どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年6月14日(月)新発売、エースコックのカップ麺「THE中華 練りごまを利かせた汁なし担担麺」の実食レビューです。
独自技術を駆使した納得の味「THE中華」第4弾は “本格汁なし担担麵” を展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
THE中華 練りごまを利かせた汁なし担担麺
THE 中華(ザ・ちゅうか)とは、本格的な中華めん料理を肩肘張らずに味わえる、こだわりの強い大人の男性をメインターゲットに開発された即席カップめんブランドで、2019年(平成31年)4月1日発売の「タテロング THE中華 ラー油を利かせた野菜タンメン」を皮切りに発足。
歴史を遡ると、2018年(平成30年)4月23日に発売されて話題になった和風カップめん「THE和(ザ・わ)わさびを利かせたおろし風そば」が源流で、その流れを汲む姉妹ブランド的な立ち位置。通な大人たちに向けた-・というコンセプトは共通していますが、新たに中華めん専用のブランドを立ち上げることにより、こだわりを強めました。
今回の新商品「THE中華 練りごまを利かせた汁なし担担麺」は、THE中華シリーズ第4弾に該当する新作で、コシの強いノンフライ麺を使用した本格中華汁なし担担麵をテーマに開発。かねてよりエースコックは担担麺に強いメーカーで、なおかつ同社のニュースリリースには “独自技術を駆使した納得の味” とあり、弥が上にも期待が高まるところ。
2019年4月発売の第1弾「THE中華 ラー油を利かせた野菜タンメン」は、PP(ポリプロピレン)製の縦型ビッグ容器を使用したカップラーメンで、クオリティの高いストレート状の油揚げ麺を搭載し、具材の野菜も国産と “大人のこだわり” を全面的にアピール。しかし、内容としては実に優等生な大人しい仕上がりで、このブログでは可もなく不可もなしの及第点に落ち着きます。
その第2弾として開発されたのは、2020年3月2日発売の「THE中華 揚げねぎの風味を利かせたワンタン麺」で、こちらも製品スタイルはPP製の縦型ビッグ。麺の原材料名は第1弾と同じ構成だったのですが、断面の丸いストレート麺から平打ちの中細麺と切刃を変更し、別添の液体スープに含まれていた揚げ葱の風味もインパクト抜群。
具材の野菜は引き続き国産に限定し、なおかつエースコックが得意とするワンタンを合わせ、ずっと気になっていたワンタンの知命的な戻りムラも解消されるなど、第1弾の「ラー油を利かせた野菜タンメン」とは打って変わり、このブログでは高評価を叩き出しました。そして、製品スタイルを大幅に変えてきたのが2020年9月7日発売のTHE中華シリーズ第3弾。
第1弾・第2弾と簡便性に優れた縦型ビッグ容器を使っていましたが、それよりも手間を必要とする分、本格的な味わいが楽しめる大判どんぶり型の容器に身を包み、なおかつ高品質なノンフライ麺を使用した「THE中華 練りごまを利かせた濃厚旨辛担担麺」を市場に投下。値段は270円(税別)と高めに設定されていましたが、スープの作り込みが素晴らしく、このシリーズで最高の評価を叩き出しました。
今回のTHE中華シリーズ第4弾「練りごまを利かせた汁なし担担麺」は、明らかに「練りごまを利かせた濃厚旨辛担担麺」の流れを汲んだ商品なので、引き続き高評価に期待できそうな展開。しかも、まったく同じ日に東洋水産が「マルちゃん正麺 カップ 炎の汁なし担々麺」という湯切りタイプの汁なし担担麺を発売しているため、それとの違いにも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「調味たれ」と「スパイス」で合計3袋。パッケージの宣伝ポイントを見る限り、調味たれに “練りごま” を、スパイスに “花椒” が入っているようなので、唐辛子の辛さもさることながら、痺れの強さも気になるところ。
麺は油で揚げずに(熱風で)乾燥させたノンフライ麺で、けっこう細めに切り出されているのですが、湯戻し時間は熱湯4分と長めの設定。前回の「練りごまを利かせた濃厚旨辛担担麺」に使われていたノンフライ麺と同じように、見た目は黄色味が強く、サイズの割りに調理後の加水率も高そうな雰囲気。
メーカー希望小売価格は250円(税別)ということで、即席カップ麺の中では地味に高めの部類に入りますが、前回の汁あり「練りごまを利かせた濃厚旨辛担担麺」よりも20円ダウン。2021年6月現在、コンビニで購入した場合の税込価格は267円ですが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外の店舗であれば、希望小売価格よりも安く購入できると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:THE中華 練りごまを利かせた汁なし担担麺 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:114g(めん78g) 商品コード:4901071211837(JAN) |
