日本初の拉麺ブームの店「淺草 來々軒」創業当時の味をカップ麺に!? 元祖「醤油らぅめん」令和の時代に蘇る‥‥!!

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明星食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年2月28日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 日本初の拉麺ブームの店 淺草來々軒 醤油らぅめん」の実食レビューです。

日本で初めてラーメンブームを巻き起こした伝説の店「浅草 來々軒」創業当時の味をカップラーメンに!? チーム「支那そばや」協力のもと “明治の味わい” を明星食品が再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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日本初の拉麺ブームの店 淺草來々軒 醤油らぅめん

淺草 來々軒(あさくさ らいらいけん)とは、1910年(明治43年)当時の東京府東京市浅草区浅草新畑町3番地にて創業した “日本最古の中華そば店” で、ラーメン史を語る上で原点とされる存在。横浜税関に勤めていた元役人の尾崎貫一(おざき かんいち)氏が退職後に立ち上げ、1杯6銭の「中華そば」で日本初のラーメンブームを起こし、その名を歴史に刻みました。

右から左に読ませるデザインがエモい

今回の新商品「明星 日本初の拉麺ブームの店 淺草來々軒 醤油らぅめん」は、飲食店やアニメ、ファッション、雑貨など、明治・大正・昭和の懐古趣味が若者に “エモい” という感情を芽生えさせている現在、そのレトロブームを背景に開発されたカップ麺で、明治四三年「淺草 來々軒」創業当時の味わいを再現。このプロジェクトには「支那そばや」も深く関わっているため、すこし解説しておきます。

前述の尾崎貫一その人が浅草に「來々軒」を創業した1910年(明治43年)といえば、まだ日本に一軒も中華そば専門店が存在しなかった頃。そんな時代に売れるかどうか定かでない「中華そば」を看板商品に、当時から “安くて美味く、腹一杯になる” というキャッチフレーズを掲げ、1杯6銭で提供を始めたところ、浅草の地で空前絶後の大ヒットを記録。

正月などの繁忙期には、1日に2,500人~3,000人の客が訪れるほどの繁盛店になり、これが後に “日本初の拉麺ブームの店” とされる所以。しかし、1943年(昭和18年)に三代目を務めていた創業者の孫・尾崎一郎氏が第二次世界大戦に出征したことを理由に閉店。戦後は1954年(昭和29年)に東京駅付近(八重洲四丁目)で営業を再開しましたが、1976年(昭和51年)に後継者不在のため廃業します。

その「來々軒」が令和2年に “ラー博” で‥‥

來々軒が店を畳んだ1976年(昭和51年)から時は流れ、44年後となる2020年(令和2年)10月14日、横浜市港北区にある「新横浜ラーメン博物館」の特別店舗として「淺草 來々軒」が復活。このプロジェクトに深く携わったのが “ラーメンの鬼” と呼ばれた故・佐野実(さの みのる)氏の店「支那そばや」で、1991年(平成3年)に「新横浜ラーメン博物館」が調査と裏付けを行うところからスタート。

創業者の孫である尾崎一郎氏のインタビューから始まり、新聞や書籍など、公的な資料を中心に調査を進め、麺の製法や使用していた小麦粉の品種、さらに当時の食事情まで徹底的に調査。その資料をもとに、尾崎貫一氏の三男・高橋武雄氏(大正期に養子縁組で高橋家に婿養子)を父に持つ高橋邦夫氏と、貫一氏の玄孫に当たる高橋雄作氏の承認を受け、当時の味を再現することが決まりました。

断片的な資料や不明な点は、当時の食事情や時代背景から推測。廃業前の「来々軒」で食べられていた中華そば(らうめん)の味はもちろん、有田焼の窯元「李荘窯」に依頼し、110年前に使われていた丼まで再現。なかでも重要な味について任されたのが「支那そばや」で、現店主を務める佐野しおり氏とスタッフが試行錯誤の末に「らうめん」を作り、その味を再現したのが今回のカップ麺という流れ。

概要はカップ麺の容器側面にも記載(イラストもエモい)

