本家「坂内食堂」vs.暖簾分け「喜多方ラーメン坂内」コンビニ限定発売のPBカップ麺を徹底比較!!

スポンサーリンク
他社商品比較・激辛対決等

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、サンヨー食品×ローソン名店シリーズ「坂内食堂 喜多方本店監修中華そば」と明星食品×ファミリーマート「喜多方ラーメン坂内 コク醤油」の実食・比較レビューです。

どっちがおいしい? 喜多方ラーメン御三家の最高峰「坂内食堂」と正当な暖簾分け「喜多方ラーメン 坂内」のPBカップラーメンが異なる企業と手を組んで同時期に降臨!! なにが違うのか食べ比べてみた結果——。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。喜多方ラーメンの起源についても触れているので、よろしければ最後までお付き合いください。

スポンサーリンク

坂内食堂vs.喜多方ラーメン坂内

喜多方ラーメンとは、蔵の街・福島県喜多方市発祥のラーメンで、札幌ラーメン(北海道札幌市)及び博多ラーメン(福岡県福岡市)と比肩する「日本三大ラーメン」の一つ。もちろん店によって様々な個性を備えているのですが、霊峰として名高い飯豊山の伏流水で打つ加水率40%以上の “平打ち熟成多加水麺” を特徴とし、圧巻のチャーシューが丼を埋め尽くす「坂内食堂」の「肉そば」も有名どころ。

写真は「坂内食堂」を代表する「肉そば」

喜多方ラーメンの歴史をたどると、中国の浙江省(せっこうしょう)で生まれ、1925年(大正14年)に当時19歳の若さで来日した藩欽星(ばん きんせい)氏まで遡り、同氏が1926年(大正15年 / 昭和元年)12月に屋台で売り歩いていた「支那そば」がルーツ。その屋台を前身とし、1927年(昭和2年)に創業した「源来軒(げんらいけん)」が喜多方ラーメンの元祖とされ、現在の基盤を築きました。

福島県喜多方市に「源来軒」がオープンして以降、喜多方市内にある多くの食堂が「源来軒」に倣い、支那そば(ラーメン)をメニューに加えるところが後を絶たなかった結果、同業者たちが1987年(昭和62年)3月4日に店舗団体「蔵のまち 喜多方老麺会(きたかたらーめんかい)」を設立。それは瞬く間に勢力を広げ、後に “日本最大級のラーメン店舗団体” としての地位を確立します。

そんな喜多方ラーメンを提供する店の中には通称 “御三家” と呼ばれる老舗があり、発祥の店とされる元祖「源来軒」をはじめ、1947年(昭和22年)創業の「満古登(まこと)食堂」並びに前述した1958年(昭和33年)5月創業の「坂内食堂(ばんないしょくどう)」が代表格。なかでも「坂内食堂」は全国的な知名度を誇る名店なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

ローソンの商品は本家「坂内食堂」監修

このページでレビューするカップ麺「坂内食堂 喜多方本店監修中華そば」は、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品と「坂内食堂」の共同開発商品で、お店の味を縦型ビッグのカップラーメンで再現。ローソンセレクトの後身「L marche(エル マルシェ)」からではないのですが、コンビニの中でもローソンでしか手に入らないPB(プライベートブランド)商品として企画されたもの。

2018年7月9日に「サッポロ一番 坂内食堂 喜多方本店 中華そば」というNB(ナショナルブランド)のカップ麺を発売しているため、初の試みではないのですが、カップラーメンとしての商品化は2018年以来の話。さらに今回は坂内食堂監修の冷たいチルド調理麺「冷し喜多方ラーメン」とホット麺「喜多方ラーメン」を全国のローソンで同時に発売ということで、大きな取り組みになっています。

さて、ここで思い出していただきたいのが1週間前に発売された「ファミリーマート」の新商品「喜多方ラーメン坂内 コク醤油」の存在。こちらは坂内食堂の創業者である故・坂内新吾氏から暖簾分けを許された会社・麺食(めんしょく)が運営する「喜多方ラーメン 坂内」と明星食品の共同開発商品で、製品スタイルはローソンの「坂内食堂 喜多方本店監修中華そば」と同じ縦型ビッグのカップラーメン。

ファミマの商品は暖簾分け「坂内」監修

2020年4月14日にも 同じ商品名のカップ麺を発売 していますが、喜多方ラーメン界を代表する本家「坂内食堂」と暖簾分け「喜多方ラーメン 坂内」のカップ麺が示し合わせたようなタイミングで現れ、なおかつメーカーと販売店(コンビニ)は違う、なかなか面白い条件が揃った今回。せっかくの機会に恵まれたので、両商品の特徴を比較しながら違いを解説します。

