どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年8月10日(月)新発売のカップ麺、日清食品「チキンラーメンビッグカップ てりやき味」の実食レビューです。
甘辛いタレが食欲をそそる「てりやき味」のチキンラーメン!? 発売62周年記念商品としてシリーズ初のフレーバーを展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
チキンラーメン てりやき味
チキンラーメンとは、日清食品を代表する1958年(昭和33年)8月25日発売のロングセラーブランドで、62回目のバースデーを迎える2020年は “たまごを入れるとうまい” をテーマに2種類のカップ麺「チキンラーメンどんぶり スパイシーカレー」及び「チキンラーメンビッグカップ てりやき味」並びに2020年8月17日発売の袋麺「チキンラーメン焼そば 3食パック」を新開発。
今回の新商品「チキンラーメンビッグカップ てりやき味」は、標準どんぶり型の「チキンラーメンどんぶり スパイシーカレー」と同時にリリースされたコンビニ向けの変わり種で、チキンラーメンの発売62周年を記念して開発された数量限定のアニバーサリー商品として展開。ひとつ前のページでは「チキンラーメンどんぶり」の歴史について触れたので、このページではチキンラーメンの “裏話” を紹介します。
世界初のカップ麺は「カップヌードル」で、世界初のインスタントラーメンは「チキンラーメン」である——というのは、即席めん業界における言わずと知れた常識といっても過言ではない話。けれどもチキンラーメンが正式に発売される数ヶ月前、張國文(ちょう こくぶん)という台湾人が立ち上げた会社「東明商行」の食品部がインスタントラーメンの元祖「即席えびラーメン(東明長寿麺)」を商品化しているのはご存知でしょうか。
1935年(昭和10年)頃、戦前に歯科技工士として台湾から来日した張國文氏は、そのまま戦後も日本に残り、大阪の阿倍野(あべの)で「東明食堂」というレストランをオープン。そこで売り出し始めたのが「長寿麺」で、1956年(昭和31年)に出国した第1次南極観測隊がインスタントラーメンを南極に持ち込んでおり、それこそが東明食堂の「長寿麺」だった——というのが “元祖インスタントラーメン” たる所以。
つまり、日清食品(当時のサンシー殖産)が「チキンラーメン」を発売する2年前に厚生省の特定栄養食品の認定を受け、ひとつの食品として即席麺を形にしていた東明商行食品部。その後、戦前に “天下のイトマン” と謳われた大阪府大阪市の総合商社・伊藤萬株式会社を発売元とし、1958年(昭和33年)の春頃に東明商行食品部が「長寿麺」を一般販売していたのは知る人ぞ知る逸話。
なぜ「長寿麺」の一般販売までに2年の歳月を要したのか、それについては定かではないものの、チキンラーメンより先に東明商行がインスタントラーメンを発売していたのは紛れもない事実。しかも1958年(昭和33年)4月、大和通商の陳栄泰氏が東京・日本橋の三越百貨店などで「ヤマトの鶏糸麺(ケーシーメン)」を発売しているため、日清食品の「チキンラーメン」は事実上 “世界で3番目のインスタントラーメン” になります。
ちなみに東明商行の張國文氏が「長寿麺」の基礎となる “味付乾麺の製法” を特許出願したのは1958年12月、日清食品の創業者・安藤百福(呉百福)氏が「チキンラーメン」の基礎となる “即席ラーメンの製造法” を特許出願したのは1959年1月22日と特許出願のタイミングも東明商行のほうが早かったのですが、それらのヒットに便乗した質の低い粗悪品も市場に横行し始めた当時。
そこで日清食品(安藤百福氏)がインスタントラーメンの地位を守るため “特許を一本化する必要がある” と提唱し、1961年(昭和36年)8月16日に東明商行(張國文氏)が自社の特許を2,300万円(現在の価値に換算すると約3億円)で日清食品に売却。結果的に日清食品が泥沼化していた特許紛争に終止符を打ち、現存する最古の即席めんブランドとして「チキンラーメン」を “世界初のインスタントラーメン” に祭り上げました。
開封
ちょっと力業ではあるものの、インスタントラーメンというジャンルを日本の食文化に定着させた第一人者として、これまでに日清食品が残してきた功績は計り知れず、実際にチキンラーメンは発売62年周年を迎えるロングセラー商品として不動の地位を築き上げた2020年8月現在。そんなチキンラーメンの最新作は、歴代初となる「てりやき味」ということで、これまでになかった新しい展開です。
