どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月6日(火)新発売のカップ麺、東洋水産「麺処若武者 特濃旨辛鶏台湾」ローソン限定商品の実食レビューです。
福島・二本松の名店「麺処若武者監修 特濃旨辛鶏台湾」がリニューアルして再登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
若武者 特濃旨辛鶏台湾 2019
公式から事前の告知はありませんでしたが、福島県二本松市本町にある「麺処 若武者(めんどころ わかむしゃ)」のカップラーメン、「特濃旨辛鶏台湾(とくのう うまから とりたいわん)」が再販されました。製造はマルちゃんこと東洋水産株式会社、2018年7月24日発売のローソン限定商品「特濃旨辛鶏台湾」のリニューアルバージョンです。
「麺処若武者」とは、地元・福島を愛してやまない山本一平店主が開業したラーメン店で、創業は2009年12月9日。「ラーメンWalker 福島」にて総合部門1位を2年連続獲得して初の殿堂入りを果たし、福島の復興を常に考えながら日本全国のラーメンイベントにも精力的に参加しつつ、アメリカを中心に海外でも数々の賞を獲得する実力者。
山本一平氏は、千葉県柏市にある本格中国料理店「老中国菜 知味斎(ちみさい)」出身という経歴を持ち、そこで6年間の修行を経てから独立。もともとは二本松で “ラーメンも提供する中華料理店” を営んでいたそうですが、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)をきっかけに、業態をラーメン専門店へと完全に変更します。
「麺処若武者」のカップラーメンが初めて発売されたのは2016年1月25日、「Yahoo! JAPANラーメン特集2015-2016」×「TRYラーメン大賞」の特別企画「第7回 最強の次世代ラーメン決定戦!」次世代部門・準優勝に輝いた時の記念商品「本気盛(まじもり)合わせ味噌ど豚骨」で、当時は鶏白湯でも台湾ラーメンでもない味噌とんこつベースのラーメンでした。
翌年、「第8回 最強の次世代ラーメン決定戦!」にて連続準優勝を勝ち取ったのが今回の元ネタとなる「次世代特濃旨辛鶏台湾ラーメン」で、2017年1月30日に麺処若武者のカップめん第2弾「本気盛 特濃旨辛鶏台湾」を発売。けっこう個人的には好きだったんですけど、あまり台湾ラーメンらしさがなかったので、一部では厳しい声が見られたのを覚えています。
そして2019年7月23日、監修カップ麺第3弾として「特濃旨辛鶏台湾」を再販しているのですが、今度は本気盛からではなく “ローソン限定商品” として登場。さらに2019年2月5日、「第10回 最強の次世代ラーメン決定戦!」の準優勝記念商品「本気盛 花椒香る煮干醤油」を発売しているので、東洋水産×若武者のカップラーメンは通算5回目になりました。
「特濃旨辛鶏台湾」の再現カップ麺としては3回目になるので、何が変わったのか「麺処若武者」の山本店主に直接リニューアルポイントを尋ねてみたところ、東洋水産の新工場で新しい切り刃に変えて作った滑らかな麺に変更し、鶏白湯もチューニングして辛味に合うスープに改良したとのこと。
再び「ローソン名店シリーズ」として発売された今回、2018年発売品は再現カップ麺にあるまじきスナック的でチープな油揚げ麺が採用されていたのですが、そのスナック的な麺がスープと相性抜群で、このブログでは高評価を叩き出しました。こと最近の東洋水産は油揚げ麺の品質が軒並み向上しているため、麺とスープのブラッシュアップに期待しながらの実食です。
開封
別添の小袋は後入れの「特製油」が1袋、これについては前回と同じ構成ですが、前回は白い小袋に青い文字のデザインだったのに対し、今回は反射する銀色の小袋を採用しています。パッケージのテーマカラーは赤、おおむね大幅に雰囲気が変わっているわけではないのですが、「鶏台湾」が黒字に変わっていたり、全体的にメリハリのある印象になりました。
2019年8月7日(水)現在、「特濃旨辛鶏台湾ラーメン」は実店舗でも提供されているメニューで、カップ麺の側面には “辛味が特長の、鶏白湯スープの名古屋台湾ラーメン!” と記載されています。前回ぜんぜん辛くなかったんですけど、コンセプトは名古屋めしの「台湾ラーメン」を「鶏白湯」でアレンジしたようなイメージですね(ちなみに「鶏台湾」の名付け親は、常連客の浅野さんだそうです)。
具材は味付鶏挽肉、ニラとシンプルで、前回から大幅な変化は見られません。今年も味付鶏挽肉の量が多く、ニラも風味の強い軸の部分が入っていて、具材の構成は完全に「台湾ラーメン」を意識しています。ローソン標準価格は税込218円と前回から2円値上げされているのですが、いま同じ製品スタイルのカップラーメンをコンビニで購入すると税込232円が相場なので、むしろ安いですね。
製品詳細情報・購入価格等
山本店主からは新工場と聞きましたが、製造所は前回と同じく東洋水産のグループ企業「株式会社 酒悦(しゅえつ)」の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっています。近年、この工場で製造された縦型ビッグの油揚げ麺が大幅にクオリティアップしているので、 “新しい切刃” というのがポイントなのかもしれません。
製品名:麺処若武者 特濃旨辛鶏台湾 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:111g(めん80g) 商品コード:4901990364027(JANコード) 商品サイズ:縦102mm×横102mm×高さ109mm 発売日:2019年08月06日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ・大盛サイズ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(香味油脂、チキンエキス、砂糖、食塩、豚脂、植物油、香辛料、ゼラチン、たん白加水分解物)、かやく(味付鶏挽肉、にら)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、カラメル色素、加工でん粉、炭酸カルシウム、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、パプリカ色素、pH調整剤、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
