TRYラーメン大賞 “名店しお部門” 1位「らぁ麺 すぎ本」がカップ麺に!!ミシュランにも掲載された「塩らぁ麺」東洋水産が再現

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東洋水産

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2020年6月1日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん すぎ本 塩ラーメン」の実食レビューです。

講談社発行『第20回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2019-2020』で “名店部門しお1位” に輝いた「らぁ麺 すぎ本」のカップラーメンついに登場!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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らぁ麺すぎ本 監修カップ麺

らぁ麺 すぎ本(らぁめん すぎもと)とは、東京都中野区・鷺ノ宮(さぎのみや)にあるミシュラン掲載ラーメン店で、創業は2013年12月15日。店主の杉本康介氏は、ラーメンの鬼と呼ばれた故・佐野実氏が認めた最後の弟子としても知られ、創業から間もなく『TRYラーメン大賞』の新人賞(2014-2015)しょうゆ部門・しお部門に入賞し、当時からマニアの間で話題になっていました。

業界最高権威 “TRY”

『TRYラーメン大賞』の “TRY” とは、東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー(Tokyo Ramen of the Year)の略称で、1997年11月18日から2010年6月8日まで発行されていた講談社初の都市情報雑誌『TOKYO★1週間』の企画から発足。その当初から “東京で一番うまいラーメンを決めよう” がコンセプトで、現在は名立たるラーメン評論家を審査員に迎えている、まさにラーメンのバイブル的な存在といっても過言ではありません。

『第20回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2019-2020』の審査員は、自称 “日本一ラーメンを食べた男” 大崎裕史氏を筆頭に、第8代ラーメン王の青木誠氏、Yahoo!ラーメンブログ王賞受賞「しらすのラーメン日記」管理人 “しらす” こと斉藤光輝氏、ラーメンデータバンクのコラムニストとして活躍中の吉本匠将氏、神の舌を持つ男といわれた石神秀幸氏、この中でも唯一の女性審査員を務めるレイラ氏の計6名。

そして『第19回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2018-2019』に続いてゲスト審査員2名(いけ麺氏、しらけん氏)を迎え、グランプリの「TRY大賞」や「TRY新人大賞」が決定されるのですが、たとえば今回の “名店部門” だけでも「しょう油」「しお」「みそ」「とんこつ」「MIX」「つけ麺・清湯」「つけ麺・濃厚」「汁なし」「鶏白湯」「にぼし」とジャンル別に細分化しています。

杉本康介店主が監修

そんな『TRYラーメン大賞』が深く絡んでいる今回の新商品「マルちゃん すぎ本 塩ラーメン」は、東洋水産株式会社及び「らぁ麺 すぎ本」店主・杉本康介氏の共同開発商品で、20周年を迎えた『TRYラーメン大賞 2019-20』における “名店しお部門” で1位に輝いた「塩らぁ麺」を再現したもの。監修者の杉本店主は、前述したように “ラーメンの鬼” と呼ばれた男のDNAを受け継いだ職人。

杉本氏は、2010年の春から佐野氏の「支那そばや本店」で働き始め、その当初は “1年も身体がもたない” と感じるほど過酷な労働環境だったそうです。けれども修行開始から1年後、杉本氏が退職を申し出た際に去る者は追わずの佐野氏が引き留め、それを機に仕込みの大切さに気付いた杉本氏は、約3年半「支那そばや本店」に在籍し、念願の独立店「らぁ麺 すぎ本」を立ち上げました。

最初は味にブレもあったそうですが、第15回『TRYラーメン大賞 2014-2015』の “TRY新人賞部門入賞” に続き『同 2015-16』『同 2016-17』『同 2017-18』にて3年連続 “名店部門” にもランクイン。さらに『ミシュランガイド東京』では2017年の初掲載から2020年現在まで4年連続「ビブグルマン」に選出されるなど、輝かしい受賞歴の持ち主。

重層的な味わいに注目

「らぁ麺 すぎ本」には「醤油らぁ麺」もあり、ネット上のレビューサイトなどでは比較的に醤油らぁ麺のコメントが多いように感じたのですが、ラーメンフリーク層の中では “塩らぁ麺こそ食べるべき一杯” との評判も見かけるほど。パッケージには “鶏・豚・魚介等の旨味を重層的に利かせた、コク深い塩ラーメン” と商品の特徴が記載されているので、その重層的な旨味が今回の見所です。

