看板の無い人気店【博多元気一杯】監修 “高菜、食べてしまったんですか!?” あの「退場ラーメン」がカップ麺に!!

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エースコック

どうも、taka :a です。

本日の一杯は、2021年1月18日(月)新発売のカップ麺、エースコック「全国ラーメン店マップ 博多編 博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン」の実食レビューです。

高菜、食べてしまったんですか!? 伝説のコピペと厳しいルールで話題になった “強制退場のラーメン店” 2021年もカップラーメンを監修!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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博多元気一杯!! 監修カップ麺 2021

博多元気一杯!!(はかたげんきいっぱい)とは、福岡県福岡市博多区下呉服町に店を構える博多とんこつラーメン専門店で、創業は1999年(平成11年)7月14日。

店主の土井一夫氏は、自宅で豚骨を炊くなどしてラーメンを研究し、独学で「博多元気一杯!!」を立ち上げた脱サラ組の職人で、看板や暖簾(のれん)などの目印はないのですが、店先に「青いバケツ」があれば営業中の合図(正確には “シャッターが完全に上がっていれば営業中” )という、個性派揃いのラーメン業界でも特殊なスタイルで知られる異色の名店。

本来の目的は吸い殻入れだった「青いバケツ」

たとえば伝説のコピペ「高菜、食べてしまったんですか!!!!????」を筆頭に、私語厳禁、撮影禁止、関西弁禁止、子連れ禁止、店内での通話禁止、全席禁煙など、かつては厳格なルールが多いことで知られ、ひとつでも規則(暗黙の了解)が破られるや否や “客に強制退場と出禁を言い渡す店” と語り草になっていましたが、2017年12月を境に一部のルールを撤廃し、数年前と比較して入店のハードルが低くなったと聞きます。

今回のカップ麺「全国ラーメン店マップ 博多編 博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン」は、大阪府吹田市に本社を構えるエースコック株式会社と看板の無い人気店「博多元気一杯」の共同開発商品で、実は2019年11月25日にも同じ商品名のカップラーメンを発売しているのですが、麺とスープのバランスを見直し、お店で食べる臨場感を高めた一杯に仕上げたとのこと。

カップ麺の側面に概要を記載


前述のように数年前の「博多元気一杯」は、ラーメンマニアも萎縮するほど厳格なルールがあったことで知られ、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)でも頻繁にコピペされていたルールには噂に過ぎない話やファンが盛った作り話もあったようですが、店内撮影禁止・読書禁止・私語厳禁・全席禁煙・辛子高菜から食べると叱咤され退場・一見さんお断り(だから店の前に看板を出さなくなった)というのは体験談も多い話。

今でも「店内での携帯電話の通話はご遠慮下さい」や「全席禁煙」など、いくつか守らなければいけない最低限のルールが存在し、ラーメンはスープが命(できれば麺よりも先にスープから吟味してほしい)という店主の哲学も残っているそうですが、店主曰く “やっぱり今はインスタだから” と2017年12月に店内撮影を解禁。そして、2018年5月2日——。

当店から
高菜が消えました。

ここ2年連続の不作により、
国内産高菜の入荷が完全に停止しました。
再開の目処は、今のところ
全く立っておりません。

高菜とよく似た、
野沢菜漬けの代用も試みましたが、
高菜同様、不作により、入手不可能。

代わりに中国産を使用する方法もありますが、
味と風味に違いがあるなどの問題点から
不採用と致しました。

当店の辛子高菜を日頃から
愛してくださっているお客様には
大変ご迷惑をおかけ致しますが、
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。

博多元気一杯!! 店主

店内の張り紙より

「博多元気一杯」名物の辛子高菜(激辛高菜)は、2021年1月現在も存在しないため、あの「高菜、食べてしまったんですか!?」というコピペは文字通り伝説の逸話になってしまったのですが、お客さんに優しくなっても店主のラーメンに対する熱意は衰えておらず、たとえば「食べログ」における福岡県のラーメンランキングでは、評価3.81(2021年1月22日現在、口コミ件数:509件)で堂々の1位に君臨している実力の持ち主。

「博多元気一杯」の実店舗では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点と従業員の安全を図るため、2021年1月4日から休業期間を設けていましたが、2021年1月18日(カップ麺の発売日)より営業を再開。はたして2019年11月に発売された前回のカップ麺よりも完成度は高くなっているのかどうか、再販を機に見直された麺とスープのバランスをはじめ、違いや共通点に注目しながらレビューします。

関連ページ:看板の無い人気店「博多元気一杯」監修!! 伝説の “退場ラーメン” ついにカップ麺で再現!?

