どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年06月18日(火)新発売のカップ麺、サンヨー食品「四川担担麺 阿吽 つゆ無し担担麺」ファミリーマート限定商品の実食レビューです。
東京・湯島の担担麺専門店「阿吽(あうん)」監修つゆ無しカップ麺が “辛さ調節” できる「辛い特製スパイス」付きで復活!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
阿吽監修カップ麺 つゆ無し担担麺 2019
「四川担担麺 阿吽(しせんたんたんめん あうん)」とは、東京・湯島に本店を構える担担麺の専門店で、創業は2007年8月25日。1841年に誕生した歴史ある本場のスタイルをリスペクトし、流行や創作に流されないスタイルは多くのマニアからも支持されているのですが、都内における「汁なし担々麺」の先駆者(パイオニア)的存在とも言われています。
また、カップ麺のタイトルにもなっているように、「阿吽」のメニューは “汁なし担々麺” ではなく「つゆ無し担担麺」となっているのも特徴。2018年4月3日にもファミマ限定商品として同じ商品名の再現カップ麺が発売されていたので、同じ条件下での2年連続リリースになるのですが、今回は辛さを調節できる「特製スパイス付き」での再販となりました。
「阿吽」の実店舗で提供される「つゆ無し担担麺」は、店主こだわりの生薬(9種類)と香辛料から抽出した自家製辣油を筆頭に、花椒は香りの強い外側だけを使用。具材は炸醤肉(ひき肉)に水菜やカイワレを合わせ、中でも干し海老が特徴的な具材として注目されているのですが、その店内はJAZZが響き渡る独特の空間——
そんな「阿吽」の創業者・水本丈博さんは、横浜中華街の広東料理店「招福門」出身という経歴を持ち、そこで出会った “極上の辣油” に衝撃を受け、いつか自家製辣油で勝負できる自分の店を持つことを決意。そして2007年8月25日に湯島で「四川担担麺 阿吽」をオープンすることになったのですが、2014年2月に一時休業、2014年6月に営業を再開するも営業権は千葉の「株式会社MNプロデュース」に譲渡され、同年8月に水本さんは「阿吽」から完全に身を引きました。
しかし、以降も数多くのメディアに取り上げられ、その人気は衰えること知らず、今回のように2年連続でカップ麺にもなっているのですが、パッケージには辛さレベルの目安があり、「入れないとLevel 1辛」「半分入れるとLevel 3辛」「全部入れるとLevel 5辛」とのこと。で、小さく “お店の辛さレベルとは異なります” という添え書き。
お店の辛さレベルは “7段階” に分けられているのですが、「Level 0辛(辣油・花椒なし)」「Level 1辛(ピリ辛)」「Level 2辛(小辛:初心者向け)」「Level 3辛(中辛:ここが基準)」「Level 4辛(大辛:3辛の3倍)」「Level 5辛(激辛:4辛の2倍)」「Level 6辛(超激辛:5辛の10倍)」となっています。5辛から6辛への次元が急に違いますねw(※ちなみに5辛まで無料)
ところで2019年4月23日、ファミリーマート限定商品として札幌発祥の担担麺専門店「175°DENO担担麺」監修の汁なしカップ麺が発売され、今回の「阿吽 つゆ無し担担麺」とセットで陳列しているファミリーマートもありましたが、「175°DENO担担麺」の店主・DENOミツヒロ(出野光浩)さんは「阿吽」出身という経歴の持ち主。つまり、「阿吽」の創業者・水本丈博さんとは師弟関係にあります。
「175°DENO担担麺」の再現カップ麺は明星食品が担当、「阿吽」の再現カップ麺はサンヨー食品(サッポロ一番)が担当しているのですが、どちらもファミリーマート限定商品ということで、ちょっと粋な示し合わせを感じますよね(※関連商品「175°DENO汁なし担担麺」は実食レビュー済みですので、ご興味ある方はご参考ください)。
開封
別添の小袋は「特製調味だれ」「特製スパイス」「かやく」「レトルト調理品」と豪華4袋構成で、2018年発売品の後入れ粉末スープが特製スパイスに変わったような内容です。というか、特製調味だれ・かやく・レトルト調理品についてはカラーリングから細部のデザインまで、2018年発売品と完全に同じでした。
麺はコシの強そうなノンフライ麺で、見た感じ今回のために特注で作ったノンフライ麺ではなさそうですが、サンヨー食品が有名店監修の再現カップ麺で本気を出した時に使ってくるタイプ。それもそのはずファミリーマート希望小売価格は税別276円、実売価格は税込298円の大物です。ちなみに前回も税込298円だったので、値段は変わっていません。
