どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月12日(水)リニューアル新発売、セブンイレブン「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」の実食レビューです。
千葉・松戸の名店「中華蕎麦とみ田」店主・富田治氏が監修した「とみ田監修 豚ラーメン」の麺がさらに美味しくなってリニューアル! ついに “うどん脱却” なるか‥‥
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
とみ田監修 豚ラーメン
2019年1月22日——「中華蕎麦 とみ田(ちゅうかそば とみた)」の本店がある千葉県内のセブンイレブンに降臨した二郎系のチルド麺「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン」は、発売から瞬く間にネットでも話題になり、翌週1月29日に一部を除く全国のセブンイレブンで販売が開始されましたが、あまりの反響に店の発注を上回る需要が殺到して売り切れ続出。
ようやく2月の中旬ごろに騒ぎも落ち着き、関西のセブンイレブンにも安定して供給されるようになったので、こっそり私も食べていたのですが、どうも麺が「うどん」にしか思えなくて‥‥やはりネット上でも同じ声が多く、発売当初から麺の食感が評価を二分していました。その “麺がさらにおいしくなりました” ということで、満を持してのリニューアルです。
もちろん他店になるため「二郎」や「二郎インスパイア」などと公式が謳っているわけではないのですが、ラーメン二郎のテーマカラーである “黄色” のパッケージに “極太麺・野菜・豚・にんにく” と二郎系を想起させるワードを配置しているため、意識しているのは間違いありません。ところで「中華蕎麦とみ田」といえば、濃厚な豚骨魚介系つけ麺の代名詞ともいえる “またおま系” ジャンルの頂点に君臨している名店なんですけど——
実は「とみ田」の系列店に「雷(かみなり)」という二郎インスパイア系の実店舗もあって、2009年11月25日に「雷 本店」を千葉県松戸市北松戸にて開業。2018年9月28日には新京成線・松戸駅前に「雷 松戸駅東口店」をオープンしているので、商品の看板こそ「中華蕎麦とみ田」となっていますが、ある意味この商品は「雷」の再現チルド麺と言っても過言ではないかもしれません。
「とみ田監修 豚ラーメン」の販売エリアは全国、販売店は一部を除くセブンイレブン限定で、製造者は「(株)武蔵野 京都工場」となっています。「株式会社武蔵野(むさしの / 武蔵野フーズ)」とは、全国17の工場で現在1日260万食の食品を製造し、セブンイレブン向けのコンビニ弁当やチルド麺、おにぎり、調理パンなどを供給しているメーカーで、創業は1969年(昭和44年)7月。実は “初めて「ツナマヨおにぎり」を商品化した企業” でもあり、「中食」事業のパイオニアです。
「中食」とは、お惣菜やコンビニ弁当などの調理済み食品を自宅で食べること。飲食店で料理を食べる “お店のごはん” を「外食」、家庭で手料理を食べる “我が家のごはん” を「内食」というのに対し、今回のような電子レンジ調理のチルド麺は外部で調理されたものを店内または自宅で温め直して食べる、つまり “外食と内食の中間” という意味で「中食」と呼ばれるようになりました。
2019年7月現在、セブンイレブンでは期間限定の汁なしカップ麺「中華蕎麦とみ田 豚骨魚介まぜそば」と通年商品のタテ型カップラーメン「銘店紀行 中華蕎麦とみ田」が陳列されていますが、どちらも完成度が高く、このブログでは高評価。今回の「豚ラーメン」は常温保存不可能ですが、レビューしてほしいとの要望も多数あったので、真剣に向き合います。
(※関連商品のカップ麺「豚骨魚介まぜそば」と「銘店紀行」は、どちらも2019年リニューアル後の製品を実食レビューしています。「豚骨魚介まぜそば」は当ブログの人気記事ランキング上位、「銘店紀行 とみ田」の記事には店主の経歴や「とみ田」の歴史を詳しく書いているので、興味がおありでしたらご参考ください)。
開封
さて、まず「帯状のフィルム」なんですけど、これは電子レンジで加熱する前に取るのか、それとも電子レンジで加熱した後に取るのか。そういえばコンビニで店員さんに頼んだ時、そのまま業務用の電子レンジに突っ込んでいたよな——などと初めて家で調理する際ちょっと真面目に悩んだのですが、作り方には “1.電子レンジで加熱。2. フィルム・フタを取る。” と書いてあります。
加熱時間は500Wの電子レンジで7分20秒、ハイカロリーな1500Wの電子レンジでも2分20秒と長めに設定されているのですが、ご家庭の電子レンジが600Wの場合は6分10秒、700Wの場合は5分15秒、900Wの場合は4分10秒、800Wの場合は4分35秒、1000Wの場合は3分40秒が加熱時間の目安になります。あくまで単純計算の目安ですが、ご参考ください。