開封

あいかわらず別添の小袋は粉まみれ‥‥(苦笑)

今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体スープ」が1袋。これがスープの臨場感を表現してくれる重要なアイテムになるのですが、あいかわらず最初から容器の中に入っているので、粉末スープまみれなのが玉に瑕。おかげでフタの上にデザインされた「博多元気一杯」のトレードマーク(「青いバケツ」のイラスト)は目立っていますけど、なんとかなりませんかねコレw

具材の構成も変更なし

とはいえ小袋が粉末スープまみれなのはエースコックの縦型カップ麺を象徴する現象であり、2019年11月発売品と同じ仕様。さらに具材の構成も「キクラゲ」「大豆加工品」「ネギ」と変わっておらず、メーカー希望小売価格も220円(税別)のまま据え置きだったので、今のところ目立った変更点はありません。

ちなみに「博多元気一杯」の実店舗でも1個250円で販売しているのですが、カップ麺の購入だけが目的で来店した場合、行列ができていても並ぶ必要はなく、気軽に店内のスタッフに必要個数をお申し付けくださいとのこと(「博多元気一杯!!」公式Twitterアカウントより)。あの厳格でハードルの高かった「博多元気一杯」に、こんな日が訪れるなんて、いったい誰が想像できただろうか。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:全国ラーメン店マップ 博多編 博多元気一杯!!監修 博多クリーミー豚骨ラーメン
製造者:エースコック株式会社
製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175)
内容量:97g(めん70g)
商品コード:4901071247102(JAN)
発売日:2021年01月18日(月)
実食日:2021年01月22日(金)
発売地域:全国(スーパー、コンビニ等)
取得店舗:コンビニ(ローソン)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:440ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(液体スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、香辛料)、スープ(ポークエキス、乳化油脂、植物油脂、食塩、しょうゆ、ポーク調味料、動物油脂、たん白加水分解物、チキンエキス、でん粉、ポークコラーゲン、香味油、酵母エキス、全卵粉)、かやく(キクラゲ、大豆加工品、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、酒精、炭酸Ca、重曹、香料、かんすい、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、カラメル色素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

麺は熱湯3分の油揚げ麺を使用

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準の熱湯3分。2019年11月発売品と同じように、調理前は粉末スープ(とんこつ)の臨場感よりも油揚げ麺特有のニオイが目立っているのですが、麺の原材料名を確認したところ “新たに「香辛料」を練り込んでいた” ので、まったく同じ油揚げ麺を使っているわけではありません。

粉末スープの溶け残りに注意!!

あとは熱湯を注いで待つこと3分、別添の小袋(液体スープ)は後入れなので、お湯を注いでから待っている間にフタの上で温めたあと、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。前回よりもキクラゲの量が少なくなっていましたが、ぽってりとしたポタージュ状の超高粘度スープは健在で、液体スープに含まれる豚脂の芳ばしい香りが鼻をくすぐってくる調理直後。

一部の地域では売ってない場合もありますが、コンビニの大手4社の中ではローソン、ファミリーマート、セブンイレブンでの取り扱いを確認しているため、販売店の参考になさってください。それでは、引き続き前回との違いや全体のバランスに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(97g)あたり
カロリー:427kcal
たん白質:10.0g
脂  質:20.2g
炭水化物:51.4g
食塩相当量:6.4g
(めん・かやく:1.9g)
   (スープ:4.5g)
ビタミンB1:0.36mg
ビタミンB2:0.40mg
カルシウム:290mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:427kcal(めん・かやく:336kcal)(スープ:91kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

