どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年10月23日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 ふぅどデリバリー 道の駅うずしお 淡路島産たまねぎカレーうどん」の実食レビューです。
全国にある「道の駅」から厳選した “おいしさ” お届け!? フード&風土の新ブランド第1弾は渦潮に一番近い道の駅「うずしお」監修のカレーうどん!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
明星 ふぅどデリバリー 道の駅うずしお 淡路島産たまねぎカレーうどん
ふぅどデリバリーとは、東京都渋谷区千駄ケ谷に本社を置く明星食品の新ブランドで、全国から厳選した風土(ふうど)とフード(food、食べ物)をデリバリー(delivery、配達)する、というコンセプトが名前の由来。さらに「道の駅」とのコラボ商品であることもポイントで、その記念すべき第1弾には “日本で最も渦潮に近い道の駅” が起用されました。
今回の新商品「明星 ふぅどデリバリー 道の駅うずしお 淡路島産たまねぎカレーうどん」は、兵庫県南あわじ市にある「道の駅うずしお」監修のもと、淡路島の人気ご当地グルメとして知られる淡路島カレー(玉ねぎカレー)の味わいを即席カップめんにアレンジした一杯で、淡路島の特産である「淡路島産たまねぎ」を粉末スープ・あとのせかやくに使用とのこと。
道の駅うずしおとは、1970年(昭和45年)に開業した「鳴門みさき荘」にルーツを持つ道の駅で、1998年(平成10年)4月17日より「道の駅うずしお」としての営業を開始。有名どころでは、2013年(平成25年)に開催された『全国ご当地バーガーランキング』にて、淡路島産の玉ねぎを使用した「あわじ島オニオンビーフバーガー」が1位に輝き、その名を全国に轟かせました。
現在はリニューアル工事のため、2023年1月15日の営業を最後に「道の駅うずしお」を一時休業し、同年3月5日から鳴門岬駐車場で「道の駅うずしお in うずまちテラス」を仮営業しているのですが、前述の「あわじ島オニオンビーフバーガー」はもちろん、淡路島の玉ねぎを使ったドレッシング、カレーなどを求める多くの方で賑わっています。
さて、ちょっと話は逸れますけど、道の駅とコラボしたカップ麺といえば、2023年4月24日にエースコック(本社:大阪府吹田市 / 社長:村岡 寛)が発売した「道の駅『もてぎ』監修 ゆず塩ら~めん」及び「道の駅『内子フレッシュパークからり』監修 もち麦うどん」が記憶に新しいところ。あれから半年経ちますが、いまだに続編の話は浮いてきません。
さらに、日本の風土に着目したカップ麺といえば、これまたエースコックが2018年(平成30年)11月5日に「JAPAN FOOD記(にっぽん ふーどき)山形ひっぱり風うどん」という汁なしカップ麺を発売しているため、それについても先手を打っていたのですが、残念ながら「JAPAN FOOD記」も第1弾のリリースのみで自然消滅。
片や明星食品は、今回の新ブランド「ふぅどデリバリー」に関するニュースリリースに “第1弾として、兵庫県南あわじ市にある「道の駅うずしお」とコラボした、淡路島産たまねぎを使った「淡路島産たまねぎカレーうどん」をお届けします。” と記載しているため、現段階で第2弾のコラボ先が決まっているのかどうかは定かでないけれど、すくなくとも続編を出す予定は立っている様子。
その記念すべき第1弾では、パッケージにも “淡路島産たまねぎから作ったフライドオニオン、たまねぎパウダーを使用” との訴求があるように、道の駅とのコラボという話題性だけに感けた商品ではないので、淡路島産たまねぎ使用の恩恵と個性に注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れ「調味油」と「あとのせかやく」の計3パックで、粉末スープ・あとのせかやくに淡路島産たまねぎを使用とのこと。ちなみにパッケージの辛さレベルは5段階基準で真ん中よりも下の “2” となっているため、おそらく辛口以下だとは思いますが、その度合いも注目したいポイント。
麺は油で揚げたフライうどんで、ニュースリリースの商品特長には “表面につるみのあるふっくらとしたうどん。” と記載されています。この “ふっくらとした” という表現は、ちょいちょいリリースされる「一平ちゃん大盛 カレーうどん」シリーズの常套句。また直近だと、2023年11月6日発売予定の「明星庵 きつねうどん 大盛」にも用いられているため、それと同じ系統のフライうどんかもしれません。
そして、評価の上で見逃せないのがメーカー希望小売価格。調理前の麺重量は85gなので、タイプとしては大盛り商品になりますが、2023年10月現在の大盛りカップ麺におけるメーカー希望小売価格の基準は271円(税別)なのに対し、こちらは328円(税別)と強気の値段。ちなみにコンビニでの税込価格は354.24円、スーパーでも税込300円だったので、コスパ的な部分が大きな壁になりそうです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 ふぅどデリバリー 道の駅うずしお 淡路島産たまねぎカレーうどん 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:113g(めん85g) 商品コード:4902881410472(JAN) |
発売日:2023年10月23日(月) 実食日:2023年10月25日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:328円(税別) 購入価格:300円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末スープ・調味油・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、酵母エキス)、スープ(食塩、豚脂、ビーフオイル、カレー粉、油脂加工品、香味調味料、カレー調味料、糖類、乳等を主要原料とする食品、たん白加水分解物、でん粉、チキンエキス、ビーフ調味料、香辛料、粉末りんご、オニオン粉末、植物油脂)、かやく(フライドオニオン)/ 加工デンプン、増粘多糖類、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、香料、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、甘味料(スクラロース)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・そば・くるみを含む製品を生産しています。 |
