どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年7月18日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清 東京RAMENS AFURI 夏限定 柚子塩和えそば」の実食レビューです。
芳(かぐわ)しい柚子の香りと豊かな鶏油(ちーゆ)のコクで仕上げた、爽やかな夏の味——。おしゃれ淡麗系のパイオニア「AFURI」監修シリーズ初の汁なしメニューついに登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
AFURI 夏限定 柚子塩和えそば
AFURI(あふり)とは、現在を遡ること20年以上、神奈川県厚木市の山間で産声を上げた、2001年(平成13年)9月3日創業の「ZUND-BAR(ズンド・バー)」を総本山とする “おしゃれ淡麗系らーめん店” の先駆けで、2003年(平成15年)6月16日に東京1号店「AFURI 恵比寿」をオープン。現在は国内外に多数の店舗を展開し、日本国内はもちろん海外のユーザーからも高い評価を得ています。
AFURI代表の中村比呂人(ひろと)氏は、独特の湯切りスタイル “天空落とし” で注目を浴びた「麺処 中村屋」代表・中村栄利(しげとし)氏の実兄で、この業界にポップかつモダンな風を吹き込んだ人物。AFURIという名前は、丹沢山地の東端に位置する大山(別称:雨降山 – 阿夫利山)に由来し、その麓から湧き出る天然水で仕込むスープは国境の垣根を越え、多く方に感動を与えました。
今回の新商品「日清 東京RAMENS AFURI 夏限定 柚子塩(ゆずしお)和(あ)えそば」は、洗練された独自の世界観を持つ、新感覚ラーメン店の先駆者「AFURI」監修のもと、店舗で一番人気の「柚子塩らーめん」を “汁なし” にアレンジした一杯で、即席カップめん業界最大手の日清食品と共同開発。
2015年(平成27年)3月9日に始動した「日清 THE NOODLE」シリーズ第1弾「TOKYO AFURI 限定鶏塩らーめん」を皮切りに、以降は「日清 東京NOODLES」及び「日清 東京RAMENS」とシリーズの変遷を遂げながら、毎年恒例となっている “NISSIN×AFURI” のコラボレーション最新作で、何気に湯切りタイプの汁なしカップ麺は「AFURI」ブランド史上初の試み。
「AFURI」監修による即席カップめん第1弾「限定鶏塩らーめん」は、大盛りサイズの縦型ビッグ容器を採用したカップラーメンで、この製品スタイルが抱く女性に敬遠されがちな風潮を切り裂くように、スタイリッシュな雰囲気から “女子モテするオシャレ系カップめん” として話題沸騰。流行や新商品の情報に敏感な人に向けた容器のデザインも然る事乍ら、その内容も素晴らしかったと記憶しています。
以降は「柚子塩らーめん」「柚子辣湯麺(らーたんめん)」「柚子醤油らーめん」など、縦型ビッグのカップラーメンを中心に展開しつつ、NISSIN×AFURIがコラボ5周年を迎えた2020年から即席カップライス「ゆず塩阿夫利メシ オシャンティ」を導入し、この年からAFURIの激辛コンセプト店「AFURI 辛紅(kara kurenai / からくれない)」も満を持して堂々参戦。
現在は鶏油の量で差別化を図った「春限定 柚子塩らーめん 淡麗」と「冬限定 柚子塩らーめん まろ味」を季節の定番商品に位置付け、2022年は初の冷凍炒飯「日清 麺屋の炒飯 AFURI監修 柚子塩炒飯」に、要冷蔵のチルド麺「AFURI 冷やし柚子塩らーめん 2人前」(東北・関東・中部エリア限定)なども展開しているのですが、前述のように「AFURI」監修の汁なしカップ麺は前例がありません。
パッケージには「全粒粉入り麺 / 炙りチャーシュー」の訴求があり、なおかつ「AFURI」を象徴する柚子の香りと鶏油のコク、柚子・鰹・鯖を使用した「特製ふりかけ」の組み合わせから、たしかに「柚子塩らーめん」の流れを汲んでいる様子。ちなみに「AFURI」と「AFURI辛紅」の公式Twitterを運営している “中の人が絶賛していた” ので、やや評価のハードルは高めに設定しております。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れ「液体ソース」と「特製ふりかけ」の計2種で、かやくは最初から容器の中に入っている状態。フタの上にはAFURI公式通販(新規の登録で500円分のポイントプレセント)とLINE公式アカウントのQRコードを印刷しているため、まだノーチェックの方は読み込み推奨。
