どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年2月14日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 The淡麗 麺や金時監修 塩わんたん麺」の実食レビューです。
こってりに飽きたら、この一杯。旨み贅沢な新戦略「The淡麗」シリーズ第1弾は東京・江古田の行列店「麺や金時」監修のカップラーメンを展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
The淡麗 麺や金時 塩わんたん麺
The淡麗(ザたんれい)とは、今を時めくG系・二郎インスパイア系の対極を成す、見た目は透き通ったスープでありながら、素材の旨みで深い味わいに仕上げる “淡麗系ラーメン” に着目した新シリーズで、明星食品の新たな挑戦。いまだに収束の気配を見せないコロナ禍により、ニンニクの需要が高まっている現在ですが、ポストコロナ時代の到来を見据え、トレンドの逆張りを打つかの如く始動しました。
その第1弾を飾る今回の新商品「明星 The淡麗 麺や金時(きんとき)監修 塩わんたん麺」は、数々の賞に輝いた淡麗系ラーメン店の代表格「麺や金時」監修のもと、同店で人気を博す “塩ワンタン麺” を再現したカップラーメンで、スープは4種の厳選した鶏の旨みを軸に、焦がしネギ風味の鶏油(ちーゆ)を別添。さらにノンフライ製法の麺とワンタンを搭載するなど、かなり気合が入っています。
あらためまして「麺や金時(Golden time)」とは、東京都練馬区の郊外・江古田で人気を博すラーメン店で、2010年(平成22年)6月に創業した「中華工房 幸貴(さちき)」が前身。もともとは千葉県銚子市で本格的な「汁なし担々麺」や「源醤らぁ麺」「塩らぁ麺」などを提供していましたが、2012年(平成24年)3月30日より屋号を「麺や金時」に改め、現在の地で営業開始。
「中華工房 幸貴」時代から突出した実力店として知られ、2010年11月29日に発行された『第11回 業界最高権威 TRY(東京・ラーメン・オブ・ザ・イヤー)認定 2010-11 ラーメン大賞 魂の一杯 今年の頂点はコレだ!』にて新人賞を獲得。さらに翌年の『第12回 TRY認定 ラーメン大賞 2011-12 頂点の逸杯』では汁なし部門で優秀賞を勝ち取り、その名をマニアの間に轟かせました。
「麺や金時」として新たなスタートを切ってからの快進撃も凄まじく、2015年から2019年の『ミシュランガイド東京』にて5年連続ビブグルマンに選出され、直近だと『TRYラーメン大賞 2020-21』及び『同 2021-22』の名店しお部門で2年連続1位に輝き、SARAHが主催する「JAPAN MENU AWARD 2020-21」でも2年連続三つ星を獲得している実力派。
その創業者である店主の山口貴真氏は、四川料理の名門「老四川 瓢香(ラオシセン ピャオシャン)」出身の経歴を持ち、その頃から淀みのない清湯(ちんたん)を扱っていたことから、現在の「麺や金時」で提供しているスープも鶏むね・鶏ももの挽肉を4時間かけて炊き上げる手法が基本。さらにワンタンのクオリティにも定評があり、その味わいを再現したのが今回の「The淡麗」シリーズ第1弾。
パッケージを担当したのは女性デザイナーで、なにかと主張項目が多いカップ麺が多々ある中、引き算メイクや引き算ファッションの考え方を取り込み、アピール要素を削ぎ落とすことで特徴と魅力を際立たせた “引き算のデザイン” がコンセプト。気品のある印象のフォントでロゴのプレミアム感を打ち出しつつ、背景は重厚感のあるカラーリングと舞台幕をイメージし、新しい淡麗系の登場を飾りました。
ちなみに大判どんぶり型のカップラーメンといえば、天面に調理後のイメージ写真を大きく掲載したパッケージが定番化しているのに対し、他の商品と比較してイメージ写真を縮小しているのもポイント。淡麗系という題材の着眼点も然る事乍ら、女性目線で切り込んだパッケージデザインもトレンド(二郎インスパイア)の逆張りを象徴しています。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れの「調味油」と「ふりかけ」の計3袋。本格志向のカップラーメンなので、スープが粉末なのは残念に思えますが、調味油の量は多く、そこには期待できそうな予感。ふりかけの中身は見せませんが、原材料名では「ふりかけ(ねぎ)」と記載されているため、それが後入れなのは嬉しい仕様。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、明星食品のニュースリリースに番手までは記載されていませんが、手元にある資料によると “18番の面取り刃” を使用とのこと。具材のワンタンは最初から容器の中に入っている状態なので、搬送中に皮が割れてしまう場合もあるかと思いますが、個包装にしなかったのは値段を抑えるための策かもしれません。
とはいえメーカー希望小売価格は260円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は280円になりますが、スーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなども販売店の対象となっています。ちなみにコンビニ大手4社の中では「ファミリーマート」での取り扱いが多かったので、お探しの方は参考になさってください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 The淡麗 麺や金時監修 塩わんたん麺 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:94g(めん65g) 商品コード:4902881453141(JAN) |
発売日:2022年02月14日(月) 実食日:2022年02月15日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:235円(税込) 希望小売価格:260円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(粉末スープ・調味油・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、植物性たん白、大豆食物繊維)、スープ(豚脂、食塩、香味調味料、たん白加水分解物、香味油、チキンオイル、糖類、卵黄油、香辛料、酵母エキス、豚・鶏エキス、植物油脂)、かやく(ワンタン)、ふりかけ(ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸カルシウム、かんすい、香料、増粘多糖類、ソルビット、乳化剤、セルロース、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、甘味料(スクラロース)、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)本品製造設備では、かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