開封

「坂内食堂 喜多方本店監修中華そば」開封

ローソンの「坂内食堂 喜多方本店監修中華そば」に別添されている小袋は、後入れの「仕上げの小袋」が1袋。このブログでは2018年7月発売のNB商品もレビューしているのですが、油揚げ麺のニオイとスープにおける糖類のワザとらしい甘さが気になって、ちょっと厳し目に評価していました。しかし、あれから約3年——。まったくの再販でないことは確実なので、年月に伴う進化に期待したいところ。

「喜多方ラーメン坂内 コク醤油」開封

ファミリーマートの「喜多方ラーメン坂内 コク醤油」に別添されている小袋も後入れで、名称は「調味油」となっており、この構成は2020年4月発売品から変わっておらず、なんといっても “ノンフライ麺” を使用しているのが大きな強み。実は前回のレビューで高評価を叩き出した逸材なので、けっこう安心しているのですが、カロリーなどの数値が変わっている、つまりテコ入れなしの再販ではありません。

それぞれ発売日には1週間のズレが生じているのですが、どちらも縦型ビッグの紙容器、さらに特定のコンビニ専売品という条件も共通のポイント。ただ、サンヨー食品「坂内食堂 喜多方本店監修中華そば」のローソン標準価格は税込238円なのに対し、明星食品「喜多方ラーメン坂内 コク醤油」のファミリーマート通常価格は税込228円ということで、価格競争においては後者がリード。

製品詳細情報・購入価格等

坂内食堂 喜多方本店監修中華そば喜多方ラーメン坂内 コク醤油
販売者サンヨー食品明星食品
製造所太平食品工業
関西工場
東日本明星
埼玉工場
内容量95g(めん70g)92g(めん70g)
JAN49017340433174902881476140
発売日2021年06月22日2021年06月15日
発売地域全国全国
取得店舗ローソンファミリーマート
購入価格238円(税込)228円(税込)
スタイル縦型ビッグ縦型ビッグ
麺の種類油揚げ麺ノンフライ麺
容器材質
湯量目安410ml390ml
調理時間熱湯5分熱湯5分
小袋構成仕上げの小袋調味油

原材料名・アレルギー表示

【坂内食堂 喜多方本店監修中華そば】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵)、スープ(豚脂、食塩、糖類、ポークエキス、植物油脂、しょうゆ、ポークコラーゲン、酵母エキス、たん白加水分解物、香辛料)、かやく(味付豚肉、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、香料、かんすい、レシチン、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)
【喜多方ラーメン坂内 コク醤油】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、植物性たん白、酵母エキス、たん白加水分解物)、スープ(豚脂、デキストリン、しょうゆ、たん白加水分解物、香味調味料、鶏・豚エキス、食塩、糖類、香味油、酵母エキス、香辛料)、かやく(チャーシュー、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、香料、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、酸味料、乳化剤、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

【坂内食堂 喜多方本店監修中華そば】栄養成分表示:カロリー 439kcal(めん・かやく 354kcal / スープ 85kcal)、たんぱく質 8.9g、脂質 20.1g、炭水化物 55.7g、食塩相当量 6.5g(めん・かやく 1.9g / スープ 4.6g)、ビタミンB1 0.33mg、ビタミンB2 0.58mg、カルシウム 232mg

まずはローソン限定「坂内食堂 喜多方本店監修中華そば」の調理直後、具材の構成は味付豚肉・メンマ・ネギとシンプルで、さすがに本店の「肉そば」には敵いませんが、多めの味付豚肉が好印象。ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。

【喜多方ラーメン坂内 コク醤油】栄養成分表示:カロリー 364kcal(めん・かやく 263kcal / スープ 101kcal)、たんぱく質 9.5g、脂質 8.7g、炭水化物 61.8g、食塩相当量 6.1g(めん・かやく 2.2g / スープ 3.9g)、ビタミンB1 1.52mg、ビタミンB2 0.36mg、カルシウム 110mg

次にファミリーマート限定「喜多方ラーメン坂内 コク醤油」の調理直後、こちらも具材の構成はチャーシュー・メンマ・ネギと共通で、多めのチャーシューが好印象。また前述のようにノンフライ麺を使用しているため、油揚げ麺の香りが重なってこないところも再現カップ麺としては大きな利点。ただ、前回の2020年4月発売品よりも明らかに具材の全体量が少なく、そこにコスト調整が見られました。

同じ “喜多方ラーメン” でも監修者・メーカー・販売ルートが違うので、中身に違いが生じるのは当たり前ですが、どちらも全国的な知名度を誇る「坂内(ばんない)」の名を冠したカップ麺。引き続き両商品の違いに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