発売日:2021年06月14日(月) 実食日:2021年06月18日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:267円(税込) 希望小売価格:250円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型・湯切りタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(調味たれ・かやく・スパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、たん白加水分解物、大豆食物繊維、卵白粉)、たれ(植物油脂、ねりごま、豚脂、みそ、しょうゆ、糖類、発酵調味料、食塩、ポーク調味料、醸造酢、チキンエキス、香味油、魚介エキス、ガーリックペースト)、かやく(大豆加工品、ごま、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、砂糖、唐辛子、花椒、五香子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸Ca、乳化剤、かんすい、香料、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、カラメル色素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、本物の鶏・豚味付肉そぼろも入っているのですが、大豆そぼろ(大豆加工品)も併用した構成。ただ、エースコックの鶏・豚味付肉そぼろ(程良く味付けした肉そぼろ)は当たり外れが激しく、後者だったときの虚しさといったらもうw というわけで、筆者はエースコックの大豆加工品にポジティブです。
あとは内側の線まで熱湯を注いで4分間、調味たれの小袋をフタの上にのせて温めながら待ち、湯切りしてから馴染ませて、仕上げにスパイスをトッピング。調味たれに含まれる練り胡麻の香りもさることながら、花椒のほかに煎り胡麻やネギ、唐辛子をブレンドしたスパイスの見た目も賑やかで、調理後の印象は悪くありません。
黒酢などに由来するツンとした香りは目立っていませんが、花椒とは別にスパイスから漂ってくる、薬膳感の強い複雑な香りで個性と本格感がアップしていました。それでは、念のため唐辛子の辛さレベルと花椒の痺れにも注意しつつ「めん」「たれ」「かやく・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(114g)あたり |
カロリー:458kcal たん白質:10.5g 脂 質:17.9g 炭水化物:63.8g 食塩相当量:4.0g カルシウム:333mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
コシよりアシを意識しているノンフライ麺
形状は丸刃で切り出された平打ち麺で、しっとりとした口当たり。ラーメンでいえば中くらいの、もしくは細めの部類に入りますが、やはりサイズのわりに加水率が高く、内部の気泡が少ないイメージ。歯切れのよさは楽しめないけれど、しなやかなアシ(伸び)と適度なコシ(弾力)が印象的で、クオリティの高さは一級品。
たとえば前述の「マルちゃん正麺」に使われているノンフライ麺(生麺ゆでてうまいまま製法)は、圧倒的なコシの強さと箸で持ち上げたときの重量感が特徴で、男らしい印象を備えているのに対し、こちらは特にアシを重要視している繊細な質感。ノンフライめん特有のゴムっぽさは残りますが、とても女性的で、昔ながらのゴリゴリした食感とは真逆の仕上がりです。
もしかすると汁なし用に微調整している可能性もありますが、その女性的な印象と原材料名の構成から察するに、前回の「練りごまを利かせた濃厚旨辛担担麺」と同じ流れを汲んだもの。先にエースコックは担担麺に強いと書きましたが、しなやかで加水率の高いノンフライ麺にも強く、これまでに培われてきたノウハウが遺憾無く発揮されていました。
たれ
凶暴なほど胡麻のコクを全面に打ち出している
何度も引き合いに出している「マルちゃん正麺」の汁なし担担麺も練り胡麻のコクを強めに打ち出していましたが、なんのなんの。これを食べてしまったら天下の正麺カップも霞んでしまうくらい、後にも先にも練り胡麻のコクが強烈で、きわめてマイルドな素材にもかかわらず、ある種の攻撃性を感じたほど、凄まじいまでの高濃度を実現。
タレは味噌と醤油をベースにした日本人向けの味付けで、唐辛子の辛さもピリ辛の枠を出ることはなく、それらについては優等生な骨組みとなっているのですが、とにかく練り胡麻を全面に押し出した特化型のスタイル。
それでいて香りでは目立っていなかった醸造酢のアクセントも絶妙で、魚介エキスとガーリックペーストが全体の旨みを増幅させる、ちょっと逆らえないテイストでした。これ、練り胡麻を強烈に効かせた担担麺が好きなら無条件でクラクラしますよ。
かやく・ふりかけ
痺れではなく複雑な香りで勝負
大豆加工品はクニッとした独特の弾力が持ち味で、慣れないと違和感を覚えるかもしれませんが、逆に慣れるとクセになる食感。これといって味がするわけではないのですが、濃厚なタレが絡むため、すんなりフィット。また今回の鶏・豚味付肉そぼろは “あたり” だったので、たとえ少量でも “きちんと旨味が感じられる” 良質な肉具材を使ってくれていたのも嬉しいところ。
最後にスパイスを加えると、花椒の清涼感をはじめ、ねぎ、いりごま、唐辛子などのアクセントが嬉しく、強烈に濃厚なタレでも最後まで飽きずに食べられるように香り付け。さらにシナモンやクローブ、スターアニス(八角)などをブレンドした五香粉(ウーシャンフェン)の複雑な香りが印象的で、痺れの強さこそ特筆すべきレベルにはなかったものの、しっかり本格的でした。
総評
唐辛子の辛さも花椒の痺れも弱く、前者についてはピリ辛で、後者については痺れよりも独特の清涼感(刺激よりも香り)を大切にしているような効かせ方。しかし、練り胡麻については強烈で、同じく練り胡麻に強い東洋水産や日清食品に匹敵する‥‥いや、ここまで練り胡麻に特化した担担麺を打ち出してくるのはエースコックくらい。
そのため刺激を全面に押し出した麻辣推しのテイストに期待していると物足りないかもしれないですし、シナモンやクローブ、スターアニスのアクセントが極端に苦手な方にはオススメしにくい商品になりますが、どちらも食べ方を工夫(アレンジ)すれば解決。衝撃的な練り胡麻のコクもさることながら、ノンフライ麺のクオリティも高く、値段以上の一杯でした【author・taka :a(大石敬之)】