ノンフライ麺を搭載したカップラーメンは、粉末スープも後入れとなっている場合が多いのに対し、今回の粉末スープは先入れなので、お湯を注ぐ前に開封しておきます。で、ちょっとビックリ。先にスープが粉末なのは(液体スープじゃないのは)残念に思えると前述しましたが、漠然と中華系のスープを彷彿とさせる香りが漂い、この時点で鶏の旨みが濃密と思える臨場感たるや。
別添の「調味油」と「ふりかけ」は後入れなので、お湯を注いでから待っている間、調味油の小袋はフタの上で温めるのがポイント。時間になったら粉末スープを完全に溶かし、調味油を浮かべたところ、白髪ネギを鶏油で丁寧に加熱したような、ベクトルが異なる2種類の芳ばしい香りが立ち上がり、思わず何度も香りを確かめてしまいました。
ちなみに容器は「しおケアカップ」なので、内側の下線までスープを残した場合、摂取する食塩相当量の目安を4.6gまで抑えられるのですが、スープを残す自信が無くなってしまった実食前。はたして実際の味わいも伴っているのかどうか、念のためコストパフォーマンス的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ・調味油」「かやく・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(94g)あたり |
カロリー:369kcal たん白質:9.1g 脂 質:10.6g 炭水化物:59.4g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.6g) (スープ:4.3g) カルシウム:102mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:369kcal(めん・かやく:307kcal)(スープ:62kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しなやかなアシと崩れないコシを両立
当初は “浅草開化楼” と提携していた「麺や金時」ですが、現在の製麺所は “三河屋製麺” に切り替わり、カップ麺のモデルにもなった「塩ワンタン麺」には、やや加水率の高い特注の細麺を使用しています。それを再現したノンフライ麺の加水率も高めの設定で、しっとりとした口当たりが心地よく、食べ始めのコシは強め。
お店の特注麺は角刃のストレートなのに対し、今回のノンフライ麺は面取り刃かつ緩やかな縮れが施されているため、形状を忠実に再現しているわけではないけれど、緩やかな縮れのおかげでスープの持ち上げは悪くありません。そのため加水率が高めの質感でもスープから孤立する気配はなく、小麦の風味は芳醇に香り、その風味と鶏油の兼ね合いも見どころの一つ。
熱湯4分ジャストで開封しても致命的な戻りムラが生じることはなく、追加ケアなしでも食べられますが、食べ始めはノンフライめん特有のビミョ〜ンとしたアシが目立つので、まずは熱湯4分きっちり守ってから粉末スープを完全に溶かし、調味油を入れて1、2分ほど休ませるのがオススメの食べ方です。
スープ・調味油
調味油を加えてからが本番
まずは粉末スープだけの状態で味を確認してみたところ、香味野菜の主張が強く、同時に化学調味料のピリピリとした刺激が伴うテイストで、粉末ならではのチープな印象を受けますが、動物系は骨ではなく肉の旨みを表現しているのは印象的。たとえば創味シャンタンや味覇など、いわゆる中華スープの素と似た骨組みだったので、そこに中華料理出身という店主の経歴が現れているように感じました。
続けて「調味油」を加えると、白髪ネギを鶏油で丁寧に加熱したような-・というファーストインプレッションを覚えたように、いざ口に含むと鶏油と葱油をブレンドしたような味わいで、ちょっとバターにも通じるコクを感じたのですが、それっぽい原材料や乳等を主要原料とする食品なども使用していません。卵黄油を使ってるからかな?
ベースの粉末スープは中華風で、鶏油の芳ばしさも中華料理では珍しくない要素になりますが、ちょっと洋風の印象を抱くのが個性的。可能であれば液体スープを使用してほしかった気持ちもあるけれど、ノンフライの麺とワンタンを思えば上出来以上のスープですね。
かやく・ふりかけ
ノンフライワンタン6個はヤバい
最初から入っている具材はワンタンのみ、ふりかけもネギのみとシンプルな構成ですが、大ぶりのワンタンはノンフライで雑味がなく、数も6個と凄まじいボリューム感。ふりかけの中身は白髪ネギだと嬉しかったのですが、青ネギでもフリーズドライ(凍結乾燥)かつ後入れなので、エアドライ(熱風乾燥)の青ネギよりも自己主張がナチュラルです。
店舗のワンタンには餡の中に慈姑(くわい)が仕込んであるのも特徴で、さすがにカップ麺で慈姑のアクセントまでは再現できなかったようですが、中には大きめの鶏ひき肉がゴロッと入り、つるっとした口当たりの皮も然る事乍ら、餡の満足感についても余念がありません。おそらくワンタンは「とら食堂 ワンタン麺」(ファミリーマート限定商品)と共通で、あいかわらずの高品質でした。
総評
これで液体スープだったら「★7」でも‥‥という伸び代を感じたので、メーカー希望小売価格も加味した結果、すこし総評から差し引いていますけど、このブログで「★6」は超高評価。雑味のないノンフライ麺と本格的なノンフライワンタンの合わせ技も然る事乍ら、焦がしネギの芳ばしい風味を効かせた鶏油(調味油)のインパクトも凄まじく、記憶に残る一杯であることは間違いありません。
淡麗と聞けば “薄味” とか “味気ない” みたいなイメージがあるかと思いますけど、むしろ濃いめの味わいで、今後の展開が楽しみなる「The淡麗」シリーズ第1弾でした。私の周りでも “二郎インスパイア系は飽きてきた” とか “またニンニクかよ” といった意見が目立ってきたので、これから淡麗系のカップ麺を牽引してほしいシリーズです【author・taka :a(大石敬之)】