どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月28日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清のどん兵衛 きつねそば」の実食レビューです。
“ふっくら” お揚げを和蕎麦にトッピングしたファン待望の全国版「どん兵衛 きつねそば」が5年ぶりに復活!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清のどん兵衛 きつねそば 2019
「日清のどん兵衛」とは、1975年(昭和50年)9月に東洋水産株式会社から発売された世界初のカップうどん「マルちゃんのカップうどんきつね」(現「赤いきつねうどん」)への対抗商品で、初めて発売されたのは1976年(昭和51年)8月9日。発売当初から味付けを東西で分け、発売翌年のブランド別売り上げ調査では西日本1位を獲得します。
どん兵衛ブランドとして最初に開発されたのは、カップうどん「日清のどん兵衛きつね」で、きつねうどんの発売から3ヶ月後となる1976年(昭和51年)11月5日にカップそば「日清のどん兵衛 天そば」を発売。その翌1977年(昭和52年)2月8日に「日清のどん兵衛 きつねそば」を発売しているため、実は42年以上もの歴史があるテーマ。
しかし、なぜか1977年の発売以降、パタッと「きつねそば」のリリースが止まり、その次に発売されたのは「どん兵衛」が発売25周年を迎える2001年10月15日。当時 “ありそうでなかった超定番メニュー” というキャッチフレーズを掲げ、和風感とシリーズ感を意識した「紫色」の新意匠に身を包み、新たな定番どん兵衛として登場しました。さて、色といえば東洋水産(マルちゃん)です。
マルちゃんの和風麺・色シリーズ(和風丼カップ麺シリーズ)にも「紺のきつねそば」という定番商品があって、似たような色使いとなっているのですが、どん兵衛の「きつねそば」が初めて発売されたのは1977年2月、対する「マルちゃん 紺のきつねそば」が初めて発売されたのは2002年10月。カップうどんでは後発組だった日清食品ですが、きつねそばでは大幅にリードしました。
(日清食品の「プレスリリース」より、2001年10月発売品のパッケージ)
しかも「日清のどん兵衛 きつねそば」が復活した1年後に「紺のきつねそば」が追い掛ける形となっているので、まさに “赤いきつね事件” と真逆のポジション。復活後は毎年リニューアルを繰り返し、2005年10月11日から全国共通だった味を一時的に東日本向け・西日本向けに分け、2009年を除く2014年10月20日発売品まで毎年恒例の準定番商品となっていたのですが——
現在から遡ること5年前の2014年10月発売品以降、「日清のどん兵衛 きつねそば」は販売中止。その理由について日清食品は明らかにしていませんが、おそらく2016年5月2日に発売された地域限定の新定番商品「北のどん兵衛 きつねそば」(北海道地区限定・札幌日清千歳工場製造)との差別化を図るためではないかと思われます。
そして、2014年10月まで「日清のどん兵衛 きつねそば」及び「北のどん兵衛 きつねそば」もパッケージは紫色だったのに対し、なぜか今回から “紺色” のパッケージに変更されました。狐の鳴き声のイメージと紺(コン)を掛けているのかもしれませんが、「マルちゃん 紺のきつねそば」の存在が眼中にないわけがありません。
「北のどん兵衛」は道産利尻昆布を使用してる出汁(だし)が最大の特徴となっているのに対し、今回そういったアピールもないので、「日清のどん兵衛」と「北のどん兵衛」の違いに注目しながら詳しくレビューしていきます(※手元にある「北のどん兵衛」は10周年記念パッケージ刷新前)。
開封
別添の小袋は「彩り七味付き粉末スープ」が1袋、北のどん兵衛には別添の七味唐辛子が入っていないので、これが一つの大きな違いになります。2014年10月発売品(いうなれば北のどん兵衛の前身)にも別添の七味唐辛子が入っていなかったので、これについては5年前の商品よりも進化しているポイント。
メーカー希望小売価格は税別193円ということで、既存の定番どん兵衛(レギュラーサイズ)と同じ値段。販売地域は全国、販売店は全チャネル、コンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「ローソン」での取り扱いを確認。コンビニで購入した場合の税込価格は、軽減税率8%で税込198円が相場になります。