販売者である明星食品と「支那そばや」は、2006年(平成18年)1月16日に発売された「明星 チャルメラ 佐野実限定しょうゆ 5食パック」を皮切りに、何度もコラボ商品を展開するなど、確かな信頼関係を築いてきた仲なので、此の一杯「明星 日本初の拉麺ブームの店 淺草來々軒 醤油らぅめん」が実現したといっても過言ではないでしょう。※ちなみに正しい表記は “来々軒” ではなく「來々軒」なので、ご注意ください。

開封

小袋は貼り付けてある部分のメッセージにも注目

今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある後入れの「液体スープ」が1袋。場合によっては粘着剤で表面が破れてしまうこともありますが、小袋を取り外すとフタ上に “支那そばやが監修、新横浜ラーメン博物館で提供。鶏だしと醤油の旨味凝縮。素材の旨さが堪能できる東京らぅめん” というメッセージが現れる仕掛け。

チャーシューは直火焼き

かやくはチャーシューにネギとシンプルな構成で、復活した「淺草 來々軒」にトッピングされている台湾産の乾燥メンマはイメージされていませんが、側面に焼き目を付けた “直火焼きチャーシュー” を採用しています。おそらくリニューアル前の「明星 麺神カップ 神太麺×旨 醤油」に使われていた直火焼きチャーシューと同じ具材で、シンプルながらに “こだわり” を感じるポイント。

このように手の込んだ商品の場合、メーカー希望小売価格が230円(税別)を超えるパターンも珍しくないところ、明星食品が設定している希望小売価格は220円(税別)ということで、2022年3月現在の縦型ビッグにおける標準的な値段。地域によっては売ってない店舗もあるかと思いますが、コンビニでは「ミニストップ」と「ローソン」での取り扱いが多かったので、販売店の参考にしてください。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:明星 日本初の拉麺ブームの店 淺草來々軒 醤油らぅめん
販売者:明星食品株式会社
製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360)
内容量:90g(めん70g)
商品コード:4902881452748(JAN)
発売日:2022年02月28日(月)
実食日:2022年03月02日(水)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ミニストップ)
希望小売価格:220円(税別)
商品購入価格:232円(税込)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:400ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:1袋(液体スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、植物性たん白、酵母エキス、たん白加水分解物)、スープ(しょうゆ、デキストリン、たん白加水分解物、鶏肉エキス、豚脂、香味調味料、糖類、食塩、香味油、発酵調味料、香辛料、にぼしエキス、アサリエキス)、かやく(チャーシュー、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、カラメル色素、酒精、香料、乳化剤、酸味料、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。

実食開始

独特の光沢を放つノンフライ麺

麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、表面の光沢が印象的。明星食品のニュースリリースには “中心の弾力と、みずみずしさのあるノンフライ麺” という特徴の紹介があり、製法については記載されていませんが、明星食品の縦型ビッグにおけるノンフライ麺ということで、今回が異例でなければスチームノンフライ製法を採用しています。

けっこう多めの直火焼きチャーシューが嬉しい

別添の「液体スープ」は後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら液体スープを加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。かやくの内容がシンプルなので、賑やかさこそないものの、あえての簡素な雰囲気に魅力を感じる実食前。

ちなみに厳選素材ブームの火付け役「支那そばや」監修のカップラーメンらしく、スープには国産丸大豆醤油と名古屋コーチンエキスを使用しているようなので、そういった部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(90g)あたり
カロリー:337kcal
たん白質:8.6g
脂  質:6.1g
炭水化物:61.9g
食塩相当量:6.6g
(めん・かやく:2.5g)
   (スープ:4.1g)
ビタミンB1:1.78mg
ビタミンB2:0.34mg
カルシウム:106mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:337kcal(めん・かやく:292kcal)(スープ:45kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

ちょっと柔らかめ

5.0

「來々軒」創業当時は小麦粉を練り打ち台の上にのせ、太い青竹に足をかけて打つ「青竹打ち」の麺を採用していたそうですが、1935年(昭和10年)頃から「機械製麺」を導入しています。そのため新横浜ラーメン博物館に出店している現在の「淺草 來々軒」では、1日100食限定の “青竹打ち” と “機械製麺” の2種類が選べるようになっており、食感の違いが楽しめるのも魅力。

