「マルちゃん でかまる 背脂煮干醤油」ガツ盛り部門優勝〈らーめん香澄〉

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東洋水産

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年3月4日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん でかまる 背脂煮干醤油」の実食レビューです。

「第10回 最強の次世代ラーメン決定戦」ガツ盛り部門優勝・らーめん香澄「ガツ盛り背脂醤油の煮干しラーメン」をカップラーメンで再現!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。

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らーめん香澄 でかまる 背脂煮干醤油

「最強の次世代ラーメン決定戦!」とは、ラーメンファンの熱き一票で次世代を担う最強の一杯を決めるラーメンの祭典で、「Yahoo!特別企画 ラーメン特集 2018-2019」より起立。「Yahoo!特別企画」及び業界最高権威「TRY*(トライ)ラーメン大賞」協力のもと、全国のラーメン店に参加を募り、実際に食べてみた結果ではなく「食べてみたい」と思ったユーザーの投票によって優勝・準優勝が選出される一般消費者参加型イベントです。(* Tokyo Ramen of the Year)

「最強の次世代ラーメン決定戦!」は今年で記念すべき第10回目を迎えたのですが、その節目を記念して通常は制限されている歴代優勝店舗からのエントリーも解禁。「次世代部門」の【優勝】「創作らーめん style林(大阪・塚本)」の受賞メニュー「次世代スパイスパウダー赤味噌」と【準優勝】「麺処 若武者(福島・二本松)」の受賞メニュー「次世代椒油がけニラ煮干し醤白中華そば」は「本気盛(マジモリ)」シリーズで商品化され、2018年2月4日(月)に発売されました。

「ガツ盛り部門」とは、食う人の満腹中枢を刺激するヘビー級ラーメン部門のことで、この部門で優勝すると選出されたメニューが東洋水産(マルちゃん)の「でかまる」から大盛バケツ型のカップ麺として商品化されるのですが、基本的に「優勝・準優勝」のメニューは「本気盛」で再現、「ガツ盛り部門」は「でかまる」で再現、というのが定番の流れとなっています。

今回、見事その「ガツ盛り部門」で優勝を飾ったのは、大阪・阿波座に本店を構える「らーめん香澄(らーめん かすみ)」。店主・尼崎誠氏は、大阪屈指の人気店「らーめんstyle JUNK STORY(らーめんスタイル ジャンクストーリー)」で修行された経歴の持ち主で、九州・佐賀県の出身らしく、まだ店舗展開する前の「一風堂」や「一蘭」で食べたラーメンに触発されてラーメンの魅力に目覚めたのだとか。

もともと身体を早く動かせないことからWebデザイン関係の仕事に就職を予定していたそうですが、いざ就職しようとした時やはりラーメンが忘れられず、3店ほど面接を受けたものの、事情があって通らなかったそうです。そこで自分の好きな店をきちんと決めようと大阪・高槻にある「色彩ラーメン きんせい」と「JUNK STORY」に絞り、鶏白湯が好きだったことから「JUNK STORY」でアルバイト開始。

まだ「JUNK STORY」がオープンして半年くらいの頃だったそうで、それから1年後‥大阪・本町に「ふく流らーめん轍(わだち)」を開業することになる福山修司氏、そして尼崎誠氏のことを師匠と慕う奈良・南京終の名店「麺屋 NOROMA(めんや のろま)」店主・高岡利光氏がJUNK STORYに弟子入りし、今でも3人は交流があるらしく、尼崎誠氏は正式にJUNK STORYから独立した一番弟子といわれています。

1年の修行を経て2012年5月7日、大阪府大阪市西区・阿波座駅から徒歩5分ほどの立地に「らーめん香澄」(現在の本店)をオープン。もともと中華料理店の居抜き物件で、自身の「まこと」という名前を取った屋号では他店と被ってしまうことから、ふと思いついた「香澄(香りがいい、澄んだスープ)」という名前に決定。

創業当初は大阪を代表する有名店「金久右衛門(きんぐえもん)」のような醤油専門店を思い描いていたそうですが、東京にある煮干ラーメンの有名店「すごい煮干ラーメン凪(なぎ)」で衝撃を受け、2014年4月14日にメニューを完全リニューアル。2015年11月20日に2号店となる「中崎町店」をオープンし、2017年2月14日にはセカンドブランド「とりそばモリゾー」を大阪・肥後橋にオープンしました。

開封

2014年4月のリニューアルによる全メニュー刷新以降、現在は煮干を効かせたラーメンを中心に展開し、本店のイチ押しメニューとして提供されている「特製煮干ラーメン(最強の次世代ラーメン決定戦エントリーネーム『ガツ盛り背脂醤油の煮干しラーメン』)」を「マルちゃん でかまる」で再現したのが今回のカップラーメン。