かやくは「カップヌードル チリトマトヌードル」に入っている “白い謎肉” のような味付鶏ミンチを筆頭に、かきたま、ネギとなっているため、抱き合わせの「チキンラーメンどんぶり スパイシーカレー」と同じような(というか完全に同じ)ラインナップ。ある意味これはこれで統一感のある構成ですが、スパイシーカレーとはスープのフレーバーが大幅に違うので、ちょっと一捻りほしかったところ。
2020年8月14日現在、メーカー希望小売価格は税別220円となっているため、コンビニで購入した場合の税込価格は232円が相場。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)すべての企業で取り扱いを確認しているのですが、ちょうどファミリーマートでオリジナルエコバッグが貰えるキャンペーンを実施していたので、それを目的に狙ってみるのもいいかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:チキンラーメンビッグカップ てりやき味 製造者:日清食品株式会社 関西工場 製造所:滋賀県栗東市下鈎21-1(S) 内容量:94g(めん80g) 商品コード:4902105264003(JAN) |
発売日:2020年08月10日(月) 実食日:2020年08月14日(金) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:MEGAドン・キホーテ 商品購入価格:192円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製てりやき風オイル) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、香辛料、糖類、たん白加水分解物、卵粉、デキストリン、香味調味料、オニオンパウダー)、スープ(糖類、鶏脂、チキン調味料、粉末しょうゆ、豚脂、酵母エキス)、かやく(味付鶏ミンチ、卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、カラメル色素、かんすい、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、くん液、カロチノイド色素、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
同時発売品のレビューでも触れましたが、チキンラーメンの麺はオリジナルの袋麺をはじめ、通年商品の標準どんぶり型、数量限定の標準どんぶり型及び縦型ビッグ、汁なしチキンラーメン(湯切りタイプ)など、同じ「チキンラーメン」でも製品スタイルによって麺の太さや原材料名が異なります。とはいえ湯切りタイプ専用の麺だけ明らかに違うのに対し、他は大同小異なので、体感的な印象は大差ありません。
別添の特製てりやき風オイルは後入れなので、フタを半分まで剥がしたら、熱湯を注いで3分待機。今回は事前に粉末スープが仕込んであるため、けっこう香りの雰囲気も変わってくるかと思っていたのですが、フタをあけて直後に劇的な変化は感じません。しかし、別添の小袋を投入すると個性はブースト。甘辛いタレを彷彿とさせる香りだけでなく、鉄板で肉を焼いたような芳ばしさが印象的でした。
なお同時発売品の “スパイシーカレー” と同じように、調理後の商品に卵を一つ割り入れる “追いたま” アレンジを提唱しているのですが、とりあえずアレンジ前の「めん」「スープ・特製てりやきオイル」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。同時発売品の感想と評価が気になる方は、関連ページ「チキンラーメンどんぶり スパイシーカレー」のレビューをご覧ください。
栄養成分表示:1食(94g)あたり |
カロリー:441kcal たん白質:10.3g 脂 質:19.7g 炭水化物:55.7g 食塩相当量:5.9g (めん・かやく:2.5g) (スープ:3.4g) ビタミンB1:0.32mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:137mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:441kcal(めん・かやく:373kcal)(スープ:68kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