イメージしているのは “青竹打ち” か

それを再現している今回のノンフライ麺は、ランダムな縮れが施されている平打ち麺で、青竹打ちをイメージしているような雰囲気。かなり表面は滑らかで、摩擦抵抗ゼロの口当たりと喉越しを打ち出しながら、醤油や酵母エキス、たん白加水分解物による下味と適度に縮れた平打ち麺という形状が功を奏し、スープとの一体感も良好です。

熱湯5分ぴったり守ってから食べ始めると、やや柔らかめの食感で、それは時間が経って伸びたというよりも “あえて柔らかめに茹で上げました” みたいなイメージ。カタめが好きな方は、1分早めにフタを開けるのもアリではあるものの、もっと高密度なノンフライ麺も保有している明星食品なので、再現度を高めるために狙って優しい弾力にしたのかもしれません。

スープ

いい意味で飾り気がない

5.0

土台の粉末スープは素朴な味わいで、あっさりとした鶏の清湯(ちんたん)をベースにしているのですが、化学調味料特有のピリピリとした刺激も並行するカップラーメンらしいテイスト。だからといって廉価版のカップ麺ほど安っぽい味ではなく、ある意味これも見方によってはノスタルジックというか、奇を衒った要素のなさが老舗的。そして、特製スープを加えると‥‥

アブラの旨味にも注目

小袋の中に国産丸大豆醤油(スープの醤油中28.5%使用)を使用したタレが入っているので、液体しょうゆ特有のコクとキレが加わるのですが、さらに名古屋コーチンエキス(鶏肉エキス中9.7%使用)で深みのある味わいに。また煮干しオイルに鶏の香りを合わせた調味油で特徴を付けているため、粉末スープだけでは出せない臨場感が生まれます。

もともと「來々軒」創業当時のスープに煮干しは使用していなかったようですが、昭和初期に “日本人の口に合うように” と煮干しが加えられたので、下支えに徹する穏やかな煮干しの旨味も長い歴史の中で起きた変遷を感じるポイント。縦型ビッグ特有のチープさを伴うため、さすがに大判どんぶり型のカップラーメンほど本格的ではないけれど、シンプルなようで多層的な味に仕上がっていました。

具材

直火焼きチャーシューがウマい

5.0

新横浜ラーメン博物館の「淺草 來々軒」が提供している「らうめん」には、1週間かけて戻した台湾産の乾燥メンマに、直火の吊るし焼きという昔ながらの製法を再現した焼豚をトッピングしているのですが、前述のように今回のカップ麺にメンマは入っていません。しかし、主役の直火焼きチャーシューはクオリティが高く、ちゃんと肉を炙ったときの芳ばしさが楽しめます。

ネギはフリーズドライではなくエアドライなので、乾燥ネギ特有の歯触りが目立ちますが、その主張を考慮したように量も適切。可能であればメンマも入れてほしかったものの、シンプルだからこそ直火焼きチャーシューの個性と存在感が目立っていたので、物足りなさを感じることはありませんでした。

総評

5.0

簡便性の高さも重視しなければいけない縦型ビッグでの再現なので、どうしても特有のチープさを伴いますが、雑味のないノンフライ麺に、シンプルなようで多層的なスープは味わい深く、直火焼きの芳ばしいチャーシューを搭載していたのも印象的。最近の味に慣れていると “ふつう” に思えるかもしれないけれど、その普遍的なイメージも日本初の「醤油らぅめん」が持つ歴史を象徴しているポイント。

派手さのある味ではないけれど、レトロなパッケージのデザインが現しているように、素朴さこそが今回の魅力。それでいて令和の技術も導入しているため、悪い意味で古臭い仕上がりではない、その絶妙な着地点も印象に残りました。とはいえ大判どんぶり型の本気モードでも食べてみたくなったので、第2弾の登場にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】

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