前回よりも耐久性アップ

5.0

実店舗で使用されている麺は、製麺所と試行錯誤を重ねて辿り着いた特注品で、博多とんこつラーメン専門店としては珍しい黄色味がかった見た目も特徴的なポイント。さらに「博多元気一杯」は通常の替え玉とは異なる “カレー味替え玉の元祖” としても知られ、店主こだわりのスープを楽しんだ後、カレーソースをかけた替え玉を入れることで2度おいしい食べ方も提唱しています。

スープが絡んで重いw

今回(二代目)の油揚げ麺も淡黄色の低加水麺で、新たに練り込まれた香辛料の効果でカレー味に仕上がるわけではないのですが、前回の麺で魅力と感じた中心部に芯を残す歯応えと歯切れのよさを踏襲しつつ、麺の耐久性がアップしているのがポイント。後述するスープが異様なまでに高粘度=最後までアツアツなので、さすがに10分を超えると柔らかめになってくるのですが、それはそれで悪くありません。

むしろ食べ始めの歯応えを楽しんだ後、中盤以降はスープを運ぶ媒体に徹してくれるため、ある意味それも乙な変化。最初は目立ち気味な油揚げ麺特有の風味もスープと相性がよく、それも後半はボヤけて目立たなくなってくるので、単純にバランスとしては悪くありませんでした。しかし、前回とは異なるスープの出来に疑問。

スープ

なんか旨みがボヤけてる‥‥

4.0

かなり強めのトロミ成分が含まれている粉末スープは人工的な味わいで、とろみのベクトルも「でん粉」や「増粘多糖類」で強引に粘度を高めているようなタイプ。お店の豚骨スープも麺に絡むトロミの強さを特徴としていますが、それを加味しても強引なトロミといわざるを得ません。

とろみの強さにはインパクトを感じるが‥‥

続いて液体スープの中身は乳化感の強いポークエキスを中心に、塩と醤油で味を整えているのですが、前回のスープよりも体感的な塩気が強く、それなのに豚骨の旨みがボヤけているような——。前回は骨の旨みや豚の皮を一緒に煮込んだ濃厚さを彷彿とさせる、とろみの強さに負けない豚のコクに魅力を感じたのに、今年は旨みが伴っていないような印象を受けました。

ここまで極端な仕上がりには、ある種の清々しさがあり、とろみの強さには規格外のインパクトを感じる反面、当たり外れの激しかったエースコックのNB商品「極どろ」シリーズに通じる抜け目が気になるところ。ある意味これはこれで分かりやすく、人工的な部分もカップ麺ならではの魅力ではあるものの、えらくピンボケしたように感じました。前回、そんなギャップは覚えなかったんですけどね。

具材

とりあえず及第点

3.0

前回は多めに入っていたキクラゲが嬉しく、その構成自体は今回も変わっていませんが、キクラゲの量は半分程度に減少。それでもコリコリとした食感は明確で、サイズ以上の存在感を放っていたのですが、値段相応の内容かと聞かれた場合、及第点と答えざるを得ません。

意外と印象は悪くありません

大豆加工品はカップ麺の具材としてもメジャーになってきたフェイクミートで、クニッとした歯応えを特徴とし、とうぜん肉の味がするわけでもないのですが、スポンジみたいな食感の “程良く味付けした肉そぼろ” よりも圧倒的にマシ。もちろん “まともな肉そぼろ” には敵いませんが、独特の歯応えが面白い具材です。

総評

★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)

麺の耐久性が増していたことには進化を感じたし、強烈なスープの粘度も継承していたのですが、とろみの強さに対してスープの旨みが追いついておらず、そこが残念に思えました。しかし、とりあえず再現度はさておき(などと書いたら元も子もないんですけど)これはこれと割り切れば面白い商品だと思うので、事前にイメージを調節しておいてください。

というわけで、引き続き今後もカップ麺を監修してくれるのであれば、ノンフライ麺を使用した大判どんぶり型の開発はもちろん、お店では復活の兆しが見えない「激辛高菜」を別添する、もしくはカレー味替玉をイメージした「味変用のカレーソース」を別添するなど、違ったアプローチにも期待したいです(author・taka :a)

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