2011年にはサークルKサンクスのオリジナル商品として、「東京 湯島 名店の味 四川担担麺 阿吽(あうん)店主 水本タケヒロ氏監修 つゆ無し担担麺」というレトルト具材入りのノンフライ製カップ麺がリリースされていたのですが、当時の担当は「とかち麺工房」、2018年・2019年のカップ麺はサンヨー食品(サッポロ一番)が一貫して担当しています(※製造所の「太平食品工業株式会社 本社工場」はサンヨー食品グループ直属の製造部)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:四川担担麺 阿吽 つゆ無し担担麺 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場 内容量:171g(めん80g) 商品コード:4901734037644(JANコード) 発売日:2019年06月17日(月) |
麺の種類:特製ノンフライ麺(かんすい使用) スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:610ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(特製調味だれ・特製スパイス・かやく・レトルト調理品) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、大豆食物繊維)、かやく(豚肉そぼろ調理品、チンゲン菜)、スープ(豚脂、植物油脂、糖類、香辛料、ねりごま、みそ、食塩、ポークエキス、豆板醤、チキンエキス、酵母エキス、しょうゆ、醸造酢、デキストリン、発酵調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉)、酒精、乳化剤、カラメル色素、香料、パプリカ色素、かんすい、クチナシ色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみ、残りの3袋は後入れです。先ほど実店舗のトッピングは水菜やカイワレ、干しエビ、ひき肉と書きましたが、かやくの小袋に共通の具材はなく、定番のチンゲン菜が入っていました。「阿吽」の「つゆ無し担担麺」は干し海老が重要で、前回まったく意識されていませんでしたが、今回はどうでしょう。
あとは熱湯を注いで5分待機、その間にレトルト調理品は “フタの上にのせて温めてお召し上がりの直前に——” の続きに “お湯で袋のまま2分ほど温めますといっそうおいしく召し上がれます” とのことなので、お家で調理される方は多めに熱湯を沸かし、底の深い丼などで軽く温めるのがポイントです。
上の写真で一緒に写っている「辛さ調節できる特製スパイス」を温める必要はありませんが、お店のデザインを踏襲している特別なデザインだったので、一緒にアップで撮影しました(※特製スパイスには唐辛子が含まれておりますので、お好みで調節してください)。
さて、上記の画像は「特製スパイス」を投入する前の状態です。レトルト調理品の量が多く、また少量に思えたチンゲン菜も意外と入っていたのですが、なぜ特製スパイス投入前のワンクッションを挟んだのかというと、まさか “こんなに” 入っているとは思わなかったんですよね‥‥(※繰り返しますが、お好みで調節してください)。
思いのほか多いです特製スパイスの量w なんかこう、さらさらぁ〜っと具材のまわりを二周できるくらいの量を想像していたんですけど、写真の通り具材が見えなくなるほどの量で驚きました。それでは、特製スパイスの辛さレベルと痺れの強さに注目しつつ、「めん」「たれ・特製スパイス」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(171g)当たり
熱 量:569kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
広島の汁なし担担麺は加水率の低い細麺が一般的ですが、「阿吽」の「つゆ無し担担麺」は三河屋製麺のモチッとした平打ちの多加水麺を採用しています。それは比較的に柔らかめの茹で加減でサーブされ、タレとの馴染みをよくするために麺の表面を傷をつけている、といった感想もあるのですが、そのイメージからするとカップ麺の麺は質感が大幅に異なります。
