どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年1月8日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清ドロラ王 ドロ、ニボニボ、濃厚煮干」の実食レビューです。
※煮干の沼から抜け出せなくなるのでご注意ください。ハマると抜け出せない底なしの旨さ、ドロラ王シリーズ第4弾はニボシ特化型のセメント系!?
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清ドロラ王 ドロ、ニボニボ、濃厚煮干
日清ドロラ王(にっしんどろらおう)とは、1992年(平成4年)9月21日の発売以来、その時代における王道の味に進化し続けてきた「日清ラ王」の派生シリーズで、ブランド史上最高レベルに “ドロドロ” した極濃(ごくのう)スープがコンセプト。
今回の新商品「日清ドロラ王 ドロ、ニボニボ、濃厚煮干」は、2022年4月25日発売の初代「ドロ、コッテリ、鶏白湯」を皮切りに、またおま系ど真ん中「魚粉、ザラザラ、魚介豚骨」(2023年5月15日発売品)からの二代目「ドロ、コッテリ、鶏白湯」(2023年10月2日発売品)と続いた「日清ドロラ王」第4弾に該当する新フレーバーで、このシリーズとしては初となる “煮干し特化型” の一杯。
たとえば昔ながらの中華そばを支える隠し味として、あるいは「つけめん」のパンチを強めるアイテムとして、ラーメン業界でも様々な用途を持つ “煮干し” ですが、それを主役に据えたラーメンを大別すると、クリアなスープが特徴的な “淡麗系” と呼ばれるジャンル、または特有の苦味やエグみまで全面に押し出した “セメント系” と呼ばれるジャンルに分かれます。
もちろん細分化した場合、淡麗系・セメント系の二言では語れないカテゴリーになりますが、灰褐色の攻撃的なイメージ画像が示しているように、日清ドロラ王シリーズ第4弾を飾る「ドロ、ニボニボ、濃厚煮干」が目指している方向性は間違いなく “セメント系” で、土台となるスープも然る事乍ら “入れれば、更に沼旨い! ニボ沼の素搭載!!” という力強い訴求も気になるポイント。
「ニボ沼の素」は要するに煮干しメインの魚粉なのだと思いますが、ニボ沼の素搭載!! の下に小さく “※煮干の沼から抜け出せなくなるのでご注意ください。” との注意事項を記載するなど、日清食品お得意の演出が光るデザイン。
またパッケージでは麺の細さに関する訴求も見られるため、セメント系に誂え向きな硬めの低加水麺を合わせた様子。もちろん食べやすくデフォルメされているとは思いますけど、煮干しのクセまで打ち出しているのか、スープの粘度は不自然でないか、そういった部分にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「鶏チャーシュー」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」「ニボ沼の素」計4パックで、後入れの小袋には①②③と入れる順番が割り振られています。さらに「粉末スープ」は “投入後すぐによくまぜてください” などのアドバイスも記載されているので、それらを念頭に調理してください。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、けっこう細めに切り出されているのですが、湯戻し時間は4分と少し長めの設定です。日清食品のノンフライ麺は、基本的にコシが強く、そのため戻りが悪い傾向があるので、場合によっては追加で待ったほうがいいケースもありますが、ひとまずフライングしないのがポイント。
メーカー希望小売価格は438円(税別)ということで、ごりごりのハイクラス系になりますが、ひとつ前の「日清ドロラ王 ドロ、コッテリ、鶏白湯(二代目)」と同じ値段。コンビニで購入した場合の税込価格は473円と高く、スーパーやドラッグストア等での販売価格も余裕で300円を超えると思うので、それも踏まえた上で評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清ドロラ王 ドロ、ニボニボ、濃厚煮干 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:119g(めん70g) 商品コード:4902105280515(JAN) |
発売日:2024年01月08日(月) 実食日:2024年01月13日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:438円(税別) 購入価格:473円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:八角どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:4袋(粉末スープ・液体スープ・鶏チャーシュー・ニボ沼の素) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、植物油脂、卵粉、大豆食物繊維、チキンエキス)、スープ(にぼしエキス、魚粉(いわし、むろあじ、さば、そうだかつお)、しょうゆ、糖類、クリーミングパウダー、植物油脂、ポークエキス、魚介調味油、豚脂、食塩、小麦粉、ねぎ、香辛料、酵母エキス)、かやく(鶏チャーシュー)/ 増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、かんすい、リン酸Ca、酒精、香料、カラメル色素、焼成Ca、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、乳化剤、フラボノイド色素、くん液、クチナシ色素、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「鶏チャーシュー」のみ先入れで、モノは「ドロ、コッテリ、鶏白湯」と同じだと思うんですけど、こっちのほうが例の厚切焼豚よりも低コストなんですかね。なんというかこう、サラダチキンっぽい風味の肉具材なので、安っぽく感じてしまうのですが、コストの関係ではなくスープとの相性を考慮してのチョイス、なのでしょうか。
