クセが強くてクセになる!? 大砲ラーメン監修「超濃厚久留米とんこつ」が文字通り臭かった件w ※ただし想像は超えてこない

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明星食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年5月15日(月)新発売、明星食品のカップ麺「大砲ラーメン監修 クセが強くてクセになる超濃厚久留米とんこつ」の実食レビューです。

コラボ史上もっともクセがスゴい!? どっぷり絡む、豚骨の旨みと香り。久留米の老舗が誇る “呼び戻し” をカップラーメンで再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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大砲ラーメン クセが強くてクセになる超濃厚久留米とんこつ

大砲ラーメン(たいほうらーめん)とは、とんこつラーメン発祥の地・福岡県久留米市は櫛原(くしわら)に本店を置く老舗のラーメン店で、1953年(昭和28年)に初代・香月昇(かつき のぼる)店主が久留米市明治通りに開業した一軒の屋台が前身。それから70年もの間、スープを継ぎ足しながら焚き続ける「呼び戻し」の技法で創業当時の種を守り続け、1度も釜を空にすることなく現在に至ります。

クセが強くてクセになる!?

今回の新商品「明星 大砲ラーメン監修 クセが強くてクセになる超濃厚久留米とんこつ」は、九州地区で11店舗を展開している「大砲ラーメン」監修のもと、久留米の伝統技法である「呼び戻し」によって培われた、豚骨の旨みや香りの個性を追求した一杯で、製造者は東京都渋谷区に本社を置く明星食品。これが初めてのコラボではないのですが、ここまでクセを強調した商品は過去に類を見ない試みです。

あらためまして「呼び戻し」とは、決められた量の水と豚骨を、決められた火力で決められた時間に基づいて煮込み、当日中に使い切る「取り切り」とは真逆の技法で、名付け親は「大砲ラーメン」の二代目店主を務める香月均史(ひとし)その人。前述のようにスープを継ぎ足し、何年にも亘り焚き続けた熟成感を特徴としているのですが、ただ単純にスープを継ぎ足すだけで完成するものではありません。

創業から現在にかけて70年もの間、1日の営業が終了しても空にしてはいけない秘伝の釜があり、その釜にある古いスープに別の釜で取った若いスープを少しずつ継ぎ足すのですが、刻一刻と変化するスープのブレに対応するため専任のスタッフが釜に張り付き、火加減や豚骨を混ぜるタイミング、さらに水位の調整など、職人による熟練の技があるからこそ守られている至高の賜物。

容器側面に概要を記載

それを再現したカップラーメンの容器側面には “今回、特別に監修いただき、豚骨の旨みと香りがクセになる超濃厚なスープの味わいに仕上げました。” という自信に満ちたメッセージがあるため、かなり期待しているのですが、それと同時に不安を感じるのは昨年の「明星 大砲ラーメン 呼び戻し風とんこつ味」(2022年6月20日発売品)で落胆したことが原因。

「明星 大砲ラーメン 呼び戻し風とんこつ味」も同店の「呼び戻し」を再現した縦型ビッグのカップラーメンで、パッケージに大きく “半世紀以上継ぎ足し続けたコク深い旨みを再現” と記載されていたことから、こちらも気合を入れて挑んだものの、結果は最悪。——いや、最悪というのは言い過ぎかもしれませんけど、まず悪かったのが油揚げ麺の仕様で、即席カップめん特有のジャンクさが不利に作用。

そのため “カップラーメンとして美味しい油揚げ麺を合わせるのではなく、レギュラーサイズの60gに減らしてでも品質と再現度を重視したノンフライ麺を採用するべきだったんじゃないですかね。” などと書かざるを得なかったのですが、肝心のスープも骨の存在感が弱く、でん粉や増粘多糖類による不自然な粘度だったり、糖類の甘さだったり、なにがあった? みたいな。

二の舞を踏むことになるか、それとも——。

今回のパッケージには、前述の “クセが強くてクセになる” に加え “どっぷり絡む、豚骨の旨みと香り” も訴求するなど、その通りであれば昨年の印象を払拭してくれる逸材になりますが、ちょっと‥‥否、だいぶ警戒してます。

開封

天面のメッセージにも注目(破れちゃったけど)

今回のカップ麺に別添されている小袋は、食べる直前に加える「後入れ液体スープ」のみで、明星食品のニュースリリースには “麺にどっぷり絡む濃厚な豚骨スープに、別添の豚骨の旨みと香りを加える液体スープ。” とあります。つまり、ただのオイルではない様子。

チャーシューは不在

かやくは「ごま」と「ねぎ」の組み合わせで、えっと‥‥以上w 昨年の「明星 大砲ラーメン 呼び戻し風とんこつ味」には四角いチャーシューに、ネギも輪切り(熱風乾燥)と斜め切り(凍結乾燥)の2種を合わせていましたが、ずいぶんと切り詰めています。さらに、見逃せないのがメーカー希望小売価格の設定で、現在の相場よりも高いのが気になるところ。

というのも2023年5月現在、縦型ビッグのカップラーメンにおけるメーカー希望小売価格の基準は245円(税別)なのですが、今回は255円(税別)ということで、10円もの値上げを決行しています。たった10円じゃんw などと思われるかもしれませんが、即席カップめん業界は1銭(100分の1円)単位でコストを調整しているため、たかが10円と侮ってはいけません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:明星 大砲ラーメン監修 クセが強くてクセになる超濃厚久留米とんこつ
販売者:明星食品株式会社
製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360)
内容量:99g(めん70g)
商品コード:4902881456081(JAN)
発売日:2023年05月15日(月)
実食日:2023年05月17日(水)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
小売価格:255円(税別)
購入価格:235円(税込)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:400ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(液体スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵粉)、スープ(ポークエキス、糖類、デキストリン、たん白加水分解物、食塩、しょうゆ、クリーミングパウダー、香味調味料、香辛料、香味油、酵母エキス、豚脂、昆布エキス)、かやく(ごま、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、香料、炭酸カルシウム、かんすい、酒精、カラメル色素、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。

