どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月5日(火)新発売のカップ麺、日清食品「セブンプレミアム 五行(PRODUCED BY 一風堂)焦がし味噌」の実食レビューです。
呑んで、つまんで、麺で〆る——とんこつラーメンの大御所「一風堂」店主・河原成美氏がプロデュースしたラーメンダイニング「西麻布 五行(にしあざぶ ごぎょう)」の看板メニューをカップラーメンで再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
五行 焦がし味噌
「西麻布 五行(GOGYO)」とは、1985年10月16日創業のラーメン専門店「一風堂(いっぷうどう)」の国内直営飲食店で、2000年11月に福岡市中央区大名で開業した「中華麺酒家 五行」が前身。呑んで、つまんで、麺で〆る(しめる)というコンセプトのもと、その当時まだ珍しかった「ラーメンダイニング」というジャンルを福岡で確立させました。
運営母体は一風堂の店主・河原成美(かわはら しげみ)社長率いる「株式会社力の源カンパニー」で、東京都港区・乃木坂にある「西麻布五行」がオープンしたのは2003年6月12日。今回のカップ麺は、一風堂の店主とセブン&アイグループ及び日清食品の共同開発商品で、「五行」最大の特徴とされる “焦がし” を再現した新商品です。
2019年11月現在の店舗は、東京・乃木坂「西麻布五行」、京都・烏丸「京都五行」、名古屋・栄「博多五行 名古屋ラシック店」の3都市で展開。お店の「五行」という名前の由来は、古代中国に端を発する自然哲学「五行思想(五行説)」に因み、 “万物は5種類の元素「木・火・土・金・水」から成る” という思想に基づいたもの。
「木」の温もりが感じられるテーブルやカウンター、スープを焦がす時の豪快な「火」、店内すべて壁は博多塀が印象的な「土」壁を採用。厨房には磨き上げられた「金」属の調理器具が並び、一品料理やラーメン、お茶も含むすべての「水」はミネラルウォーターを使用し、それら5つの要素をバランスよく配置することで「五行」を体現しています。
お店の「焦がしラーメン」は、とにかく真っ黒に染まったインパクト抜群の見た目が特徴的なポイントになっていて、300度以上に熱したラードで醤油や味噌を焦がしているのが初見のユーザーに衝撃を走らせる黒さの理由。焦がしメニューには「焦がし醤油麺」もあるのですが、お店の方曰く “8割の方が「焦がし味噌麺」を選びます” とのこと。
今回のカップラーメンはセブンプレミアムなので、もちろんセブン&アイグループ系列の店でしか買えないのですが、コンビニのセブンイレブン限定商品ではありません。IYグループと呼ばれるセブン&アイ系列のスーパーマーケット店舗「イトーヨーカドー」「ヨークベニマル」「ヨークマート」を含む全国展開で販売。
さらにイトーヨーカドーのネット通販サイト「オムニ7」でも取り扱いがあるので、最寄りに販売店がなくても1個単位で取り寄せることが可能となっています。セブンイレブン標準価格は208円(税込224円)、ネット通販サイトを利用すると送料・手数料が別途必要になりますが、コンビニと同じ税込224円で販売されていました。
パッケージのイメージ写真でも高い火柱をあげているように、実際の店舗でも豪快にあがる火柱をカウンター席から見られるパフォーマンスも人気の秘訣。さすがに現代の技術だと、カップラーメンを開封して火柱が立つことは十中八九あり得ませんが、焦がしの芳ばしさと見た目の黒さに注目です。
開封
別添の小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製焦がし香油」が1袋。セブン-イレブン・ジャパンの公式ウェブサイト内に掲載されていた商品情報によると、お店の特長である焦がした風味を別添オイルで再現したと書いてあったので、これが今回の決め手となる存在なのですが、そんなに量は多くありません。
製品スタイルは大盛り仕様のタテ型ビッグ、原材料名を見るとカラメルパウダーやカラメル色素、さらに “植物炭末色素(Vegetable carbon black)” を使用しているため、純粋な焦がしだけの黒ではないようですが、炎で焦げた壁を彷彿とさせるシックなパッケージが雰囲気を盛り上げてくれていますね。
植物炭末色素とは、国産竹を高温加熱・炭化させることで得られる色素のことで、熱や光に対し、とても安定しているのが特徴。フタを開けると甘い味噌に程よいガーリックの香りが重なって、ノンフライ麺から小麦の香りが漂います。そう、今回のカップラーメンはノンフライ麺なので、縦型でも油揚げ麺ではありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 一風堂五行 焦がし味噌 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(F)静岡県焼津市相川17-2 内容量:104g(めん70g) 商品コード:4902105252765(JAN) 商品サイズ:縦109mm×横109mm×高さ119mm(個装) 発売日:2019年11月05日(火) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製焦がし香油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(豚脂、糖類、食塩、粉末みそ、でん粉、小麦粉、香辛料、ポーク調味料、植物油脂、カラメルパウダー、ガーリック調味油、酵母エキス)、かやく(キャベツ、味付鶏ミンチ、赤ピーマン、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、かんすい、カラメル色素、増粘多糖類、炭酸Ca、クチナシ色素、酸味料、植物炭末色素、フラボノイド色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、パプリカ色素、炭酸Mg、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