別添の小袋は「液体スープ」「粉末スープ」「かやく」の3種類で、「粉末スープ」「かやく」は先入れ、「液体スープ」は後入れです。かやくの小袋には怪しい粒とネギがはいっているのですが、この白い粒は背脂加工品(背脂顆粒)で、東洋水産が製造する「本気盛」や「でかまる」などの背脂系カップ麺で定番のアイテムですね。

もちろん具材は背脂加工品とネギだけ‥というわけではなく、あらかじめ容器の中に味付豚肉とメンマが入っているのですが、開封した瞬間から味付豚肉の甘辛い香りが立ち、思わず食欲をそそられました。麺は油揚げ麺で、なんとも「でかまる」らしい雰囲気です。ちなみに変わり種のカップ麺ではグループ会社の「酒悦」で製造されていることも多いのですが、今回は兵庫県神戸市にある本社工場(関西工場)が製造所となっていました。

概要(製品情報・購入価格等)

製品名:マルちゃん でかまる 背脂煮干醤油
販売者:東洋水産
製造所:東洋水産 関西工場(神戸)
内容量:124g(めん90g)
発売日:2019年03月04日(月)
実食日:2019年03月06日(水)
JANコード:4901990362740
希望小売価格:210円(税抜)

発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他)
購入価格:225円(税込)
取得店舗:コンビニエンスストア(ローソン)

麺の種類:油揚げ麺
スタイル:大盛バケツ型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:530ml
調理時間:熱湯4分
小袋構成:3袋(粉末スープ / 液体スープ / かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(しょうゆ、植物油、豚脂、ポークエキス、食塩、魚介エキス、砂糖、たん白加水分解物、香辛料、酵母エキス)、かやく(味付豚肉、背脂加工品、メンマ、ねぎ)/加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、炭酸カルシウム、カラメル色素、酒精、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、クチナシ色素、増粘多糖類、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの)

実食開始

先入れの「かやく」には大量の背脂加工品が仕込まれ、私は何度も目にしているのですが、実際に目の当たりにすると怪しいですよねコレw ただ、ここに液体スープの動物油脂が重なると化ける(逆に動物油脂が少ないと存在感が浮く)ので、効果に期待。「粉末スープ」は開封した瞬間から煮干の香りが漂ってくるのですが、見るからにニボい色をしております。

それも前述した「凪」のように魚粉! というガツガツした(※もちろんプラスの意味で押しの強い)煮干感ではなく、ややカドを丸めたような、それでいて魚特有の青い癖を残している、ちょっと独特な香りがフワッ‥と上がってきました。東洋水産は煮干に強いメーカーなので、今回どのようにして「らーめん香澄」の煮干を再現しているのか楽しみです。

で、もう一つのテーマ「背脂」ですが、液体スープの中にはオイルも多く含まれ、ちょっと表面を休ませると湯気が立ちません。また、撮影中に表面の油脂が部分的に薄い膜を張り始めたので、動物油脂の含有量が多い=さきほどの背脂加工品に期待が寄せられます。加えてタイトルに「醤油」もあるので、バランスに注目しましょう。

それでは、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

1食(124g)当たり

カロリー:560kcal
たん白質:13.4g
脂  質:28.9g
炭水化物:61.6g
食塩相当量:6.5g
(めん・かやく:1.9g)
(スープ:4.6g)
ビタミンB1:0.39mg
ビタミンB2:0.38mg
カルシウム:236mg

※参考値(調理直後に分別して分析)
エネルギー:560kcal(めん・かやく:484kcal)(スープ:76kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

なめらかでコシのある、丸刃で切った太めの油揚げ麺。

(出典:東洋水産「ニュースリリース」pdf)

最初もちもち、後半やわらかめ

とても表面は滑らかで摩擦抵抗がなく、丸刃でカットされているため口当たりに輪郭もありません。「ガツ盛り」というゴツいテーマですが、いっさいの攻撃性を思わせない、しっとりとした口当たりのいい油揚げ麺が採用されているのですが、太めでも油揚げ麺特有の野暮ったい風味は控えめで、きっちり熱湯4分待ってから食べ始めるとモチモチとした粘り気のある弾力が楽しめます。

お店で人気の「まぜそば」には京都の老舗製麺所「麺屋棣鄂(ていがく)」の「ウイング麺(ウィング麺)」という凸凹とした特殊形状の麺が採用されているのですが、お店のラーメンメニューも「棣鄂」の麺でしょうか。実際の「ガツ盛り背脂醤油の煮干しラーメン」は福島・喜多方ラーメンのようなピロピロッとした縮れの強い平打ち麺っぽい雰囲気で、それを太くしたような形状をしていたのですが、店主曰くカップラーメンの仕上がりも店の麺に寄っているとのこと。

あまりカップ麺では弾力に持続性がなかったので、お湯を注いでから再びフタを開けて4分ほど(計8分ほど経過)すると柔らかめの食感になってくるのですが、麺の存在感が犠牲になる分どんどんスープの旨味、特に煮干の癖がダイレクトに感じられ、そのトレードオフを覚えば柔らかめの食感もネガティブではありませんでした。食べ応えのある弾力を楽しみたい方は、熱湯3分30秒ちょいであればフライングするのもアリでしょう。あまり早く開けすぎると適切に戻らず、逆に頼りない食感になってしまうので、ご注意ください。

スープ

煮干しの旨味と豚脂の風味に、黒胡椒や七味唐辛子の香辛料を利かせた、醤油味のスープ。

(出典:東洋水産「ニュースリリース」pdf)

こってり背脂と煮干の癖に注目!