鶏チャーシューを除く3種の小袋は後入れなので、熱湯を内側の線まで注いでから4分間、フタの上で「液体スープ」を温めながら待機。時間になったら “麺を軽くほぐし” それから「粉末スープ」を入れて即座に混ぜ合わせ、しっかり溶けたことを確認してから「液体スープ」を加えて馴染ませ「ニボ沼の素」をトッピングしたら出来上がり。
生臭いレベルではないけれど、煮干しの存在感は明確で、それと同時にサバやカツオの香りも漂ってくる調理直後。そのため芳醇ながらも大人しいというか、随分と丸みを帯びた感じの印象を抱いたんですけど、はたして実際の仕上がりはどうなのか「めん」「スープ」「かやく・ニボ沼の素」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(119g)あたり |
カロリー:413kcal たん白質:17.0g 脂 質:8.4g 炭水化物:67.4g 食塩相当量:7.9g (めん・かやく:4.5g) (スープ:3.4g) ビタミンB1:0.30mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:317mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:413kcal(めん・かやく:332kcal)(スープ:81kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
やや硬めの歯応えでプリッとした食感
セメント系の煮干しラーメンに合わせられる麺といえば、白っぽい見た目で加水率は低く、ザクザクとした食感が特徴的な「三河屋製麺」の中細ストレート麺が真っ先に思い浮かんだりするのですが、今回のノンフライ麺は日清食品らしいプリッとした歯切れのよさが印象的。
ただ、びみょーんとゴムみたいな伸縮性は控えめで、比較的に硬めの歯応えが楽しめることから、なるほど煮干し系のスープに歩み寄ったことが伝わってくる仕様。加水率が低い分、多加水麺よりも早い段階から柔らかくなってきますけど、スープとの相性は良好で、日清食品の高価格帯にありがちな戻りムラも目立ちません。
ほんのちょっと最初に抵抗してきますけど、粉末スープを溶かす段階で離れ離れになりますし、3種の小袋を使い終わったタイミングで熱湯4分+1分ほど経過していると思いますが、きちんと食べごろ。調理前の麺重量は70gなので、定番の「背脂醤油」や「濃厚味噌」と比較して5g少ないけれど、濃厚なスープを絡めとるリフト性能が功を奏し、細麺でも食べ応えがありました。
スープ
もうちょい煮干し一辺倒でも‥‥
後入れ①の「粉末スープ」には、とろみ成分やクリーミングパウダーを使用し、なおかつ豚骨の骨っぽさなども控えめで、ほんのり煮干しの旨みを感じるものの、系統としては人工的。ただ、その人工的な成分とウマミが後々に活きてきます。——あ、それと申し訳程度にネギが入っているのですが、ほんとに申し訳程度でw
続けて投入する②の「液体スープ」は褐色で、液体しょうゆ特有のコクやポークエキスの旨みが全体に行き渡るのですが、煮干し特有の風味も大幅に加速。一般的にネガティブとされる苦味やエグみは控えめで、ショッパさについても常識の範囲内。むしろ糖類の甘さが強く、煮干しの他に節系も分かりやすく効かせるなど、ごりごりのセメント系ではありません。
とろみの加減は最後まで人工的ですが、クセを抑えながらも濃厚な豚骨白湯(ぱいたん)と幾重の出汁が相俟って、粘度の高さだけが独り歩きするようなスープではありませんでした。とはいえジャンルがジャンルなので、もうちょい尖らせたほうがよかったかも。
かやく・ニボ沼の素
ぜったい厚切焼豚のほうがいい
メインの鶏チャーシューは、例の厚切焼豚よりもスープに合っているのかどうかについて、手放しに鶏で正解と思える取り合わせとは評価できず、今回もサラダチキンみたいな風味だし、やっぱりコスト的な問題で鶏なのかなと。
また後入れ③の「ニボ沼の素」も100%煮干し粉ではなく、サバやカツオを併用していたので、もっと振り切ってほしかった不満が無きにしも非ず。‥‥なんですけど、さすが魚粉。すこし馴染ませた途端、スープがバチッと力強くなったので、満足度の底上げには大きく寄与していました。
総評
煮干しの度合いで評価するならば、昨年にエースコックがリリースした「鬼煮干中華ソバ 中華ソバ伊吹監修」(2023年4月24日発売品)のほうが圧倒的に強烈で、一見すると “セメント系” かと思いきや、節系の要素も色濃く混在したタイプ。煮干しを全面に押し出した「ドロ、ニボニボ、濃厚煮干」という強気なタイトルだったので、もっとマニア向けに振り切ってほしかったです。
とはいえ “セメント系” というバイアスを外して見れば、とろみを不自然に思わせないほど濃密で、単純に味の満足度は低くありません。煮干しに対する期待度を事前に調整する必要はあるけれど、及第点とするには惜しいと感じたので、星ひとつプラスしました。白ご飯との相性もサイコーですし、魚介系のラーメンが好きなら要チェックです【author・taka :a(大石敬之)】