どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2つの季節限定カップ麺、日清食品「日清のどん兵衛 豚汁うどん」と東洋水産「マルちゃん あつあつ豚汁うどん」の実食・比較レビューです。
美味しいのはどっち!? 日清食品と東洋水産が送る秋冬の風物詩「豚汁うどん」は何が違うのか徹底比較!
同じ「豚汁」がテーマの秋冬期間限定カップうどんを同時に食べ比べ、味の違いや特徴など、前年からの変更点も含めて何が違うのか解説します。各豚汁うどんの歴史についても触れているので、よろしければ最後までお付き合いください。
日清食品vs.東洋水産 豚汁うどん対決
「日清のどん兵衛 豚汁うどん」とは、日清食品が秋冬向けのラインナップとして販売している季節限定の和風カップ麺で、初めて発売されたのは2006年9月25日(※どん兵衛30周年)。当時の商品名は「日清のどん兵衛 とん汁うどん」、おそらく “ぶたじるうどん” と読ませないために、あえて豚を漢字で書かず “とんじるうどん” を強調したのでしょう。
どん兵衛から漢字表記の「豚汁うどん」が初めて発売されたのは、およそ2年半後となる2009年1月13日。「日清のどん兵衛 縦型ビッグ コクみそ豚汁うどん」という「カップヌードル ビッグ」と同じスタイルで、お湯を注ぐだけで食べられる「ワンタッチ調理」と「具材たっぷり」がコンセプトの大盛りカップ麺でした。
2006年どんぶり型のメーカー希望小売価格は税別155円(※2019年9月現在の税別193円に相当)、2009年タテ型の希望小売価格は税別190円(※現在の税別220円に相当)。具材は豚肉、刻み揚げ、ゴボウ、ネギ、ニンジンの5種類で、どんぶり型・タテ型ともに発売当初から基本的な構成は変わっていません。
「縦型ビッグ コクみそ豚汁うどん」発売の翌月(2009年2月2日)、王道的な味わいの豚汁うどんをテーマに開発した「日清 豚汁うどん 濃厚豚コク味噌仕立て」という大判どんぶり型のカップ麺(当時の希望小売価格:税別215円)をリリースしているのですが、それは「日清のどん兵衛」からではなく、ノーブランドの単独販売でした。
東洋水産の「マルちゃん あつあつ豚汁うどん」が初めて発売されたのは、「日清のどん兵衛 とん汁うどん」よりも2年ほど早い2004年10月12日。まずは “北海道先行商品” として発売し、2004年11月29日に北海道を除く全国で販売解禁となったので、定番の「きつねうどん」と同じく「豚汁うどん」もマルちゃんが先手を打っています。
当時の「あつあつ豚汁うどん」には、「赤いきつねうどん」で “おなじみ” とされていた「つよゴシ麺」を使用し、具材は豚肉、刻み揚げ、ささがきごぼう、じゃがいも、にんじん、ねぎの6種類。2004年当時のメーカー希望小売価格は税別155円と同列で、以来「日清のどん兵衛 豚汁うどん」「あつあつ豚汁うどん」ともに秋冬の風物詩的なカップ麺になりました。
「日清のどん兵衛 豚汁うどん」は発売13年目、「あつあつ豚汁うどん」は発売15年目を迎えた2019年——東洋水産の「あつあつ豚汁うどん」は縦型ビッグ・でか盛と多彩なバリエーションがあり、それぞれコンスタントに発売されている印象で、日清食品の「どん兵衛 豚汁うどん」は2018年11月12日に3年ぶりの復活を遂げたばかりですが、今年は両者ともに同じタイミングで発売されています。
日清食品の豚汁うどんは1週間早めにリリース、しれっとノーアナウンスで店頭に並び、東洋水産の豚汁うどんは今週の新商品として発売され、地元のローカルスーパーに並べて陳列されていたのですが、「日清のどん兵衛 豚汁うどん」は128円(税込138円)、「マルちゃん あつあつ豚汁うどん」は118円(税込127円)、同じスーパーでも実売価格に11円の差が生じていました。
開封
「日清のどん兵衛 豚汁うどん」の小袋は、「液体スープ」「かやく」「彩り七味」の合計3袋。かやくのみ先入れで、液体スープと彩り七味は後入れ仕様。2018年発売品と比較して小袋の構成は変わっていませんし、それぞれ小袋の色も同じですが、原材料名やカロリーなどの栄養成分表示は微妙に変わっています。
「マルちゃん あつあつ豚汁うどん」の小袋は、「液体スープ」「かやく」の合計2袋で、どん兵衛には入っている別添の七味はありません。こちらも標準どんぶり型の2018年発売品と比較して小袋の構成は同じですし、実は原材料名も栄養成分表示の値も “まったく変わっていない” のですが、小袋の色は赤からオレンジに変わっています。
