どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年3月1日(火)新発売、ローソン名店シリーズのカップ麺「明星 六厘舎監修 魚介香り立つ極濃豚骨中華そば」の実食レビューです。
ローソン限定「六厘舎」監修のカップラーメンが “さらに美味しくなって” 新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
六厘舎監修 魚介香り立つ極濃豚骨中華そば
六厘舎(ろくりんしゃ)とは、濃厚豚骨魚介つけ麺ブームの火付け役「頑者(がんじゃ)」に感銘を受けた店主・三田遼斉(みた りょうせい)氏が2005年4月18日に創業した “日本屈指の行列店” で、当初は東京都品川区大崎で営業していましたが、あまりの行列に2010年8月29日をもって閉店。その後、2014年4月18日に大崎ウィズシティでの新規出店で復活を果たし、現在は5店舗を展開しています。
今回の新商品「六厘舎監修 魚介香り立つ極濃豚骨中華そば」は、コンビニの中でもローソンにしか売ってない、PB(プライベートブランド)のカップラーメンで、東京都渋谷区に本社を構える明星食品と共同開発。2020年10月27日に発売された「六厘舎監修 魚介香る濃厚中華そば」のリニューアル品で、パッケージには分かりやすく “NEW” とあり、商品名が “極濃” に変わっているのも興味深いところ。
「六厘舎」監修のカップラーメンが初めて登場したのは、現在を遡ること11年以上、2010年7月5日の話。記念すべき即席カップめん第1号は「有名店が推す一杯 六厘舎 中華そば」という油揚げ麺を搭載した縦型ビッグ製品で、現在は明星食品と提携していますが、2010年7月発売の「有名店が推す一杯」は明星食品の親会社としても知られる日清食品のブランド。
東京都品川区・荏原中延で人気を博す「中華そば 多賀野(TAKANO)」の推薦により、初めてカップ麺の監修に携わった六厘舎。その第1号では販売店を限定しないNB(ナショナルブランド)商品としてデビューを飾ったものの、販売エリアは関東地区限定のスポット商品だったので、一部の地域でしか手に入りませんでした。
その後、前述した2014年4月に六厘舎は閉店してしまったので、しばらく即席カップめん業界からも姿を消してしまったものの、2017年2月6日に日清食品と共同開発したNB商品「有名店シリーズ 六厘舎 復活!魚介豚骨中華そば」を新発売。今度は販売エリアを全国に拡大し、多くの方が実食に漕ぎ着けたのですが、日清食品とのコラボレーションは2010年と2017年の2回で打ち切り。
さらに時は流れ、2018年10月16日発売のローソン名店シリーズ「六厘舎監修 濃厚中華そば 背脂とんこつ醤油」から明星食品との提携が始まり、販売チャネルもローソンに限定するなど、現在の条件を定番化。2018年10月発売品では油揚げ麺を使っていましたが、2020年10月発売の「魚介香る濃厚中華そば」からノンフライ麺に切り替わり、今回の「魚介香り立つ極濃豚骨中華そば」に繋がります。
原材料名の表記が “油揚げめん” ではなく “めん” となっているので、引き続きノンフライ麺を使用していることは間違いなく、原材料は並びまで2020年10月27日発売品と完全に一致。もしかすると微妙に調整している可能性もありますが、商品名の「濃厚」が「極濃」に変わっているため、ひとまずスープの濃度が注目すべきリニューアルポイント。
内容量は100g(めん70g)から変わっていませんが、総カロリーは407kcalから415kcalに増え、脂質の値は変動がなく、その他も微増と誤差の範囲内。ただ、スープの原材料名を確認すると “新たに「にぼし粉末」と「さばぶし粉末」を追加している” ので、かなり雰囲気が変わっているかもしれません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製スープ」が1袋。その小袋を取り外すと “麺がよく絡む魚粉入りの極濃スープ。仕上げの特製スープで魚介香り立つ一杯に。豚の旨味と甘みが凝縮した豊かな味わいをお楽しみください” という「麺神(めがみ)」と同じようなテイストのメッセージを記載。
かやくはチップ状のチャーシューを筆頭に、背脂加工品、メンマ、ネギの計4種を搭載しているため、前回発売品と同じラインナップ。かなり粉末スープの香りは独特で、ちょっと生臭いというか、いい意味でクセのある動物系のニオイが漂ってきます。個人的にはポジティブに思える香りではあるものの、やや人を選ぶ感じのファーストインプレッションで、それについても前回から据え置き。
ローソン標準価格は211円(税込228円)なので、これについても前回発売品から変わっておらず、値上げも値下げも実施されていません。これは「ローソン名店シリーズ」の縦型ビッグにおける標準的な値段設定になるのですが、2022年6月1日(水)出荷分より、即席カップ麺のメーカー希望小売価格が6~12%ほど上がるので、それ以降の相場は変わってきます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 六厘舎監修 魚介香り立つ極濃豚骨中華そば 販売者:明星食品株式会社 製造所:R・東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:100g(めん70g) 商品コード:4902881476911(JAN) |
発売日:2022年03月01日(火) 実食日:2022年03月01日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) ローソン標準価格:211円(税込) 商品購入価格:228円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵粉)、スープ(豚・鶏エキス、豚脂、でん粉、小麦粉、しょうゆ、たん白加水分解物、食塩、香味油、糖類、香辛料、にぼし粉末、さばぶし粉末、香味調味料)、かやく(チャーシュー、背脂加工品、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、増粘多糖類、乳化剤、酸味料、酒精、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、明星食品の縦型ビッグという製品スタイルから、スチームノンフライ製法を採用したものと思われます。ちなみに途中で「麺神」を引き合いに出しましたが、2022年3発現在の「麺神カップ」に搭載されているノンフライ麺には塩麹を練り込んでいるのに対し、今回のノンフライ麺に塩麹は使っていないため、まったく同じ麺ではありません。
別添の「特製スープ」は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら粉末スープを完全に溶かし、特製スープを加え、再度よく混ぜ合わせたら出来上がり。調理後の見た目は前回発売品と似たような雰囲気ですが、特製スープの獣臭を踏襲しつつ、魚介の香りは増しているようなイメージ。
ちなみに粉末スープの量は多く、とろみ成分が含まれていたので、かならず “完全に溶けるまで念入りに混ぜて” ください。それでは、引き続き前回発売品からの進化に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)あたり |
カロリー:415kcal たん白質:11.4g 脂 質:12.5g 炭水化物:64.2g 食塩相当量:5.6g (めん・かやく:2.0g) (スープ:3.6g) ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:292mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:415kcal(めん・かやく:320kcal)(スープ:95kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
たぶん前回と同じかな?