麺は油で揚げたフライ麺ですが、よく見ると全粒粉(小麦の表皮)に由来する粒が視認できる個性派で、炙りチャーシューはリニューアル前の「カップヌードル」(2019年10月21日発売品以前)に入っていたコロ・チャーを炙った代物。全粒粉入り麺と炙りチャーシューは、何を隠そう「AFURI」のカップラーメンが打ち立てた金字塔で、クオリティの高さは折り紙付き。
メーカー希望小売価格は276円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は298円が2022年7月現在の相場になるのですが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外も取扱店の対象です。コンビニでは基本的に月曜日の深夜〜火曜日に新商品の陳列が始まりますが、売ってる・売ってないについては営業の関係で変わるので、在庫状況は最寄りの販売店に問い合わせてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清 東京RAMENS AFURI 夏限定 柚子塩和えそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:滋賀工場(滋賀県栗東市下鈎140-1) 内容量:152g(めん120g) 商品コード:4902105272688(JAN) |
発売日:2022年07月18日(月) 実食日:2022年07月19日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:246円(税込) 希望小売価格:276円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:760ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・特製ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、小麦全粒粉、香辛料)、ソース(植物油脂、チキンエキス、鶏脂、たん白加水分解物、還元水あめ、チキン調味料、糖類、食塩、香味油、魚介調味油、魚粉、ゆず果汁、酵母エキス、魚介エキス、にぼし調味料)、かやく(味付豚肉、チンゲン菜)、ふりかけ(魚粉(さば、いわし、そうだかつお、むろあじ)、ゆず皮)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、酒精、かんすい、酸味料、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、カロチノイド色素、カラメル色素、ビタミンB2、チャ抽出物、ビタミンB1、くん液、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
調理方法(作り方)は、いわゆるカップ焼きそばと共通で、別添の液体ソース・特製ふりかけを取り出した後、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で “液体ソースの小袋を温めながら” 待つこと3分——。ちなみに調理方法の横、容器底面に位置する外装フィルムには、たこやき・かき氷・チョコバナナの屋台に並び、しれっと「らーめん阿夫利」も出店しています。提供メニューは「和えそば」かな?
そんなこんなで時間になったら湯切り口を作り、ゆっくりと(やけどに注意しつつ)お湯を捨て、フタの上で温めておいた「液体ソース」を馴染ませた後、仕上げに「特製ふりかけ」をトッピングしたら出来上がり。芳しい柚子の香りも然る事乍ら、鶏油の香りと魚粉のパンチが相俟って、汁なしになっても「AFURI」ワールドはフルスロットル。
カロリーは724kcal、脂質は36.2gと「AFURI」監修シリーズの中では地味に高いので、ダイエット中の方には尻込みされそうな数値ではあるものの、汁なしカップ麺の平均から見た場合、特別にハイカロリーなわけではありません。はたして基本的にハズレがない「AFURI」の例に漏れずなのか、引き続き「めん」「ソース」「かやく・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(152g)あたり |
カロリー:724kcal たん白質:14.5g 脂 質:36.2g 炭水化物:85.0g 食塩相当量:6.4g ビタミンB1:0.49mg ビタミンB2:0.71mg カルシウム:230mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