どちらもメーカー希望小売価格は税別193円と2019年9月4日現在の標準値、販売エリアは全国(全チャネル販売)。コンビニでの実売価格は両者ともに税込198円が相場になりますが、「日清のどん兵衛 きつねうどん」と「マルちゃん 赤いきつねうどん」のように、スーパーやドラッグストアなどでは比較的 “マルちゃんのほうが安い” かもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 豚汁うどん / マルちゃん あつあつ豚汁うどん 製造者:日清食品株式会社 / 東洋水産株式会社 製造所:静岡工場(F)/ 関東工場(M1) 内容量:98g(めん66g)/ 109g(めん70g) JANコード:4902105254660 / 4901990529167 発売日:2019年8月26日(月)/ 2019年9月2日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:370ml / 370ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋 / 2袋 |
原材料名とアレルギー表示
【日清のどん兵衛 豚汁うどん】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類)、スープ(みそ、しょうゆ、ポークエキス、豚脂、香味油、糖類、発酵調味料、食塩、ごぼう調味料、粉末みそ、香辛料、七味唐辛子、オニオンエキス、酵母エキス、かつおぶし粉末、植物油脂)、かやく(味付油揚げ、味付豚肉、にんじん、ねぎ、味付ごぼう)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、カラメル色素、香料、グリセリン、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【マルちゃん あつあつ豚汁うどん】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、乾燥酵母、卵白)、添付調味料(みそ、ポークエキス、しょうゆ、豚脂、植物油、野菜エキス、砂糖、食塩、香辛料、魚介エキス、酵母エキス、香味油脂、たん白加水分解物、発酵調味料)、かやく(味付豚肉、味付油揚げ、ポテト、にんじん、ねぎ、ごぼう)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、レシチン、増粘多糖類、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
どちらも具材の刻み揚げは最初から容器の中に入っていて、両方とも熱湯5分の油揚げ麺というスペックも同じですが、もちろん麺は別物ですし、刻み揚げの量は “どん兵衛のほうが倍以上” 入っています。ただ、2018年の「どん兵衛 豚汁うどん」には「あつあつ豚汁うどん」と同じサイズの刻み揚げが入っていたんですけど、今年は細長いカットに変わっていました。
(左「どん兵衛」/ 右「マルちゃん」)
あとは「かやく」を入れて熱湯5分、待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めておきましょう。どちらの豚汁うどんも液体スープを先に入れると調理不良の原因になるので、かならず後入れしてください(※麺が戻りません)。調理後の臨場感は強い根菜の香りで日清食品がリード、具材はリアルな豚肉が入っている東洋水産がリードでしょうか。
それでは、両者の違いに注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。それぞれ2018年版の詳細につきましては、日清食品「日清のどん兵衛 豚汁うどん 2018」と東洋水産「マルちゃん あつあつ豚汁うどん 2018」の記事をご参考ください。
【どん兵衛 豚汁うどん / あつあつ豚汁うどん】
栄養成分表示:1食(98g / 109g)当たり カロリー:401kcal / 432kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:401kcal / 432kcal(めん・かやく:318kcal / 343kcal)(スープ:83kcal / 89kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