たしかに煮干は明白ですが、味覚の脇にエグミや苦味を突き立ててくるようなアクの強いエッジで舌を畳み掛けてくるタイプではありません。ゆっくりと舌に言い聞かせるように、じんわりと膨よかに旨味が広がってくるのですが、調理前の香りから感じたように、ある意味ちょっと人を選びます。というのも、あえて煮干の生臭さを残しているような出汁なんです。で、それが面白い。

出汁の取り方が雑とか煮干の下拵えで手を抜いているとかじゃなく、そもそも単純に「煮干以外の魚介出汁を使っていない」ようなフレームワークなんです。もしくは使っていても鰹節ほんのちょっと隠し味程度‥いや、それさえも体感的に気が付かないレベル。鯖節に関しては確実に未使用ですし、煮干は魚粉添加型ではなく出汁(エキス)のベクトルで、ニボラー発狂クラスのド煮干レベルではないものの、とりあえず魚がダメならヤメたほうがいいタイプなのは間違いありません。

お店で実際に提供されているスープも大量の煮干のみで炊かれているらしく、実際のラーメンよりも食べやすくしてあるような雰囲気ですが、その意向を尊重しているように感じました。さらに湯気が立たないほどコッテリと浮かぶスープ表面の油膜には豚脂も多く含まれ、パンチ重視ではない煮干にコッテリ背脂でも飽きがこないように黒胡椒や七味唐辛子などの香辛料が効きすぎない程度に然りげ無くサポート。醤油が濃そうな色合いですが醤油感に攻撃性はなく、煮干を主軸に据えながらも背脂は明白で、それをブーストしているのが「背脂加工品」です。

かやく

味付豚肉、背脂加工品、メンマ、ねぎ。

(出典:東洋水産「ニュースリリース」pdf)

文句なし

マルちゃんガツ盛り企画の再現系にしては肉具材が少なめに思えるかもしれませんが、特筆して多いわけではないものの、物足りなさもありません。また、背脂加工品の面目躍如な活躍ぶりを思えば納得できるでしょう。この白くて怪しい物体は単体で食べても背脂特有の甘みやコクは得られず、熱を加えても形状を維持するプニプニ食感も人工的なんですけど、スープの豚脂を纏うことで本領を発揮します。

スープの豚脂だけでもコッテリは明白ですが、そこに大量の背脂加工品が投下されることでコッテリ感は倍増。豚脂を纏っても本物の背脂には遠からず近からずではあるものの、口当たりに抵抗のない豚脂だけでは打ち出せない臨場感があり、ことマルちゃんの「でかまる背脂系」では定番の演出となっているのですが、今回そのポテンシャルを最大限に引き出せているように感じました。

実際のラーメンにはレアチャーシューがトッピングされているのに対し、カップ麺では完全に加熱された味付豚肉が使用されているのですが、そのリアリティは毎度おなじみ凄まじく、ちょっと豚肉特有の臭みを覚えるほど(でもネガティブではない)本物志向な肉具材。大きめのメンマもコリコリとした食感に加えて自然な風味がコッテリスープの箸休めに効果的で、大口径の大盛バケツ型でも頼りなくなかったです。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5)

たくさんの煮干を使って丁寧に出汁を取り、それでいて他の魚介出汁を目立って加えないことから煮干特有の癖を表に立て、魚粉のパンチに頼ることなく明白に煮干出汁の個性を表現。加えて醤油のキレは見た目よりも控えめで、コッテリ感は見た目通り豚脂によって明白でしたが、あえて穏やかにすることで煮干の出汁を主軸に据えている、鋭くないのに確かな個性から記憶に残る仕上がりでした。

きちんと大盛バケツ型らしく食べ応えもあり、攻撃性は控えめだけど一癖ある面白いカップ麺です。ただし、強烈な煮干に期待されている方は事前にイメージの調整を、煮干が苦手な方はご注意ください。

今回の企画、「第10回 最強の次世代ラーメン決定戦!」の次世代部門優勝「創作らーめん style林」、準優勝「麺処 若武者」、ガツ盛り部門優勝「らーめん香澄」、現時点で受賞3店舗の再現カップめん化が完了したので、次回のシリーズ新作は第10回を記念して新設された「汁なしラーメン部門」優勝「ハイパーファットン(神奈川・新羽)」の受賞メニュー、「汁なしスッパメン」の再現カップ麺ですね(今年4月に「でかまる」シリーズの汁なし大盛カップ麺スタイルで商品化予定)。

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