調理前は多めのヤサイ(もやし)で麺が見えない状態で、定評のある分厚い豚(チャーシュー)、そしてニンニクのイイ香りが‥‥なんですけど、これは “やっちゃダメ” なパターン。というのも今回は調理前の写真を撮るためにフィルムを取っていますが、先にフィルムを取ってから電子レンジに入れてしまうと調理不良の原因になってしまいます。
たとえば再度フタをしてから加熱してたとしても “チャーシューがカッピカピ” に乾いたり、スープ浸かり切っていない一部の麺が “噛めないほど硬くなる” 恐れがあるので、先にフィルムは取らないほうが安全。それから6月〜9月は気温が高いので、自宅やオフィスで温める場合、セブンイレブンから距離のある方は “面倒でも10度以下に冷やしてから温める” のも美味しく食べるポイント。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油) 製造者:武蔵野 京都工場(京都府八幡市戸津水戸城55) 内容量:640g(めん200g) 商品コード:2090638301417(JANコード) 発売日:2019年06月12日(水) |
麺の種類:ゆで中華麺(かんすい使用) スタイル:レンジ麺・どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:0ml 調理時間:電子レンジ加熱7分20秒(500W) 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】ゼラチンスープ(豚骨風味醤油スープ、ゼラチン)、ゆで中華麺(小麦粉、小麦全粒粉、小麦たん白、食塩、卵加工品)、もやしキャベツ和え、食用油脂、豚肉チャーシュー、玉ねぎにんにく炒め、ねぎ、醤油たれ、加工澱粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酸味料、糊料(加工澱粉)、酢酸Na、グリシン、pH調整剤、香辛料抽出物(原材料の一部に卵・乳成分・小麦・鶏肉を含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの)※本品製造工場ではそばを含む製品 |
実食開始
さて、いい感じにニンニクの香りが心地よい実食前の現在、カロリーは717kcalとリニューアル前(706kcal)から11kcalアップしているのですが、汁なしカップ麺の「中華蕎麦とみ田 魚介豚骨まぜそば」のカロリーは759kcalだったので、 “セブンの二郎系” 恐るるに足らずです。いや、けっこうなハイカロリーですけどね、冷静に考えたら。
そして調理方法の「3」には “よく混ぜ合わせてお召し上がりください” とあるので、しっかり混ぜてから食べるのもポイント。あと入荷する時間帯やセブンイレブン店舗の立地によって消費期限にバラつきがあるかもしれませんが、手元にある豚ラーメンは午後15時の便で届いた商品を取り置きしてもらっていたもので、消費期限は “入荷から2日後の午後16時” となっていました。
内容量は640g(めん200g)とカップ麺に表示されている数値とは比べ物にならない量ですが、もともと水分量が多いのと一般的なラーメン店で提供される茹で上げ後の標準麺量は180g~200gなので、特別に麺が多いわけでありません。それでは、うどんからの脱却をかけた麺のリニューアルに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(640g)当たり
熱 量:717kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
とりあえず原材料に梘水(かんすい)を使用しているため、ちゃんと中華麺の定義はクリアしているのですが、やはり体感的には「うどん」に近いです。比較して以前よりも中華麺に寄ってはいるものの、一般家庭にある電子レンジ(500W)で調理した場合、リニューアル後も「うどん」っぽさは完全に払拭できていませんでした。
お店の麺には国産小麦を100%使用した「心の味」という「とみ田」専用の小麦粉(日本製粉と研究を重ねて完成させたオリジナルの小麦粉)を使い、その特注粉に全粒粉を配合した極太の自家製麺となっているのですが、「豚ラーメン」の麺にも実は小麦全粒粉が練り込まれています。しかし、ずいぶんと細かく挽いてあるので、特有の芳ばしい風味や粒感までは楽しめません。
セブンイレブンのホームページには “もっちりした食感の麺に仕上げました” と書いてあるのですが、どちらかというとブチブチ切れるような食感で、うどんといっても冷凍うどんや手打ちうどんではなく、茹で置きされたような——というかコンビニのチルドコーナーにあるレンジ麺なので、実際そうなんですけど。箸で持ち上げた時にブリンッと弾む極太麺には力強さを感じる反面、もうすこし無骨な強付きを持たせたほうがスープとのマッチングも高くなると思います。
