました。あとは熱湯を内側の線まで注ぎ、フタをして待つこと4分——。
別添の「特製スープ」は後入れなので、食べる直前に投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。調理前と比較して、煮干しの香りは明らかに強くなっているのと、それを包み込むように香る膨よかな豚骨の存在感も印象的。また調理前は少ないと感じた具材ですが、調理後に膨れ上がるキャベツは入っていないのに、ほぼほぼ麺が見えないくらいのボリューム感は評価すべきポイント。
ちなみに製造所は株式会社酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっていますが、酒悦は東洋水産のグループ企業。1983年(昭和58年)7月から東洋水産が資本参加している連結子会社で、それを機にマルちゃんのカップ麺を製造するようになりました。それでは、引き続き辛さレベルや煮干し感に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(109g)あたり |
カロリー:483kcal たん白質:14.1g 脂 質:22.1g 炭水化物:56.8g 食塩相当量:5.8g (めん・かやく:2.0g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.37mg ビタミンB2:0.43mg カルシウム:338mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:483kcal(めん・かやく:353kcal)(スープ:130kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
がっつり太麺のアピールに違わぬ食べ応え
現在の「本気盛」に使われている油揚げ麺は、大きく分けて「熱湯2分」から「熱湯3分」「熱湯4分」「熱湯5分」と4種類の太さがあり、もっとも幅があるのは “熱湯5分” の太麺なのですが、もっともコシが強いのは “熱湯4分” の太麺で、がっしりとした密度感のある噛み応えが魅力。
形状は角刃で切り出された平打ち麺で、なめらかな口当たり。そのため喉越しもいいのですが、けっこう強めの縮れが功を奏し、スープとの一体感も悪くありません。油で揚げた麺なので、それなりに特有の風味も漂ってくるのですが、スープに悪影響を及ぼすことはなく、むしろ油揚げ麺ならではのコクがプラスに作用していると感じるくらい。
食べ始めはガッシリとした食感で、やや後半にかけてフカフカとした反発性を感じるものの、最後まで食べ応えのある弾力をキープ。後述する辛いスープを蹴散らすこともなければ埋没することもない、適切な取り合わせだと感じました。
スープ
ちょっと「辛辛魚」ライクなフレームワーク
クラクラするほどの煮干し感ではないけれど、香りのファーストインプレッションから後口の余韻に至るまで、煮干し特有のシャープな旨みがあり、鰹(かつお)や鯖(さば)などに由来する節系の魚粉をブレンドしていないのもポイント。とろみ成分で粘度を高めているのですが、旨みの強いポークエキスを重ねることで、とろみの加減も不自然ではありません。
また別添の「特製スープ」を加える前から唐辛子の辛味も強く、現在の水準的に “大辛” クラスの辛味ではあるものの、前述した2021年8月発売の「鬼旨辛みそ」や2017年5月発売の「台湾ラーメン」よりも辛さレベルは明らかに上。
そこに加える後入れの「特製スープ」には、真っ赤なオイルと濃口しょうゆベースのタレが含まれているので、液体しょうゆ特有のコクがスープに臨場感をプラスしてくれるのですが、見た目のわりに辛さが劇的にアップするわけではありません。しかし、多めのオイルが加わることで、乳化感の強い “まったりとした豚骨の旨み” に磨きがかかり、なおかつ煮干しの旨みもブラッシュアップ。
やはり最終的な辛さレベルは “大辛” くらいだと感じたのですが、すくなくとも辛い食べ物が苦手な方にオススメできる辛さではありません。同社の「QTTA EXTRA HOT」ほど辛いわけではないのですが、14年以上の歴史を持つ「本気盛」の中では “最強の辛さ” に位置していると思います。
具材
精鋭揃い
味付豚肉、メンマ、ネギ、粗挽き唐辛子すべて汎用の具材なので、これといって目新しいポイントはないものの、辛味を抑制するキャベツでボリューム感を稼いでいないのは好印象。あいかわらず味付豚肉は食感・風味ともにリアルな質感で、コリコリとしたメンマの歯応えも箸休めに嬉しく、これといって不満を感じることはありませんでした。
総評
たとえば「蒙古タンメン中本 北極ラーメン」や「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」を “激辛” の基準にすると、今回の辛さレベルは中辛以上・激辛未満だったので、そこまで極端に辛い商品ではなかったものの、濃厚な豚骨とシャープな煮干しの旨味については申し分ありません。
商品名が「激辛ニボ」なので、もうすこし辛さに振っても‥‥という思いもありましたが、その絶妙な辛さだからこそ重心の低い旨みが感じられる、味のバランスが秀逸な良品でした。コンビニでは「ローソン」と「ミニストップ」での販売を確認しているため、気になっている方は早めにチェックしてください【author・taka :a(大石敬之)】