かなり麺が粉々に砕けてしまっているのが気になるところではあるものの、それはさておき黄色味の強いノンフライ麺で、待ち時間は熱湯5分。そういえばセブン&アイ×一風堂×日清食品のカップラーメンで、前回の縦型ビッグにおける新作「一風堂 幻の名店 麺翁百福亭」もノンフライ麺を使用していました。
「麺翁 百福亭(めんおう ももふくてい)」とは、2003年(平成15年)11月19日、大阪府池田市に開業した幻のラーメン店で、2008年11月に閉店(現「博多一風堂 池田店」にリニューアル)しているのですが、今回その再現カップラーメン以来の新製品ですね(※詳しくは「セブンプレミアム 一風堂 幻の名店 麺翁百福亭」の記事をご参考ください)。
さて、お湯を注いでからフタをして5分、別添の小袋は後入れなので、待っている間にフタの上で温めておきましょう(※粉末スープに “強めのトロミ成分” が入っているため、溶け残りに注意してください)。それでは、焦がしの風味や土台の味噌に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(104g)当たり
カロリー:404kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:404kcal(めん・かやく:311kcal)(スープ:93kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
前述した「麺翁 百福亭」のノンフライ麺は縮れ麺でしたが、今回は比較的にストレート状のノンフライ麺で、原材料は同じでも植物油脂とチキンエキスの配合量が変わっています。ややアシ(伸び)のベクトルがゴムっぽいのと若干の戻りムラが気になったりもしたのですが、「百福亭」の時よりも耐久性アップ。
鋭利な角刃でカットされている角断面の平打ちで、味噌ラーメンにしては珍しい中細麺ですが、五行(実店舗)の麺も味噌ラーメンにしては細めの中細麺を採用しています。そして強靭なコシの強さもさることながら、芳醇な小麦の風味も魅力的なポイントで、スープの甘みと麺の甘みが互いを引き立て合っているような相性の良さ。
とろみ成分のおかげで麺とスープの一体感も悪くなかったですし、何度も噛んでいたくなるような小麦の甘さが心地よかったです。ちなみに調理前の麺は容器の下に固定されていて、熱湯を注いでから5分経っても浮いてきません。おそらく戻りムラを軽減させる作戦で、日清タテ型ノンフライ麺の特徴でもあります。
スープ
とろみの強いスープは甘さも強く、しかしながら非常識な甘味度を誇る人工甘味料は使用していないので、舌に纏わり付くように嫌味ったらしく残りません。そして、かなり味(塩気)が強そうな見た目なんですけど、味噌の鋭利な主張は皆無に等しく、食塩相当量(4.5g)のわりに穏やかでマイルドな口当たり。
もちろん塩気のアクセントも存在するものの、キレについては塩に任せるのではなく “生姜(しょうが)で後味を引き締めている” ので、この清涼感が後味を凛と整えてくれます。にんにくも強すぎず弱すぎない効かせ方、まろやかな豚骨の旨みも丁寧で、まさにコクと奥行きのある旨みで食わせるテイスト。
別添の特製焦がし香油はイカスミよろしく真っ黒で、かなりインパクトのある見た目ですが、いわゆる黒マー油(焦がしニンニクあぶら)のような風味ではありません。中にガーリックオイルも添加されているのですが、香味油をブレンドした豚脂を炭末色素で着色しているようなオイルとなっていて、焦がしの苦味は控えめです。
その味覚に訴えかけてくる苦味の弱さに最初は物足りなさを感じたのですが、嗅覚に訴えかけてくる芳ばしさは印象的。お店のラードみたいに湯気が立たないほどの量ではないけれど、口元こってりしてくるな‥‥くらいの存在感はありますし、動物系のコクが飛躍的にブーストするため、最初は油断させておきながら尻上がりに魅力が増していくスープでした。
具材
具材はキャベツ、味付鶏ミンチ、赤ピーマン、ネギの4種類、そのうち赤ピーマンとネギに関しては正直まったく存在感ありません、スープが穏やかだったので、赤はパプリカよりも唐辛子がよかったんじゃないだろうか——などと思いつつ、そんなことも気にならなくなるくらいキャベツと肉そぼろ系の具材が多いです。
茶色くて濃いめの色した味付ミンチは、一見すると豚ミンチのようで実は鶏ミンチ。かなり久々に見た気がするんですけど、たぶんセブンプレミアムから発売されていた「蒙古タンメン中本 北極ブラック 黒い激辛味噌」(2019年2月23日発売)と同じ具材で、きちんと肉の旨味が楽しめる上に量が多くて好印象。
キャベツはなんの変哲も無いキャベツなので、とりあえず放り込まれているように思えるかもしれませんが、実店舗の「焦がし味噌麺」にも入っている定番具材の一つ。しかもキャベツだけ集めると、二重・三重に敷いてもスープの表面を覆い隠せるくらいの量ですし、野菜の甘さ、スープの甘さ、麺の甘さがフィットしていました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
実店舗は焦がしを強く推しているのに対し、カップ麺ではオイルの量が少ない上に苦味が弱く、最初は今回ちょっと惜しいかなぁ——だったんですけど、食べ進めていくうちにスープの甘い余韻と焦がしの芳ばしい香りに中毒性が見え始め、後半どんどん美味しかったです。なんというか、ありそうでなかった味ですね。
白味噌仕立ての甘い味噌ラーメンは珍しくないけれど、そうじゃない。真っ黒いスープなのにマー油でもなければ苦くも無いのに香りは芳ばしく、既存の有名ご当地ラーメンにも当てはまらない独創的な味わいに「五行」監修の価値が見出せました。本能的に穏やかな味噌ラーメンが嫌いな方にはオススメできませんが、そうでなければ試しておいて損のない一杯だと思います。