世界初のカップうどんを発売したのは東洋水産で、1975年(昭和50年)9月発売の「マルちゃんのカップうどんきつね」がパイオニア。1976年(昭和51年)8月発売の「どん兵衛」は後発組ですが、現在業界トップクラスの製麺技術を誇る「きつねうどん」と同じ油揚げ麺で、耐久力は圧勝です。そして実は “2019年3月上旬にリニューアルしている” ので、前年の豚汁うどんから進化しました。
対する「あつあつ豚汁うどん」は、「赤いきつね」の系譜にある伝統的なフライうどんで、同時発売品の「あつあつ牛すきうどん」ほど頼りない麺ではありません。というのも今回の「豚汁うどん」では「赤いきつね」の麺と体感的な差はなく、どん兵衛ほどではないけれど、ふっくらもちもち。こちらの麺は、東洋水産の関東工場(M1)で製造されています(賞味期限:20.02.20 / ロット番号:DR35)。
けれども関西工場(M8)で製造された2019年の「あつあつ牛すきうどん」(賞味期限:20.02.20 / ロット番号:AH36)はペラペラで、体感的に大きな差を感じました。麺については好みの問題もあるかと思いますが、どちらも各々の豚汁つゆと相性は良好です。ちなみに「どん兵衛」の豚汁うどんは麺量66gと変わり種の平均値なのに対し、「マルちゃん」の豚汁うどんは麺量70gと微妙に多いので、耐久性はどん兵衛が大幅にリード、量はマルちゃんに軍配ですね。
つゆ
まず油分が多いのは「どん兵衛 豚汁うどん」のつゆで、こってり感があります。そして液体スープを投入した瞬間から自己主張を放ってくる根菜の香りが凄まじく、実食前の臨場感は圧倒的。けれども味は味噌寄りでも醤油が並行するため、比較的に油脂が多めでも醤油の風味から “どん兵衛のほうがスッキリしている” ように感じました。
根菜の香りでは圧倒されてしまったマルちゃんの「あつあつ豚汁うどん」ですが、ややアグレッシブな赤味噌を軸に、穏やかな白味噌をブレンドしたコク深い合わせ味噌が印象的。さらに豚の旨味はどん兵衛以上、後味を引き締める生姜のキレも特徴的なポイントで、力強くも包容力のある男らしい豚汁に仕上がっています。
ちなみに「どん兵衛」の彩り七味は2種類あって、つゆと同じく東西で中身が違うのですが、豚汁うどんでは赤唐辛子の含有量が多い “東日本仕様の七味に統一されている” ように感じました。その彩り七味と根菜の香りを中心に調理感は「どん兵衛」に軍配、膨よかな味噌と生姜のキレを中心に旨味の濃度は「マルちゃん」が上。それから両者ともに全国発売なので、販売地域による味の差はありません。
具材
「日清のどん兵衛」は “味付油揚げ、味付豚肉、にんじん、ねぎ、味付ごぼう” の5種類で、2018年発売品から刻み揚げのサイズが細長いタイプに変わり、ごぼうも小さくなっています。あいかわらず人参はコリコリですが、味付豚肉は汎用のチャーシューチップ、刻み揚げは細切りになってパサつきが目立つため、やや劣化を感じました(※ごぼうのサイズは個体差かもしれません)。
対するマルちゃんの「あつあつ豚汁うどん」は “味付豚肉、味付油揚げ、ポテト、にんじん、ねぎ、ごぼう” と6種類の具材が入り、今年もポテトは里芋ではなくジャガイモ、人参はクタクタなんですが(※日清食品の人参は中国産、東洋水産の人参はフランス産)、味付豚肉については東洋水産の完全勝利。
数は3.5個くらいなんですけど、たまたまか今回はジューシーな脂身の部分が多く、そこから得られる満足感は汎用のチャーシューチップと比較して月とスッポン。ささがきごぼうも大きく、数では負けた刻み揚げも日清食品の細切りタイプよりジューシーで、具材の満足感はマルちゃんに軍配でした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
2019年は同時期に発売された「日清どん兵衛 豚汁うどん」と「マルちゃん あつあつ豚汁うどん」を食べ比べてみた結果、まず両者ともに前年との違いは大差ありません。マルちゃんの豚汁うどんについては微調整なしの再販ですし、どん兵衛の豚汁うどんは麺と刻み揚げのサイズに違いが見られましたが、つゆの味は基本的に同じです。
さて、2つの豚汁うどんは “どっちがおいしい” のか——とりあえず総評は上出来の星5つで同列。あとは好みの問題になるので、完全に私の独断と偏見で答えますけど、2019年は「東洋水産(マルちゃん)のほうが美味しい」と感じました。実は以前、マルちゃんの豚汁うどんは苦手だったんですけど、今年は「あつあつ豚汁うどん」のほうが美味しかったです。とはいえ両者ともに季節感あふれる良品、肌寒い日にホッと一息つけますよ。