坂内食堂 6.0

麺のタイプは違うけど甲乙付け難い

本家「坂内食堂」監修の麺は油揚げ麺なので、やはり特有のニオイは否めませんが、注目すべきはサンヨー食品独自の特許製法麺「手打ち風麺」によるランダムな形状。たとえば「麺創研紅監修 鬼紅 濃厚激辛味噌」に使われていた “3種の乱切り麺” と似た内容で、幅と厚みが異なる3種類の麺を混合し、手打ち麺ならではのランダムな口当たりを再現しています。しかも、致命的な戻りムラはありません。

喜多方ラーメン坂内 6.0

対して暖簾分け「喜多方ラーメン坂内」監修の麺は、明星食品の独自技術 “スチームノンフライ製法” を駆使したノンフライ麺で、手打ち風のランダムな口当たりと幅については「坂内食堂」監修の麺(サンヨー食品)に負けますが、油で揚げていないため雑味がなく、小麦の香りと本格さの表現においては圧倒的に有利。加水率も高めの設定で、密度の高い弾力と適度な粘りが楽しめます。

個性でいえば本家「坂内食堂」監修の麺(サンヨー食品)に軍配で、雑味のなさと本格さにおいては暖簾分け「喜多方ラーメン坂内」監修の麺(明星食品)が強く、その差は同じ “喜多方ラーメン” が題材とは思えないほど。正直ひとつのカップラーメンとしても甲乙付け難い戦いだったので、この項目についてはイーブンとしました。

スープ

坂内食堂 4.0

塩寄りの「本家」と醤油寄りの「暖簾分け」

本家「坂内食堂」監修のスープは塩味に見えますが、容器側面に「豚と香味野菜のうまみ広がる、何度でも食べたくなるコク旨しょうゆ味のスープ」とあったように、淡口しょうゆベースのタレで香り付け。けっこう後味に化学調味料特有の雑味は残りますが、3年前のスープでネックだった糖類の野暮ったい甘さは控えめになり、醤油と塩の中間から塩寄りを狙ったバランスが「坂内食堂」らしさを表現。

加えて別添の小袋には動物油脂の豚脂(ラード)を軸に、使い込まれた中華鍋の表面を思わせる芳ばしい風味を添加したオイルが入っていたので、こちらも粉末スープだけでは打ち出せない臨場感を演出するための重要なアイテムだと感じました。

喜多方ラーメン坂内 5.0

そんな本家の暖簾を受け継いだ「喜多方ラーメン坂内」監修のスープは明らかに醤油寄りで、中華そばの王道を地で行くようなテイスト。土台の粉末スープは何かが突出しているわけではないけれど、動物系は骨の旨みだけに限らず、肉の旨みも重ねているような厚みがあり、あっさりとしながらも奥行きのある、なんとも素朴でホッとする味わい。

そこに別添の小袋を加えると、やや人工的ではありますが、いい意味で豚臭い風味がワイルドさを底上げしつつ、それでも一貫して “素朴” な雰囲気は崩れません。カツオやサバなどは使っていませんが、昔ながらの中華そば系が好きなら間違いなくハマれると思います。

具材

坂内食堂 4.0

明星食品×暖簾分け坂内(ファミリーマート)に軍配

本家「坂内食堂」監修のメイン具材は、ちょっと安っぽいハムみたいな食感のチャーシューチップで、本店のジューシーな豚ばらチャーシューには程遠く、ネギもメンマも汎用の具材。値段もNB商品と変わらないので、もう一捻り特徴をつけてほしかった思いもありますが、すくなくとも酷評するような内容ではありません。

喜多方ラーメン坂内 5.0

片や暖簾分け「喜多方ラーメン坂内」監修の具材も同じようなラインナップとなっているのですが、メインのチャーシューは比較的にハムっぽさが控えめで、むしろ脂身のジューシーさが楽しめるほど。またネギも熱風乾燥ではなくフリーズドライ製法の小葱を使用しているため、熱風乾燥特有の異様な繊維質も気にならず、メンマの発酵感も自然でした。

総評

ローソン×本家「坂内食堂」4.5
ファミマ×暖簾分け「坂内」5.5

甲乙付け難い麺については引き分けとしましたが、スープと具材についてはファミリーマート×明星食品の「喜多方ラーメン坂内 コク醤油」に軍配で、しかも10円安いコストパフォーマンスの高さも魅力。けっしてローソン×サンヨー食品の「坂内食堂 喜多方本店監修中華そば」も悪い商品ではないけれど、比較した場合どうしても見劣りする部分がありました。

しかし、あくまでもカップ麺を比較したらの話であって、サンヨー食品が誇る “3種の乱切り麺” は一見の価値あり。スープのタイプも違うのと、本家「坂内食堂」と暖簾分け「喜多方ラーメン坂内」監修のカップ麺が同時に手に入るチャンスなので、これを機に食べ比べてみてください【author・taka :a(大石敬之)】

タイトルとURLをコピーしました