開封

別添の小袋は1種類

さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けられた「特製油」が1袋。東洋水産の縦型ビッグ製品に小袋が別添されている場合、おおむね「特製油」か「液体スープ」の2種類で、ざっくり比較すると “タレが含まれているかどうか” の違い。監修店「らぁ麺 すぎ本」の “塩らぁ麺” には鶏油(ちーゆ)が浮かんでいるのも特徴なので、中身は鶏の脂に期待したいところ。

具材も充実

トッピングは味付豚肉、メンマ、ネギとシンプルな構成で‥‥などと思いきや、東洋水産のニュースリリースには「フライドオニオン」の文字。実店舗のトッピングは、2種類のチャーシュー(鶏、豚)を筆頭に、穂先メンマ、ネギ、小松菜、揚げネギ、となっているため、揚げネギの芳ばしさを表現するためにフライドオニオンを使用している様子。

「マルちゃん すぎ本 塩ラーメン」のメーカー希望小売価格は税別220円、販売ルートや販売店は限定されていないため、どこどこにしか売ってないような販路限定商品ではありません。ちなみにコンビニ大手4社の中では「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」「ミニストップ」での取り扱いを確認したので、どこに売ってるのか困ったときは、とりあえず最寄りのコンビニをチェックしてみてください。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:マルちゃん すぎ本 塩ラーメン
販売者:東洋水産株式会社
製造所:株式会社酒悦 房総工場
    千葉県長生郡長南町美原台1-34
内容量:95g(めん70g)
商品コード:4901990366045(JAN)
発売日:2020年06月01日(月)
実食日:2020年06月02日(火)
発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他)
取得店舗:コンビニ(ローソン)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:プラ+紙
湯量目安:450ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(特製油)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(チキンエキス、鶏脂、食塩、ポークエキス、植物油、魚介エキス、砂糖、香味油脂、豚脂、フライドオニオン、粉末野菜、たん白加水分解物、チキン風味パウダー、しいたけエキス、香辛料、こんぶエキス)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、乳化剤、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香辛料抽出物、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

麺は新世代系

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。数年前の東洋水産が販売していたタテ型ビッグのカップラーメンといえば、同社の「本気盛(マジモリ)」を筆頭に無骨な油揚げ麺が基本となっていたので、しばしば今回のような再現カップ麺と衝突する懸念が否めなかったのですが、2018年後期以降は安定して繊細にクオリティが高く、そういった実食前の不安要素は取り除かれました。

※持ち運び注意!!

調理直後の見た目は東洋水産らしい仕上がりで、逆に店の個性が見えてこないのが玉に瑕ではあるものの、いずれの具材も定評のある素材です。しかし、熱湯を注ぎ終わった直後から “めちゃくちゃ容器の外側が熱くなる” ので、ある意味ここが最大の難関かも‥‥人によっては冗談抜きで素手だと持てないような熱さになるため、くれぐれも持ち運びには注意してください。

なお販売者は東洋水産株式会社なのに対し、製造所は千葉県長生郡長南町にある株式会社酒悦(しゅえつ)の房総工場となっていますが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産の連結子会社で、マルちゃんの縦型ビッグ全般を任されるようになりました。それでは、お店の個性が感じられるかどうかに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(95g)あたり
カロリー:433kcal
たん白質:9.3g
脂  質:21.6g
炭水化物:50.3g
食塩相当量:6.9g
(めん・かやく:2.1g)
   (スープ:4.8g)
ビタミンB1:0.46mg
ビタミンB2:0.30mg
カルシウム:152mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:433kcal(めん・かやく:332kcal)(スープ:101kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

あいかわらず高品質

5.5

実店舗の開業当初は三河屋製麺の全粒粉入りストレート麺を使い、2016年4月28日から京都の老舗製麺所「麺屋棣鄂(ていがく)」と共同開発した特注麺に変更していましたが、佐野実氏の妻・しおりさんの厚意により、ラーメン博物館の倉庫に保管してあった「支那そばや」の製麺機を譲り受け、2018年4月から支那そばや御用達とされる横山製粉の小麦粉「紬(つむぎ)」を使った自家製麺に切り替えています。