「どん兵衛」の蕎麦シリーズにおける調理前の麺重量は、代表的な「天ぷらそば」を例にあげると「北のどん兵衛」「東日本向け(粉末・液体つゆ仕上げ)」「西日本向け」の4品いずれも麺量72gで、今回の「きつねそば」も定番品と同じく72g。手元にある「北のどん兵衛 きつねそば」も麺量72gなんですけど、なぜか “10周年記念パッケージ版の「きつねそば」だけ麺量74gに増量” されました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 きつねそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(A)茨城県取手市清水667-1 内容量:95g(めん72g) 商品コード:4902105260500(JANコード) 商品サイズ:縦144mm×横144mm×高さ75mm(個装) 発売日:2019年10月28日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:390ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(彩り七味付き粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ、かつおぶし粉末、糖類)、かやく(味付油揚げ、かまぼこ)、スープ(糖類、食塩、かつおぶし調味料、粉末しょうゆ、かつおぶし粉末、ねぎ、七味唐辛子、たん白加水分解物、こんぶ調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、パプリカ色素、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、(一部に小麦・そば・乳成分・ごま・大豆・ゼラチンを含む) |
実食開始
お湯を入れる前に粉末スープと彩り七味を切り分け、粉末スープのみ先入れします。つゆの味が東日本向けと西日本向けに分かれていた時期もあったと書きましたが、2005年10月発売品と2006年10月発売品のみ東西の味が違っていて、2007年10月のリニューアルから再び味を全国で統一、今回の「きつねそば」も地域による味の違いはありません。
北海道限定商品「北のどん兵衛 きつねそば」のカロリーは426kcal(めん・かやく:399kcal / スープ:27kcal)となっているのに対し、今回のカロリーは425kcal(めん・かやく:392kcal / スープ:33kcal)と微妙に上がっています。また食塩相当量の値も北海道:5.4g、全国版:5.3gとなっているのですが、まあまあ誤差の範囲内。
あとは熱湯を注いで3分後、彩り七味をトッピングしたら出来上がり。ちなみに大阪では油揚げをのせた和蕎麦を「たぬき」と呼ぶため、実質きつねそばは存在しません。——と、それはさておき北のどん兵衛や2014年10月発売品との違いに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)当たり
カロリー:425kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:425kcal(めん・かやく:392kcal)(スープ:33kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
「北のどん兵衛」の麺は、北海道千歳市上長都にある協力工場「札幌日清株式会社 千歳工場」(製造所固有記号「T」)で製造しているのに対し、今回の麺は茨城県取手市清水にある日清食品の自社工場「関東工場」(製造所固有記号「A」)で製造されています。現在どちらも “マイナーチェンジ後” の麺に切り替え済みで、原材料は変わりませんが、手元にある商品は “マイナーチェンジ前” の麺。
耐久性は札幌日清千歳工場製造の麺よりも本社工場で製造された麺のほうが高く、よりストレートなんですけど、今年10月下旬のリニューアルから変わっている模様。全国版の麺には「天ぷらそば」や「鴨だしそば」と同じように “たまごポケット”(たまごを乗せるための凹み)が搭載されていたので、もし卵を入れたい方は、油揚げ(きつね)を麺の下に移動させると卵ポケットを活用することが可能です。