同時発売品のスパイシーカレーと微妙に区別
先ほど「チキンラーメン」の麺は製品スタイルによって原材料が異なると書いたように、たとえば同時発売品の「チキンラーメンどんぶり スパイシーカレー」に使われている麺には “卵粉” が練り込まれていないのですが、オリジナルの「袋麺」や通年商品の「チキンラーメンどんぶり」をはじめ、今回の「チキンラーメンビッグカップ てりやき味」に使われている麺にも “卵粉” が練り込まれています。
さらにオリジナルの袋麺では “糖類よりも香辛料の使用量が多い” のに対し、チキンラーメンどんぶり(ノーマル)の麺は “香辛料よりも糖類の使用量が多い” など、それぞれ微妙に配合を変えているチキンラーメン。ちょっと今回の麺は味付けを濃いめに感じたのですが、ずっと調理前から粉末スープを纏っている状態だったので、その兼ね合いかもしれません。
とはいえ体感的には “いつものチキンラーメン” なので、あまり小難しいことを考えなくても大丈夫(元も子もないこと書いてますねスミマセンw)。たとえば今回のスープは「てりやき味」にアレンジされていますが、根本にある味付け用の調味料は醤油なので、ローストしょうゆ味の元祖鶏ガラスープで味付けされた麺とスープの相性は問題ありませんでした。
スープ
別添の小袋が効果的
事前に粉末しょうゆ入りのスープが仕込んであるためスープの色も濃いめに見えるのですが、塩気がダイレクトに伝わってくる食塩を含んでいないので、思いのほか見た目ほど塩分濃度が高くなることはありません。塩気よりも糖類の甘さと濃口醤油の風味を強め、全体のコクを深めているような、オリジナルの雰囲気を尊重したアレンジで土台を整えています。
というわけで別添の小袋「特製てりやき風オイル」を入れる前は、そこまで大幅な変化が生じていなかったのに対し、特製てりやき風オイルを入れた後は一変。原材料に牛系の素材は使用していないのにもかかわらず、まるで牛脂を焦がした風味に近い芳ばしさが漂い、普段の元祖鶏がらスープとは違うロースト感で甘旨い “てりやき味” を表現。
果たしてパッケージに描かれているような “てりやきバーガーっぽい味” なのかと聞かれたら、可もなく不可もなしのところはあるものの、明らかに普段の「チキンラーメン」ではありません。ちょっと独特の甘さと芳ばしさが人を選びそうですが、変わり種としての個性を演出するうえで充分な存在感の持ち主です。
具材
とりあえず及第点
やはり味付鶏ミンチ、たまご、ネギは同時発売品の「チキンラーメンどんぶり スパイシーカレー」と同じ具材だったので、感想は重複してしまうのですが、比較的に全体量が少なく見える「てりやき味」のトッピング。味付鶏ミンチ(白い謎肉)の数も「スパイシーカレー」は7個だったのに対し、こちらは5個と少なかったので、ちょっと寂しく感じました(※ただし数は個体差で変動します)
しかし、もともと “白い謎肉” は「カップヌードル チリトマトヌードル」用に開発された具材。気分の問題もありますけど、標準どんぶり型よりも縦型ビッグカップのほうが様になるというか、うん。いや、気分の問題ですねw とりあえず上出来とはいえないボリュームではあるものの、コンビニ向けの縦型ビッグとして雰囲気は悪くありませんでした。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
昨年の発売61周年記念商品「チキンラーメンどんぶり チキぎゅー 鶏ガラペッパービーフ味」及び「チキンラーメン チキとん 鶏ガラペッパー豚骨味」と比較して、さほど驚きのあるアレンジではなかったのですが、同時発売品の「チキンラーメンどんぶり スパイシーカレー」を含めロングセラーブランドらしい安定の美味しさと新商品に求められる個性を両立していた62回目のバースデー記念商品。
日清食品が提唱する “追いたま” アレンジを試してみたところ、てりたまバーガー的な雰囲気にはなりませんでしたが、たまごとチキンラーメンのマッチングは疑いの余地なく好相性。序盤で入れても問題ないかと思いますが、とりあえず半分くらいオイルのインパクトを楽しんで、それから途中で卵黄のみ加える or お湯を少なめに調理するのがいいかもしれません。