カップラーメンとは異なるタイプだけど高品質
カップラーメンの「柚子塩らーめん」に使っている “全粒粉入り麺” は基本的に角刃なのに対し、今回の「柚子塩和えそば」では丸刃で切り出され、汁なし用にチューンニングした形跡が見られるのですが、きわめて縮れの弱いストレート状であることは共通するポイント。また加水率は低めの設定で、歯切れのいい食感も共通点になりますが、そのベクトルは同じではありません。
たとえるなら九州の豚骨ラーメンに通じるような、中心部に適度な芯を残しながらプツッ、と切れる感じのタイプ。全粒粉に由来する繊細な芳ばしさも然る事乍ら、麺の断面を見ると2つの層に分かれており、中心部から表面にかけての層は適度な粘りを備え、しなやかでアシのある質感を両立しているところも印象的。こんにゃろ‥‥汁なしになってもハイクオリティかw
ちなみに湯切りタイプの汁なしカップ麺における麺重量は90gだとレギュラーサイズ、130gだと大盛りサイズ、というのが現在の業界水準となっているのですが、今回の「柚子塩和えそば」は大盛りの基準よりも若干ながら少ない120gとなっています。ただ、歯切れのいい細めの低加水麺であることが功を奏し、スルスルと食べやすく、それでいて物足りなさを覚えない絶妙なボリューム感でした。
ソース・ふりかけ
参った‥‥
まずは「特製ふりかけ」を入れずに食べてみたところ、いやいや「液体ソース」単体でも充分に成立する味付けで、鶏油に由来する芳ばしい風味をフロントに立てながら、その奥に動物油脂ならではのコクも明確に効かせつつ、それをキュッと引き締める柚子果汁の酸味が絶妙に掛け合い、こってりとさせながらも清涼感のあるテイスト。
AFURIのカップ麺といえば別添の小袋に含まれるオイルの魚肉ソーセージっぽい風味(これ共感してもらえますかね?w)については控えめですが、鶏を中心とする動物系の旨味は丁寧で、特製ふりかけを入れる前の魚介は全体を包み込む節系を中心に、まろやかな塩ダレが複数の個性を引率する、優しくも味わい深い作り込み。
そんな「液体ソース」にパンチを与えてくれるのが「特製ふりかけ」で、複数の魚粉(さば、いわし、そうだかつお、むろあじ)に柚子皮を加えたフレームワーク。節系の芳ばしさを大幅に加速させながら、それとは異なるイワシのシャープな旨味が一本通り、液体ソースの柚子果汁とは異なる皮の淡い苦みが味わい深さに拍車を掛ける‥‥
ちょっと卑怯なんじゃないですかねコレw(※卑怯ではない)——と、冗談は扨措き「柚子塩らーめん」の魅力を踏襲しつつ、冬限定の「まろ味」よりも濃厚で、なおかつクドさは感じさせないバランスが見事。ひと嗅ぎで “AFURIの香り” と認識させるところも素晴らしく、久々に唸りました。
かやく
新鮮味はないけど最善の取り合わせ
炙りチャーシュー(炙りコロチャーシュー)は「AFURI」監修シリーズに欠かせない定番のトッピングなので、裏を返せば何度も使い回している具材。つまりは経験者からすると新鮮味は皆無に等しく、チンゲン菜も使い回しの野菜で、お世辞にも具沢山とはいえません。しかし、この量だからこそ麺の繊細さやソースの味付け、ふりかけの複雑なインパクトが際立っていたのも事実。
それに新鮮味は皆無といっても炙りチャーシューのクオリティは高く、表面を炙ることで本物の炙りチャーシューに近い臨場感が生まれ、シャキシャキとした食感で甘みの強いチンゲン菜もバイプレイヤー。まさに極限まで厳選したが故のラインナップというか、ごちゃごちゃさせないシンプルさが総合力を高めることに寄与している、ベストな組み合わせだと感じました。
総評
結論からいうとカップラーメンの「柚子塩らーめん」に匹敵する‥‥いや、それを超えてしまったといっても過言ではない、むしろ「柚子塩和えそば」こそが “AFURIの真骨頂” とさえ思える仕上がりで、総評は「★6」とするのが妥当か、それとも「★7」に思い切るか、最後の最後まで悩んだ結果が上記。いやー、素晴らしかったです。
もちろん勝手にアレンジしなくても完成した一杯なのですが、一味唐辛子を大量に入れて辛紅仕様に魔改造しても‥‥というか、この流れで「AFURI辛紅」バージョンも商品化してもらえないですかねw とにもかくにも「AFURI」監修シリーズ初の汁なしメニューは “歴代最強クラスの美味しさ” だったので、お店で見かけたときは積極的に試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】