麺は前回よりも細めに見える油揚げ麺が採用されていますが、待ち時間の熱湯2分は変わりません。で、ちょっと注意していただきたいのが熱湯を注いだ後の数分間です。というのも、今年の4月から東洋水産の縦型ビッグ容器には蛇腹式の型紙が巻かれるようになったのですが、熱湯を注いだ後めちゃくちゃ熱いのなんのってw
容器自体は頑丈になったような気もしますけど、ただでさえ熱伝導率のよかった容器が異様なまでに(それも瞬間的に)熱くなります。たとえばコンビニの店内で熱湯を入れてから駐車場の車まで運ぶと仮定した場合「軍手」(二重)が欲しいレベルなので、くれぐれも火傷にご注意ください。
さて、明らかに前回よりも挽肉の量が増えていてニラは減っているように見えるのですが、とりあえず調理後のビジュアルは100%台湾ラーメンと言っても過言ではありません。それでは、前回との違いや念のため辛さレベルにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(111g)当たり
カロリー:529kcal(熱量 / エネルギー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:529kcal(めん・かやく:414kcal)(スープ:115kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
お店の「特濃旨辛鶏台湾ラーメン」には細めのストレート低加水麺が採用されているのですが、カップ麺はストレート麺か縮れ麺かと聞かれたら間違いないなく縮れ麺ですし、けっこう縮れも強め。高級感のある麺かスナック的な麺かと聞かれたら100%後者なんですけど、やはり今回のスープとスナック的な油揚げ麺の相性は悪くありません。
熱湯2分ジャストでフタを剥がし、撮影のタイムラグなしで食べてみると、部分的にサクッとした食感が残っています。また風味もスナック的なタイプですが、その芳ばしい油揚げ麺特有の芳ばしさとスープの表面に浮かぶ香味油脂のマッチングがよく、まったり濃厚なスープにプツンッとした歯切れの良さが心地よい組み合わせ。
比較的しなやかな質感には2018年7月発売品よりも洗練された印象を受けましたが、なんのこれしきベクトルは即席カップラーメンに他なりません。ただ、もっと東洋水産はレベルの高い本格的な油揚げ麺を持っているので、あえてインスタント感を強く出しているような印象も。それに麺量70gになりがちな有名店監修商品でも今回は大盛80gですし、カップラーメンらしさがプラスに働いていると感じました。
スープ
名古屋発祥の「台湾ラーメン」は白湯(ぱいたん)ではなく濁りのない清湯(ちんたん)で、キレたニンニクの主張と唐辛子の辛味も強いヤンチャなスープに仕上がっているのですが、お店の「鶏台湾」は3日間炊き上げた超濃厚な鶏白湯スープ、そこに鷹の爪入りの香味油を合わせた “鶏白湯で作る台湾ラーメン” がコンセプト。
ただ、カップラーメンのスープは唐辛子の辛さもニンニクのパンチも弱いので(※辛さレベルはピリ辛以下で辛くない)、なにラーメンかと聞かれたら台湾ラーメンのスープからは程遠く、とろみも旨味も人工的、まったくと言っていいほど本格感はありません。ただ、それがマイナスに働かないのがカップ特濃旨辛鶏台湾の魅力なんですよね。
ぽってりとした口当たりの鶏白湯に胡麻油が多めの胡麻ラー油を重ねているのは前回と同じスタイルで、なおかつ原材料名も1年前と一言一句まったく同じなんですが、1年前のスープと比較して鶏油(チーユ)の主張が強くなっています。前回そんなに鶏油は目立っていなかったので、その芳ばしい風味の存在感に違いを感じました。
具材
前回は頑張って挽肉を集めても隙間ができたのに対し、今回は麺が見えないほど挽肉たっぷりで、おそらく味付鶏挽肉もニラも質自体は変わっていないと思うのですが、ニラの量が2/3くらいに減り、挽肉量が1.5倍くらい増えたような感覚です。そのニラは香りが強く、ちょいちょい飛び込んでくる挽肉の旨味も効果的で、しっかり台湾ラーメンらしさ開花。
どちらもカップ麺らしい具材ですが、乾燥状態のニラは本格的なカップ麺にもスナック的なカップ麺にも合いますし、挽肉もフェイクミート(大豆たん白加工品)ではありません。この挽肉もインスタント感は強めですが、同社の「ハリガネ」シリーズに使われている細切れの挽肉よりも大きいですし、挽肉とニラに関しては再現カップ麺として見ても恥ずかしくない内容でした。
でもって容器の底に挽肉が残っていたので、残ったスープに白ご飯を入れてみたところ——めちゃくちゃ相性いいですねw そもそも今回のスープが白ご飯と相性抜群なんですけど、ローソンの塩むすびやコンビニおにぎりも合うと思いますし、麺を食べ終えた後の追い飯もオススメです。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
かなりインスタント感の強い商品なので、有名店の再現カップ麺としては厳しく見るべきなのかもしれません。しかしながら単純に “ひとつのカップラーメンとしてのクオリティ” は高く、前回よりも麺が洗練され、スープの鶏油が強くなるなどの改良が見られました。それなりに割り切る必要はあるけれど、カップ麺のことを理解していないと作れないような作品で、かなりいいセンスだと思います。
2019年8月7日現在、ローソン名店シリーズ・東北地区部門では唯一の「麺処若武者」——2017年の販売成績は全国的にかなり優秀だったらしく、今年は長期販売契約が成立したようなので、これまでファンだった方はもちろん、ぽってりとした口当たりのカップ麺らしい鶏白湯×台湾ラーメンの組み合わせが気になる方は、お近くのローソンをチェックしてみてください。