追加ケア推奨(後述)

一方、今回のカップラーメンに使われている油揚げ麺は、あっさり系を好むユーザー目線のコンセプトにリブランディングされた「謹製(きんせい)」シリーズで馴染みのある質感。そのため現在のマルちゃん水準でいえば目新しいものではなく、むしろ標準となっているのですが、以前の男性的な麺からは想像もできないほど繊細で、油揚げ麺なのに淡麗系のスープを壊すこともありません。

とにかく “しなやか” という表現がドンピシャな質感は「らぁ麺 すぎ本」の印象に通じるところがあり、するすると滑らかな口当たりもさることながら、食べ始めのコシも素晴らしく、今回のスープにベストマッチ。ただ、この麺は指定の時間よりも早くフタを開けるとポテンシャルを発揮できないため、かならず時間を守るのはもちろん、かき混ぜたあとに1分ほど休ませるのがオススメの食べ方です。

スープ

緻密に計算された淡麗系

5.5

実店舗のスープは、佐野実氏が交配から指導して生み出した地鶏「山水地鶏」の丸鶏や「大山鶏」のガラを使い、そこへ清湯(ちんたん)系の豚骨スープと香味野菜を合わせ、魚介には鯖節・鰹節・煮干しをバランスよくブレンド。味わいはスッキリとしながらも塩気の尖りはなく、焦がしネギの芳ばしい香りと甘味が余韻として残り、どの素材も突出することなく繊細なバランスを保っているとの評判。

対する今回のスープは食塩相当量4.8gと地味に高く、しかしながら一定のキレを備えつつも塩カドは控えめで、しょっぱい印象は与えません。また東洋水産のニュースリリースには “透明感のあるポークの旨味をベースに” と書かれているのですが、特製油を入れる前から鶏の旨味が優勢で、魚介は鯖と煮干しを中心に、じわっと奥から広がる椎茸やアサリの出汁(だし)を重ねているのもポイント。

特製油ナイス

別添の「特製油」は量が多く、植物油も含んでいるようですが、その大部分は鶏の脂で構成されています。しかも東洋水産の鶏油は他社のように人工的な癖がないのも特徴で、実にナチュラルな風味を漂わせながら主張は鮮明。これだけ量が多いのにもかかわらず、土台の繊細なニュアンスを崩すことはありません。

むしろ多めの油脂を重ねることで粉末スープだけでは出せない旨味を打ち出しつつ、お互いに足りない要素を補完しあっているようなバランスで、ラーメンのスープを構成するのに必要なタレ・スープ・アブラのバランスが緻密に計算されています。どれかが突出することはないものの、素材すべてが主役といっても過言ではないような‥‥これはいいですよ。

具材

上等

5.0

肉具材は2種類のチャーシューではなく定番の味付豚肉で、メンマも穂先メンマではなく汎用の乾燥メンマを使用。ネギも比較的に安価な印象を受ける青ネギとなっているため、いずれも新開発の具材ではないのですが、味付豚肉もメンマも量が多く、目には見えずとも後味に残るフライドオニオンの芳ばしい余韻が実に味わい深くていいですね。

安定の肉質と味付け

メインの味付豚肉は定番の甘辛い味付けで、今回のスープにも違和感なくフィット。おそらく個体差だとは思うのですが、今回はチラホラと脂身の部分もあり、淡麗系の繊細なスープに特有の甘味が映えていました。特徴的な具材の小松菜が入っていないのが寂しいところではあるものの、麺とスープの出来を思えば過不足のない内容です。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)

淀みのない丁寧な動物系清湯に、それをブーストする多めの鶏油もさることながら、サバや煮干しの旨味だけでなく、椎茸やアサリの滋味を重ねるなど、なるほど重層的かつ繊細で複雑なスープに「らぁ麺 すぎ本」監修のこだわりを感じました。どうしても利便性の高い縦型ならではの妥協点はあるものの、繊細なスープを壊さない上品な油揚げ麺に具材の構成も抜かりなく、この水準であれば文句ありません。

コンビニでも取り扱いが多かったので、気になっていつ方は売り切れ前にチェックしておいてください。もし食べてみて物足りなかった場合、粗挽きのブラックペッパーや極少量の柚子胡椒、または和山椒などでアレンジするのもオススメです。

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