先ほど書いたように、実は今年から「どん兵衛」うどんシリーズ・そばシリーズの「麺」と「スープ」が “リニューアルしている” ので(※そばシリーズの麺には、このタイミングから新たに「かつお節粉末」と「糖類」が練り込まれています)、詳しくは「日清のどん兵衛 天ぷらそば」及び「日清のどん兵衛 きつねうどん」(2019年リニューアル後)のレビューをご参考ください。
つゆ
まず “甘みが強い” というのは「北のどん兵衛」及び2014年以前の和風つゆにも通じる共通の特徴で、鰹出汁(かつおだし)が軸になっているフレームワークも同じなのですが、2014年10月発売品には含まれていなかった「こんぶ調味料」が新たに追加されています。利尻昆布などのアピールはないため、おそらく道産昆布ではないと思いますけど、丁寧な昆布の旨みが優しい味わい。
そして以前の「きつねそば」や「北のどん兵衛」よりも明らかに色が薄く、醤油の含有量が減って酸味は控えめに、そして甘さは強くなっています。東日本向けか西日本向けかに分類すると完全に西日本向けのテイストで、その粉末スープを軸に、やや食塩の使用量を落として糖類を増やしているような味に変わっていました。
新たに追加された彩り七味の構成は、おそらく定番品と同じ「赤唐辛子、陳皮、白ごま、和山椒、金ごま、あおさ、しそ」で、東日本は赤唐辛子を多めにブレンド、西日本は和山椒の風味を重視。今回つゆが西日本向けに近い内容だったのと、七味唐辛子のアクセントが東日本向けよりも弱かったので、おそらく西日本向けの彩り七味だと思います。
醤油のコクは控えめになりましたが、おかげで彩り七味が映え、甘くて穏やかな味わいを繊細に引き立ててくれていました。どん兵衛の蕎麦は東日本向けが好き! という方には物足りないかもしれないけれど、逆に甘くて穏やかな関西風の蕎麦つゆが好きなら間違いなくハマれると思いますし、正直いつも食べている “天ぷらそば(西)の粉末スープよりも美味しかった” です。
具材
日清食品の大きな “きつね” は、お豆腐屋さんと同じ製法で作った丸大豆100%の油揚げを使用しているのが特徴で、今回も安定の “ふっくら” ジューシーな食感。その面積に大きな違いはないのですが、北のどん兵衛(2019年10月中旬リニューアル前)よりも厚みがあって、実は東西で味付けも異なります。
2001年のリニューアル以降、東日本向けの油揚げは鰹出汁の効いた甘辛味に、西日本向けの油揚げは鰹と昆布を中心に醤油を控えた味付けに分けて差別化。「北のどん兵衛」は東日本向けの味付けに近く、今回の「きつねそば」は北のどん兵衛よりも醤油感が控えめな西日本向けの味付けに仕上がっていました。
(「北のどん兵衛」調理前・開封写真)
フチがピンク色の半月かまぼこと粉末スープ同梱タイプのネギも定番の「きつねうどん」と同じなんですけど、「日清のどん兵衛 きつねそば」発売当初の魚肉練り製品は斜め切りのナルトからスタートし、2014年10月発売品や2019年10月リニューアル以前(上記写真)の北海道限定どん兵衛にはギザギザの渦巻きナルトが入っていたので、ナルトの廃止は寂しかったです。
2019年10月中旬以降、「北のどん兵衛」は発売10周年を記念して、既存の6品(きつねうどん、天ぷらそば、天ぷらうどん、カレーうどん、きつねそば、鴨だしそば)すべて10周年記念パッケージに変更されており(2019年11月現在)、そのタイミングから北海道限定の「きつねそば」からもナルトは廃止されているようですね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
今年10月から「北のどん兵衛」も変わっているので、ナルト廃止の他にも今回の比較対象とニュアンスがあるかもしれませんが、つゆや油揚げの味付けなど、明らかに「北のどん兵衛 きつねそば」よりも「日清のどん兵衛 天ぷらそば(西日本向け)」の仕様に近くなっていて、さらに醤油感が弱くなり、甘さが強くなっていました。2014年10月以前の「きつねそば」も甘口でしたけど、醤油の加減で印象が違います。
個人的に醤油は控えめ・甘さ強めの蕎麦つゆが好きなので、まったく問題なかったのですが、関東風の蕎麦つゆや東日本限定どん兵衛の「液体つゆ仕上げ」が好きな方にとっては物足りなさがあるかもしれません。ただ、甘くて優しい味の蕎麦つゆが好きなら間違いなく好みに合うと思いますし、また来年以降も定期的にリリースしてほしいですね。