今回のカップ麺に採用されているノンフライ麺は、お店の麺よりもサイズが細く、断面図は平打ちではなく均等で、粘り気よりも歯切れの良さを重視しているような質感。歯ごたえのある麺ではあるものの、どちらかというと加水率の低い芯を残しているようなタイプなので、もちもちとした弾力とか、粘り気とか、そういった魅力はありません。
麺の量も汁なしカップ麺での平均(90g)よりも少ない80gですし、お店の麺とは雰囲気が違うものの、単純に基礎クオリティは高いです。最初ちょっとタレを弾き気味な感じだったので、それが気になったりもしたのですが、後述する特製スパイスを全投入した後は硬質なイメージも悪くありませんでした。
たれ・特製スパイス
「特製調味だれ」は豚脂と糖類、芝麻醤(ねりごま)などを基調としているのですが、いずれも存在感は下支え。というのもレトルト調理品の塩気や味付けが重なることを前提に開発されたような、いい意味で受け身の姿勢にあります。そして多めのオイルは辣油っぽい辛そうな見た目ですけど、ぜんぜん辛くありません。
干しエビの風味も意識されていませんでしたが、すでに花椒オイルが仕込んであり、特製スパイスを入れる前から花椒の清涼感が鼻を抜け、軽い麻味(痺れ)も感じたのは好印象。昨年同様もうちょっと芝麻醤に気合がほしかったところではあるものの、とりあえず唐辛子や花椒が苦手な方でも安心してお召し上がりいただけます。
ただ、思いのほか多かった「特製スパイス」は遠慮のカケラもないですね。見た目では唐辛子のほうが多そうに見えますし、実際そこそこ身体はポカポカしてきますけど、唐辛子の辛さだけでいえば辛さレベルは中辛以上〜大辛未満だったので、ふつうに辛口が大丈夫なら過度に構える必要はありません。でも、花椒は気を付けてください。
今回のカップ麺には「辛みが強いので——」とか、「小さなお子様は——」みたいな定番の注意事項はパッケージのどこにも表示されていないのにもかかわらず、痺れに関しては “歯茎にジンジンくる” 勢い。言うなれば「大痺」‥‥いや、コーション無しに悪意という名のサプライズを感じたのでw シビレのレベルは激辛よろしく「激痺(ゲキシビ)」で差し支えありません。
私は花椒も唐辛子も好きなので、これくらいであれば非常識で度が過ぎる麻酔レベルとは思いませんでしたが、だいぶ強烈な痺れの持ち主で、しかしながら上品さを感じたことに「阿吽」のプライドが見えました。にしてもコレぜったい警告文必要な威力ですよw くれぐれも花椒が苦手な方は特製スパイスの投入時に気を付けてください。
具材
レトルト調理品(豚肉そぼろ調理品)は塩気が強く、味付けは和味噌ベースに醤油で香り付けの和風スタイル。ただ、シャープなレトルト調理品にタレの芝麻醤がコクを与え、ぼんやりしていたタレの背筋をレトルト調理品の塩気がピシッと伸ばしてくれる、互いを補完しあっているような関係性にあります。特に全体を大きく混ぜた後は芝麻醤の存在感が増したように感じたので、しっかり混ぜるのがポイント。
肝心の肉はグニッとした食感で、まぁレトルトだから仕方ないか‥‥という内容ではあったものの、さすがレトルト調理品ならではの重量感。残念ながら今回も干しエビは入っていませんでしたが、乾燥具材では出せない重量感は腹持ちに貢献してくれますし、やや小さめにカットされたチンゲン菜の歯触りと風味もアクセントにいいですね。おそらく挽肉が残ると思うので、小ライスで追い飯(残ったタレや具材に白ご飯を投入して〆)もオススメです。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
ファミリーマート限定商品なので税込298円必至のカップ麺になりますが、とにもかくにも強烈な花椒の痺れが印象に残る一杯で、2018年発売品も花椒が強めではあったものの、それより強烈かつ総合力もアップしていました。もうちょっと芝麻醤の風味や特徴的な干し海老も意識してほしかったところではあるものの、花椒に特化した汁なし担担麺が好きなら税込298円でも試してみて損はありません(※あと白ご飯にも合いますよ)。
とりあえず麻辣(マーラー)のバランスでいうと、唐辛子(辣味)の辛さレベルこそ中辛〜辛口程度に過ぎませんが、唐辛子と花椒は「阿吽」の実店舗と同じように1:1のバランスではなく、明らかに花椒の痺れ(麻味)に特化しているような比率なので、くれぐれも辛い食べ物・痺れる食べ物が苦手な方は注意してください。唐辛子や花椒が苦手な方でも特製スパイスの投入量で調節可能ですが、全部入れると花椒の強さはノーアナウンスで激辛・激痺です。