スープ
ニンニクアブラマシマシ(ニンニクと背脂めっちゃ多め)やカラメマシ(醤油濃いめ)などの “呪文” を唱える前のスタンダードなスタイルですが、こってりとスープの表面には豚脂(ラード)が油膜を張っていて、大きな粒ではないものの、視認できるサイズの背脂入り。それなりにカエシの醤油も強めですが、同時に糖類の甘みも強く、かなりジャンクで思わず飲み干したくなるような中毒性のあるテイストです(※白ご飯との相性もヤバい!)。
いわゆる二郎系・二郎インスパイア系のラーメン店は、食後の達成感だけでなく、通称「グル」または「グルソー(グル曹)」と呼ばれる依存性の高い化学調味料「グルタミン酸ソーダ」や「グルエース」を大量に入れることでリピート率を上げているのですが、「とみ田監修豚ラーメン」もイイ感じでw 本家より上品ではあるものの、ラーメン二郎発作が起きた際の応急処置には充分と言える雰囲気があり、引き続きリニューアル後も “セブンのジェネリック二郎” は伊達じゃありません。
しかし、調理前には目立っていた “刻みニンニクと思われるペースト状の塊” なんですけど、 “これ全部がニンニクじゃない” というのが玉に瑕——というのも、実は「微塵切りの玉ねぎ」が多めなんです。セブンイレブンの店頭で加熱調理、そのままイートインコーナーでの喫食(公共でのマナー)や仕事の休憩時間に食べられることも想定しての配慮か実際の香りほど強くなくて、リニューアル後もニンニクは常識の範囲内でした。
それから原材料名の表示でスープは「ゼラチンスープ」とされていて、実際に調理前のスープは麺の下でゼラチン状に固まっているのですが、どちらかというとタイプは “非乳化系” です。けれども白くて巨大な豚脂の塊を放り込んだだけ——みたいなゼラチン系とんこつ風ではなく、濃厚さの指標を履き違えていない計算された豚骨醤油味は常習性あり。
食塩相当量の表示はなく旧表示(ナトリウム)のままですが、ナトリウムでの数値に2.54を掛けて(乗)から1000で割った(除)数値が食塩相当量となるので、Na3.5gを食塩相当量に換算すると、単純計算およそ8.89gということになります。もちろん麺や具材の食塩相当量も含めての目安なんですけど、体感的にスープだけで食塩相当量6g以上はありそうですね。
具材
具材は分厚いチャーシューを筆頭に定番のヤサイ(もやし)、キャベツが少々とネギが気持ち程度にトッピングされているのですが、これまでに一度だけ分厚いキャベツの芯がドドーンと入っていたこともありました(実は今回で検証10食目)。とはいえ野菜は基本的にもやしが中心なんですけど、レンジ麺なのに “ちゃんとモヤシがシャキシャキ” しているのが嬉しいポイントです。
先ほどゼラチン状に凝固していたスープの写真を載せましたが、ぎりぎり麺が浸かるかどうかの絶妙な量なので、もやしの歯触りが7分20秒(500W)という長時間の加熱にも耐えられるように計算された安心の設計なんですよね。もやしの量は実店舗でマシマシ前の標準量よりも少なめになりますが、中毒性の高いスープとのマリアージュは約束されているようなもの——
そして見よ!! この今にも崩れ落ちそうな偉大なる分厚い「豚」の姿を!!(※実際ほんとに崩れそうでヒヤヒヤしながら撮影していました‥‥)
箸で掴んでいる赤身の部分はホロホロで、脂身の部分は “舌と上顎のみで征圧可能” な柔らかさ。味付けはスープに合わせて甘辛く、けれども一体感を持たせながら醤油の主張は抑えてあるため、むしろ豚はインターバルになる存在です。とろけるチャーシューは以前からネット上でも定評があり、たった一枚しか入っていないのが寂しいところではあるものの、その一撃はパンチありますよ。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4.8)
やはり麺の「うどん」っぽさは完全に払拭できていなかったのと、あいかわらず同ジャンルとしてはニンニクも控えめに思えましたが、後者に関してはチューブの刻みニンニクちょい足しアレンジで解決。ジャンクな甘濃い豚骨醤油スープも二郎インスパイアらしく、実はリニューアル後の商品を食べるのは今回で6食目(通算10食目)なんですけど、分厚い焼豚もさることながら中毒性の高いスープも大満足の味わいでした。
値段は510円(税込550円)と安くありませんが、ついついリピートしたくなる依存性を備えていて、確かな売上の手応えからリニューアル後の販売期間は “1年中販売予定” とのこと。家庭用の電子レンジで加熱してもセブンイレブンに備え付けの業務用レンジで加熱しても麺の質感に大幅な違いは見られなかったので(きもちセブンイレブンで加熱したほうが麺に粘り気がありました)、スープとヤサイ・豚のクオリティを維持しつつ、さらなる麺のブラッシュアップに期待しましょう(※関連情報:2019年7月9日から千葉県のセブンイレブン限定で冷凍つけ麺「セブンプレミアムゴールド とみ田つけめん」の販売が開始されます)。