実食開始
別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、開封した途端に漂ってくるカレーの香りが食欲を刺激。さらに飴色の玉ねぎペーストを彷彿とさせる、甘辛くて芳ばしい香りも繊細に乗ってくるため、なるほど淡路島産たまねぎ使用の効果は伊達じゃない様子。ただ、油揚げや人参、ジャガイモなど、具材らしい具材は入っていません。
粉末スープ以外の小袋は後入れなので、ゆっくりと粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぎ、フタをして待つこと5分。時間になったら「調味油」を加えて混ぜ合わせ、とろみがついたら「あとのせかやく」をトッピングして出来上がり。‥‥なんですけど、ちょっと注意したいのが「調味油」の取り扱いで、これは “フタの上で温めないように” 意識したほうがいいかも(詳しくは後述)。
それと大きな問題は、コンビニで税込350円を超えるメーカー希望小売価格。スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外での販売価格も税込300円前後が相場になりそうなので、引き続きコストパフォーマンス的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(113g)あたり |
カロリー:527kcal たん白質:15.1g 脂 質:26.1g 炭水化物:57.8g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.5g) (スープ:4.4g) ビタミンB1:1.28mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:123mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:527kcal(めん・かやく:443kcal)(スープ:84kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ふっくら、もっちり
先に “ふっくらとした” という表現は「一平ちゃん大盛 カレーうどん」シリーズの常套句であると触れましたが、原材料名の「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、酵母エキス」という構成は「旨だし屋 汁なしうどん 七味仕立て 大盛」(2021年7月19日発売品)と完全に一致する内容で、正直なところ高級感は皆無。
たしかに “ふっくらとした” というのは的を射た表現で、ふんわりとした口当たりが心地好く、噛むと “ふっくらとした” 弾力が楽しめるのですが、とろみ成分との兼ね合いか戻りムラが目立ち、ところどころ食べ始めにバキッとくるのが玉に瑕。それについては4、5分ほど放置すれば解消しますけど、残念ながら値段相応のクオリティには達していません。
後半にかけて “ふっくらとした” 魅力が増してくるので、それはフライうどん特有の魅力でもありますし、後述するカレースープとの相性も悪くなかったのですが、値段的に「麺神(めがみ)」の技術を応用したノンフライうどんを合わせてほしかったなと。それは難しかったとしても、クオリティでいえば廉価版ちょい上くらいのレベルに感じたので、ちょっと厳し目に評価しています。
スープ
調味油の取り扱いに注意
まずは「粉末スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、想像していたよりもシャープな味わいで、粉末りんごやオニオン粉末に由来する甘みも感じるのですが、あえて人工的な甘さは抑えているようなテイスト。また粉末しょうゆなどは使用していないのに、それっぽいシャープさを感じるというか、ちょっと不思議なカレー味。
明星食品のニュースリリースには “淡路島産たまねぎを使用し、ビーフとチキンのベースにりんごで甘みをつけたカレー。” とありますが、玉ねぎを全面的に主張させたフレームワークではありません。それについては少し物足りなさを感じてしまったのですが、後入れの「調味油」を馴染ませると——
カレーの風味に奥行きが生まれ、ビーフオイルのコクと甘みで動物系の深みも増し、とろみの加減も大幅にアップ。ちょっと不自然な粘度の高さではあるものの、全体的に丸みを帯びるので、玉ねぎの甘さも増して感じます。しかし、その “とろみ” が問題。というのも1回目に調理した際、フタの上で「調味油」を温めたところ、中身が凝固してしまったので、結果的に2/3くらいしか出せませんでした。
おかげで作り直す羽目になったんですけど、後入れの「調味油」は “温めずに、なおかつ入れる前に揉んでおくとスムーズに絞り出せた” ので、調理の際は留意してください(このトラブルについては評価の指標から除外していますが、調理方法に「温めないでください」とか「よく揉んでから-・」などの注意書きが必要なレベルだったので、気を付けてください)。
かやく
もうちょい量かバリエーションを増やしてほしかった
粉末スープに具材らしい具材は同梱されていなかったので、かやくは「フライドオニオン」のみ。わざわざ意識しなくても口の中に飛び込んでくるので、その度に感じるホロ苦さだったり、コクのある甘みだったりに価値が見出せたのですが、328円(税別)というメーカー希望小売価格を加味すると、この2倍は入れてほしかったのが本音。
淡路島産たまねぎ100%使用なのであれば、コスト的に理解できなくもない量ではあるものの、淡路島産たまねぎ+どこぞの玉ねぎを併用し、量に物を言わせたほうが分かりやすかったんじゃないのかなと。または中国産でもフリーズドライとエアドライの玉ねぎ具材でバリエーションを増やすとか、そういった工夫を凝らしてほしかったです。
総評
明星食品×道の駅という組み合わせの話題性は高く、粉末スープ・あとのせかやくに淡路島産の玉ねぎを使用している部分もポジティブに評価できるポイントになりますが、総評の足を大きく引っ張ったのが値段。たとえば大盛り商品の基準である271円(税別)だったとしても、★4くらいが妥当に思えたので、及第点は付けられませんでした。
しかし、エースコックが半年前にリリースした「道の駅」企画がストップしている現状を加味すると、その座を奪う絶好のチャンス。しばらくネタに困ることもなさそうなので、引き続き第2弾・第3弾のピックアップについてはもちろん、製品スタイルやメーカー希望小売価格の設定など、今後の方向性にも注目です【author・taka :a(大石敬之)】