実食開始

この変更は大幅な進化

先に昨年の「呼び戻し風とんこつ味」には油揚げ麺を使っていたと触れましたが、今年の「クセが強くてクセになる超濃厚久留米とんこつ」にはノンフライ麺を搭載ということで、ここは素直に嬉しい変更点。さらに麺重量も60gではなく70gなので、麺とスープの完成度が凄まじければ、かやくの貧弱さ込みで高評価を叩き出してくれるかもしれません。

ブタメンにネギ入れました的なビジュアルw

別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと3分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。トッピングが薬味だけなので、それについての寂しさは否めないけれど、想像していたよりもゴマの量が多く、大砲ラーメン監修シリーズならではのニオイが健在なのは嬉しいポイント。ただ、それ故に新鮮味もありません。

ちなみにコンビニで購入した場合の税込価格は275.4円(2023年5月時点)が相場になるので、引き続きコストパフォーマンス的な部分にも意識しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(99g)あたり
カロリー:378kcal
たん白質:12.4g
脂  質:7.4g
炭水化物:65.4g
食塩相当量:7.3g
(めん・かやく:2.4g)
   (スープ:4.9g)
ビタミンB1:0.27mg
ビタミンB2:0.35mg
カルシウム:312mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:378kcal(めん・かやく:332kcal)(スープ:46kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

昨年の油揚げ麺よりはマシだけど‥‥

4.0

「大砲ラーメン」の店舗で提供されている麺は、自社製麺所「麺工房」謹製の中細ストレート麺で、加水率は低めに設定。ただ、替え玉の文化が根付いている長浜や博多で一般的な加水率と比較した場合、それよりも耐久力のある配合で、濃厚なスープとのバランスを緻密に計算しています。

熱湯3分で適切に戻る

片や今回のカップラーメンに合わせているノンフライ麺は、いかにも明星食品らしい仕上がりで、縮れの強さや風味など、お店の麺とは異なるベクトルを歩んでいるのですが、加水率は比較的に低く、食べ始めはプツッとした歯切れのよさと適度な歯応えが魅力的。昨年の油揚げ麺と比較すると、かなりハイレベルな域に押し上げられました。

ただ、明星食品のスチームノンフライ製法に有り勝ちな(という表現では伝わりにくいかもしれませんが‥‥)特有の風味を強く感じたのと、プツッとした歯切れの持続力は弱かったので、長期戦には向かないタイプ。また特有の風味はスープにも滲み出ているため、それが鼻に付く方は気になるかもしれません。

スープ

おいしいけどインパクトはパッケージのイメージ以下

4.0

まずは液体スープを入れる前の味を確認してみたところ、とろみの加減については人工的に思えたのですが、ぽってりとした口当たりに、ややザラつきのある舌触りも面白く、余韻の骨っぽい旨みも印象に残ったポイント。同時にクリーミングパウダーの存在感も強かったので、もうすこし硬派な路線に振ってほしかった気持ちもありますけど、昨年のように着地を履き違えた味ではありません。

液体スープはエキス+オイル

続けて「液体スープ」を加えた途端、同店監修の「まぜそば」で何度も猛威を振るった例の “むわっ” とした獣臭が加わって、いっきにクセのあるテイストに。従来のコラボ商品を経験していたら想像の範囲内というか、そこまで驚きはなかったんですけど、おそらく一般的な感想としては最初に「くさっw」が出るくらいのインパクトなので、いい意味で万人にオススメできるスープでないことは確か。

またファーストインプレッションはニオイで殴りつけてくるのに対し、複数のポークエキスを配合しているのか余韻の豚骨は複雑で、昨年よりも炊き出し感は強くなっています。ただ、食後は舌に昆布エキスが纏わり付いて離れないような不快感を覚えたので、そこは蛇足的でした。

かやく

コスト配分は間違ってないと思う

2.0

ネギの量は特筆して多くないけれど、熱風乾燥の青ネギなので、よくも悪くもジャキジャキした歯触りで自己主張。反対にゴマの量は多く、プチプチとした食感と芳ばしい風味がスープに合っていたのですが、総合的に判断して及第点を付けるには値しない内容だと感じたので、★ひとつマイナスしています。

総評

3.0

昨年の「呼び戻し風とんこつ味」と比較して、油揚げ麺がノンフライ麺に変わり、スープの配合も見直されるなど、たしかな進化を感じたのですが、うーん‥‥。けっしてイマイチなわけではないんですけど、盛大な煽りのわりに感動がないというか、クサイにはクサイけど豚骨臭とは別物で、人工的な粘度だったり昆布だったりを控えたほうが炊き出し感もストレートに伝わったんじゃないかと。

あえて “ちょっと残念” を狙っているのであれば、それなりに話も変わってきますけど、やっぱり定番の「昔ラーメン」(レビューは2021年3月8日発売品)が最強というか、そこまで特筆した魅力は感じなかったので、今度はスポット商品でも「昔ラーメン」を凌駕するくらい、本格的な一杯の登場に期待しています【author・taka :a(大石敬之)】

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