たとえば「中華蕎麦とみ田」監修のカップ麺「セブンプレミアム 銘店紀行(めいてんきこう)中華蕎麦とみ田」(2021年6月14日にリニューアル)も明星食品の担当で、いわゆる “またおま系” の濃厚な魚介豚骨を売りにした商品ですが、それに使われている「銘店級の強ごし麺」とは明確に異なる質感。
「銘店紀行 中華蕎麦とみ田」には二郎インスパイア御用達の麺を彷彿とさせる無骨なノンフライ麺を搭載しているのに対し、こちらも食べ始めは強付きのある質感ですが、比較的に加水率が高く、ぬめりのある表面の質感もポイント。自己主張の強さを打ち出しながら、ぬめりのある質感と強めの縮れが功を奏し、食べ始めの段階から孤立する嫌いは見せません。
表面は適度に粘りのある食感で、歯を包み込むような弾力を打ち出しつつ、さらに噛み込むと内部からブチンッ、と弾けるような反発性も魅力。リニューアル前のレビューでは “長めに待つのもオススメの食べ方” と書きましたが、おそらく同じ麺でも今回は追加で待つ必要はないと感じたので、後述するスープの変化がプラスに働いたのだと思います。
スープ
粉末スープは大きく変わっていなかったが‥‥
まずは「特製スープ」を入れる前に土台の味を確認したところ、新たに追加された “にぼし粉末” や “さばぶし粉末” が目立って主張してくることはなく、比率としては圧倒的に動物系が優勢で、ちょっと自分の味覚を疑いかけたのですがw ここまでは前回発売品と同じような印象を受けます。
お湯を注ぐ前に “いい意味で生臭いと” 触れた独特の香りは裏手に回りますが、それでも特有の旨みは残り、それを化学調味料とペッパーの刺激が複雑にしているようなフレームワーク。とはいえ粉末スープだけの状態では前述のノンフライ麺を支え切れないところ、その手綱を握ってくれるのが「特製スープ」の存在で、ここが今回のリニューアルポイント。
これを加えた途端、液体しょうゆベースのタレと荒々しい獣臭が重なって、ここまでは前回発売品と同じ感想になりますが、明らかに魚介系の要素が増しています。前回の「特製スープ」にも “だし醤油” っぽい成分が含まれていましたが、さらに魚粉の荒々しさが加わって、きちんと動物系と張り合えるように全体のバランスを調整しているのが “NEW” の指標。
それでも「極濃」を謳うわりに大人しいというか、このジャンルとしては食べやすい優等生にデフォルメされてはいるものの、魚粉のパンチが加わったことにより、雰囲気と満足度は確実にアップしていました。
具材
ここは変更なし
かやくについては前回発売品から特に変わった様子はなく、チップ状のチャーシューも歯触りの強いメンマもフリーズドライのネギも据え置きで、いずれも他の商品に使われている汎用性の高い具材。ただ、それとは別にスープのコクを底上げしてくれる背脂加工品は面白く、量が多いのも嬉しいポイント。
たとえばエースコックが誇る背脂パック(深うまいの素)のように、本物の背脂と同じ風味を楽しむことはできないけれど、スープに厚みを持たせてくれるアイテムです。
総評
おそらくノンフライ麺と具材に変更はなく、あったとしてもマイナーチェンジに過ぎない変化になりますが、スープに魚粉が追加されたのは大きな進歩。食べやすいようにデフォルメされているので、お店品質のインパクトに期待していた場合、ちょっと物足りないかもしれないけれど、前回発売品から確実な進化を感じました。
わざわざパッケージに “NEW” とあるように、今後もローソンの店舗で常時販売するため、あえて万人受けする路線を狙ったのかもしれません。同じようなジャンルでも途中で例に挙げた「銘店紀行 中華蕎麦とみ田」とは異なる雰囲気に仕上がっているので、それと比較してみるのも楽しいですよ【author・taka :a(大石敬之)】